澤藤統一郎の憲法日記

改憲への危機感から毎日書き続けています

集会に行こう、デモに参加しようー主権者としての意思表示が必要なときだ

メディアが、一斉に「今週がヤマ場だ」と伝えている。本日(13日)中央公聴会が終了して採決強行の舞台が整ったということなのだそうだ。明日(14日)にも、衆院安保法制特別委員会の決議強行があり得ると言われ、あるいは明後日だとも伝えられ、ずれ込んでも今週中だろうなどとも囁かれている。自民党3役が「決めるべき時には決める」と口を揃えている。60日ルールを意識した採決のリミットが近づいているとのこと。

しかし、この法案の審議を打ち切っての採決強行などは狂気の沙汰ではないか。110時間審議したから議論が尽くされたなどとはとんでもない。そもそも、10本の法改正を一本にしてきたこの法案提出の乱暴さが問題なのだ。本来、10倍の時間を費やしても足りないほど。何よりも、この法案の審議を見守っている国民が、到底審議が尽くされたと認めていない。

民主主義とは熟議の政治である。徹底した議論を尽くすことによって、合意点あるいは妥協点を見出すべきことが想定されている。議論が出尽くして行き詰まり、どうしても結論を出さねばならないときに、はじめて多数決原理が働くことになる。議論を尽くさずしての採決強行を民主主義政治とは言わない。予定された審議時間を消化したからスケジュールに乗っ取って採決を、という手口は「多数派独裁」と言うほかない。

さらに、国会の論戦においては、議論の内容が国民の目によく見えて理解されることが重要である。主権者とは投票日一日だけのものではない。国会の論戦をよく見て理解した有権者は、そのことによって論戦に関わった政党やその政策の支持・批判の意見を形成することができる。何を議論しているのかわけが分からず、法案の中身も法案に賛否の根拠もよく分からぬままでの審議打ち切りは、主権者としての意思形成に支障が生じることになる。

首相は国民に「丁寧に説明する」と約束したではないか。あらゆる世論調査において、国民の圧倒的多数は、首相の説明は不十分としている。「丁寧な説明をする」という、国民への約束は果たされていないではないか。国民の大多数が「理解できていない」「首相の説明は足りない」と言っている。にもかかわらずの審議打ち切りは、国民を愚弄し民主主義を冒涜するものとして許されない。

「丁寧な説明」とは、国民に法案を十分に理解してもらい、十分な理解にもとづく国民の声にも耳を傾けるという約束でもあったはず。しかし、首相が説明すればするほど、国民の理解が進めば進むほど、この法案への反対意見が増えてくる。そもそも、主権者国民に支持をされないことが明確なこのような法案は、廃案が筋でこそあれ、採決強行などもってのほかだ。

何よりも、こんなに多くの人から、「立憲主義にもとる」「違憲法案だ」「憲法解釈の限界を超える」「これまでの政府解釈との整合性がとれない」「姑息・裏口入学的な汚い手口」と散々な酷評を得ている法案も珍しい。しかも、その実質は、国民投票なき改憲であり、壊憲なのだ。

この事態に黙ってはおられない。明らかに、民意と国会内の議席構成が大きくズレている。こんなときに、悠長に「次の選挙」を待ってはおられない。主権者としての声を上げよう。内閣と国会に、主権者として物申そう。集会に行こう、デモに参加しよう。街頭宣伝を繰り広げよう。あるいは、要請・抗議の葉書やファクスを集中しよう。主権者としての意思表示が必要なときが来たのだ。
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この時期に符節を合わせたように、朝日とNHKの最新世論調査結果が発表となった。上述のとおり、世論は、集団的自衛権行使容認自体に反対、今国会での戦争法成立反対。首相の説明は不十分、としている。注目すべきは、両調査結果とも、内閣不支持率が支持率を上回って逆転した。ワニの口が閉じたのだ。毎日の調査に続いての慶事である。朝日はともかく、「アベ様のNHK」と揶揄されるNHKの調査結果の影響は大きい。整理して紹介すれば以下のとおりである。

    安倍内閣支持率   41%(前回48%)-7
    不支持率       43%(前回34%)+9
「山が動いた」はやや大げさかも知れないが、この1か月間で、森か林くらいは動いたのだ。有権者の700万人が、「内閣支持」から「不支持」へ鞍替えした勘定になる。この逆転は第2次安倍内閣の発足以降初めてのことだというのだから、これはニュースだ。

また、注目すべきは次の回答結果
    安倍内閣が安全保障法制の整備を進めていることを
    「大いに評価する」   8%
    「ある程度評価する」 24%
    「あまり評価しない」 31%
    「まったく評価しない」30%
プラス評価計は32%、マイナス評価計61%である。

安全保障関連法案を、いまの国会で成立させることに
    「賛成」        18%
    「反対」          44%
    「どちらともいえない」 32%

これまでの国会審議で議論は
    「尽くされたと思う」   8%
    「尽くされていない」  56%
    「どちらともいえない」 28%

「安全保障関連法案は憲法違反ではない」としている政府の説明に
    「大いに納得できる」   4%
    「ある程度納得できる」 20%
    「あまり納得できない」 37%
    「まったく納得できない」29%

安倍政権を支えていた世論は、確実にしぼみつつある。代わって多数派を形成しつつある反安倍勢力の国民世論を、目に見える形として表すべき時がきている。禍根を残さぬためにも、集会に出かけよう、デモに参加しよう。

東京近郊の人は、明日(7月14日)午後6時半日比谷野音に集合しよう。久々の大集会になりそうだ。そして、久々の大きな規模のデモにもなる。
(2015年7月13日)

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