澤藤統一郎の憲法日記

改憲への危機感から毎日書き続けています

森友問題、告発人ら大阪地検特捜部に厳正再捜査と起訴を要請

昨日(5月10日)、森友問題での刑事告発人らや代理人弁護士らが、大阪地検特捜部の担当検察官と面会し、厳正な再捜査と起訴を要望した。

学校法人「森友学園」への国有地タダ同然売却問題、そしてそのことを隠蔽するための決裁文書改ざんや国会答弁問題で相次いだ告発がすべて不起訴となった。この安倍政権への忖度処分を不服として、大阪検察審査会への審査申立がなされ、その一部が「不起訴不当」の議決となった。大阪地検(特捜部)は、誠実に再捜査を遂げ、今度こそ政権への思惑を捨てて、厳正に起訴をすべきである。

共同配信記事は、こう伝えている。
 大阪第1検察審査会が佐川宣寿前国税庁長官ら10人について不起訴不当と議決したことを受け、審査を申し立てていた醍醐聡東大名誉教授らは10日、大阪地検特捜部検事と面会し、厳正な再捜査と起訴を求める文書を出した。
 約40分間の面会終了後、大阪市で報道陣の取材に応じた醍醐氏は「地検の不起訴理由と検審の議決内容は著しく食い違う」と強調。検事は醍醐氏らに対し「ご要望として承る」と応じたという。

醍醐さんの報告では、短い時間に準備した資料を検事に提示して、4点を強調して発言したとのこと。その中心は下記のとおり。

「安倍首相は2017年3月6日の参院予算委における答弁で『ゴミを取ることを前提に1億数千万円で売った」と答弁した。しかし、森友学園は埋設物をそのままにして校舎を完成した。特捜は安倍首相と、開学に向けた森友の工事の実態の重大な食い違いに強い関心を持って再捜査に当たると考えてよいか?」また、「上記の発言の中で安倍首相は何度も『ゴミがあるからディスカウントした』『瑕疵担保責任というのはそういうこと・・・』と発言している。専門家の特捜部が瑕疵の対象物を『ゴミ』などと世間話のレベルで捉えておられるとは、無論思わないが、国会でもマスコミでも、ゴミが、ゴミが、と語られてきた。私たちがこれまでに提出した申入文書で指摘したように、瑕疵担保責任が問題になる地下埋設物とは、買い受けた土地を目的の用に供する工事をする際に障害となる物を指すという解釈は判例でも定着している。特捜部は、瑕疵担保責任をこのような厳密な法的意味で解釈していると理解してよいか?」(以上は、参議院予算委の議事録の該当箇所を示しての発言)

これに対する検事の応答は、「ここで、こちらの考えを話すのは控える。ご要望として受け取める。」「4月1日にみなさんが提出された申入書は私も受け取っている。その他のことはご要望として受け止める。」というものだったという。

また、NHK記者時代に事件を追っていた相澤冬樹さんが次のように、報告している。

 森友事件を一貫して追及してきた大阪の阪口徳雄弁護士は、応対する蜂須賀検事に見覚えがあった。12年前、奈良県生駒市の前市長が逮捕される背任事件があった。前市長が現職当時、タダ同然の山林を親しい業者から市の公社を使って1億3480万円で買い上げた。これが市に損害を与えた背任として立件された。阪口弁護士は市長が替わった後の生駒市の顧問で、新市長の意向を受けて特捜部にこの件を持ち込んだ。これを受けて大阪地検特捜部で捜査にあたったのが蜂須賀検事だったのだ。

阪口弁護士)あなた、生駒市の背任事件を担当したんじゃないですか?
蜂須賀検事)よく覚えてますねえ。
阪口弁護士)私は生駒市の顧問としてあの事件を特捜部に持ち込んだんですよ。たしかあのころお会いした記憶がある。
蜂須賀検事)あの事件は私も記憶に残っています。
阪口弁護士)あのころ、奈良市の市議会議長が贈賄で逮捕される事件もあったでしょう。あれも私が持ち込んだんですよ。
蜂須賀検事)あれも私が担当しました。
阪口弁護士)あのころの大阪特捜は頑張ってましたねえ。

 この皮肉に、蜂須賀検事はただ笑っているだけだったが、雰囲気は和やかだった。阪口弁護士としては、かつて公職者の背任を手がけた検事に再び頑張ってほしいという思いもあった。申し入れはそこからが本題だ。ここから阪口弁護士は厳しく迫った。

・大阪地検がこれまで政治家や公務員の犯罪に毅然と対処し起訴に踏み切ったことを関西の我々は知っているし、期待もしてきた。
・しかし検察審査会は今回の検察の捜査について極めて恣意的で不十分だと指摘している。
・有権者から無作為に選ばれた委員がこのように判断したということは、これが国民の大多数の意向を反映したものだ。
・法律的にも、この事件は起訴して無罪になることなど、およそあり得ない。むしろ検察の不起訴の理由の方がとってつけた屁理屈としか思えない。
・検察が適当にお茶を濁す再捜査をして、またも不起訴にするなら、国民の信頼は喪失されるだろう。政権の関係者が関与するとして注目されるだけに、なおさらである。
・検察審査会の「不起訴不当」の議決は多くの国民の検察に対する批判、叱咤激励と受けとめ、徹底的に再捜査して起訴するよう強く要請する。

 同じく申し入れを行った醍醐聰東大名誉教授は安倍首相の答弁の齟齬を指摘して捜査を求めた。
・森友事件が発覚した2年前の当初、安倍首相は国会で問題の国有地について「ごみを撤去することを前提に(8億円あまりを値引きして)1億3400万円で売却した」と答弁している。実際にはごみは撤去されていないのだから現実との間に重大な齟齬がある。
・あの土地にごみがあるというが、工事の妨げになるようなごみがなければ値引きの理由にはならない。実際にはごみは撤去されていない。
・「土地の瑕疵(欠陥)を見つけて価値を下げていきたい(値下げしたい)」などと、財務局側が値引きが背任にあたるという認識を持っていたことを示す証拠がある。

 特捜部の蜂須賀検事は申し入れに対し、次のように答えたという。
・検察審査会の議決が出たことは重々承知しています。議決書を踏まえて適正かつ慎重に再捜査します。
・ご指摘の点はご要望として受けとめました。ここで我々がどうかはお答えすることができません。

 ほぼこの答えを繰り返すだけだった。申し入れの参加者は、検察がひたすら慎重な姿勢に終始し、揚げ足をとられないようにしていると感じた。

 国家公務員がなぜこれほどの不正行為に及んだのか? 政権や政治家に忖度したのか? 政権側の関与はないのか?小学校の名誉校長を務めていた安倍昭恵首相夫人の存在はどのように影響したのか?

 すべては当事者を起訴しなければ法廷で明らかにされない。そして起訴されるかどうかは、国民世論が高まるかどうか、国民1人1人の声が大阪地検に届くかどうかにかかっている。森友事件を追及してきた阪口徳雄弁護士は、そう考えている。

共同通信配信
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/418296

「関西NEWS WEB」(動画付き)
https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20190510/0015393.html

相澤冬樹さん記事
https://news.yahoo.co.jp/byline/aizawafuyuki/20190510-00125569

森友問題を「再捜査し起訴を」不起訴不当で弁護士ら要望
https://www.asahi.com/articles/ASM5B4RKKM5BPTIL00Z.html

なお、醍醐さんらが提出した、申し入れ書は以下のとおり。
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 2019年5月10日

大阪地方検察庁特捜部 御中

申 入 書

大阪第一検察審査会の議決を真摯に受け止め、背任の嫌疑について厳正な再捜査のうえ、起訴処分を求める

平成30年大阪第一検察審査会審査事件(申立)第13号

審査申立人    醍醐 聰 他18名

申立人ら代理人弁 護 士  澤 藤 統一郎
同             佐 藤 真 理
同             杉 浦 ひとみ
同              澤 藤 大 河

被疑者 池田 靖(近畿財務局管財部統括国有財産管理官・当時)

私たちは本年4月1日、貴庁に対し、「大阪第一検察審査会の議決を真摯に受け止め、真相解明のために厳正な再捜査と起訴処分を要望します」と題した申入書を提出しました。
貴庁特捜部が、森友学園への国有地売却に係る背任の嫌疑につき、大阪第一検察審査会(以下、「大阪検審」)が示した不起訴不当の議決を受けて再捜査をされるにあたり、改めて申入れをいたします。

