澤藤統一郎の憲法日記

改憲への危機感から毎日書き続けています

原発再稼働を撃つ「歌」15首と大津地裁仮処分決定の意義

 廃棄物処理のすべも知らぬまま 垂れ流し覚悟で進む再稼働の愚
 直ちには とりあえずは 目に見えず じわじわと忘れたころの被曝の恐怖
 汚染水ブロックしてます スタップ細胞はあります ハテ似たような
 舌の根もかわかぬうちのダダ漏れは バレバレの嘘 総理大臣の嘘
 御嶽も阿蘇の噴火も知らんふり 度胸は満点再稼働推進派
 炉心融け ふるえあがったはずなのに 想定外はまたも考慮外
 子々孫々迷惑かける廃炉処理 あとは野となれ山となれ
 「今」だけ「おれ」だけ「金」だけと とりつく亡者 原発へ
 究極のもったいないを引き起こす 老朽原発再稼働の論外

 規制委の胸三寸でどうにでも
 規制委は踊る政権のたなごころ
 政権が規制委を操る猿回し
 責任をたらいまわして再稼働

 あろうこと 安全神話の復活だ そんな政権 選挙で縁切り
 あろうこと 原子力村の再建だ そんな政権 選挙で縁切り
 あろうこと 住民避難にほおかむり そんな政権 選挙で縁切り

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昨日(11月27日)、大津地裁が、原発再稼働の差し止めを求めた仮処分申立事件でこれを却下する決定を出した。

事案は、いずれも停止中の大飯原発3、4号機と高浜原発3、4号機についてのもの。近隣住民178人が関西電力を相手取って再稼働の差し止めを求めた、人格権に基づく民事上の請求権にもとづく仮処分申立。大津地裁(山本善彦裁判長)は27日、「早急に再稼働が容認されるとは考えにくいとして、申請を却下する決定を出した」と報じられている。この報道は、一般にはやや分かりにくいのではないか。

同日、関電は「妥当な判断をいただいた。安全が確認された原子力プラントは一日も早い再稼働を目指したい」とのコメントを発表している。しかし、「早急に再稼働が容認されるとは考えにくいとして、申請を却下する決定」が、関電にとって「妥当な判断」とは言い難い。ましてや「安全が確認された」とは無縁である。
一方、同日の弁護団声明は、「本決定は、却下決定ではあるが、実質的には、勝訴決定に等しい」と言っている。この点について、世論に説明が必要であろう。

仮処分と仮差し押さえを併せて「保全命令」という。判決確定までの間、とりあえず現状の維持を命じるもの。その発令には、「被保全権利の存在」と「保全の必要性」の2要件が必要である。今回の却下決定は被保全権利については言及せず、保全の必要のみを問題として、その疎明(証明と同義だが、その程度は証明ほどの厳格さを要求しない)がないとした。問題は、必要性の存在を否定した理由である。

その理由を弁護団声明から引用すれば、「原子力規制委員会が高浜原子力発電所3、4号機及び大飯原子力発電所3、4号機について新規制基準に適合して再稼動を容認するとは到底考えられない」からなのである。有り体に言えば、「今停止中の原発4基が、原子力規制委員会の新規制基準に適合することは考えられない」「だから再稼動容認の事態はないものと考えるしかない」「それなら、放っておいても再稼働による危険はなく、仮処分を発令する必要もないじゃないか」と言ったのである。関電の「妥当な判断をいただいた。一日も早い再稼働を目指したい」とのコメントに適合する内容ではない。

しかも、同決定は、規制委が再稼動を容認することは考えられないという根拠として、「基準地振動の策定問題について、我々(弁護団)が根本的な欠陥があると主張したことに対して、関西電力が全く反論できなかったことを正当に認定し」、「田中原子力規制委員会委員長が規制基準に適合しても安全であるとは言わないと述べたことを規制基準の合理性に対する疑問の表れであると評価し」、さらに「合理的な避難計画が策定されていないこと等を指摘」したとある。

原発再稼働の是非は、総選挙の主要争点のひとつである。「司法も再稼働推進派を支持する判断をした」「電力会社に妥当な判断をいただいた」「この決定を梃子に一日も早い再稼働を」などという悪宣伝に乗じられることのないよう、注意が肝要だ。
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                         平成26年11月27日
            原告団、弁護団声明
 本日、大津地方裁判所は、我々の申立を却下するという不当な決定を下した。我々はこれに強く抗議するものである。
 却下の理由は、保全の必要性がないというものであるが、高浜原子力発電所も大飯原子力発電所も規制委員会の審理が進行し、近く設置変更許可がなされうると見込まれている今日において、保全の必要性がないという判断は、社会の一般的な認識に反するものである。さらに、本件決定は、最終的な判断を規別委員会に丸投げするものであり、裁判所は、市民の司法に対する期待を裏切った。

 他方で裁判所は、基準地振動の策定問題について、我々が根本的な欠陥があると主張したことに対して、関西電力が全く反論できなかったことを正当に認定し、さらに田中原子力規制委員会委員長が規刑基準に適合しても安全であるとは言わないと述べたことを規制基準の合理性に対する疑問の表れであると評価し、さらに合理的な避難計画が策定されていないこと等を指摘し、原子力規制委員会が高浜原子力発電所3、4号機及び大飯原子力発電所3、4号機について新規制基準に適合して再稼動を容認するとは到底考えられないと述べた。これは裁判所による現行規制基準や、規制委員会の審理の在り方、あるいは、再稼動に邁進しようとしている政府・電力会社の姿勢に対する根底的な不信と批判を述べたものということができる。

本決定は、却下決定ではあるが、実質的には、勝訴決定に等しい。関西電力及び原子力規制員会は、この決定の趣旨を厳粛に受け止め、再稼動に向けての手続きをいったん停止し、規制基準の在り方から、根底的に見直すべぎである。関西電力は、裁判所が認定したとおり、我々の主張に対する反論もすることができなかった。このような状態のまま、再稼動の準備手続きを進めるべきではない。ましてや、老朽化した高浜原子力発電所1、2号機の再稼働など論外と言わざるを得ない。

 我々は、本年5月21目の福井地裁判決に示された新しい流れが本流となるよう、原発ゼロ社会の実現に向けて、現在争っでいる福井原発群運転差し止め訴訟勝利に向けて、引き続き全力をあげることを決意するものである。
(2014年11月28日)

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