澤藤統一郎の憲法日記

改憲への危機感から毎日書き続けています

経営委員会委員長・森下俊三による経営委員会議事録記録データ廃棄が大きな問題に

(2022年4月27日)
NHK情報開示請求訴訟、本日の103号法廷でのパワポの概略は以下のとおり。

NHK情報開示等請求事件
第3回期日
東京地裁令和3年(ワ)第15257・24143号
原告ら代理人弁護士澤藤大河

原告第3準備書面の概要

1.被告NHKの文書開示義務は未履行
2.被告NHKに対する文書開示請求権の根拠
3.各被告への損害賠償請求の根拠

被告NHKは請求にかかる文書を開示したのか

開示請求文書目録
(1) 2018年4月24日に放送された「クローズアップ現代+」を巡ってNHK経営委員会でなされた議論の内容(上田良一会⾧に対して厳重注意をするに至った議論を含む)がわかる一切の記録・資料
(2) 「NHK情報公開・個人情報保護審議委員会」が提出した答申第797号、第798号、第814号、第815号、第816号を受けて、NHK経営委員会が行った当該議事録等の開示を巡る議論の内容がわかる一切の記録・資料

提訴への経緯(1)

• 本件訴訟は、放送法において法的な義務とされている経営委員会議事録の公表がされず、開示にも応じないことから、なんとか、その内容を開示させようと提起された。
• 放送法41条は経営委員会委員長に議事録を作成し公表する法的義務を課しているが、その公表手続は被告NHKが実行しなければならない。
• しかし、被告NHKは議事録を公表しなかった。

提訴への経緯(2

• 2名の視聴者が情報開示請求
• 被告NHK、8点について開示拒否(2018年10月23日)
• 審議委員会がすべて開示すべきとの答申(2020年5月22日)
• しかし、なお下記3点の文書が不開示とされた
「第1315回経営委員会議事録」(2018年10月9日開催)
「第1316回経営委員会議事録」(2018年10月23日開催)
「第1317回経営委員会議事録」(2018年11月13日開催)

提訴への経緯(3)

• 新たに3名の視聴者が議事録について開示請求
• NHK不開示決定
• 審議委員会は3件について、すべて開示すべきと答申(2021年2月4日)
• しかし、NHKは、この開示請求に対してもなお開示しないまま現在に至っている。

原告の開示請求には議事録が含まれる

原告開示請求対象の第1項
(1) 2018年4月24日に放送された「クローズアップ現代+」を巡ってNHK経営委員会でなされた議論の内容(上田良一会⾧に対して厳重注意をするに至った議論を含む)がわかる一切の記録・資料
経営委員会の正式な議事録があれば、「NHK経営委員会でなされた議論の内容・・・がわかる・・・記録」に該当し、当然、本件訴訟の開示請求の対象となる。

議事録はないのか?

• 被告NHKも被告森下も、正式な議事録は存在しないとしている。
• しかし、議事録作成は放送法41条で被告森下に課された義務
• 議事運営規則(丙2)は、議事録「公表」義務の一部免除は認めても、「作成」義務免除の例外は認めていない。
• 今までの経営委員会については議事録を作成しているのに、本件にかかる会議だけ議事録を作成しない不自然さ。
• 何より、先行する開示請求にかかる手続きでは、議事録が存在することを前提に進んでいる。

審議委員会は何を見たのか?

• 審議委員会答申は、議事録を開示すべきとしている。
• 存在しない書面を開示せよと答申したのか?
• 開示すべきかどうか、審議委員会は現物を見て判断したはずではないか?
• これらの開示請求手続きで、議事録「不存在」の主張は一切なかった
• 今まで、4年間も議事録が存在することを前提に手続きが進んできたのに、いきなり「実はない」と言われても・・・・・

本件訴訟における開示請求の履行はない

• 原告の請求は、「一切の記録・資料」の開示
• 当然、録音・録画も含まれる。
• いわゆる「粗起こし」の正確さをみれば、録音・録画が存在する可能性は極めて高い。
• にもかわらず、NHKは録音・録画を提出していない。「粗起こし」は、電磁的記録を文字におこしたものであることを明示しておらず、「電磁的記録の開示」にはあたらない。

議事録は本当に不存在なのか?

• 今までの手続きで、存在を前提に4年間もやりとりがなされてきた議事録について、突然不存在と主張する。
• しかし、被告NHKは、存在可能性が極めて高い経営委員会の録音録画データを提出していない。誠実でなく信用できない。
• 原告としては、議事録が不存在とはとうてい考えられない
• 議事録不存在については、被告において蓋然性をもって証明されなければならない。
• 議事録の存否を明らかにするための被告森下の尋問が必要である。

被告NHKに対する損害賠償請求の根拠

• 被告NHKは、原告らの情報開示請求について、受信契約に基づく債務を負っている。
• この点、被告NHKは、情報開示制度は契約に基づくものではないとするが、「合意」に基づくものとしている。
• いずれにせよ、少なくとも合意に基づく法的効果としては、契約と同様となる。
• 被告NHKには開示すべき債務がある。
• 原告の請求はこの債務不履行損害賠償請求である。

被告NHKの開示義務履行遅滞

• 被告NHKは、開示請求から47日以内に開示する法的義務を負っていた。
• 具体的には2021年5月24日の経過を持って履行遅滞となった。
• 請求にかかる文書がすべて開示されていたとしても、5月24日から開示までの履行遅滞がある。
• 請求にかかる文書が開示されていないということなら、現在まで履行遅滞が続いている。

被告森下の損害賠償義務

• 被告森下は、被告NHKにおいてなすべき開示の履行を妨害した不法行為を行った。
• 放送法41条違反の公表義務を怠ったことから、一連の活動として履行を妨害している。
• 被告森下が放送法41条に基づき公表していれば、そもそも開示請求にいたらない。
• 被告森下の放送法41条違反行為に始まり、一連の行為として、被告NHKに絶対に本件議事録を開示させないように活動した。

被告森下が何をしたか?

• 被告森下が、被告NHKにどのように働きかけたのかは、原告らにはわからない。
• しかし、被告NHKには、議事録を不開示にする動機がない。審議委員会の答申が出ている以上、これに反対する理由がない。
• 被告森下には、議事録を不開示にする動機がある。自らの放送法32条2項に違反して、放送に介入した行為を隠蔽する必要があるという強烈な動機である。
• また、被告森下には、働きかけることのできる能力もある。経営委員会委員⾧として、NHKの最高幹部の人事権も有している。

被告森下の尋問が必要

• 被告森下が、被告NHKにどんな働きかけをしたのかは、原告らには具体的にはわからない。
• しかし、前述のように、被告森下が働きかけた蓋然性が高い。
• 働きかけをした被告森下、働きかけられた側NHK会⾧を尋問して明らかにする必要がある

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 原告は、本件の提訴後に原告らに公開された「粗起こしの議事録草案」の取り扱いについて被告両名に提案した。
 これは、適式の議事録ではないものと明記された代物である。このままでは、被告NHKの文書開示義務の履行があったと認めることはできない。内容の真実性を確認するすべもない。
 しかし、他の議事録と同様に、適式の手続きを履践してこれに所定の責任者が署名捺印のうえNHKのサイトに掲載するのであれば、議事録と認めよう、というものである。これに対して、被告NHKは異議を述べなかった。「経営委員会委員長である被告森下の意向次第」という姿勢。
 ところが、被告森下は「ノー」なのだ。驚くべき頑なさである。