1. 本件土地には値引きで補償すべき法的意味での瑕疵は実在しなかったこと、その事実を被疑者は十分認識していたことを徹底究明されるよう求める。

 貴庁は、本件土地売買契約書に、買主が今後、損害賠償請求をできなくする特約が盛り込まれたことを理由に挙げて、被疑者には違法な値引きをした背任があったとはいえないとして、被疑者を不起訴処分としました。
 しかし、大阪検審議決は、問題にされた地下埋設物撤去費用試算にあたって、検察官が小学校校舎建設を前提とする検証をしていないことを指摘し、今後、客観性のある捜査を尽くすべきだとしています。この指摘は、当然に当該地下埋設物は校舎建設にあたって、撤去を必要とするようなものではなかったこともありうることを示唆しています。国交省航空局長も国会で同様の答弁をしています。
 また、大阪検審は森友学園の代理人弁護士も、被疑者ら自身も、かりに森友学園が国を相手に損害賠償の訴訟を起こしても訴えが認められる可能性は極めて低いことを認識していたと指摘しています。 
 私たちも過去の類似の事案の判例等をもとに、本件土地には、法的な意味で損害賠償を必要とするような瑕疵(それを撤去しなければ土地を目的の用に供せないような地下埋設物)はなかったこと立証する資料を提出しました。
 再捜査にあたっては、これらを証拠資料として、本件土地には瑕疵にあたるものは実在しなかったこと、被疑者らはその事実を十分、認識していたことを明らかにされるよう、強く求めます。

2.限りなく起訴相当に近い大阪検審の議決の重みを真摯に受け止め、公判で事の真相を明らかにする徹底した審理が行われ、公正で社会的正義を踏まえた判決に道を開くよう、起訴処分を求める。

 大阪検審の議決要旨は随所で、具体的な事実を上げながら、貴庁の不起訴処分に強い疑問を投げかけています。そして結びでは、本件背任の嫌疑について公判の場で真実を明らかにする意義がきわめて大きいと指摘しています。長期にわたる審査を経て大阪検審が示したこのような指摘は極めて重いものです。
 また、本件は、国会審議の報道などを通じて社会的にも大きな関心を集め、各種世論調査において、政府や財務省当局の説明に納得できないと答える人々は一貫して7割を超えています。
 貴庁におかれましては、こうした世論を納得させるためにも厳正な再捜査を尽くされるよう要望します。そのうえで、公判で事の真相を明らかにする審理が行われ、公正な判決に道を開くよう、起訴処分を求めます。
さらに私たちは、被疑者に係る背任の捜査を端緒として、被疑者らに背任の罪を負わせるような力がどこから、どのように働いたのか等についても毅然と解明され、社会正義にかなった判断を示されるよう、強く要望するものです。

以上

(2019年5月11日)

尻尾を切った トカゲのつぶやき

私はトカゲだ。変種のトカゲ。保守の政治風土の中で特殊な進化を遂げてこの形にたどりついた。特徴は、数え切れない舌の枚数と尻尾の本数。舌禍のたびにその舌を切り離す。不都合あれば、次々に尻尾を切り捨てて、生きのびる。そして、面の皮の厚さに、左右の非対称。もちろん、右半身のみ異様に発達している。利権と忖度とヘイトをエサに肥え太っている。

何本もある尻尾の一本として、塚本一郎がある。正確に言えば、「ある」ではなく、「あった」。もう切り捨てた、新潟のあの参院議員。麻生派で、昨日までの国土交通副大臣。ナニ、大して大事な尻尾ではない。大した尻尾ではないが、切り捨てれば当然に傷ができる。尻尾の行く末に関心はないが、トカゲ本体の傷の深さが心配なのだ。

さて、この尻尾。切るべきか、切らざるべきか。昨日まで、それが問題だった。逡巡の結果、思い切って切り捨てた。意外にも尻尾を切った傷痕からの出血が多量だ。この血かおさまるかどうか。切ったは正解だったか間違いだったか。実はまだ自信がない。

問題の、私の地元下関市と北九州市とを結ぶ予定の「下関北九州道路」。これが通称「安倍・麻生ルート」。地元ブロック紙「西日本新聞」本日朝刊の解説記事のタイトルが、「政権、逆風に屈す 塚田副大臣辞任 選挙控え地方悲鳴」だ。これは、まずいじゃないか。新聞はどうしてもっと私に忖度しないのか。その他のメディアもこぞって、「一強の驕り」「緩み」「たるみ」の政権姿勢批判だ。たかが、道路くらいで、何を騒ぐか。

あ~あ、森友事件、加計問題とおんなじだ。「国政の私物化」「財政の私物化」「忖度政治の弊害」と追及されることになる。根も葉もないことなら大したことではない。火のないところに立った煙なら面倒なことにはならない。しかし、しっかりと根も葉もあり、燃え盛る火あればこその煙だから、何とか手を打たなければならない。でないと、国政調査権の発動やら、文書公開請求やらを武器に、またまたこじれそうではないか。

当然、野党は「これまで、かばってきた総理の責任」を厳しく追及するだろう。私の面の皮は相当に厚いけど、シンゾウにまで毛が生えているわけではない。やっぱり面白くはない。同様の事件がないか徹底して調べられたら、そりゃ安閑としてはいられない。

この尻尾、余りに無防備で、あっけらかんとホントのことを言っちゃったんだ。それはないよな。なんてったって、自民党の政治家なんだから。これ言っちゃまずいくらい、分かりそうなもんだと思うがね。

総事業費が2000億円ともそれ以上とも試算されているこの道路。その必要性や採算性には、疑問符が付けられてお藏入りだった。それがどうして復活したのか。そこが問題だ。こんなことは、灰色のままにしておけばよい。安倍・麻生の権勢は推測されるだけでよいのだ。あからさまに内幕を暴露することはない。

この件の報告を受けて、私も驚いた。こんなにあからさまに内幕をぶちまけられては、できる道路もできなくなる。私も麻生も大いに迷惑だ。もっと上手に、こっそりと、陰でやってもらわなきゃならん。こんなに下手な政治家を育てたキョーイクが悪いんじゃないか。ニッキョーソの責任。やはり、学校では教育勅語を教えなくっちゃ。

塚田が言ったのは、こんなことだったそうじゃないか。福岡県知事選自民党推薦候補の応援演説の中でのことだ。事実上の麻生派集会だった。

「麻生太郎衆院議員にお仕えして、はや20年近く。最初の総裁選は大変でした。その時代から麻生太郎いのち一筋でやってきた、筋金入りの麻生派です」
「国土交通副大臣ですから、ちょっとだけ仕事の話をさせていただきますが、大家敏志さん(福岡の自民党参院議員)がですね、私のもうひとり逆らえない吉田博美さんという参議院の(自民党)幹事長と一緒に、私の副大臣室にアポを取って来られました。『地元の要望がある』。これが下関北九州道路です。
 じつはこれ、経緯がありまして、11年前に凍結されているんです。なんでかわかります? 『コンクリートから人』っていう、とんでもない内閣があったでしょ。総理は『悪夢のようだ』と言いましたが、まさにそのとおりでございます。公共事業はやらないという民主党政権ができて、こういう事業は全部フリーズ、凍結しちゃったんです
 「何とかしないといけない。下関と北九州ですよ。よく考えてください。下関は誰の地盤ですか? 安倍晋三総理です。安倍晋三総理から麻生副総理の地元でもある北九州への道路事業が止まっているわけです。
 吉田幹事長が私の顔を見たら、『塚田、わかってる? これは総理の地元と副総理の地元の事業なんだよ』と。『俺が何で来たかわかるか』と。私、すごく物わかりがいいんです。すぐ忖度します。『わかりました』と。
  そりゃ総理とか副総理はそんなこと言えません、地元の。そんなこと、実際ないんですよ? 森友とかいろいろ言われていますけど、私は忖度します」
「それでですね、この事業を再スタートするためには、いったん国で調査を引き取らせていただくということになりまして、これを、今回の新年度の予算に国で直轄の調査計画に引き上げました! 別に知事に頼まれたからではありません。大家敏志が言ってきた、そして私が忖度したということですので」

 誰が聞いても、彼が話したことは臨場感十分で信憑性が高い。またまた、「総理のご意向」「首相案件」と責めたてられる。せっかく、新元号フィーバー演出で、うまく国民を欺せたと思っていたのに、最悪のタイミング。そりゃ傷口が痛む。

アベ政権一期目の終盤のトラウマが頭をよぎる。失言で、次々と閣僚が辞めていった。12年前のあの悪夢の二の舞はごめんだ。だから、できることなら、この尻尾切りたくはなかった。「尻尾よ、尻尾。責任を感じて、しっかり職責を全うせよ」とよく分からん論理で激励もし、ごまかしもしてきた。

ところが、この汚れた尻尾を抱えたままでは、地方選も参院選も闘えない、と陣営全体が悲鳴を上げた。切っても切らずでも傷は大きい。比較して、どちらの傷が浅いか。

結局は、国民の健忘症に期待して、切る方に賭けることにした。できるだけ、迅速に切って、後は国民の忘却を待つ作戦。しかし、この尻尾切り作戦うまく行くだろうか。明日は、統一地方選前半戦の投開票日だ。尻尾を切ったは、吉と出るかそれとも凶か。尻尾を切った傷口の痛みはまだ癒えない。出血も止まらない。
(2019年4月6日)

大阪地検は、森友学園事件を徹底して再捜査せよ

本日(3月29日)大阪第一検察審査会の事務局から連絡があった。森友事件関連の刑事告発に関連する審査申立に対して、議決が出た。3月15日付の議決で、文書の作成が3月28日のことのようだ。

