澤藤統一郎の憲法日記

改憲への危機感から毎日書き続けています

思い出そう、政権傲慢行為の数々。安倍政権よ、自民党よ。「有権者をなめるな!」

参院選公示の翌日、7月5日付け東京新聞朝刊「こちら特報部」。
「民、侮るなかれ」の文字が踊る。それだけでない。「弱者軽視『上から目線』」「不適切発言の麻生氏 首相は議論避け」「三原氏『問責は愚か者の所業』」「二階氏『選挙一生懸命なら予算付ける』」「品格失い忖度が横行」「我田引水の参院定数増」「カジノ法案も強行採決」「選挙で傲慢政治家退場を」という見出し。この見出しだけでも相当なインパクト。

選挙戦突入に際して、真っ当なメディアが「前回選挙以後に権力が犯した傲慢な行為の数々」を、もう一度思い出そう、あの責任を今こそ取らせようではないか、と有権者に訴えているのだ。そのメインのタイトルが、「民、侮るなかれ」「有権者をなめるな!」である。

リードの勢いがよい。有権者を励ますもので、まったくその通りだと思う。

「参院選がスタートした。表面上の争点は、年金や消費税増税、改憲などだろうが、今この国で問われるべきなのは、もっとずっと深刻な問題ではないか。それは、国会議員が国民を『侮る』言動である。前回2017年の衆院選以降、多くの国会議員が、数々の問題発言や身勝手な政策で主権者たる国民を見下してきた。選挙中は、国民に奉仕するかのような甘言を弄するかもしれないが、決してだまされてはいけない。『有権者をなめるな!』」

そして、以下の「あとがき」(「デスクメモ」)も熱い。

 どんな政策よりも、健全な民主主義の維持は優先されねばならない。主権者を見下す議員や政党は、この点で失格だ。有権者は問題議員の多さにあきれるかもしれないが棄権は絶対ダメ。それも民主主義の破壊につながる。気に入らなくても、対抗候補や対抗政党に1票を投じよう。

 この東京新聞の記事は、主として自民党議員の「国民を侮る」言行録である。選挙に際して、きちんと思い起こそうという呼びかけなのだ。東京新聞に敬意を表したい。

本文を再整理して、今有権者が思い起こすべき事件の数々(国会議員による問題発言や身勝手な行動・政策)を整理しておきたい。

☆2019年6月24日の参院本会議。安倍音三首相の問責決議案の審議で自民党の三原じゅん子参院議員がこう訴えた。「安倍首相に感謝こそすれ、問責決議案を提出するなど愚か者の所業」。
☆自民党の二階俊博幹事長は6月29日、参院選候補も出席した会合で「選挙を一生懸命やってくれるところに予算を付ける」。支持者以外の有権者など、いないも同然なのか。2人の言葉からは「われらの総裁は無条件にありがたい存在」「国民の税金はわれらの思うまま」とのおごりがにじむ。

☆杉田水脈衆院議員(自民)は昨夏、性的少数者は「『生産性』がない」と月刊誌へ寄稿。
☆山本幸三衆院議員(同)はアフリカ支援に熱心な議員の会合で「何であんな黒いのが好きなんだ」とくさした。社会的弱者も軽んじる。
☆昨年3月の参院予算委員会の公聴会で、渡辺美樹参院議員(同)は過労死家族を前に「働くことが悪いように聞こえる。週休7日が人間にとって幸せなのか」と発言。
☆今春、桜田義孝五輪相(当時、自民)は「(同僚議員は)復興以上に大事」と述べた。
☆過大な防衛負担を負わされた沖縄県民、戦争の犠牲者にさえ配慮がない。昨年一月、沖縄県で相次いだ米軍ヘリコプターの不時着を巡って「何人が死んだんだ」と衆院本会議でやじを飛ぱしたのが松本文明内開府副大臣(当時、自民)。
☆今年5月、丸山穂高衆院議員(当時日本維新の会)は、北方領土の元島民に 「戦争でこの島を取り返すのは賛成ですか」と迫った。

☆麻生太郎副総理は森友学園の公文書改ざん問題で原因を問われると「それが分かりゃ苦労せん」とまるで人ごと。財務事務次官のセクハラ疑惑では当初、「はめられたとの意見もある」と次官をかばった。先月、金融庁審議会の報告書の公表後、「100歳まで生きる前提で退職金を計算したことあるか?」と「上から目線」で語ったのに、「年金以外に2千万円必要」が問題視されると「政府のスタンスと違う」と態度を一変。もはや失笑もできない。

☆安倍首相は沖縄県名護市辺野古の新基地建設で、土砂投入現場と違う区域のサンゴをわずかに移植しただけなのに「サンゴは移している」と胸を張り、建設に反対する大多数の県民の感情を逆なでした。
☆先月末の20カ国・地域首脳会議の夕食会でも、大阪城の復元時にエレベーターを設置したのは「大きなミス」と評し、障害者らが反発した。
☆失言以上に問題なのが、都合の悪い議論を避ける安倍首相の態度。共産党の富裕層への課税強化などによる年金底上げ提案を、首相は「ばかげた政策」と愚弄。動画サイトの党首討論会で選択的夫婦別姓の是非を問われると「経済成長と関わりはない」と意味不明の回答に終始した。背後で、膨大な有権者が議論を聞きたがっていることなど、完全に無視だ。

この間、国会で審議された法案を見ても、有権者はなめられている。
☆その最たるものが、この人□減少時代にあえて参院定数を6増する公職選拳法の改正だ。自民党のお家の事情からの強行で、昨年7月に自民、公明などの賛成多数で可決。この参院選から適用される。
☆昨年(2018年)7月の通常国会では、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備法案が、「ギャンブル依存度への懸念が払拭されない」として野党が反対する中、強行採決された。法案審議の昨年7月、日本は九州から岐阜県までの広い範囲で「西日本豪雨」の被害に見舞われた。「数十年に一度の大雨」という特別警報下、河川氾濫、土砂災害が多発し、死者は200人を超えた。水害対応のどさくさに紛れ、国民の間でも強く問題視されていた法案が可決された形だ。
☆自民党議員は豪雨初期の夜、議員宿舎で「赤坂自民亭」なる宴会を開催。参加議員が安倍首相を囲んで酒に興じる笑顔の写真をツイッターに投稿し、「被災者軽視」と批判された。

☆裁量労働制拡大をめぐる議論では、誤ったデータが国会に提出された。「裁量労働制で働く方の労働時間は、平均的な方で較べれば、一般的労働者よりも短いというデータもある」。安倍首相がこう答弁したのは昨年1月の衆院予算委員会。
 これを「不自然」と追及されて調べ直したところ、一般労働者のデータは「1か月で残業が最も長い日」の聞き取り結果と分かった。安倍首相は答弁を撤回、裁量制拡大も法案から削除されたが、これほど国民をばかにした話はない。

安倍一強態勢下、繰り返される有権者への「侮り」。私たち有権者は、侮られっぱなしでいいはずがない。「洋の東西を問わず、おごれる政治は久しからず。あきらめたり絶望したりせず、参院選では、まじめで謙虚、国民に尽くす候補者に投票しよう。傲慢な政治家には退場いただくしかない。

これが、「特報部」の呼びかけ。私も呼応したい。ぜひ、あなたも。
(2019年7月9日)

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