澤藤統一郎の憲法日記

改憲への危機感から毎日書き続けています

薫風の中の闘うメーデーを祝する

本日は第86回メーデーである。労働者の祭典は、清々しくもさわやかなこの季節のこの日にふさわしい。

もっとも、連合メーデーは4月29日におこなわれた。「昭和の日にメーデー」とは、「紀元節に民主主義」「靖国と非戦」「安倍晋三と憲法」ほどの違和感がある。

さらに昨年の連合メーデーは、安倍晋三を招いての集会だった。今年も安倍代理としての塩崎厚労相に挨拶させている。さわやかならざること甚だしい。

連合メーデーのメインスローガンは、
「平和を守り、雇用を立て直す
みんなの安心のため、さらなる一歩を踏み出そう!」
というもの。

連合のホームページでは、古賀伸明会長の主宰者挨拶を次のように報じている。
「現在、政府が推し進めようとしている労働者保護ルールの改悪についてや、労働者派遣法が、均等待遇原則が欠落し世界の常識から逸脱していることにふれ、『“生涯派遣で低賃金”を招く改悪案に連合は断固反対する。労働者保護ルール改悪の流れにストップをかけるため、立ち上がり、行動しよう』と強く訴えた。同時に『戦争は最悪の人権侵害である。二度と戦争を起こしてはならない』と戦後70年の年に開催した本メーデー中央大会に込めた平和を希求する思いで結んだ。」

なるほど、連合とて労働組合である。労働法制の改悪には断固反対なのだ。「平和」だって語らねばならない。このことに評価を惜しんではならない。

対して、本日の全労連・全労協系の本家の統一メーデー。メインスローガンは、以下のとおり、時代を表すものとなっている。
 「戦争する国づくり」反対。
 安倍「暴走」政治ストップ。
 憲法を守りいかす社会の実現。
 8時間労働を守れ。派遣法・残業代ゼロなど労働法制改悪反対。
 大幅賃上げ実現でくらしの改善、景気回復を。
 時給1000円以上、全国一律最賃制の実現。
 年金・医療・介護など社会保障制度の拡充。「貧困と格差」の解消を。
 消費税10%増税中止、TPP交渉撤退。
 被災者が希望のもてる早期復興。原発再稼働反対、原発ゼロの日本。
 安倍「教育再生」反対。辺野古新基地建設反対。オスプレイ配備・訓練反対。
 核兵器の全面禁止・廃絶を。

平和と憲法擁護、そして安倍政権批判が真っ先にある。まったくそのとおりだ。
次いで、労働法制についての諸要求を述べ、生活者としての福祉を掲げる。
復興と原発ゼロを明確化し、教育・沖縄・核廃絶と対決点を明確にする。
労働者の祭典は、闘う労働者の決意を示す場とならざるを得ないのだ。その決意を披瀝してまことにさわやかである。

本日の赤旗は、さらに詳細に共産党独自のメーデースローガンを掲げている。
☆「海外で戦争する国」への暴走ストップ! 「戦争立法」を許すな。「秘密保護法」を廃止せよ。憲法9条を守ろう。
☆「正社員ゼロ」「残業代ゼロ」への道=労働法制大改悪を阻止しよう。過労死ゼロへ、残業時間の上限を法定せよ。人間らしく働ける雇用のルールを確立しよう。中小企業への抜本的支援とあわせ、だれでも時給1000円以上、全国一律最低賃金制を確立しよう。男女の賃金格差をなくせ。大企業の内部留保を活用し、大幅賃上げと安定した雇用の拡大で経済の好循環を。
☆消費税大増税路線を中止せよ。医療・介護、年金・社会保障を拡充せよ。財政危機の打開は、富裕層・大企業の応分の負担と国民所得増で。
☆農林水産業と食の安全、医療と雇用を土台から破壊し、経済主権をアメリカに売り渡すTPP(環太平洋連携協定)交渉から撤退せよ。家族農業と農協をつぶす「農業改革」反対。
☆東日本大震災からの復興に全力をあげよう。被災者の生活と生業の再建に公的支援の拡充を。「安心して住み続けられる故郷」を取り戻そう。
☆原発再稼働を許さず、「即時ゼロ」を。輸出の強行反対。福島原発事故の収束に全力をあげよ。政府と東電の責任で徹底した除染と全面賠償を。労働者の健康を守り、待遇の抜本的改善を。
☆政党助成金の廃止、企業・団体献金の禁止を。小選挙区制を撤廃し、民意を反映する選挙制度へ抜本改革しよう。
☆辺野古新基地建設反対、普天間基地無条件撤去。日米安保条約を廃棄し、米軍基地のない日本を。対等・平等の日米友好条約を結ぼう。北東アジアでも平和の地域共同体を。
☆「戦後70年」――歴史を偽造し、過去の侵略戦争を賛美する安倍首相の暴走を許すな。
☆「被爆70年」――核兵器禁止条約の国際交渉をすみやかに開始せよ。アメリカの「核の傘」から離脱し、非核の日本を。
☆国民的共同を広げ、安倍政権を打倒しよう。暮らしと民主主義の守り手、反戦と平和の党=日本共産党の前進で、新しい日本への流れを。

対決点を明確にしたこのスローガン群に概ね賛成といわざるを得ないが、教育とメディアへの権力的統制への警鐘のないこと、「憲法9条を守ろう」だけがあって、「改憲阻止」「憲法を活かそう」「立憲主義堅持」とはなっていないことが、不満といえばやや不満。その程度だ。

よく知られているとおり、メーデーはアメリカで8時間労働制を要求する闘いに始まった。19世紀の話である。それが今、日本のメーデーで「8時間労働を守れ」という切実なスローガンを掲げざるを得ない事態である。このことの深刻さを噛みしめなければならない。

100年を大きく超すメーデーの歴史は、労働者の経済的な要求の実現のためには、労働者自身が団結して闘わねばならないこと、しかも政治的スローガンをも併せて掲げて闘わねばならないことを教えている。

薫風の中の闘うメーデーに、精一杯のエールを送りたい。
(2015年5月1日)

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