周知のとおり、森友事件とは、政治の頂点にいる安倍晋三とその妻昭恵に関わる疑惑である。だからその解明は容易ではない。政治や行政の場での自浄作用は期待しがたい。メディアも野党もよく追求はしたが最後の決め手を欠いた。世論も憤ったが持続せず、この薄汚れた内閣の存続を許してしまった。結局のところ、最後の手段として刑事司法に期待が寄せられたのは当然の成り行きで、刑事告発が相次いだ。

大阪地検特捜部に集約された告発は、被告発者(被疑者)数38名、6罪の告発罪名についてのものだった。被告発者38名の内訳は、財務省本庁関係者23名、近畿財務局関係者10名、国土交通省大阪航空局関係者4名、森友学園関係者1名。告発罪名は、背任、公用文書毀棄、虚偽有印公文書作成・同行使、有印公文書変造・同行使、証拠隠滅、公務員職権濫用である。

2018年5月1日大阪地検特捜部は、その全告発を不起訴処分とした。「検察よ、お前もか」である。国民の検察に対する信頼を大きく裏切ったものと言うほかはない。とりわけ、特捜の信用は地に落ちた。その結果、舞台は大阪検察審査会に移った。週刊金曜日の報道では、検審には6団体・個人が、9件の検察審査申立をしているという。そのすべてが、大阪第1検審に係属している。

私が代理人として関わっているのは、醍醐聡さんら「幕引きを許さない市民の会」の会員が告発し審査申立をした下記の2事件。いずれも、2018年6月5日受理となったもの。なお、いずれも地検不起訴処分の処分理由は「嫌疑なし」ではなく、「嫌疑不十分」というものだった。

平成30年第13号
被疑者池田靖(近畿財務局統括国有財産監査官)に対する背任 及び
被疑者佐川宣壽(財務省理財局長)に対する証拠隠滅

平成30年第14号
被疑者美並義人(近畿財務局長)に対する背任

本日報告のあった結論は、以下のとおりである。
第13号事件について
 被疑者 池田 靖(背任)   不起訴不当
 同   佐川宣壽(証拠隠滅) 不起訴相当
第14号事件について
 被疑者 美並義人(背任)   不起訴相当

「起訴相当」の議決ではなかったものの、統括国有財産監査官が国有地を極端な廉価で売却したことを背任とする被疑事実については、検察の不起訴処分は「不当」として、再度捜査を徹底せよと指摘されている。首相夫妻が絡んでの、不当廉売である。徹底して捜査し、公開の法廷で黒白をつけるべきが真っ当な国のありかたである。それこそが、首相夫妻関与の疑惑解明への第一歩である。

なお、佐川宣壽は「証拠隠滅」での告発については、「不起訴相当」となったが、別のグループの「公用文書毀棄」での告発を不起訴不当とした。

また、被疑者美並義人(近畿財務局長)に対する背任が不起訴相当となったのは、局長として形式的には問題の国有地売買の責任者だが、前任局長の時代に手続は進行しており実質においては関与していないからだという。

なお、本件に関して、醍醐さんと私との連名で下記のコメントを発表した。

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平成30年大阪第一検察審査会審査事件(申立)第13号
審査申立人 代表  醍醐 聰
代理人弁護士    澤藤統一郎

1.私どもが審査申立をした池田靖氏に対する背任の嫌疑について、相当に踏み込んだ理由を添えて「不起訴不当」を議決された大阪第一検察審査会(以下、「第一検審」と略す)の審査員各位の見識に敬意を表したい。

2.「起訴相当」の議決に至らなかったのは残念ではあるが、池田靖氏の背任罪をめぐる判断において、第一検審が、「前記業者の見積内容ほどの工事が必要か否かの検証がなされていない」と指摘し、大阪地検に対して「さらに調査を尽くすべき」とした点は、私たち申立人が、判例等を添えて、言われるところの本件地中埋設物は工事の支障になる瑕疵には全く当たらないと指摘したことにも通じると考えられる。
この点について、大阪地検が第一検審の指摘を重く受け止め、ゼロから捜査を尽くすよう、強く要求する。

3.さらに第一検審は池田靖氏の背任の背景に政治家らからの働きかけの影響についてもさらに捜査を尽くすよう大阪地検に求めたことは重要な意味を持つ。
私たち申立人も池田氏個人の背任を問うことで事件の真相が解明されたとは考えておらず、全容解明の端緒という位置づけで池田氏の背任罪を告発したものである。
したがって、この点についても、私たちは大阪地検が第一検審の指摘を重く受け止め、徹底した捜査を尽くすよう、強く要求する。

以上

(2019年3月29日)

森友文書 虚偽の情報不開示に慰謝料認容判決

大阪地裁が、昨日(3月14日)「森友文書 国の不開示違法の判決」を言い渡したと、話題になっている。森友事件はまだ終わっていないのだ。

この訴訟は、「国有地低額譲渡の真相解明を求める弁護士・研究者の会」(略称真相解明の会」)の活動の一端としてのもの。周知のとおり、近畿財務局が学校法人森友学園に、鑑定価格9億5600万円の国有地をわずか1億3400万円で売却した。ごみ撤去費用8億1900万円を控除するという名目での値引きであるが、これを信用する者はない。その真相とは、安倍晋三・昭恵夫妻の関与があればこその違法な値引き以外には考えがたい。地道にこれを究明しようという目的で設立されたのが、「真相解明の会」。

この会の設立に関する事情は、下記URLを参照いただきたい。
http://kokuyuuti-sinsoukaimei.com/purpose/
私も、その呼びかけ人の一人となっている。2017年4月21日付の当ブログ「『森友への国有地低額売買をうやむやにしてはならない』ー そのための具体的提案」も、併せてご覧いただきたい。
http://article9.jp/wordpress/?p=8476
「真相解明の会」が、昨日の判決について、以下の報告をアップしている。これを引用しておきたい。判決文の全文も、問題の公開請求対象文書も引用されている。「森友問題でやっと国民の常識が通用した判決がでました。」というタイトル。
http://kokuyuuti-sinsoukaimei.com/7695/2019年3月14日
原告・弁護団一同

本日(3月14日)大阪地裁で判決があり、原告は勝訴しました(資料1判決)森友問題では官邸、政府与党、財務省官僚達、検察庁まで安倍総理に忖度し、国民の大多数がおかしいという批判にまともに対応せず、うやむやに終わらせようとしていました。やっと今回、国民の大多数がおかしいという常識が通用した判決がでました。

本件事件の概要です

原告は2017年5月に森友問題の発端となった「小学校設置趣意書」の情報公開請求を近畿財務局にしたら、同年7月に近畿財務局長が真っ黒な文書を開示してきました(資料2)。不開示の理由は森友学園の経営上のノウハウが記載されているからという理由でした。そこで原告はマスキングした内容の情報公開請求裁判を提訴したところ国は敗訴確実と思い、真実の文書(資料3)を開示してきました。4ヶ月も真実の文書を隠蔽した近畿財務局の責任を追及した訴訟です。裁判所は、本件文書にはおよそ「経営上のノウハウ」の記載がないのに、漫然と不開示にしたということで国家賠償上も違法であり、国に損害賠償を認容しました。認容金額の多い、少ないことは論点ではなく近畿財務局の違法行為の確認が目的であったので、森友問題でやっと国民の常識が通用した判決に満足しています。

現在、私達は森友問題で検察庁が不起訴にした財務省の官僚達の背任、公文書変造、毀棄罪について大阪の検察審査会に審査申立をしているところです。近いうちに議決が出ると思われます。これらの刑事事件も裁判所という公開の法廷で審理するならば、今回のように公正な判断がなされることは確実です。

検察審査会の各委員は森友問題をうやむやにした検察官の不起訴処分を許さず、「起訴相当議決」の英断をしてくれるものと期待しています

以上のとおり、この訴訟はやや特異な経過で、提訴されている。
まずは、上脇博之さん()の近畿財務局に対する情報公開請求から始まっている。上脇さんご自身の報告を中心にまとめると、以下のとおりである。
(1)森友学園小学校設置趣意書の情報公開請求(2017年3月14日)
(2)一部開示(事実上ほぼ全部非開示)(同年7月10日)
(3)非開示処分の取消を求めて大阪地裁に提訴(同年10月2日)
(4)近畿財務局長、「開成小学校設置趣意書」を全部開示(同年11月24日)
(5)国家賠償請求の訴訟を大阪地裁に提起(同年11月30日)
(6)大阪地裁認容判決(認容額55000円)(2019年3月14日)

以上のとおり、まず国は公開請求の文書(小学校の設立趣意書)を事実上不開示とした。不開示の理由は「設置趣意書に小学校名や教育理念などの『経営上のノウハウ』があるから、というのである。納得できない、上脇さんは「不開示処分取消」の行政訴訟を提起した。

ところが提訴間もなく、観念した国は、当該文書を全面公開した。その公開文書の内容は、不開示の理由とされた『経営上のノウハウ』などとはまったくの無関係なものだった。

普通、ここで追及はやめることになる。公開請求した文書が出てきたのだから、これで満足となる…はず。ところが、上脇さんと、阪口徳雄君を団長とする弁護団は、追及の手を緩めなかった。「なぜ、素直に文書の公開をしなかったのか」「なぜ、ウソをついてまで文書公開を拒否したのか」を問題にして、慰謝料の国家賠償請求訴訟を提起した。ここらが、真似のできないところ。そして、昨日の勝訴判決である。森友事件は未解決だ、と大きく世論アピールすることにもなり、情報公開制度の重要性再認識の機会ともなった。