それなら、原告は徹底して請求を続けるというしかない。「41条に基づいて経営委員会委員長が作成した議事録があるはずだから、これを開示せよ」「これが存在しないと言うのなら重大な任務違背だ」と追求するも、「ない」との回答。

 さらに、本日の法廷では以下のことが問題となった。
 原告が開示を求めているのは、「一切の記録・資料」であって、当然に電磁的記録を含む。音声記録か画像記録か、元データがあるはずだから提出せよ。それと照合することによって、「原告らには公開されたが、国民には公表されていない、《粗起こしの議事録草案》」の正確性を確認することができる。

 これに対する被告森下の回答が驚くべきものである。「消去して、現在存在しない」というのだ。文書の隠匿の次は、廃棄である。とうてい納得できない。これから、この点が大きな問題となる。

 まずは、誰が、いつ、なぜ、どのように、消去したのかを問い質さなければならない。また、復元可能性についても追求しなければならない。そして、被告森下の悪性を明確にし、その任命者である安倍政権の責任も追及しなければならない。

《NHK文書開示請求訴訟》明日・4月27日(水)103号法廷で口頭弁論。パワーポイントでの解説をお楽しみに。

(2022年4月26日)
 NHKと森下俊三経営委員長の両名を被告として、NHKの報道と経営の姿勢を問う《NHK文書開示請求訴訟》。その第3回口頭弁論が、明日・4月27日(水)14時から東京地裁103号法廷で開かれます。
 
 法廷では、原告主張の要約をパワーポイントを使って、原告代理人が説明いたします。ぜひ傍聴をお願いいたします。
 なお、傍聴券の配布は1時20分からとされています。1時20分までに地裁庁舎入り口での抽選に参加すれば、おそらく全員が傍聴可能です。万が一、満席で入廷できなかった方は、参議院議員会館102会議室で、15時30分開会の報告集会にご参加下さい。こちらでは、詳しい資料を配付し、法廷よりも時間をたっぷりとって、パワポの解説を繰り返します。

 この訴訟は、興味津々の進行となっています。これまで意図的に隠蔽されていた問題の経営委員会議事録(「NHK会長を厳重注意した会議の議事録」)が、明日の法廷の進行次第では、NHKのホームページへの公表が実現することになりそうなのです。そうなれば、この提訴の大きな成果です。ぜひ、この法廷の進行にご注目ください。

 放送法第41条は、経営委員会委員長(被告森下俊三)に経営委員会議事録の作成と公表を義務付けています。この「公表」の実行は、NHKがそのインターネットホームページ(NHKの公式サイト)に掲載して、視聴者の誰もが閲覧できるようにすることになっています。NHKは、4月22日提出の準備書面において、経営委員長(被告森下)の指示さえあれば、ホームページへの掲載に何の差し支えもないことを明言しています。

 放送法で義務付けられている経営委員会議事録の公表がなぜ実現しないのか。その責任は、NHK執行部にではなく、もっぱら被告森下俊三の側にあることが明白になりつつあります。放送法32条2項によって禁じられている番組編成に対する露骨な介入の違法を隠蔽しようとしていたことが明らかになっていると言って差し支えないからです。法廷では、この点をパワーポイントを使って、原告代理人が説明いたします。

 「クローズアップ現代+」の「かんぽ生命保険違法勧誘問題」報道に端を発した「会長厳重注意の議事録」隠蔽は、放送法違反の違法行為を重ねた被告森下俊三の責任だけでなく、これを選任した政権の責任問題が浮かび上がっています。

 なお、簡単に、これまでの経緯を確認しておきます。
 本件の原告となった110名は、NHKの報道姿勢を正す市民運動に参加してきた者として、「かんぽ保険違法勧誘問題」報道に対する日本郵政グループ幹部からの介入とこれに呼応した経営委員会の動きにを重大視し、先行する経営委員会議事録開示請求に対するNHKの不開示決定を許せないと考えました。

 そのため、「もしまた、NHKが議事録を不開示とするときには文書開示請求の訴訟を提起する」ことを広言して、「文書開示の求め」の手続に及び、所定の期間内に開示に至らなかったため、昨年6月14日に本件文書開示請求訴訟を提起した。その結果、ようやく7月9日に至って「議事録と思しき文書」(被告NHKはこれを「議事録草案」と呼んでいます)が開示されました。

 おそらくは、これだけで大きな成果です。この「議事録草案」では、森下らが、日本郵政の上級副社長鈴木康雄と意を通じて、「クローズアップ現代+」の《かんぽ生命保険不正販売問題報道》を妨害しようとたくらんだことが浮かび上がっているからです。経営委員会の無法に、NHK執行部と番組作成現場が蹂躙されている構図なのです。結局は安倍政権以来、政権が関わる人事の全てがムチャクチャなのです。

 もっとも、この「議事録草案」は、所定の手続を経て作成されるべき「議事録」ではありません。放送法41条では、「経営委員会委員長は、経営委員会の終了後、遅滞なく、経営委員会の定めるところにより、その議事録を作成し、これを公表しなければならない」とされていますが、そのようにして作成され、公表されなければならない議事録の開示はまだないことになります。

 被告森下が、この「議事録草案」を適式な「議事録」であって、遅ればせながらも文書開示義務は履行済みだというのであれば、その議事録は「公表」されなければなりません。NHKの公式サイトに公表する決断が求められています。今さらこれを躊躇する理由は、天下に違法を知られたくないからという以外は考えられません。いまだに適式の議事録が作成されておらず、公表もされていないとすれば、森下の責任は重大です。

 NHKが暴走することのないよう、放送法は、NHKの最高意思決定機関として経営委員会を置き、その重責を担う経営委員12名を「国民の代表である衆・参両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命する」という制度設計をしました。当然に良識を備えた経営委員の選任を想定してのことなのです。

 ところが、この経営委員の選任が、安倍政権以来ムチャクチャというしかないのです。専権の思惑で送り込まれた、明らかな違法をして恥じない経営委員たちが、今回の事件を起こしているのです。この訴訟は、その問題に切り込んでいます。
 ぜひとも、ご注目ください。

NHK文書開示請求訴訟次回法廷で、パワーポイントを使って興味津々の解説。

(2022年4月21日)
 NHKと森下俊三(NHK経営委員長)の両名を被告として、NHKの姿勢を問う《NHK文書開示請求訴訟》。その第3回口頭弁論期日が、4月27日(水)14時から東京地裁103号法廷で開かれる。

 この訴訟は、興味津々の進行となっている。これまで意図的に公表を避けられていた問題の経営委員会議事録だが、もしかしたら、この法廷の進行次第で、てNHKのホームページへの公表が実現することになるかも知れない。それが実現すれば、大きな提訴の成果である。この法廷にご注目いただきたい。

 それだけでなく、放送法で義務付けられている経営委員会議事録の公表がなぜ実現しないのか。その責任は、NHK執行部にあるのではなく、もっぱら被告森下俊三ら経営委員会側にある。経営委員会が、禁じられている番組編成に対する露骨な介入の違法を隠蔽しようとしていたことが、ほぼ明らかになっていると言ってよい。

