澤藤統一郎の憲法日記

改憲への危機感から毎日書き続けています

弁護士会選挙結果報告ー安保関連法廃止の方針に変化はない

日弁連会長選挙は、昨日(2月5日)の投開票で、「現執行部の路線を継承する大阪弁護士会元会長の中本和洋氏(69)が、東京弁護士会の高山俊吉氏(75)を破り、次期会長に内定した」(毎日新聞)

日弁連選管の発表は以下のとおり。
 選挙人数       37,374
 投票総数       17,633
 投票率        47.18%
  中本候補有効票  12,282
  高山候補有効票   4,923
 白票             386
 疑問票            42
  中本候補獲得会      48単位会
  高山候補獲得会   下記4単位会
(埼玉・千葉県・栃木県・岩手各弁護士会)

なお、その他、下記のように拮抗している単位会がある。
 横浜   362対330
 長野県  94対71
 愛知県 266対193
 岐阜県  41対33  
 大分県   44対30
 仙台   101対62
 函館    24対15

ダブルスコアでの中本候補圧勝は、両陣営の地力の差なのではあろう。とは言うものの、嫌われ者稲田朋美への政治献金話題の影響が小さかったことに意外の感を禁じ得ない。

もっとも、私にも何本かあった中本候補への投票依頼の電話は、いずれも中本候補の憲法感覚や人権擁護に関して筋を通す姿勢を評価してのものだった。また、「中本氏は開票後の記者会見で安全保障法制について『施行されても違憲性に変わりはない。廃止を求め取り組んでいく』と述べ、憲法改正の動きも注視していく考えを示した」(毎日新聞)と報道されてもいる。中本陣営は、「稲田献金による誤解」を払拭すべく、立憲主義、平和主義などの姿勢を強調したという印象。そのため、稲田献金問題は事前に予想されたほど大きな失点にはならなかったようだ。ぜひ、当選後の記者会見での姿勢を貫ぬく活躍をされるよう期待したい。

なお、東京弁護士会選挙の公式発表は以下のとおり。
「2016(平成28)年度の東京弁護士会役員は,本日下記のとおり確定いたしました。
 会  長  小林 元治 (こばやし もとじ)
 副会長  成田 慎治 (なりた しんじ)
 副会長  仲   隆  (なか たかし)
 副会長  芹澤 眞澄 (せりざわ ますみ)
 副会長  佐々木広行 (ささき ひろゆき)
 副会長  谷  眞人  (たに まさと)
 副会長  鍛冶 良明  (かじ よしあき)
 監 事  菅沼 真    (すがぬま まこと)
 監 事  村田 智子  (むらた ともこ)
※副会長は選挙の得票順
※監事選挙は無投票・立候補届出順

◇副会長選挙投票率は以下のとおりです。
 有権者数:7676名
 投票者数:4477名
 投票率 :58.325%

副会長選挙の得票数は以下のとおり。
 1位 成田 慎治  837
 2位 仲  隆    784
 3位 芹澤 眞澄  655
 4位 佐々木広行 627
 5位 谷  眞人  618
 6位 鍛冶 良明  542
 7位 赤瀬 康明  359 (落選)

私には選挙事情のディテイルはよく分からないのだが、大方の予想にしたがった順当な選挙結果なのだろう。番狂わせのない現状維持の選挙結果は、これまでの弁護士会の方針が是認されて続くことになる。

なお、投票前の選挙に関する当プログでの論評は以下のとおり。

  http://article9.jp/wordpress/?p=6309
  http://article9.jp/wordpress/?p=6329

政権が極端な憲法軽視の姿勢に偏るとき、法の専門家集団としての弁護士会が在野の立場から政権批判の側に立つことは、きわめて健全なあり方と言わねばならない。政権によって戦後民主主義が攻撃されているとき、人権や民主主義、そして平和の崩壊を支えている弁護士の役割は大きい。今回の選挙結果は、多くの弁護士がこれまでの弁護士会の立憲主義擁護の運動のあり方を是認したものと受け止めてよいと思う。
(2016年2月6日)

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