裁判長は判決理由の要旨を読み上げ、設置趣意書に小学校名や教育理念などの「経営上のノウハウ」があるとして不開示にした財務省近畿財務局の判断について、「(趣意書の)教育理念は概括的かつ抽象的で、実質的に公になっている。同じ校名を使用した学校は他にも存在し、独自性はない。近畿財務局長はなんら合理的根拠がないのに誤った判断をした」と、述べた旨報じられている。

結局は安倍夫妻の関与あればこその不開示決定としか考えられないところ。この一連の情報公開手続で、森友問題の真相解明はまた半歩前進した。

いま、森友事件解明の鍵は、大阪検察審査会の手中にある。11人の審査委員のうち8人が「起訴相当議決」に賛意を表明すれば、強制起訴の道が開ける。

今回の判決は、検察審査委員を励ますものとなったと思いたい。
(2019年3月15日)

「りんと咲く 日の本一の 夫婦花」 - 泰典

「変装」とは、「変な装い」という意味ではない。他人の目から自分だと覚られぬように、別人を装うことである。昨日(3月6日)保釈されたゴーンが、マスクと作業服姿に身をやつした変装の意味が分からない。この奇妙な変装がもたらしたものは、この人案外にプライドのない人という印象のみ。

誰の進言なのかはどうでもよいことで、ゴーンが断れなかったはずはない。「私は私」「変装などあり得ない」と、なぜ言わなかったのだろう。堂々と、不当な長期勾留を受けた自分の素顔を曝すことで、検察権力と闘う闘志を見せればよかったのに。こそこそと身を隠した印象を残念に思う。

ゴーンはこの格差社会で、不当な利益を得ている階層を代表する人物である。多くの人からの搾取と収奪で財をなしている経済人の典型。しかもその性は傲岸不遜。社会的には指弾されて当然だが、権力に対峙すればやはり弱者でしかない。はからずも、長期の勾留を許す制度と闘う立場に立ったからには、姑息な策を弄せず、堂々としてもらいたい。

同じ日、大阪地裁の刑事法廷で、籠池泰典・諄子夫妻が、第1回公判の補助金詐欺事件の被告人席に着いた。この人の右翼的な思想や言動には辟易するが、臆するところなく堂々と権力に対峙しているところは評価せざるを得ない。報道では、紺色のスーツと金色のネクタイ姿だったという。作業服にマスクのゴーンとは雲泥の差。

この日、籠池は冒頭に自ら意見を述べている。「豊中の国有地が森友学園の学校敷地として大幅に値引きした価格で売却されたのは、官邸からの意向と忖度があったからだ」「補助金不正事件で自らが逮捕・起訴されたことは、国民の目をそらせるための別件逮捕」「口封じのための長期勾留だった」という批判。「安倍首相は自らの保身に舵を切った」とも指摘したという。一々もっともではないか。

この人、この日の入廷前に、メディアにサービスの一句を披露している。
「世直しの 息吹たちぬる 弥生かな」
句になっているかはともかく、この裁判を世直しの一歩にしようという心意気はよく表れている。もちろん、安倍が支配する今の世は歪んでいるという含意がある。自分の裁判を通じて、安倍政権の歪みを、真っ直ぐに糺そうというわけだ。

そして、長い意見陳述の最後を、また一句で締めくくった。
「りんと咲く 日の本一の 夫婦花」
句作のできばえではなく、安倍晋三・昭恵の夫妻に対する当てつけの心情をこそ読むべきである。かつては、右翼的信条をともにする仲間として、神風を吹かせてくれたのが安倍晋三と昭恵の夫妻。それが、いったん形勢利あらずと見るや、保身のために手のひらを返して仲間のはずの籠池夫妻を切り捨てたのだ。そのために、籠池夫妻は300日を越える勾留の憂き目を見ることになった。おそらくは、ハラワタが煮えくりかえる思いであろう。その思いを抑えてのサービスの一句なのだ。

籠池夫妻は、安倍晋三らの冷酷な仕打ちに負けることなく、300日を乗り切ったというプライドを堅持している。それを「りんと咲く」「日の本一」と表現した。夫婦の絆は、安倍夫妻とは比較にならずに強いと言いたいのだ。なるほど、そのとおりと頷かざるを得ない。

この日の安倍晋三のコメントは、報道に見あたらない。朝日によると、「菅義偉官房長官は首相官邸で開かれた午後4時過ぎの記者会見で、籠池氏の初公判について問われ、『個別の事件についてコメントは控えたい。ただ、あらゆる行政プロセスが公平、そして適切に行われるのは当然のことであり、今後ともこうした点に対して国民のみなさんの信頼が揺るぐことがないように取り組んでまいりたい』と語った。」という。

えっ? ホントはこうだろう。
「あらゆる行政プロセスが公平、そして適切に行われねばならないのは当然のことでありますが、安倍晋三の周囲では、不公平、不適切が際だっていることは否定しようもありません。しかしこれまで、こうした点に対して国民のみなさんには、極めて寛容にお目こぼしいただいてまいりました。国有地売却の値引き額が8億円なんて、些細な問題ではないか。総理大臣のオトモダチにそのくらいことは騒ぐほどのことはない。こうお考えいただいた結果、今日の安倍政権の安泰があるのです。今後とも、少々のことには目をつぶっていただくようお願いすることで、国民の皆様の安倍政権に対する盲目的信頼が揺らぐことがないように取り組んでまいりたいと思います」

森友問題の核心は、籠池夫妻の補助金詐欺疑惑にあるのではない。彼らが、「自分たちの起訴や長期勾留は、国民の目を暗ますための国策」と言うのは、まことにもっともなことなのだ。問題の核心は、国有地値引きの経過と動機と背景とにある。安倍晋三夫妻の口利き、少なくとも政権への官僚の忖度が、只同然の国有地払い下げになったのだ。これをどこまで暴くことができるか。それこそが、日本が真っ当な国家であるかの試金石である。

近畿財務局長をはじめとする担当者に対する背任罪告発が、事件の核心を暴き、政権を真正面から撃つものになる。告発案件は大阪検察審査会に係属している。その行方が、国民の最大関心事だ。検察審査会審査委員諸氏の勇気と見識に期待したい。
(2019年3月7日)

森友事件は終わっていない。 ― 検察審査会は「起訴相当」の議決を。

通常国会は、統計不正問題がアベノミクス偽装問題に発展しての荒れ模様。だが、元祖偽装の森友事件はまだ終わっていない。終わらせてはならない。忘れてもならない。これは、安倍晋三とその妻の国家主義教育観を遺憾なく露呈した事件であり、安倍への忖度で行政が歪められいることの象徴であり、行政文書の無惨な隠蔽・改竄事件であり、議会での官僚の虚偽答弁事件でもある。

のみならず、最も国民的関心を呼んだのは、国有地を《只同然に》8億円値引いて払い下げたこと。これは、アベやアキエが介在して行われた犯罪である可能性がきわめて高い。その犯罪を隠蔽しようという姑息な策動が、関係者の諸々の隠蔽・捏造・改竄・虚偽の言動となった。

政治の頂点にいる者に関わる犯罪だから、疑惑解明は容易ではない。自浄作用は期待しがたい。メディアも野党もよく追求はしたが最後の決め手に欠けた。世論も憤ったが内閣の存続を許してしまった。結局のところ、司法に期待が寄せられるのは当然の成り行きで告発が相次いだ。

大阪地検特捜部に集約された告発は、被告発者数38名、6罪の告発罪名についてのものだった。被告発者38名の内訳は、財務省本庁・関係者23名、近畿財務局関係者10名、国土交通省・大阪航空局関係者4名、森友学園関係者1名。告発罪名は、背任、公用文書毀棄、虚偽有印公文書作成・同行使、有印公文書変造・同行使、証拠隠滅、公務員職権濫用である。

2018年5月1日大阪地検特捜部は、その全告発を不起訴処分とした。国民の信頼を裏切ったものと言うほかはない。その結果、舞台は大阪検察審査会に移った。

週刊金曜日・片岡伸行記者の取材によると、いま検審には6団体・個人が、9件の申立をしているという。そのすべてが、大阪第1検審に係属している。主な団体は以下のとおり。
「森友・加計問題の幕引きを許さない市民の会」
「健全な法治国家のために声を上げる市民の会」
「森友・加計告発プロジェクト」
「森友学園問題を考える会」

私が代理人として関わっているのは、醍醐さんや湯山さんらの「幕引きを許さない市民の会」の会員が告発し審査申立をした下記の2事件。いずれも、2018年6月5日受理となったもの。なお、いずれも「嫌疑なし」ではなく、「嫌疑不十分」での不起訴処分となっている。

平成30年第13号(被疑者・池田靖に対する背任、及び被疑者・佐川宣壽に対する証拠隠滅)
平成30年第14号(被疑者・美並義人に対する背任)