 法廷では、この点をパワーポイントを使って、原告代理人が説明する。ぜひ傍聴をお願いしたい。傍聴券の配布は1時20分からとされている。

 「クローズアップ現代+」の「かんぽ保険違法勧誘問題」報道に端を発した「会長厳重注意の議事録」隠蔽は、放送法違反の違法行為を重ねた本件被告森下俊三の責任だけでなく、これを選任した政権の責任問題を浮かび上がらせている。

 なお、報告集会を参議院議員会館102会議室にて15時30分ごろより開催する。こちらにもぜひご参加をお願いしたい。

 簡単に、これまでの経緯を確認しておきたい。

 本件原告らNHKの報道姿勢を正す市民運動に参加してきた者として、「かんぽ保険違法勧誘問題」報道に対する日本郵政グループ幹部からの介入とこれに呼応した経営委員会の動きにを重大視し、先行する経営委員会議事録開示請求に対するNHKの不開示決定を許せないと考えた。

 そのため、「もしまた、NHKが議事録を不開示とするときには文書開示請求の訴訟を提起する」ことを広言して、「文書開示の求め」の手続に及び、所定の期間内に開示に至らなかったため、21年6月14日に本件文書開示請求訴訟を提起した。その結果、ようやく同年7月9日に至って「議事録と思しき文書」(被告NHKはこれを「議事録草案」と呼ぶ)が開示されたのだ。

 おそらくは、これだけで大きな成果である。この「議事録草案」では、森下らが、日本郵政の上級副社長鈴木康雄と意を通じて、「クローズアップ現代+」の《かんぽ生命保険不正販売問題報道》を妨害しようとたくらんだことが明確になったからだ。この局面では明らかに、経営委員会の無法にNHK執行部と番組作成現場が蹂躙されている構図である。結局は安倍政権以来、政権が関わる人事の全てがおかしいのだ。

 もっとも、この「議事録と思しき文書」は、所定の手続を経て作成されるべき「議事録」ではない。放送法41条で、「経営委員会委員長は、経営委員会の終了後、遅滞なく、経営委員会の定めるところにより、その議事録を作成し、これを公表しなければならない」とされている、適式の「議事録」については、いまだに不開示ということになる。真実、放送法の規定に反して、いまだに適式の議事録が作成されておらず、公表もされていないとすれば、森下の責任は重大である。その理由はどこにあるのか。森下主導の経営委員会が、放送法(32条)に違反して、番組(「クローズアップ現代+」)制作に介入していることが明らかになることを恐れたからである。

 責任は、経営委員会、なかんづく委員長・森下俊三にある。無法・横暴な経営委員会とその委員長によって、NHK執行部と番組制作現場の報道の自由が蹂躙されている構図である。NHKは、乙1号証として「放送法逐条解説・29条部分」を提出して、文中の「経営委員会は、協会(NHK)の最高意思決定機関として設置したものである」という記述にマーカーを付けている。「NHK執行部が、経営委員会にもの申すなどできようもない」という内心の溜息が聞こえる。

 NHKが暴走することのないよう、放送法は、NHKの最高意思決定機関として経営委員会を置き、その重責を担う経営委員12名を「国民の代表である衆・参両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命する」という制度設計をした。当然に良識を備えた経営委員の選任を想定してのことである。ところが、この経営委員会が、とりわけその委員長が、政権の思惑で送り込まれ、明らかな違法をして恥じない。この事態に、内閣と国会とはどう責任をとろうというのだ。

 この訴訟は、その問題に切り込んでいる。ご注目いただきたい。

あらためて問う、NHK経営委員長森下俊三の違法行為と安倍晋三の任命責任。

(2022年3月30日・明日で連続更新満9年)
 NHKの予算決算は国会の承認事項となっている。衆参両院の本会議に諮られる前に、各院の総務委員会で質疑が行われる。今年は、3月24日に衆院の、昨日3月29日に参議院の各総務委員会でNHK予算についての質疑が行われた。この質疑において、衆院では宮本岳志、参院では伊藤岳の、共産党の両議員が、経営委員会の議事録開示問題に関して、鋭く的確な質問を行った。

 参院総務委員会での伊藤岳議員の反対討論を紹介しておきたい。

 「日本共産党はNHKのかんぽ生命不正販売に関するクローズアップ現代プラスの報道をめぐって、NHKが日本郵政グループからの圧力に屈して、第二弾の放送を取り止め、さらに経営委員会が会長を厳重注意したことは、放送番組は何人からも干渉されないとする放送法第3条、および第32条第2項に違反する行為であると指摘してきました。しかも経営委員会は、放送法第41条に反して、会長を厳重注意した議事録の公開にも背を向けてきました。こうしたもと、わが党は2020年度、21年度のNHK予算の承認に反対しました。昨年7月、経営員会は『議事起こし』を情報公開請求者などに対して開示しました。そこには、日本郵政からの圧力に屈する経営委員会の対応が生々しく記されていました。しかし、未だに全文を議事録として作成・公表しておりません。放送の自主自律を遵守せず、視聴者・国民への説明責任も放棄したNHKの対応に、国民の信頼は揺らいだままです。こうしたもとで、執行部が編成し、経営委員会が議決をした予算を承認することは出来ません」

 まことにこのとおりである。念のために、細かいことだが、用語の説明をしておきたい。NHKはその内規で、独自の情報公開制度を設けている。「情報公開」の態様を、「情報の開示」と「情報の提供」に分け、前者を開示請求者に対する「文書開示」とし、後者はホームページに掲載など全ての視聴者に閲覧可能とする。経営委員会議事録については、内規ではなく法律(放送法41条)が、遅滞なく作成して「公表」するよう命じている。公表はホームページに掲載して行われる。なお、『議事起こし』とは、経営委員会の議事の速記録と思われるが、文書開示請求者には開示されたが、NHKのホームページに掲載する方法での「公表」はなされていない。

 言うまでもなく、健全なジャーナリズムは健全な民主主義の基盤である。ジャーナリズムが権力の膝下におかれた状況では、平和も国際協調も人権も自由も平等も全てが危うくなる。

 歴史的経緯があって、日本のジャーナリズムの中心にはNHKが位置すると言って過言でない。おそらく今もなお、NHKは日本で最も影響力の大きなメディアである。その報道姿勢の如何は、日本の民主主義のあり方に死活的な影響を及ぼす。

 NHK執行部を監督する立場にあって、会長の任免権を持つNHKの最高機関が経営委員会である。内閣総理大臣の任命によるが、安倍晋三国政私物化内閣が成立して以来、この経営委員会の人選がメチャクチャである。ジャーナリズムのなんたるかを理解し、その理念を貫徹しようという委員の存在はまったく見えない。とりわけ、委員長森下俊三の不適切性は際立っている。

 今、100名余の原告がNHK情報公開訴訟に取り組んでおり、私も弁護団の一員である。原告らは、いずれも、これまでNHKに対する監視と批判の市民運動に携わってきた者。NHKが権力から独立していないことに危機感をもちつつも、NHKに真っ当なジャーナリズムの精神を期待して、一面批判し、一面激励してきたという立場である。

