澤藤統一郎の憲法日記

改憲への危機感から毎日書き続けています

森友事件は終わっていない。 ― 検察審査会は「起訴相当」の議決を。

通常国会は、統計不正問題がアベノミクス偽装問題に発展しての荒れ模様。だが、元祖偽装の森友事件はまだ終わっていない。終わらせてはならない。忘れてもならない。これは、安倍晋三とその妻の国家主義教育観を遺憾なく露呈した事件であり、安倍への忖度で行政が歪められいることの象徴であり、行政文書の無惨な隠蔽・改竄事件であり、議会での官僚の虚偽答弁事件でもある。

のみならず、最も国民的関心を呼んだのは、国有地を《只同然に》8億円値引いて払い下げたこと。これは、アベやアキエが介在して行われた犯罪である可能性がきわめて高い。その犯罪を隠蔽しようという姑息な策動が、関係者の諸々の隠蔽・捏造・改竄・虚偽の言動となった。

政治の頂点にいる者に関わる犯罪だから、疑惑解明は容易ではない。自浄作用は期待しがたい。メディアも野党もよく追求はしたが最後の決め手に欠けた。世論も憤ったが内閣の存続を許してしまった。結局のところ、司法に期待が寄せられるのは当然の成り行きで告発が相次いだ。

大阪地検特捜部に集約された告発は、被告発者数38名、6罪の告発罪名についてのものだった。被告発者38名の内訳は、財務省本庁・関係者23名、近畿財務局関係者10名、国土交通省・大阪航空局関係者4名、森友学園関係者1名。告発罪名は、背任、公用文書毀棄、虚偽有印公文書作成・同行使、有印公文書変造・同行使、証拠隠滅、公務員職権濫用である。

2018年5月1日大阪地検特捜部は、その全告発を不起訴処分とした。国民の信頼を裏切ったものと言うほかはない。その結果、舞台は大阪検察審査会に移った。

週刊金曜日・片岡伸行記者の取材によると、いま検審には6団体・個人が、9件の申立をしているという。そのすべてが、大阪第1検審に係属している。主な団体は以下のとおり。
「森友・加計問題の幕引きを許さない市民の会」
「健全な法治国家のために声を上げる市民の会」
「森友・加計告発プロジェクト」
「森友学園問題を考える会」

私が代理人として関わっているのは、醍醐さんや湯山さんらの「幕引きを許さない市民の会」の会員が告発し審査申立をした下記の2事件。いずれも、2018年6月5日受理となったもの。なお、いずれも「嫌疑なし」ではなく、「嫌疑不十分」での不起訴処分となっている。

平成30年第13号(被疑者・池田靖に対する背任、及び被疑者・佐川宣壽に対する証拠隠滅)
平成30年第14号(被疑者・美並義人に対する背任)

実は、このところ議決の通知があるのではないかと、毎日気を揉んでいた。というのは、第一検察審査会の委員11名は、
2018年8月1日~19年1月31日の第1グループ(5名)と
2018年11月1日~19年4月30日の第2グループ(6名)とで
構成されているとのこと。

第1グループの任期終了となる、19年1月末までに決議がある可能性が高いと思っていたのだが、本日(2月6日)まで何の連絡もない。次は、4月の末だろうか。

なお、下記に、関係条文を引用しておくが、検察審査会の議決は3通りある。
(1) 「起訴相当」 (11人中8人以上の賛成)
(2) 「不起訴不当」(過半数=6人以上の賛成)
(3) 「不起訴相当」(過半数=6人以上の賛成)
もちろん、「起訴相当」の議決でなくてはならない。

[検察審査会法]
第39条の5 第1項 検察審査会は、検察官の公訴を提起しない処分の当否に関し、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める議決をするものとする。
  一  起訴を相当と認めるとき 《起訴を相当とする議決》
  二  前号に掲げる場合を除き、公訴を提起しない処分を不当と認めるとき
     《公訴を提起しない処分を不当とする議決》
  三  公訴を提起しない処分を相当と認めるとき 
     《公訴を提起しない処分を相当とする議決》
  2  前項第一号の議決をするには、
     検察審査員8人以上の多数によらなければならない。

 第41条1項  検察審査会が第39条の5第1項第一号の(起訴相当の)議決をした場合において、議決書の謄本の送付があつたときは、検察官は、速やかに、当該議決を参考にして、公訴を提起すべきか否かを検討した上、当該議決に係る事件について公訴を提起し、又はこれを提起しない処分をしなければならない。
2項  検察審査会が第39条の5第1項第二号の(不起訴不当の)議決をした場合において、議決書の謄本の送付があつたときは、検察官は、速やかに、当該議決を参考にして、当該公訴を提起しない処分の当否を検討した上、当該議決に係る事件について公訴を提起し、又はこれを提起しない処分をしなければならない。
(2019年2月6日)

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