実は、このところ議決の通知があるのではないかと、毎日気を揉んでいた。というのは、第一検察審査会の委員11名は、
2018年8月1日~19年1月31日の第1グループ(5名)と
2018年11月1日~19年4月30日の第2グループ(6名)とで
構成されているとのこと。

第1グループの任期終了となる、19年1月末までに決議がある可能性が高いと思っていたのだが、本日(2月6日)まで何の連絡もない。次は、4月の末だろうか。

なお、下記に、関係条文を引用しておくが、検察審査会の議決は3通りある。
(1) 「起訴相当」 (11人中8人以上の賛成)
(2) 「不起訴不当」(過半数=6人以上の賛成)
(3) 「不起訴相当」(過半数=6人以上の賛成)
もちろん、「起訴相当」の議決でなくてはならない。

[検察審査会法]
第39条の5 第1項 検察審査会は、検察官の公訴を提起しない処分の当否に関し、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める議決をするものとする。
  一  起訴を相当と認めるとき 《起訴を相当とする議決》
  二  前号に掲げる場合を除き、公訴を提起しない処分を不当と認めるとき
     《公訴を提起しない処分を不当とする議決》
  三  公訴を提起しない処分を相当と認めるとき 
     《公訴を提起しない処分を相当とする議決》
  2  前項第一号の議決をするには、
     検察審査員8人以上の多数によらなければならない。

 第41条1項  検察審査会が第39条の5第1項第一号の(起訴相当の)議決をした場合において、議決書の謄本の送付があつたときは、検察官は、速やかに、当該議決を参考にして、公訴を提起すべきか否かを検討した上、当該議決に係る事件について公訴を提起し、又はこれを提起しない処分をしなければならない。
2項  検察審査会が第39条の5第1項第二号の(不起訴不当の)議決をした場合において、議決書の謄本の送付があつたときは、検察官は、速やかに、当該議決を参考にして、当該公訴を提起しない処分の当否を検討した上、当該議決に係る事件について公訴を提起し、又はこれを提起しない処分をしなければならない。
(2019年2月6日)

パロディ 「童謡・アベ政治を許さない」

当ブログは、アベ2次内閣発足直後から書き始めたもの。筆を起こした動機は改憲の現実的危機感からである。なんと、本日で2100回の毎日更新となった。2000日を超えてなお、こんな憲法の理念とはほど遠い人物が行政のトップに居座り続けているのだ。いまだに改憲の危機は去らない。当ブログも、腰を落ち着けて「アベ政治を許さない」論陣の一翼を担い続けたい。

本日は息抜き。共感していただけたら、ありがたい。

  友 情

ないしょ ないしょ
 ないしょの話は あのねのね
 ゴルフの合間に ね 晋ちゃん
 お耳へこっそり あのねのね
 加計のおねがい きいてよね

ないしょ ないしょ
 もちつもたれつ あのねのね
 グラス傾け ね 加計ちゃん
 ほんとにいいでしょ あのねのね
 秘密のおねがい きいてよね

ないしょ ないしょ
 ないしょの話は あのねのね
 お耳へこっそり ね ウフフ
 知っているのは あのねのね
 加計と晋ちゃん 二人だけ

  神 風

誰が風を 見たでしょう
僕もあなたも 見やしない
けれど役所を 顫わせて
通りぬけたの 神風が

誰が現場を 見たでしょう
僕もあなたも 見やしない
けれど値引きは 8億円
誰の指示なの 関与なの

誰が風を 起こしたの
あなたも僕も 知っている
けれども彼は どこ吹く風で
風のおさまり 待つばかり

  一強国会

汽車 汽車 ポッポ ポッポ
シュッポ シュッポ シュッポッポ
僕等をのせて
シュッポ シュッポ シュッポッポ
スピード スピード まっしぐら
審議も とぶ とぶ 答弁もとぶ
走れ 走れ 走れ
採決だ 強行だ やっちまえ

汽車 汽車 ポッポ ポッポ
シュッポ シュッポ シュッポッポ
汽笛をならし
シュッポ シュッポ シュッポッポ
ゆかいだ ゆかいだ いいながめ
ちからだ 多数だ ほら 成立だ
走れ 走れ 走れ
暴走だ 脱線だ 気にするな

汽車 汽車 ポッポ ポッポ
シュッポ シュッポ シュッポッポ
けむりをはいて
シュッポ シュッポ シュッポッポ
ゆこうよ ゆこうよ けちらして
強い お国が 目の前だ
走れ 走れ 走れ
改憲だ 強兵だ まっしぐら

  辺野古の海

あした浜辺を さまよえば
ジュゴンの昔 しのばるる
風の音よ 雲のさまよ
寄する波も 珊瑚の色も

ゆうべ浜辺を もとおれば
美ら海汚す 土砂の山
アベの仕打ちに 胸ひしぐ
月も涙や 星も泣く

はやてとなりて 波を吹く
民の怒りを アベや見よ
病みし浜辺を いえさせて
真砂の浜よ よみがえれ

  希 望

どこかで「春」が 生まれてる
どこかで水が 流れ出す

どこかで議論が 交わされて
どこかでデモも 起きている

どこかで声が 上がってる
くりかえさないぞ あやまちは

声と声とが響き合い
「春」の生まれは ここかしこ 

(2018年12月30日・連続更新2100日)

被疑者下村博文に対する検察審査申立記者会見にて

昨年(2017年)7月31日、阪口徳雄君、児玉勇二君ら同期の弁護士とともに東京地検特捜部に赴き、下村博文らに対する政治資金規正法違反の告発状を提出した。

その告発の内容については、同日の下記当ブログにおいて報告済みである。

安倍政権と加計学園の癒着に切り込むー下村博文政治資金規正法違反告発

http://article9.jp/wordpress/?m=201707

被告発人は、政治団体「博友会」の主宰者下村博文と、同会の代表者として政治資金収支報告の届出名義人となっている井上智治、そして同会の会計責任者兼事務担当者兼松正紀の3名。被告発事実は、下村が文科大臣だった当時における、政治資金パーティのパーティ券購入代金の収支報告書への「不記載」と「虚偽記入」。パーティ券購入先つまりは金主は、話題の加計学園である。加計から、下村に金が渡っていたことが隠蔽されたのだ。

よく知られているとおり、安倍晋三と加計孝太郎は腹心の友という間柄。これもよく知られているとおり、安倍晋三と下村博文も右翼と右翼、思想相似たる緊密な間柄。それに加えて、実は加計孝太郎と下村博文も心許す緊密な間柄と明らかになったのがこの事件の本質。仲良し「悪だくみ・3人組み」である。

下村が文科大臣だった2013年10月と14年10月、いずれも東京のプリンスホテルで行われた下村の各政治資金パーティに、加計学園の担当者がわざわざ出向いて、パー券購入名目で100万円を渡している。合計200万円。原帳簿には記載のあったこの金が、政治資金報告書の記載からは省かれていることが発覚した。おかしいじゃないか。徹底して捜査をしてくれ。強制捜査をかければ、モヤモヤしているところがすべて白日の下に曝されるはず、という告発だった。

告発時の記者会見で、私は 、「この告発は、政権中枢の腐敗を撃つものだ」「本件告発は捜査の端緒に過ぎず、政治資金規正法違反はその入り口である。出口は実質犯、贈収賄成立の可能性となりうる。そこまでを見据えた厳格な捜査を期待したい」と発言している。

しかし、東京地検特捜部はこれを不起訴にした。本年8月15日のこと。なんと形容することが適切なのか、言葉を探しあぐねている。政権に対する忖度・おもねり・遠慮・へつらい・腰砕け・媚び・ゴマすり…。

本日、これを東京検察審査会に審査申立をし、記者会見を行った。阪口徳雄、上脇博之、私、梓澤和幸の4人。

被疑者の犯罪事実が明らかでも、起訴を猶予する処分が妥当なことはもちろんあり得る。被疑者が真摯に反省して改悛の情を示し、しかも、しかるべき社会的制裁を受けている場合。下村は、どうだ。「丁寧に説明する」と言っておいて何の説明もしない。到底、反省している態度とはいえない。今次の内閣改造に伴う自民党人事では、安倍改憲シフトの最高責任者として、憲法改正推進本部長の要職に就いている。社会的制裁も、政治家としての制裁も受けたとは言えない。刑罰が科されてしかるべきではないか。

本日の記者会見で強調されたことは、検察審査員への要望。普通の市民の感覚(常識)での判断をお願いしたいということ。審査員には、有罪の判断が求められているのでない。国民の普通の感覚(常識)で、何の制裁もなく見逃してはおかしいと思えば、「起訴相当」として公開の法廷に結論を任せればよいと言うこと、なのだ。

政治が金で動かされてはならない。これが国民の常識。政治の世界で動くカネの流れは、徹底して透明性が保証されなければならない。これも、国民の常識。加計学園からの金の流れであればさらに下村の政治資金の流れは徹底して洗わなければならない。