 その訴訟における最重要の請求は、「2018年10月23日経営委員会議事録の開示」である。この会議で、経営委員会は上田良一NHK会長(当時)を呼びつけて厳重注意を言い渡している。明らかにNHKの良心的看板番組「クローズアップ現代+」が、日本郵政グループによる「かんぽ生命保険の不正販売問題」に切り込んだ報道をしたことに対する牽制であり、続編の制作妨害を意図した恫喝である。

 これは、明々白々な経営委員会による番組制作への介入であって、放送法32条に違反する違法行為である。内閣総理大臣が任命した12人の経営委員が、このようなあからさまな違法行為を行っているのだ。

 我が国の民主主義のあり方に重大な影響力をもつ公共放送の最高機関である経営委員会がどのように運営されているか。また、その識見を見込まれて内閣総理大臣が任命した各経営委員が、それぞれの問題について、どのような発言をしているか。その言動に関して、視聴者に対する徹底した透明性が確保されなければならない。その「透明性」「説明責任」の確保があって始めて、視聴者の経営委員会批判やNHKのあり方への批判が可能となり、その自由で闊達な批判の言論こそが公共放送のあり方を健全なものとし、日本の民主主義の発展に資するべきことが想定されている。

 ところが、日本郵政グループの上級副社長・鈴木康雄と意を通じて、違法な「会長厳重注意」をリードした中心人物が、当時経営委員会委員長代行だった森下俊三である。こんな違法をやっているのだから、法が公表を明示しているにもかかわらず、議事録は出せない、出したくもない。2年にもわたって非公開とされ、文書開示請求も拒絶してきた。

 もとより、情報公開とは、行政に不都合な情報の開示を強制する制度である。行政の透明性を高め、歪んだ密室行政を是正するために不可欠な制度である。行政文書の開示請求への拒絶が問題となるのは、文書の公開を不都合とする行政当局者の姿勢の故である。公開を不都合とする行政の実態があり、これを隠蔽しなければならないとする行政側の意図が働いているからである。国民の目の届かないところで、国民に知られては困る行政が進められていることが根本の問題としてある。

 この点に関しては、NHKが自ら定めた情報公開制度においても、その理念も事情も異にするところはない。本件のごとき「経営委員会が隠したい議事録」こそが、正確に、且つ速やかに作成され、公表されなければならないのだ。

 『議事起こし』が、法41条の要求する文書であるなら、遅滞なく、誰もが閲覧できるように、ホームページに掲載する方法で、「公表」しなければならない。そうすれば、誰にも、外部勢力と通じてNHKの良心的な番組の制作に圧力を掛けた森下俊三の違法行為がよく分かるだろう。森下と、森下を任命した安倍晋三内閣の責任が厳しく問われなくてはならない。我が国の民主主義を救うために。

「NHK情報公開請求訴訟」次回期日は、法廷でパワーポイントを使ったプレゼン。

(2022年3月4日)
 この事件については、本年1月19日前回口頭弁論期日までの進行を、同日付の当ブログで報告した。
 http://article9.jp/wordpress/?p=18387

 前回のブログでも言及したとおり、この訴訟、たいへんに興味深い展開になっている。この事件の被告は、法人としてのNHK(日本放送協会)と、個人としての森下俊三(経営委員会委員長)の二人。この被告両名の応訴姿勢が明らかに齟齬をきたしているのだ。森下側は、自分の行為に違法はないとムキになっている体なのだが、NHKの姿勢は頗る微妙、決して森下に同調していない。「NHKが、経営委員会に意見を言う権限はない」としながらも、むしろ言外に「森下には困ったものだ」と言わんばかりの主張。真っ当ならざる森下と、真っ当に見えるNHKの主張が対照的なのだ。

 本件における最重要の請求は、「2018年10月23日経営委員会議事録の開示」である。この会議で、経営委員会は上田良一NHK会長を呼びつけて厳重注意を言い渡している。明らかにNHKの良心的看板番組「クローズアップ現代+」が、日本郵政グループによる「かんぽ生命保険の不正販売問題」に切り込んだ報道をしたことに対する牽制であり、続編の制作妨害を意図した恫喝である。

 これは、経営委員会による番組制作への介入であって、放送法32条に違反する違法な行為である。国会の同意を得て内閣総理大臣が任命した12人の経営委員が、このような明白な違法行為を行っているのだ。

 日本郵政グループの上級副社長・鈴木康雄と意を通じて、この違法な「会長厳重注意」をリードした中心人物が、当時経営委員会委員長代行だった森下俊三である。こんな違法をやっているのだから、議事録は出せない。しばらく非公開の秘密扱いとされていた。

 この問題議事録の開示を求めて、本件訴訟提起前に5度に渡る「文書開示の求め」があったが、ことごとく斥けられた。そこで、本件原告らは、「もしまた不開示とするときには文書開示請求の訴訟を提起する」ことを広言して、NHKに対して、通算6度目となる「文書開示の求め」の手続に及んだ。そして、所定の期間内に開示に至らなかったため、21年6月14日に本件文書開示請求訴訟を提起した。その結果、ようやく同年7月9日に至って「議事録と思しき文書」が開示されたのだ。

 これだけで大きな成果と言ってよい。この「議事録」では、森下らが、日本郵政の上級副社長鈴木康雄(元総務事務次官)と意を通じて、「クローズアップ現代+」の《かんぽ生命保険不正販売問題報道》を妨害しようとたくらんだことが、動かぬ証拠として明確になったからだ。この局面では明らかに、経営委員会の無法にNHK執行部と番組制作現場が蹂躙されている構図である。結局は腐敗した安倍晋三長期政権が関わる人事の全てがおかしかったのだ。

 もっとも、この「議事録と思しき文書」は、所定の手続を経て作成されるべき「議事録」ではないという。NHKが「議事録草案」と呼ぶものである。放送法41条で、「経営委員会委員長は、経営委員会の終了後、遅滞なく、経営委員会の定めるところにより、その議事録を作成し、これを公表しなければならない」とされている、適式の「議事録」については、いまだに不開示ということになる。

 何よりも重要なのは、この「議事録草案」は、NHKのホームページ上に公表されていないことである。41条が要求する議事録は公表されなければならない。公表されない議事録は、開示請求に応じた文書とは言えない。

 そこで、前回期日の準備書面で、原告は被告森下に対して「今後速やかに、本件経営委員会議事録を適式に作成の上、NHKのホームページ上に公表すべき予定ないしは意向があるか」と質問して回答を求めた。

 ところが、被告森下は、端的にこの質問に回答しない。
 議事運営規則上、「議事録の公表については、規則によって、経営委員会で決定することになっている」「そのため議事録の公表は、経営委員長だけの判断ではできない」。そのため、「非公表を判断する権限は、経営委員会委員長ではなく経営委員会が有している」という、難解な理由が掲記されている。一見すると、被告森下自身は公表を望んでいるのに、経営委員会が委員長の意向に抵抗して非公表に固執しているというがごとくであるが、そんなことはあり得ない。

 そこで、原告は、再度被告森下に、「被告森下自身の意向を尋ねたい」「『草案』をそのままでもよし、あるいは今後速やかに正式なものとして作成の上でもよし、問題の議事録をNHKホームページ上に公表すべき予定ないしは意向があるか」と書面で再質問した。また被告NHKに対しては、「森下が議事録を公表するとした場合、これにしたがうか」と尋ねてもいる。

