澤藤統一郎の憲法日記

改憲への危機感から毎日書き続けています

こんなサプリは買ってはいけない。こんなアベに投票してはならない。

昨日(10月17日)夜に配信となった時事の記事。表題が、「『不都合な真実』説明不足=モリ・カケ、改憲素通り―安倍首相【17衆院選】」というもの。忖度のカケラもない辛口の内容。リードは以下のとおり。

「衆院選の投開票が22日に迫る中、安倍晋三首相(自民党総裁)が演説で、森友・加計学園をめぐる問題や、国論を二分しかねない憲法改正、痛みを強いる労働政策の見直しなどへの言及を避けている。選挙戦への影響を考慮してあえて触れない戦術のようだが、野党は批判している。」

アベは票がほしい。票を取るためには、『不都合な真実』に口を閉ざすに限る。これがアベの露骨な戦術ということだ。アベが「不都合な真実」としているものが三つ。「森友・加計学園をめぐる問題」、「憲法改正」、そして「労働政策の見直し」ということだ。

アベの演説はこんな風だという。
「国内総生産(GDP)は50兆円増えた。株価は21年ぶりの高値になった。海外からの観光客は2400万人に増えた」。首相は17日の秋田県能代市での街頭演説で、政権の『実績』をいくつも挙げてみせた。
 だが、衆院解散を表明した先月25日の記者会見で、『丁寧に説明する』と約束していた森友・加計問題には一切触れずじまい。悲願のはずの改憲も話題にしなかった。首相周辺は『ネガティブなキーワードを言う必要はない』と解説する。
  実際、首相の演説内容は、(1)北朝鮮問題(2)少子化・社会保障(3)アベノミクスなどの実績アピール―の3本柱で構成される。森友・加計問題について9日のTBS番組では『こういう場で質問されれば答えるが、街頭演説で説明するのは(控える)』と語り、選挙演説では言及しない姿勢を鮮明にした。」

つまりは、ウケのよい話だけに終始しているというわけだ。その内容は、「(1)北朝鮮問題(2)少子化・社会保障(3)アベノミクスなどの実績アピール―の3本柱」だという。しかし、これでは国民が知りたいことに応えていることにはならない。

「有権者にとっては、投票先を決める判断材料の一部が示されない状況だが、首相が言及しないのは、森友・加計問題や改憲方針だけではない。
  自民党は衆院選公約に、ギャンブル依存症への懸念がくすぶるカジノ推進を明記。さらに、選挙後は野党が「残業代ゼロ法案」と批判する「高度プロフェッショナル制度」導入を目指しているが、首相の演説では聞かれない。
 野党が警戒するのは、首相がこうした積極的に訴えなかったテーマを選挙後に「ごり押し」する展開だ。2014年の前回衆院選に勝利した首相は、争点化を避けた安全保障関連法の成立に突き進んだからだ。立憲民主党の枝野幸男代表は『首相は勝てば何をやってもいいと勘違いしている』とけん制を強める。」

これは重要な指摘だ。民主主義の本質に関わる問題ではなかろうか。民主主義は、主権者の意思ができるだけ正確に政治に反映することを要求する。選挙における立候補者は、正確な自分を有権者に見てもらわねばならない。何を考え、何をしようとしているのか、ごまかしてはならない。有権者にいつわりの自分の姿を見せて、誤った選択をさせることは、詐欺にも等しい卑劣な行為というほかはない。

間接民主制の限界を意識した警句として、「有権者を選挙のときだけの王様にしてはならない」と言われる。しかしアベの選挙戦術は、選挙のときにも有権者を王様とはしない。せいぜいが裸の王様だ。有権者をたぶらかして票を掠めとろうというのだ。そうして選挙が終われば、遠慮なく、有権者の意思を離れてやりたいことをやろうというのだ。

この手口、怪しげなサプリメント販売業者とよく似ている。いかにも効果がありそうに過大な効果を宣伝しておいて、後々のために「飽くまでも個人の感想で、効能を謳っているわけではありません」と小さい字で書いておくあの手口。選挙が終われば、「モリカケも、改憲も、小さい字で書いておきましたよ」と言うわけだ。アベ政治とは、悪徳商法まがいのサプリメント業者と同じレベルなのだ。こんなサプリは買ってはいけない。こんなアベ・自民に票をやってはならない。

アベのやろうとしていることは、「人民の人民による人民のための政治」ではない。「アベのアベによるアベのための政治」なのだ。あるいは「アベの、指示ないし忖度による、オトモダチのための政治」ではないか。
(2017年10月18日)

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