この審査申立を担当する検察審査員の一人ひとりにおおきな期待を寄せて、結果を待ちたい。

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審 査 申 立 書

2018年10月31日

東京検察審査会 御 中

審査申立人  上脇博之 (別紙目録記載審査申立人代表)           
代理人弁護士 阪口徳雄(別紙目録記載弁護士20名代表)

政治資金規正法違反審査申立事件
 1 被申立人 下村 博文
 2 被申立人 兼松 正紀

申 立 の 趣 旨

 被申立人下村博文および同兼松正紀の下記「被疑事実の要旨」記載の各行為についての政治資金規正法違反告発事件について「起訴相当」の議決を求める。(なお嫌疑なしの被告発人井上智冶については審査を求めない)

申 立 の 理 由

第1 審査申立人及び申立代理人
 審査申立人及び申立代理人:別紙記載のとおり

第2 罪名
 政治資金規正法違反

第3 被申立人
 下村博文および兼松正紀

第4 処分年月日
 2018(平成30)8月15日(平成29年検第28494~28496号)

第5 不起訴処分をした検察官
 東京地方検察庁 梅田 健史 検事 

第6 被疑事実の要旨
 別紙告発状記載の通り

第7 検察官の処分(告発事実と検察官の処分の整理)
1 加計学園からの収入についての不記載
(1)2013年10月3日東京プリンスホテルにおける博友会主催の「セミナー」に学校法人加計学園から100万円のパーテイ券の対価を受けながら収支報告書に不記載の罪(被告発人は下村博文、井上智冶、兼松正紀)
(2)2014年10月14日東京プリンスホテルにおける博友会主催の「セミナー」に学校法人加計学園から100万円のパーテイ券の対価を受けながら収支報告書に不記載の罪(被告発人は下村博文、井上智冶、兼松正紀)
(3) 以上(1)(2)の罪を次の予備的告発事件で検察官は審査したので全員「罪とならず」と判断した。

2 上記1(1)(2)のあっせんの事実の不記載罪予備的告発事実
 2013年分および2014年分の「政治資金パーティーの対価の支払のあっせん」の各政治資金収支報告書の不記載罪について、下村博文、井上智治は嫌疑なし。兼松正紀は嫌疑不十分。
3  2019万円の収入を980万2円との虚偽記載罪
 (1)2013年10月3日東京プリンスホテルにおける博友会主催の「セミナー」に合計額がありながらわずか金980万2円と虚偽記載し、その差額を金1039万円分を「裏金」として支出したのに、それを記載しない政治資金収支報告書不記載罪について、下村博文は嫌疑不十分、兼松正紀は起訴猶予、井上智冶は罪とならず。
 (2)2014年10月14日東京プリンスホテルにおける博友会主催の「セミナー」に「株式会社東京インターナショナル」から40万円、日本医師連盟から50万円合計90万円の政治資金収支報告不記載について、下村博文、井上智冶は罪とならず、兼松正紀は嫌疑不十分。

第8 不起訴処分の不当性
1 今回、検察官は、第7、3(1)の「博友会」のパーティー収入合計額2019万円を980万2円とうその報告をしてその差額金1039万円分を「裏金」に支出している事実について秘書の兼松正紀は起訴猶予にしていることが不当であり、起訴すべき事案です。
(1) 東京特捜部には政治家のカネの問題は1億円(最近では5000万円とか言われていますが)を超えないと起訴しないという「内部ルール」があると元特捜部の検事達から聞いています。どちらにしても2000万円程度ではこの特捜の内部の基準(ルール)を超えていないことになるから、適当に秘書に「反省」した供述調書を取り起訴猶予にしている可能性があります。しかし収入が2019万円ありながらわずか980万2円とうその報告をし、その差額の1039万円を裏カネとして支出しながら「反省」を理由に不起訴にしていることは極めて不当です。もし国民が2000万円の収入を980万円とごまかすことは許されません。本件はたまたま週刊誌に内部情報が提供された結果発覚した事案を検察が罪に問わず、うやむやにすることは許されません。何故このようなうその報告がなされたのか、公開の法廷で真相解明されるべき事案です。起訴猶予にするとうやむやで終わります。国会議員や秘書だけがこのように特別配慮することは政治不信をより一層招くことになります。
(2)秘書(兼松正紀)が有罪になる証拠があると問えるのに博友会のオーナーである下村博文を嫌疑不十分の処分にしていることも実態を判断していない点が極めて不当です。「博友会」の代表は、井上智治であると届け出されているものの、この者は罪とならずになっていて、関与していないことを示しています。『週刊文春』の報道によると、下村事務所で秘書やアルバイトが作成している「日報」は、毎日夜に、メールで下村博文に送ることになっており、もし送信を怠ったら下村博文が「届いていない、すぐにくれ」と怒り、下村博文が気になった点は電話や対面で「もう少し詳しく教えて」と聞きただし、新たな指示をするという。さらに、当該『週刊文春』の報道によると、「博友会パーティー入金状況」を記録している一覧表である「リスト」は、「博友会の専用の銀行口座に入金された金額を確認して記載されるものであり、下村博文は、それに基づき、パーティー券の売れ行きを細かくチェックしており、前年より購入枚数が減っている支援者がいれば、秘書に厳しく指摘することもあるという。以上の事実から見ると、下村博文は「博友会」の実質的なオーナーですから10万円や20万円の収入漏れや支出漏れがある場合は秘書が単独で行うことはあり得ますが、2000万の収入をわずか980万円余にごまかすことは秘書の単独行為であることはあり得ません。オーナーの下村博文の承認がない以上、普通はあり得ない話しです。下村博文は大物政治家と言われ、文部大臣までなった政治家です。このような大物の政治家に限って前記のような大甘の処分(嫌疑不十分)は普通の感覚ではあり得ないことです。
(3) 両名の不起訴処分について起訴議決されたく特に要請します

2 第7・1及び2記載の、2013年分および2014年分の「加計学園からの政治資金パーティーの対価の受領」の罪についての検察官の処分の不当性
 (1)この事件は週刊文春が入手した「博友会パーテイ入金状況」の内部文書によると2013年は「学校 加計学園 100万円」2014年は「学校 山中一郎 加計学園 100万円」とパーテイ券を買って貰ったことを記載した文書です。検察官は加計学園の秘書室長の山中氏が関係者から集めたパーテイ券の代金をまとめて博友会に持参したものと認定して、斡旋事案として処理し、加計学園の代金ではなく、関係者の購入代金を山中一郎がまとめて斡旋したと認定した事案です。その結果、各政治資金収支報告書不記載罪については下村博文は嫌疑なし、兼松正紀は嫌疑不十分という処分をした。、
(2)この事件は斡旋事案ではなく、加計学園がまとめて各100万円でパーテイ券を購入したのではないかと疑います。しかし博友会のパーテイ券の収入を1000万円もごまかすほどですから、真実加計学園の購入代金であっても下村は文部大臣の時代で加計学園の特区関係で職務権限があるときに100万円の大きな金額で購入することがばれると贈収賄問題になる可能性があるので、これを隠蔽する為に「斡旋」と関係者が口裏を合わせた可能性があります。当時、新学部設置を目指していた学校法人「加計学園」が下村博文の「博友会」にパーティー券のあっせん収入による資金提供をしたことは、文科大臣就任前の2012年は20万円だった金額が文科大臣就任後の2013年9月27日、2014年10月10日は、それぞれ5倍の100万円へと増額していることに鑑みると、贈収賄罪(刑法第197条)の可能性があります。というのは、加計学園が経営する岡山理科大学は、今国会で話題に上っている獣医学部の新設だけではなく、教育学部の新設(2015年4月開学)も目指しており、2014年5月末の教育学部設置を申請する1か月余り前の同年3月頃、下村博文の元公設第一秘書の証言を紹介している『文藝春秋』の記事によると、加計孝太郎理事長と下村博文は、赤坂の料亭で直接会って密談しており、また、下村事務所の「日報」を紹介した前記『週刊文春』の報道によると、その約1か月後の4月21日、加計学園の山中一郎秘書室長は、下村事務所に対し「岡山理科大学の設置申請の件で、文科省に何度も連絡をしたのですが込み合っているとの理由で取り合って頂けません。5月末が申請でそれまでに2,3回は質問し書類を整えたいと思っていますので、大変身勝手なお願いですが、何卒面会させていただけないでしょうか」と文科省への口利きを陳情し、下村事務所の大臣秘書官は、「事務方を通して、お願いをいたしました」と下村文科大臣に口利きしたことを報告しており、2015年4月の新設はかなわなかったものの同年8月末に文科省の認可を得て2016年4月の開設にこぎつけ、その認可時の文科大臣は下村博文だったからです。
政治資金規正法違反事件がこのように贈収賄罪にまで発展することを回避するためにも、東京地検特捜部は、あえて不起訴にしたとのではないかという疑惑が生じます。