 この進行段階で、昨日(3月3日)主張を整理するための進行協議期日(オンライン)となった。
 この進行協議では、裁判長が原告に代わって積極的に両被告代理人に質問した。
 まず、NHKに対する問題議事録の公表についての態度を問い、これに対してNHKは「経営委員長の指示に従うだけである」との回答だった。

 さらに、裁判長と森下側代理人との間で、概ね以下の質問と回答があった。
 裁判長「森下さんとしては公表するのか?」
 森下側「経営委員会が判断するので、なんとも言えない」

 「大変パワフルな方と聞いているが、森下さんご自身の意向は?」
 「経営委員会の判断事項であり、意見はない」

 「公表の検討をしているのか?」
 「以前非公表の決定をしており、開示等、事後的事情で、これを覆せるかどうか検討することになる」

 「検討しているということか?」
 「覆す検討をするかどうかも含めて検討する」

 「結局、公表しないということでもなく、公表するでもなく、わからないということか?」
 「何も言えない」

 結局、次回期日までには、森下において、経営委員会としての進捗を報告するとのことになった。
 なお、予定のとおり、原告は損害賠償請求の根拠の根幹となる違法性に関する主張の書面を3月30日までに提出する。

 次回口頭弁論期日は、4月27日(水)午後2時、103号で開廷。
 この期日には、原告の主張を10分間パワーポイントを使ったプレゼンの予定。

NHKの「字幕捏造」は、「五輪翼賛番組」作成姿勢の故なのだ。

(2022年2月3日)
 NHK・OBの皆川学さんから、下記のご意見を添付したメールをを頂戴した。皆川さんとは、NHKに対する要請や抗議の行動を重ねるなかで知り合った。お話しを聞けば現職の時代はNHKのエライさんだったのだが、そのような素振りは見せない。

 いま、市民運動の一端をになって、「真っ当なNHKたれ」と古巣NHKに対する厳しい批判を絶やさない。真っ当でないことが多すぎるのだ。叱責が続くことはやむを得ない。そして最近もう一つ、叱責せざるを得ないことが重なった。あの河瀨直美が絡んだ、オリンピック反対デモに対する侮蔑字幕問題である。

 これはいったいどんな問題なのだろうと思っていたところに、皆川さんが「正解」を提示してくれたというスッキリ感がある。なるほど、この「字幕捏造問題」と呼ぶべき事態には、こんな理由があったのだ。

「表現の自由を市民の手に 全国ネットワーク」ニュースレター第8号

NHKはなぜ字幕を捏造したのか 

                 皆川学(表現ネット共同代表 NHK・OB)

 「デモ参加者には、日当が出ている」といった情報は、古くは60年安保の頃から、近くは沖縄基地反対運動に対する「ニュース女子」番組まで繰り返し流布されている典型的なデマである。これをまともに取り上げるメディアなどあろうはずがない。ところが昨年12月26日に放送されたNHK「BSスペシャル 河瀨直美が見つめた東京五輪」では、顔にモザイクをかけられた匿名の男性が「実はお金をもらって動員されている」との字幕テロップ付きで紹介されていた。
 不審に思った多くの視聴者からの問い合わせで、NHKが内部調査をしたところ、男性の証言は確認されたものではないことが判明し、NHKは謝罪放送を行った。 NHKは「担当者の取材不足が原因で、捏造の意図はない」と弁明しているが、本当にそうだろうか。担当ディレクターが経験不足であったとしても、局内で幾重にも繰り返される試写の段階で、チェックを担当する上部管理職がこの低劣な定番デマ情報をそのまま見逃したとは考え難い。事件は局内手続きにあったのではなく、もっと深いところから発したと思われる。
 この番組には、そのほかに看過できない問題シーンがある。コロナ渦での児童の五輪観戦動員などに反対して、教育関係者で構成される「都教委包囲・首都圏ネット」が昨年5月にJOC前で反対行動を行った場面が紹介された。そこでは河瀨直美氏が柱の陰で恐る恐るのぞき見しているシーンがあり、その直後に河瀬氏の「五輪は私たちが招致したもの」「オリンピックに関わっている人がそこで一生懸命にやっている。その人に寄り添うことは人間として当たり前」というコメントが入っている。まるで「オリンピック反対は人間のすることではない」との印象を与えるような構成である(首都圏包囲ネットは、この件で1月18日にNHKへの抗議を行い、その模様は包囲ネットとレイバーネットのHPで視聴可能)。
 当該番組はいわゆる「メイキング物」で、表現活動やイベントの完成される過程を追うスタイルをとるが、取材対象者から特段に許された条件で撮影するため、対象者との距離を取ることが難しく、往々にして「ヨイショ」番組に堕すことがある。コロナ禍での五輪開催には、国民の6~8割の人々が反対していた。そのなかで「関わっている人々に寄り添」っている河瀬氏の活動を称賛するためには、一方で反対している入る人々を否定的に描くシーンがあったほうが効果的だ。そのような構成上の必要から、上記の二つのシーンが番組に埋め込まれたものと推測する。取材対象者との距離が取られていない。
 本ニュースレター前号で田島泰彦氏も指摘していたように、大手メディアがオフィシャルパートナーとして五輪開催に構造的に組み込まれて五輪翼賛報道に終始し、NHKも五輪開催の是非をめぐる「NHKスペシャル」の放送延期、長野県で行われたトーチリレー(「聖火リレー」とはいわない)での沿道からの五輪反対の音声の30秒カットなど、五輪反対の声が電波に載らないよう腐心していた。
 謝罪放送後の記者会見でも、正籬副会長は「不確かな内容の字幕を出していたことは間違いない」が、「全くそうした事実がなかったのかということについてははっきりしない」と、金で動員されていた可能性はまだありうると、担当ディレクターをかばっている。現場ディレクターからNHKトップまで、「金をもらってのデモ神話」を信じているおぞましさ。組織を挙げた確信犯的番組だったのではないだろうか。少なくとも、オリ・パラを推進・翼賛する組織方針の延長上にこの事件は起きた。「五輪翼賛番組」の「五輪」が、「戦争」という言葉に置き換えられた時のことを思うと慄然とする。

 私(澤藤)も、「都教委包囲・首都圏ネット」のデモには何度か参加したことがある。一見して、「実はお金をもらって動員されている」デモではあり得ない。「そこでは河瀨直美氏が柱の陰で恐る恐るのぞき見しているシーンがあり、その直後に河瀬氏の『五輪は私たちが招致したもの』『オリンピックに関わっている人がそこで一生懸命にやっている。その人に寄り添うことは人間として当たり前』というコメントは噴飯物である。これが、オリンピックという化け物の正体であり、この化け物に取り込まれたのが河瀬でありNHKなのだ。その最後をリフレインしておきたい。NHKよ、襟を正して聞け。

 現場ディレクターからNHKトップまで、「金をもらってのデモ神話」を信じているおぞましさ。組織を挙げた確信犯的番組だったのではないだろうか。少なくとも、オリ・パラを推進・翼賛する組織方針の延長上にこの事件は起きた。「五輪翼賛番組」の「五輪」が、「戦争」という言葉に置き換えられた時のことを思うと慄然とする。

