澤藤統一郎の憲法日記

改憲阻止の立場で10年間毎日書き続け、その後は時折に掲載しています。

ここまで来た「DHC包囲網」ー「DHCスラップ訴訟」を許さない・第192弾

(2021年6月10日)
 毎木曜日に配達される「週刊金曜日」。今週(6月11日)号に、岩本太郎記者の「ここまで来た『DHC包囲網』」という記事がある。副題が、「本社前で抗議行動、自治体・企業による関係見直しの動きも」というもの。

「DHCの吉田嘉明会長による一連の差別発言に対して6月4日、市民有志が同社への直接的な抗議行動に打って出た。
 東京・南麻布のDHC本社ビル前に市民ら約110人(主催者側発表)が集結。コロナ禍とあって声を上げない「サイレント抗議」形式だったが、写真にある通りさまざまなメッセージを描いた横断幕やプラカードを掲げながら、午後6時半から約2時間にわたり本社ビルの正面玄関前を中心に同社に抗議した。
 ちなみに現場まで取材に来た報道関係者は本誌も含め約20人。NHKやTBSなど放送局も駆けつけるなど、問題への世間の関心の高まりもうかがわせたが、DHC側は終始無反応。ガラス張りの1階ロビーから数人の男性が無表情に外の様子を見守るのみで、ビルから人の出入りはなかった。」

 以上がメインの報道記事。そして、市民運動だけでなく、自治体や取引先企業も加わった「DHC包囲網」が形成されつつある。「「DHC包囲網」は確実に広がり、そして吉田会長の足元まで近づきつつある」という。民主主義の立場から、たいへんけっこうなことだが、記者の取材に応じた抗議行動参加者のコメントが、胸に突き刺さった。

 今回の抗議行動の中心メンバーの1人は2017年1月に東京MXで放送された番組『ニュース女子』(DHCテレビ制作)が沖縄米軍基地建設反対運動を誹謗中傷したことへの抗議をきっかけにDHC問題に取り組んでた。以来4年以上を経て今回がDHC本社前での初の本格的な抗議行動となったが、これまで直接的な抗議行動ができなかったのは、吉田嘉明会長による「訴訟攻撃」即ちスラップを警戒したからだという。

 岩本記者も、「自分たちだけがスラップ訴訟に遭い孤立化するような事態への不安は大きかっただろう。」と感想を述べている。なるほど、そういうものなのだ。

 当ブログではたびたび言及しているが、DHCとは、「デマ」「ヘイト」のカンパニーにとどまらない。まず、「ステマ」でも高名である。自社の社員にカネを払って、ステルスマーケティングをやらせているのだ。ステマとは、「ヤラセ」や「サクラ」による宣伝のこと。実は自社の広告なのだが、消費者には広告であることを隠して、第三者の口コミと装うことで消費者を欺く詐欺的な広告手法をいう。要するに、この会社やることが姑息で汚いのだ。

 さらに、DHCは「スラップ」の常習会社としても名高い。かつては、スラップといえば武富士であった。スラップ常習の弁護士を抱えて、自分を批判する言論にスラップ訴訟をかけまくった。武富士が消滅した今、そのスラップ常習企業の地位をDHCが承継している。なるほど、汚い会社は社会的な批判を受ける。その批判を抑えるためには、スラップ訴訟をやるぞと脅しておくことが効果的なのだ。

 提訴されれば、面倒だ、カネもかかる。だから、うっかりこんな企業を批判して訴訟に巻き込まれてはたいへんだ、触らぬ神に祟りなし、ということになる。まさしく、スラップ常習企業の狙いがここにある。

 私(澤藤)は、DHC・吉田嘉明から、スラップをかけられてこれを撃退した。それだけでは足りないと思って、反撃の訴訟を提起して勝訴した。スラップを違法とする判決を取ったことの意義は大きいのだ。

この成果をもっと世に広めなければならない。DHCのごとき、「デマ」と「ヘイト」と「ステマ」と「スラップ」を兼ね備えた批判に値する企業に、堂々と批判してよいのだ。それなくして、社会はよくならない。

 そのために、DHC・吉田嘉明との係争の詳細を、出版しなければならない。読み易く、読んで楽しく、元気の出るような読み物として工夫しよう。
 そのような本作りに、ご支援をお願いしたい。

Comments are closed.

澤藤統一郎の憲法日記 © 2021. Theme Squared created by Rodrigo Ghedin.