3 審査に当たってのお願い

(1)検察審査会の役割は、検察官の不起訴処分の評価について、「起訴相当」「不起訴不当」「不起訴相当」のどれかを決めることです。
 その際に大切なのは、市民の代表であるみなさんの”普通の感覚”です。
 素朴に考えて「なぜ犯罪にならないのだろう?」と思う場合、「起訴相当」か「不起訴不当」のどちらかを議決できます。
 「起訴相当」の議決となった場合には、公正で中立な裁判官によって、これまで検察が捜査したさまざまな証拠を公開の法廷で明らかされ、それらが本当に犯罪行為にあたるかどうか、慎重に判断されます。
 「不起訴不当」という議決の場合、検察が再捜査することになりますが、それによって導き出される結論は、再び「不起訴」となることが確実で、これまで同様、捜査でどのような証拠が得られたのか、明らかにされることはありません。
「不起訴相当」という議決の場合、検察の捜査でどのような証拠が得られたのか明らかにされないままの状態で、検察審査会として “検察の判断が正しい”と認めることになります。
 真相解明のため、みなさんには「起訴相当」の議決が求められています。
(2)求められているのは法律判断ではなく、普通の皆さんの感覚です
ア 検察審査会を設置する目的について、検察審査会法第1条では「公訴権の実行に関し民意を反映させてその適正を図る」と定めています。
 検察官の不起訴判断は、専門家の判断です。しかし、検察審査会法の委員の資格に、弁護士、検察官、裁判官などの専門家が除外されているのは、普通の市民の感覚(常識)での判断が求められているからです。
 検察官はともすれば、”官”の立場に立って、民意=国民の普通の感覚(常識)に反する処分を行います。こうしたものを、皆さんの感覚(常識)で「適正を図る」ことが必要なのです。
 皆さんの役割は、検察官の不起訴処分の当否を審査し、民意を反映する議決を行うことです。判断の基準はあくまでも皆さんの感覚(常識)です。
有罪・無罪を決めるのは、裁判官の役割ですから、有罪だから「起訴相当」、無罪だから「不起訴相当」と考えるものではありません。
イ 検察官は”不起訴”という結論を出した以上,自分たちがした”不起訴”を補強するための都合の良い証拠を並べた説明しかしません。もし事件を疑わせるような不利な「証拠」があったとしても、皆さんに明らかにする義務はないのです。
ウ 求められているのは、普通の市民の感覚(常識)で判断することです。
法律は難しいという理由で、検察官の判断を鵜呑みにすれば、検察審査会のみなさんが議論する意味がありません。思い切り、皆さんの感覚で考え、判断して下さい。

添  付  書  類

 処分通知書                  1通
 不起訴処分理由通知書             1通
 委任状                    4通

(2018年10月31日)

あらためて、無責任きわまりない麻生太郎財務大臣の即刻辞任を求めます ― 署名とデモのお願い。

まずは、大きな反響を呼んでいる「財務局OBによる迫力の訴え」のテレビ画像をご覧いただきたい。
https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/ann?a=20181025-00000078-ann-pol

テレ朝「報道ステーション」10月25日23時30分配信の画像。「財務局OB『改ざんは上からの指示』とタイトルが付されたもので、以下の解説が付されている。

 森友学園への国有地売却問題をめぐり、国会での真相解明を求める近畿財務局のOBらが25日、野党からの聞き取りに応じた。今年3月、文書の改ざんを指示された近畿財務局の職員が自ら命を絶った。OBらは番組の取材に対して「(文書改ざんは)公務員の発想としてはない。上からの指示がない限りできない」と述べた。さらに「普通、貸し付けにしろ売り払いにしろ、極めてシンプルな書類のはずだ。あれだけ丁寧に事の発端から人の名前や行為が書かれているのは、現場の職員たちが必死に考えて、ちゃんと残さなければいけないという意識があったからではないか」と指摘した。また、麻生財務大臣が、森友問題で国税庁長官を辞任した元財務省理財局長・佐川宣寿氏について「極めて有能だった」と述べたことについて、「国会・国民を欺き、犯罪行為に等しいことをした人を評価するのであれば、自殺してしまった職員は一体何だったのか」「麻生大臣があんな態度で大臣であり続けるのは、自殺した職員を知っている周りの人や職員は本当に耐えられない」と語った。

昨日(10月29日)の毎日新聞朝刊2面のコラム「風知草」に、「特別編集委員」の肩書をもつ山田孝男が、「志士たちの声」という標題で、この財務局OBの訴えを熱く肯定的に紹介している。山田孝男とは、安倍晋三と会食をともにする、カギ括弧付きの「ジャーナリスト」。「風知草」は、けっして「疾風に負けない勁草」ではなく、権力の風に靡く頼りない草と見るべきだろう。

しかし、その風知草が、素顔を晒してテレビ出演し毅然と麻生太郎を批判した元財務局職員6人の訴えを志士たちの声と言ったのだ。「志士」とは、古風で大仰なとも思うが、山田孝男流の最大限の絶賛である。

その書き出しは「常に民意の存するところを考察すべし-。」というもの。山田は、的確に民意の風を読んでいる。森友問題、けっして幕引きになってはいない。今国会で、また一波乱ありそうではないか。以下は、「志士たちの声」の抜粋。

 24日の、首相所信表明演説の結語の出典は、政党政治の先覚者、平民宰相・原敬の演説だった。
 その翌日、6人の元財務局職員がテレビ朝日「報道ステーション」などの取材に応じ、麻生太郎財務相の留任を批判した。

 私も見たが、一同の、気負わぬ言葉の力強さに思わず引き込まれた。
 その迫力は、政治家はなぜ責任をとらぬ--というちまたの不信を呼び覚ましたに違いない。首相はこれ以外の、どの民意を考察するつもりだろう。
 録画インタビューに登場したのは、近畿、関東、東海各財務局出身の、60代から70代の元「国有財産鑑定官」たちだった。
 「麻生大臣が、前の理財局長は有能な公務員だったってほめたたえたんですよね。エツ? そんなことがあっていいのかと。国会を欺き、国民を欺き、犯罪行為に等しいことをしでかした人を『有能な公務員』と評価するなら、亡くなった公務員は一体、なんだったんだーッて……」
 公文書改ざんは昨春、当時の佐川宣壽理財局長が主導。今年3月、改ざんにかかわった近畿財務局職員の自殺が発覚した。
 財務相は今月初めの内閣改造で留任した。改造後の記者会見で「元局長を国税庁長官にした人事は間違いではないと今も思うか」と聞かれ、例によって高飛車に答えた。「そう思っています。きわめて有能な行政官だったと……」
 近畿財務局OBの怒りに耳澄ますべし。
 「麻生大臣がね、あんな態度でね、ずっと大臣であり続ける。自殺した職員を知ってる周りの人とか、近財の職員、管財部の職員にとってみたら、本当に耐えられないと思う」
 「50年近く働めてきた本当に愛すべきね、人生の大半を過ごし、仲間と誇りを持ってやってきた、その職場が疑惑を持たれて全然説明できない……」
 調べてみると、テレビに出た6人を含め、同志が18人いた。『すべて財務省の労働組合「全財務」の役員経験者である。

 顔と名をさらす出演はリスクを伴う。リスクを引き受けた6人の《志士》がテレビに出た……。

 財務相留任は「大きな判断」による―と首相は言う(総裁選討論)。経済再生優先という意味だが、失政は失政として責任を問うてこそ発展の基礎が固まるのではないか。首相の《考察》を求めたい。

 このまま座視しているだけでは首相の《再考》はあり得ない。民意の何たるかを、安倍政権に突きつけようではないか。

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 「森友・加計問題の幕引きを許さない市民の会」からの訴えです。
「会」は、麻生財務大臣の辞任を求める<署名運動>と<財務省前アピール行動+デモ>を呼びかけています。

署名の第一次集約日 11月7日(水)
 11月9日(金)に麻生大臣宛てに提出する予定です。

財務省前アピール行動+デモ
 11月11日(日)
 13時~ 財務省前アピール行動
 14時  デモ出発

■<署名>と<財務省前アピール行動+デモ>の資料一式をまとめたサイト■
http://sinkan.cocolog-nifty.com/blog/2018/10/1111-5336-1.html
ぜひ、これをメールやツイッタ-で拡散してください。

■できるだけメッセージを添えてネット署名を■
上記の「まとめサイト」の右サイド・バーの最上段に、
1.署名用紙のダウンロード http://bit.ly/2ygbmHe
2.ネット署名の入力フォーム http://bit.ly/2IFNx0A
3.ネット署名のメッセージ公開 http://bit.ly/2Rpf6Pm
が貼り付けられています。

ぜひとも、ご協力をよろしくお願いします。もちろん、メッセージを割愛して、ネット署名だけでも結構です。
なお、署名の文面は以下のとおりです。
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財務大臣 麻生太郎 様