こんな不真面目な政党に、今年も2億を超える政党交付金

(2022年1月21日)
 昨日(1月20日)、「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」という、ふざけた党名の政党が、党名を変更して「NHK受信料を支払わない国民を守る党」となった。この政党、発足当時は「NHK受信料不払い党」であったが、「NHK受信料を支払わない方法を教える党」や「嵐の党」などと党名変更を繰り返してきた。今回6度目の党名変更という。通称は「N党」あるいは「N国」だが、自らは略称を「NHK党」に統一してくれと言っている。さぞや、NHKには迷惑な話。

 党首が立花孝志(元参議院議員)、副党首が丸山穂高(元衆院議員議員・維新所属)というから、どのみち碌なものではない。なお、丸山のホームページを覗いて少しだけ驚いた。その略歴欄に「副党首などを歴任」との記載はあるが、どこの党とは書いていない。N党の副党首とは書きたくないのだ。副党首ですら、所属党名を名乗るのは恥ずかしいと見える。そんな程度の政党でしかない。

 私も、NHKを相手とする訴訟に関与してはいるが、けっしてNHKをぶっ潰すべきだとは思っていない。立花のような乱暴な遣り口にも眉をひそめざるを得ない。こんな政党の同類と思われるのは、甚だ心外である。NHKには、ジャーナリズムの本道に立っていただきたい。さらには公共放送にふさわしい「公正で豊かな」番組の放映と、それを可能とする運営を望む立場。

 そのN党の党首・立花孝志が、昨日東京地裁において威力業務妨害などの罪名で有罪判決を受けた。量刑は、懲役2年6か月、執行猶予4年である。相当の厳刑と言わねばならない。

 認定事実は次のようなものと報じられている。相当にタチが悪い。
(1) 2019年にN国党(当時)を離党した二瓶文徳中央区議に「こいつの人生潰しにいきますから」とユーチューブ上で発言した脅迫
(2) NHK集金人の持つ情報端末にある契約者情報を不正に取得してインターネット上に拡散させると脅し、NHKの業務を妨害したという不正競争防止法違反と威力業務妨害

 この事件の論告で、検察は「立花が、不正に取得した情報は50件に上り、結果は重大だ」として、懲役2年6月、罰金30万円を求刑していた。弁護側は最終弁論で「正当な政治活動だった」と無罪を主張したが、結果は厳刑と言ってよいだろう。

 判決のあとの会見で立花は「政治思想で行った犯罪なので一切反省していない。」「執行猶予の理由を裁判所に明確に説明してもらいたいので控訴する」「執行猶予が付けばなにも変わらない。党首を辞めるどころか、懲罰もない」「裁判官はある意味、これからも(NHKと)戦ってくれと言っているのかな」「僕自身は有罪になる可能性は承知のうえでやっている」「刑事罰を受けるんじゃないかなと想定しながら動いている」などと放言している。

 政党名が不真面目であるだけでなく、その活動も、乱暴で不真面目きわまるのだ。
 ところが、そんな不真面目政党も、政党助成法にもとづく政党交付金を受給している。

政党助成法による政党交付金の受給要件は、
①国会議員5人以上
②国会議員1人以上で、直近の衆院選か参院選、またはその前の参院選で選挙区か比例区での得票率が2%以上――のどちらかを満たすこと。

N党は2019年参院選挙で②の要件を満たし、以後次の金額の交付を受けている。

 19年    6983万円
 20年 1億6751万円
 21年 1億7053万円
 そして、今年も2億1100万円の受給が予定されている。もちろん、税金を財源としてのもの。

 何とも腹立たしく不愉快な事態だが、こんな不真面目政党に投票する有権者が存在するのだから如何ともしがたい。もっとも、N党は現在参議院議員1名だけである。そして、昨年の衆院選得票率は1.4%であった。

 今夏の参院選、課題の一つがこのN党の議席をゼロとすることができるか。有権者の真面目さが問われている。

NHK経営委員会委員長・森下俊三の放送法違反が明確になっている。この責任の放置は内閣と国会の責任だ。

(2022年1月19日)
 本日午後、東京地裁103号法廷で「NHK文書開示等請求」訴訟の第2回口頭弁論期日。原告(受信契約者)ら代理人の佐藤真理弁護士が弁論を担当した。

 この訴訟、たいへんに興味深い展開になっている。この事件の被告は、法人としてのNHK(日本放送協会)と、個人としての森下俊三(経営委員会委員長)の二人。この被告両名の応訴姿勢が明らかに異なっている。森下は、自分の行為に違法はないとムキになっているのだが、NHKの姿勢は頗る微妙、決して森下に同調していない。むしろ、言外に「森下には困ったものだ」と言わんばかりの主張。真っ当ならざる森下と、真っ当に見えるNHKの主張が対照的である。

 原告はNHKに対してかなり広範な文書開示を請求しているが、そのメインとなるものは、「上田NHK会長に厳重注意を言い渡した2018年10月23日開催の経営委員会議事録」である。この議事録の開示を求めて本件訴訟提起前に5度に渡る「文書開示の求め」があったが、ことごとく斥けられた。

 そこで、本件原告らは、「もしまた、不開示とするときには文書開示請求の訴訟を提起する」ことを広言して、「文書開示の求め」の手続に及び、所定の期間内に開示に至らなかったため、21年6月14日に本件文書開示請求訴訟を提起した。その結果、ようやく同年7月9日に至って「議事録と思しき文書」が開示されたのだ。

 おそらくは、これだけで大きな成果と言ってよい。この「議事録」では、森下らが、日本郵政の上級副社長鈴木康雄と意を通じて、「クローズアップ現代+」の《かんぽ生命保険不正販売問題報道》を妨害しようとたくらんだことが明確になったからだ。この局面では明らかに、経営委員会の無法にNHK執行部と番組作成現場が蹂躙されている構図である。結局は安倍政権以来、政権が関わる人事の全てがおかしいのだ。

 もっとも、この「議事録と思しき文書」は、所定の手続を経て作成されるべき「議事録」ではない。NHKが「議事録草案」と呼ぶものである。放送法41条で、「経営委員会委員長は、経営委員会の終了後、遅滞なく、経営委員会の定めるところにより、その議事録を作成し、これを公表しなければならない」とされている、適式の「議事録」については、いまだに不開示ということになる。真実、放送法の規定に反して、いまだに適式の議事録が作成されておらず、公表もされていないとすれば、森下の責任は重大である。その理由はどこにあるのか。森下主導の経営委員会が、放送法(32条)に違反して、番組(「クローズアップ現代+」)制作に介入していることが明らかになることを恐れたからである。

 責任は、経営委員会、なかんづく委員長・森下俊三にある。無法・横暴な経営委員会とその委員長によって、NHK執行部と番組制作現場の報道の自由が蹂躙されている構図である。NHKは、一昨日乙1号証として「放送法逐条解説・29条部分」を提出して、文中の「経営委員会は、協会(NHK)の最高意思決定機関として設置したものである」という記述にマーカーを付けている。NHK執行部が、経営委員会にもの申すなどできようもない、という内心の溜息が聞こえる。

 NHKが暴走することのないよう、放送法は、NHKの最高意思決定機関として経営委員会を置き、その重責を担う経営委員12名を「国民の代表である衆・参両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命する」という制度設計をした。当然に良識を備えた経営委員の選任を想定してのことである。ところが、この経営委員会が、とりわけその委員長が、政権の思惑で送り込まれ、明らかな違法をして恥じない。この事態に、内閣と国会とはどう責任をとろうというのだ。

