澤藤統一郎の憲法日記

改憲への危機感から毎日書き続けています

慎太郎儀謹んで一筆したため申し上げます。ー「取材も責任追及もまっぴらごめんだ。部下の責任を私になすりつけるようなことをするんじゃないぞ」

 この度は、私の東京都知事在任中の件で、皆様に多大な混乱やご懸念を生じさせるなどしておりまして、まことに申し訳なく思っております。

 普段は、上から目線の傍若無人でえっらそうにむやみに威張る人と評判をとるこの私が、このくらい下手に出ているのでございます。そのくらいに窮地にあるものとご推察いただき、武士の情けをおかけくださるよう切にお願い申しあげます。

 このところ、豊洲への市場移転に関して、多くの報道機関の皆様から取材の依頼を受けておるのみならず、無遠慮に私の責任を追及するやの言論が跋扈しておりますので、私としては面倒極まりなく、また責任追及に防衛の手段を講じなければならないものと痛感しておるところで、心境の一端を以下のとおり明らかにさせていただくという形で、取材拒否と私の責任追及への予防措置を明確にしておきたいと存じます。

 今般の件は十数年というかなりの時間が経過している上、当時私は都政とは無関係な尖閣問題や、うまく責任を逃れた新銀行東京などの私にとっての重大案件を抱えていたことや、週に1、2度しか登庁しないという大きな制約の事情もあり、加えて間もなく84歳になる年齢の影響もあって、長編の書物を執筆したり、集会で「厚化粧」発言などはできても、私にとっては大して重大とも思えない市場移転問題については記憶が薄れたり、勘違いをしたりすることも大いに考えられます。今後、報道機関の皆様の個別のお問い合わせにその都度お答えすることは、面倒この上ないばかりか、うっかり不利益な真実を語ったりしかねないおそれもあることから、一切控えさせていただくこととしました。

 取材は控えさせていただきますが、ただ、私から一言弁解を申し上げます。この弁解に関する反論の取材はもちろんお断りです。今般の件については、当時、卸売市場、建築、交通、土壌汚染、予算等のさまざまな観点で、私の意を体した専門家や関係者だけの意見を聞きながら、側近中の側近であった副知事以下、子飼いの幹部職員や、私の威令には逆らうことのできない実務に長けた関係部署の多くの職員たちを半ば恫喝し半ばは宥めながら事業の計画を進めていたもので、この事業はとても私個人の素人判断のみでは、真っ当な形式を整えることができなかった専門的かつ複雑な問題でありました。

 それだけに、経過の詳細を思い出してご説明することなれば、うっかり隠れていた真実が明るみに出かねない難しさがつきまといますが、幹部職員や担当職員からも事情を聞いていただければ、自ずから私が因果を含めていたような証言となるはずで、私の責任はないよう周到に用意されていたとおり明らかになるものと思っております。

 もちろん、私に昔ほどの権力も権威もなく、虚仮威しが通じない気配もありますので、私自身に責任が及ぶもけねんされますので、そのような事態となれば遠慮なく発言する権利は留保いたします。その上で、もとより私自身も今後、私自身に法的な責任が及ばない限りにおいて、事実関係の検証を行う場合に形だけは全面的に協力するつもりでおります。

 ところで、一部の報道においては、私が土壌汚染による危険を無視ないし軽視して予算と完成時期だけにこだわり強引に今回問題になっている構造にさせたといった指摘がなされているようですが、これは一面正確なご指摘ですが、実は表面だけを見てのこと。是非この程度でおさめていただき、私が、何が何でも極度に毒性強い土壌の豊洲に、何ゆえ食の安全を無視してまでも強引に市場を移転する決断をしたか、この大きな謎に切り込むような取材や報道があってはならないものと警告しておきたいと存じます。

私が、法的責任を追及される筋合いは断じてありません。そもそも、知事というものは、週に1度か2度か登庁して、部下が調えた書類にメクラ判を押す気楽な商売ではありませんか。年俸2000万円ぽっちはメクラ判代でしょう。それを、私一人がやったわけでもなく、多数の専門家や担当部署職員が関与し、また議会も審議する案件で、一々責任を追及されては割が合わないじゃないですか。

 ともあれ、私の都知事在任中の件に端を発してこのような事態になっていることについては責任を痛感いたしておりますが、この責任は、あくまでも言葉だけのもの倫理上道義上のもので、私に法的責任があるなどということは絶対にありえません。そんなものは、いつものとおり部下が責任をとればよい。私は、一切知らぬ存ぜぬなのであります。以上のとおり、謹んで宣告申し上げます。
(2016年9月22日)

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Published in 木曜日, 9月 22nd, 2016, at 23:00, and filed under 都政.

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