無責任きわまりない麻生太郎氏の財務大臣留任に抗議し、即刻辞任を求めます

森友・加計問題の幕引きを許さない市民の会

10月2日に発足した第4次安倍改造内閣で麻生太郎氏が財務大臣に留任しました。しかし、第3次安倍内閣当時、財務省では、佐川宣寿氏が理財局当時の国会での数々の虚偽答弁、公文書改ざんへの関与の責任をとって国税庁長官の辞任に追い込まれました。また、福田淳一氏は女性記者への破廉恥なセクハラ発言を告発され、事務次官の辞職に追い込まれました。いずれも麻生氏が任命権者の人事でした。
しかし、麻生氏は厳しい世論の批判にも居直りを続け、事態を放置しました。それどころか、森友学園への国有地の破格の安値売却について、録音データなど動かぬ証拠を突きつけられても、なお、「処分は適正になされた」「私は報道より部下を信じる」と強弁し続けました。
福田次官のセクハラ行為については、辞任が認められた後も「はめられたという意見もある」などと暴言を吐きました。
なによりも、第3次安倍内閣当時、財務省では公文書の隠蔽、決裁文書の改ざんという前代未聞の悪質きわまりない国民への背信行為が発覚しましたが、それでも麻生氏は、会見の場で記者を見下す不真面目で下品下劣としか言いようがない答弁を繰り返しました。
こうした経歴の麻生氏が私たちの税金を預かり、税金の使い道を采配する財務省のトップに居座ることに、私たちと大多数の国民は、もはや我慢の限界を超えています。
麻生氏を留任させた安倍首相の任命責任が問われるのはきわめて当然のことですが、任命権者の意向以前に私たちは、麻生氏自身が自らの意思で進退を判断されるべきだと考え、次のことを申し入れます。

申し入れ

麻生太郎氏は財務省をめぐる数々の背任、国.に対する背信の責任をとって直ちに財務大臣を辞任すること

私は上記の申し入れに賛同し、以下のとおり、署名します。

(2018年10月30日)

ウソとごまかしの「安倍政治」総検証 ― 院内集会ご案内

「ウソとごまかしの『安倍政治』に終止符を!」
アピール運動の署名集約集会として、呼びかけ人が主催する集会です。
2018年12月3日(月)18時~20時(17時30分開場)
衆議院第1議員会館 地下1階「大会議室」
丸ノ内線・国会議事堂、有楽町線・永田町駅
(どなたでもご参加いただけます。
議員会館ロビーで入館証をお受け取り下さい。)

民意を無視して9条改憲を強引に進めようとしている「安倍政治」。その「安倍政治」において、公文書・公的情報の隠蔽・改竄・廃棄・捏造が横行し、権力のウソとごまかしが国民主権や議会制民主主義を脅かそうとしています。
私たちは、森友・加計学園に典型的にみられる権力の私物化、「働き方改革」のウソ、外交交渉の内容の捏造等々、ウソとごまかしによる「ポスト真実」の政治を許せず、アピールを発表して賛同の署名を呼びかけました。
下記のとおり、賛同署名集約の集会を開催いたします。この日、署名簿を安倍晋三氏に届けるとともに、この集会にさまざまな分野からの発言を得て、「安倍政治のウソのごまかしを総検証」いたします。そして、どうすれば、安倍政治に終止符を打つことができるか考えてみたいと思います。どうぞご参加ください。

  司会 澤藤統一郎(弁護士)
  挨拶 浜田桂子(絵本作家) 

 「安倍政治」と「ポスト真実」
   小森陽一(東京大学大学院教授)

 「働き方改革」一括法と「ポスト真実」
    上西充子(法政大学キャリアデザイン学部教授)

 「公文書管理」と「ポスト真実」
    右崎正博(獨協大学名誉教授)

 日米FTA(自由貿易協定)と「ポスト真実」
    古賀茂明(元経済産業省官僚)

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いまこそウソとごまかしの「安倍政治」に終止符を!

1 公文書は私たち国民が共有する知的資源
  私たち国民が政府の諸活動などを十分かつ正確に知ることは、この国の主権者として様々な物事を決めたり判断するために必要不可欠なことであり、国民主権や民主主義を成り立たせるための最低限のルールです。
そのため、日本国憲法は国民の「知る権利」を保障し、公文書管理法は公文書を「健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源」と位置づけ、その適正な管理等を通じて国等の「諸活動を現在及び将来の国民に説明する責務が全うされるようにする」としています。また、情報公開法も、国民主権の理念に則って「政府の有する諸活動を国民に説明する責務が全うされるようにするとともに、国民の的確な理解と批判の下にある公正で民主的な行政の推進に資することを目的とする」としています。

2  公文書の隠蔽・改竄、廃棄・捏造は国民主権・民主主義を破壊する
  しかし、安倍政権のもとで、公文書・公的情報の隠蔽・改竄、廃棄・捏造が横行し、権力のウソやごまかしによって国民主権や民主主義を支える土台が破壊されようとしています。
森友学園へ約8億円もの値引きをした上で国有地が払い下げられた件で、安倍首相は「私や妻が関係していれば、首相も国会議員もやめる」と答弁しましたが、その後、財務省によって、安倍昭恵氏の名前などが記載された決裁文書が廃棄や改竄されていたことが明らかとなりました。
加計学園に半世紀ぶりの獣医学部設置を認可した件でも、安倍首相は「私がもし働きかけて決めているのであれば、責任を取る」と答弁しましたが、その後、内閣府が「総理のご意向」「官邸の最高レベルがいっている」と述べたとする文科省文書や、2015年2月に安倍首相が加計孝太郎氏と面会し新しい獣医学部を「いいね」と述べたとする愛媛県文書などが相次いで発覚しました。
南スーダンの首都ジュバで発生した武力紛争を「戦闘」と記録した南スーダンPKO派遣自衛隊日報が廃棄、隠蔽されていた問題に続き、稲田朋美防衛相(当時)が「ない」と答弁していたイラク派遣自衛隊日報も、実は存在し、そのことが1年以上も隠蔽されていたことも明らかになりました。働く人の健康と命にかかわる「働き方改革」の件でも、「裁量労働制で働く方の労働時間は平均的な方で比べれば一般労働者よりも短いというデータもある」という安倍首相の答弁は、根拠とされた厚労省「平成25年度労働時間等総合実態調査」のデータを政府に都合のいいように加工し捏造したものであることが発覚しました。

3 「大本営発表」の歴史を繰り返すことを拒否する
  権力者が自らに都合の悪い情報を隠したり、虚偽の情報を流したりすれば、国民は本当のことを知らないまま、権力の意図する方向に流され、いつの間にか取り返しのつかない事態に陥ってしまう。これが歴史の教訓です。日本でも、戦果を捏造した「大本営発表」が国民を総動員する手段として利用され、悲惨な戦争へと突き進み、あの破局と悲劇をもたらしました。それだけに権力のウソやごまかしは絶対に許されることではありません。
しかも、この間の公文書や公的情報の隠蔽や改竄、廃棄や捏造などの一連の出来事の背景には、安倍首相をはじめとする安倍政権の中枢を担う政治家や官僚が、公権力を私物化し、国民の血税で自らの利益を実現しようとしている構図が透けて見えます。
この問題の本質は、権力の私物化と国民の「知る権利」の侵害、そして国民主権や民主主義の破壊であり、主権者である国民に対する重大な背信行為にほかなりません。
日本国憲法は前文で「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言」していますが、権力のウソやごまかしによって国民主権や民主主義が失われるとき、戦前のような社会が再び到来することにもなりかねません。

4  ウソとごまかしの「安倍政治」に終止符を
  安倍首相は「膿を出し切る」といったことを述べるだけで、これまで明らかにされてきた事実に真摯に向き合うことをせず、疑惑解明のための具体的な行動もなにひとつ取ろうとしません。さらには、自身の都合が悪くなると、前記の森友学園に関する答弁について「贈収賄は全くない、という文脈で一切関わっていないと申し上げた」と言を左右し、加計学園に関する首相発言を記録した愛媛県文書についても「伝聞の伝聞」としてごまかすなど、自身の発言に責任を持つという政治家としての最低限の責務すら放棄しています。これらは、真相の徹底解明をのぞむ多くの国民の声を無視し、まるで、時が経てば国民は忘れる、とでも考えているかのような態度といわざるをえません。
私たちは、国民主権や民主主義といった私たちの社会の土台が蝕まれ、破壊されようとしている危機を黙って見過ごすわけにはいきません。
この時代を生きる私たちは、主権者として民主主義を求める声をひろく集め、真実を明らかにし、ウソとごまかしの「安倍政治」に今こそ終止符を、と訴えます。

<呼びかけ人>
・青井未帆(学習院大学法科大学院教授)
・浅倉むつ子(早稲田大学大学院法務研究科教授)
・池田香代子(ドイツ文学者・翻訳家)
・右崎正博(獨協大学名誉教授)
・上西充子(法政大学教授)
・上脇博之(神戸学院大学法学部教授)
・阪口徳雄(弁護士)
・澤藤統一郎(弁護士)
・寺脇研(京都造形芸術大学教授 元文部官僚)
・中野晃一(上智大学教授)
・濱田邦夫(元最高裁判事 弁護士)
・浜田桂子(絵本作家、画家)
・前川喜平(前文部科学省事務次官)
・堀尾輝久(東京大学名誉教授)
・山口二郎(法政大学教授)
・横湯園子(元中央大学教授)

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なお、アピールへの賛同署名は、12月2日まで続けます。
ネット署名に統一していますので、下記のURLからお願いいたします。
https://bit.ly/2MpH0qW
あるいは、「いまこそウソとごまかしの「安倍政治」に終止符を!」をキーワードに検索して下さい。
よろしくお願いします。
(2018年10月29日)

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