 本日陳述の原告第1準備書面の末尾は、以下の「被告森下に対する求釈明」である。

1 被告森下は、準備書面(1)(16ページ) において、「1315回の経営委員会において本件ガバナンス問題を審議するに先立ち、…その議事経過および資料を非公表とすることを協議して確認した」と主張している。しかし、同委員会議事内容の「粗起こし」と説明されている丙14には、そのような記載はまったくない。
  録音を止めて協議し確認に至ったのか。後刻、この部分の録音を消去したのか。あるいは、他になにか事情があるのか。「丙14に非公表とすることを協議して確認した」形跡のないことの理由を明らかにされたい。
  また、誰からどのような提案があって、どのような意見交換を経て、そのような確認に至ったのかを明らかにされたい。
2 被告森下も、適式な経営委員会議事録については、NHKのホームページ上 に公表すべきことを認めている。(準備書面(1) 12ページ)
  今後速やかに、第1315~1317回の本件各経営委員会議事録を適式に作成の上、NHKのホームページ上に公表すべき予定ないしは意向があるか。

その回答を待ちたい。

なお、ここまでの訴訟進行の経過は下記のとおりである。

対NHK文書開示請求訴訟進行経過

               

✦2021年6月14日 第1次提訴 (原告104名・被告2名)
 ☆被告NHKに対する文書開示請求
開示対象は2グループの文書
  その主たるものは、下記経営委員会議事録。
  「第1315回経営委員会議事録」(2018年10月 9日開催)
  「第1316回経営委員会議事録」(2018年10月23日開催)上田会長厳重注意
  「第1317回経営委員会議事録」(2018年11月13日開催)
 ☆被告両名に対する各損害賠償請求(慰謝料・弁護士費用、各1万円)
✧同年   7月9日 NHK「3会議の議事録草案」原告らに開示
(✦同年  9月16日 第2次提訴 (原告10名・被告2名)1次訴訟に併合)

✧同年  9月15日 被告NHK答弁書(現時点では対象文書は開示済み)
✧同年  9月21日 被告森下 答弁書
✦同年  9月23日 原告 被告NHKに対する求釈明
✦同年  9月24日 原告 甲1の1~4 NHK開示文書提出
◎同年  9月28日 第1回口頭弁論期日
(西川さん・長井さん・醍醐さんの原告3名と代理人1名の意見陳述)
✧同年 12月 3日 被告NHK準備書面(1)「現時点で、所定の議事録作成手続は完了しておらず、放送法41条の定める議事録とはなっていない」
✧同年 12月 3日 被告森下 準備書面(1)「本件各文書はいずれも開示済」と言いながら、「粗起しのもので、適式の議事録でない」ことを自認している。
✧同日        被告森下丙1~32号証 提出
✦2022年1月12日 原告第1書面(被告森下の求釈明に対する回答)提出
✧同年   1月17日 被告NHK 乙1(放送法逐条解説・29条部分)提出
◎同年   1月19日(本日)第2回口頭弁論期日

本日の法廷で陳述の原告第1準備書面の概要は以下のとおり。
 ✦被告森下の原告に対する不法行為成立要件についての下記求釈明事項3点に対する回答をメインとするもの
 ✦(1) 違法行為の特定
   経営委員として及び経営委員会委員長としての議事録作成・公表すべき義務を定めた放送法41条違反(その動機として32条違反)に連なる一連の行為が、行政法規違反というだけでなく民事的な違法ともなっている。
 ✦(2) 被侵害権利は、受信契約に基づく各原告の情報開示請求権であるが、これは国民の「知る権利」を具体化した民事的請求権である。
 ✦(3) 慰謝料請求額を1万円とした根拠は、請求金額の常識的な最低額としての金額設定である。
 
今後の日程は、
2月末日までに被告森下が求釈明に回答の準備書面を提出、
その内容を踏まえて、原告からの本格書面を提出。
次回第3回口頭弁論期日は、4月27日(水)午後2時開廷。
その頃には第6波収束を願うばかり。

NHKは文書を西暦表示に切り替えていた。

(2021年10月9日)
 NHKを被告とする情報公開請求訴訟に関連して、「NHK情報公開・個人情報保護センター」との文書のやり取りが頻繁である。私どもの窓口は醍醐聰さんで、同センターから醍醐さん宛の文書が入ってくるが、この日付が元号を使わず、すべて西暦表示であることを興味深く眺めていた。

 迂闊にも気付かなかったが、この西暦表示は、情報公開センターだけではない。NHKの内部文書は、すべて西暦表示に切り替わっているようである。少なくも、経営委員会関係の文書も、理事会の文書も、すべて西暦表示に統一されている。

 情報公開請求で開示された文書の一つに、「監査委員会監査実施要綱」という細則がある。その改正の経過が、「平成28年7月26日」の次が、「2020年1月1日」なのだ。この間のどこかで、元号表示から西暦表示への切り替えが行われている。

 この切り替えはいつだったのだろうか。推理すれば、最もあり得るところは元号の替わり目を避けるタイミングではないかということ。元号の替わり目は2019年における、「平成31年4月⇒令和1年5月」という中途半端な時期。だとすると、同年の3月末日で平成という元号の使用をやめて、新年度の始まる4月から西暦表示にしたのではないか。つまり、「平成30年度の末日である平成31年3月末日」までを元号表示とし、その翌日つまり、「2019年度の最初の日である2019年4月1日」から西暦表示を始めたのだろう。

 こう見当を付けて調べて見たら、ドンピシャリだった。NHKの最高意思決定機関である経営委員会も、これに附随する監査委員会も、NHKの理事会も、すべての文書議事録は、2019年4月1日以降は西暦表示に統一されている。このことは、あまり話題になっていないが、注目すべき出来事だと思う。

 つまり、NHKは少なくとも内部の事務文書では、平成から令和という元号に切り替える煩わしさを避けて、令和は使わないことにしたのだ。

 この切り替えの時期の経営委員会議事録も、理事会議録も、西暦表示への切り替えについて語るところはない。ひっそりと切り替えたという印象。おそらく、この変更は周到に練られ準備されてのことだろう。この決断はNHKのビジネスの効率化に役だったものと思われる。

 もっとも、NHKは放送ではいまだに元号を使っている様子なのだが、追々と西暦表示に変わって行くことになるだろう。

 ところで、情報公開文書の中に、西暦表示に関して次のような興味深い文書がある。

「   確  認  書
 2020年4月1日から2021年3月31日までの、日本放送協会の経営委員会委員としての職務執行について、「経営委員会委員の服務に関する準則」に定められた内容を理解し、それに基づき行動したことを報告します。
 第6粂(機密保持)については、経営委員会委員の職を退いた後もこれに基づき行動します。」

 定型文書の書式が西暦表示であり、これに森下俊三以下の経営委員が年月日を記入して、署名している。経営委員は12名だが、開示されたものは期をまたがって入れ替わった委員を含む14名。森下俊三以下13名が素直に、署名の日を西暦表示にしていることが、印象的。

 中で、「令和3年4月6日」と元号表記にこだわっている人がたった一人、おそらくは、その思想の発露と思われる、長谷川三千子委員である。

NHKは視聴者に対する説明責任の全うを ー 「NHK情報公開請求訴訟」第1回期日報告

(2021年9月28日)
 NHKを、真に独立したジャーナリズムに育てようという壮大な市民運動。その一環としてのNHK情報公開請求訴訟。本日、東京地裁103号法廷で、その第1回期日が開かれた。

 コロナ禍のさなか、おそらく傍聴希望者は少数に留まるという予想ははずれた。傍聴券は抽選となった。漏れた方にはお詫びするしかない。午後1時からの議員会館での報告集会も盛会だった。

 法廷では、予定の通り、下記の原告と原告代理人(計4名)の口頭意見陳述が行われた。
(1) 西川幸さん(視聴者の立場から)
(2) 長井暁さん(副原告団長・元NHKチーフプロデューサー)
(3) 醍醐聰さん(原告団長・東大名誉教授)
(4) 澤藤大河弁護士(原告ら訴訟代理人)

 代理人意見陳述要旨を掲載して、報告としたい。

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原告ら代理人意見陳述要旨

原告ら代理人弁護士澤藤大河

 先に 3 名の原告がお話しした通り、この訴訟の目的はNHKに正しく情報公開制度を運用させ、それを確立することにあります。

 組織は往々にして、腐敗します。腐敗した自らの組織とその幹部を守るために、あらゆる手段を使い、その責任の所在を隠そうとします。
 このような腐敗を許さず、民主的な運営をさせる要諦は、運営の透明化にあります。その透明化の切り札が情報公開です。民主的であることを標榜する組織は、積極的に内部情報を公開するとともに、要求あれば特定された文書の開示請求に応じなければなりません。説明責任遂行に伴う情報公開の全うこそが、あらゆる組織の民主的運営の土台というべきです。

 今、情報公開請求裁判は数多く起こされています。その訴訟の形式は、多くは行政機関・あるいは独立行政法人を対象とした行政訴訟です。
 「行政機関情報公開法」、あるいは「独立行政法人等情報公開法」に基づいて文書開示を請求し、不開示決定を得た場合に、その「不開示という行政処分」の取り消しを求める訴訟なのです。
 しかし、NHKには、どちらの法律の適用もありません。「独立行政法人等情報公開法」は、192にも上る独立行政法人あるいは特殊法人を対象としていますが、NHKは意識的に適用外とされています。

 これは、決してNHKについて情報公開する必要がないからではありません。NHK自らが組織した「NHK情報公開研究会」は 2000 年 11 月に、「NHKの情報公開のあり方に関する提言」を発表しています。NHKの情報公開制度を基礎づけた重要な文書です。
 ここには、以下のような格調高い文章で、NHKが社会的に大きな意義を持った存在であるべき事が高らかに唱われています。
 「放送や新聞などのマスメディアは、いわゆる社会の公器として公的な役割を担っており、とりわけNHKには、国民共有の財産である電波を利用し、視聴者が直接負担する受信料によって運営される公共放送であることから、より高い公共性とそれに伴う説明責務(アカウンタビリティ)が求められる。」「NHKの持つ説明責務は、政府や行政機関のそれとは異なり、NHK自身が視聴者に対して負っている「視聴者に対するNHKの説明責務」であることを、NHKはまず深く認識することが重要である。」

 要するに、NHKは、政府や行政機関とは異なり、マスメディアとして視聴者に対して直接説明責任を負っているということです。情報公開法が制定された際の「特殊法人情報公開検討委員会」では、NHKは、「政府の諸活動としての放送を行わせるために設立させた法人ではない」とされ、特殊法人等情報公開法の対象法人とはしないことが確認されています。
 これも、NHKが政府の下請宣伝機関ではなく、独立したマスメディアであり、その独立性が非常に重要であることを確認しているといえます。

 情報公開の重要性を自覚したNHKは、視聴者への説明責務を果たすために、内規として独自の情報公開制度を定めました。今回、原告らが情報公開を求めたのは、この制度を利用したものです。ところが、NHKの姿勢は、これらの情報公開制度について、これはあくまでも内規に過ぎず、法的な効果をもつものではないとでも言わんばかりです。「裁判所に持ち込まれることなどあり得ない」というNHKや経営委員会の思い込みが、これまでの開示請求に対する不誠実な対応の原因の一つと考えられます。

 これは、法的には、非常に影響の大きな、重要な争点です。ある者が義務を負いそれを認めているのに、義務を負う根拠が自分で決めた内規であるということで、司法判断を免れるということが許されるのでしょうか。司法判断を受けなくて済む領域を自ら勝手に設定することができるものでしょうか。
 裁判を受ける権利は憲法上保障されており、勝手に司法判断を拒否できるものではありません。NHKが視聴者に対する情報公開制度を作り、この制度の存在を公表し、実際に運用してきました。そうである以上、この制度を遵守することが、NHKと視聴者との間の受信契約の内容となっている、と私たちは考えています。

 また、これら内規は、NHKが行政機関ではなく、政府から高い独立性をもって特別な報道機関としてその任務を果たすために、情報公開諸法の対象から外されたことから制定されたはずのものです。報道の自由を支えるために情報公開諸法の対象から外されたのです。それなのに、この内規が、報道現場を経営陣がコントロールし、政府に迎合する報道をするための手段として使われている奇妙なねじれが生じています。
 行政訴訟ではなく、民事訴訟として、受信契約にもとづく文書開示請求権の行使として請求するこれまでに前例のない訴訟が、本件なのです。

 さらに、この訴訟は、NHKだけを被告にしているのではありません。NHK経営委員会森下俊三現委員長を、二人目の被告として、個人に対する損害賠償請求もしています。
 NHKの最高機関は、「NHK経営委員会」です。経営委員会が、会長の任命権限を持ち、罷免する権限も持っています。その経営委員会委員長が、元総務事務次官からの要請を受けて、明らかに「かんぽ生命不正報道」の番組制作を妨害して、制作現場に土足で踏み込んだのです。明らかな放送法違反であり、民事法上も違法な行為をなしたのです。

 この訴訟で開示を求めている中心的な文書は経営委員会議事録です。その議事録が出せない、あるいは議事録の公開が遅延したのは、現委員長森下俊三の番組制作妨害が議事に関わっているからだというのが、私たちの主張です。この点に関しては、被告森下氏の認否にもよりますが、今後の訴訟活動として、被告森下氏の不法行為を十分に主張するつもりです。経営委員長として議事録を作成せず公開しなかったことが不法行為です。

 そして、議事録不開示の動機は、森下氏が番組制作・放送妨害に介入したことを隠蔽するためです。本件においては、隠蔽しようとしたという動機も重要です。故意不法行為であることや動機の悪質性は慰謝料の増額事由となるからです。

 最後に申し上げますが、私たちはNHKを敵視していません。政府から独立し、民主的で透明な運営がなされる良質のジャーナリズムを支える存在として、その価値を発揮することを望んでいます。本件訴訟はNHKに透明な運営をもたらすために極めて重要な意義があります。

 裁判所においては、本件訴訟は、NHKという大きな報道機関の運営を正常化し透明性を確保させるという重大な意義があることを、是非ご理解いただきたいと思います。

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