級友と沖縄の旅・2日目ー辺野古
本日(5月9日)沖縄の2日目。本日は、那覇から辺野古に行って名護泊の予定。2日目の予定記事となる。
沖縄は、今年(2018年)が「選挙イヤー」。51件の首長選・議会選挙が目白押しだという。11月に予定の県知事選がメインだが、南城・名護・石垣・沖縄・豊見城・那覇の計6市でも市長選が実施される。オール沖縄陣営は、幸先よく南城市長選で勝利したが、その後の名護・石垣・沖縄で連敗している。転機になった2月4日の名護市長選の結果が象徴的で残念というほかはない。
「オール沖縄」の立場で一貫し、辺野古新基地建設反対で盤石と思われていた現職の稲嶺市政がなぜ敗北したか。選挙後にいろいろ取り沙汰されたが、名護市民の中に「辺野古疲れ」が見られるという指摘に考えさせられた。
いくつもの世論調査の結果は、地元の辺野古新基地建設反対意見が賛成を大きくリードしていることを明らかにしている。だから、過去の2期は「オール沖縄」の稲嶺陣営が勝利した。しかし、今回はそうならなかった。基地建設に賛成ではないが、いつまでも反対をしてはおられない、という市民の気分が「辺野古疲れ」と表現されているのだ。
県を挙げての辺野古新基地建設反対運動は続けられ、それなりの効果も上げてはいるが、国の力は強いと映っている。結局は基地の建設は避けられないのではないか。とすれば、いつまでも反対で突っ張るよりは、よりよい条件で国と折れ合って、現実的な利益を獲得した方が得策ではないか、という心情。
こういう気分の市民には、本土の革新政党幹部からの「基地反対の稲嶺を」という選挙応援は耳にはいらず、「基地問題」よりは「生活」重視へという訴えが功を奏したというのだ。
これを象徴するのは、小泉進次郎の選挙演説である。理念を語らず、理性に訴えず、感性にだけ訴える手口。欺しのテクニックと言って差し支えない。今や、小泉こそがアベとは別の意味での危険な政治家となっている。2月5日の当ブログを再読いただきたい。
名護高校の生徒諸君 ― 小泉進次郎のトークに欺されてはいけない。
https://article9.jp/wordpress/?p=9879
恐いことに、若年層が「将来ビジョンや理念よりは、今手の届く利益を」という訴えに耳を傾けている。稲嶺陣営は、高齢者層で勝ったが若年層で大きくリードされたのだ。
若年層に限らない。闘いが困難になれば、あるいは展望が開けないときには、闘いを避けて易きにつきたいのが、人の世の常ではある。「オール沖縄」より国家は何層倍も強い。しかも、その背後にはさらに強大なアメリカが睨みをきかせている。
確かに、基地ができれば地元の将来は暗い。しかし、がんばってもどうせ無駄なら、妥協とひき換えの、地元振興策というアメにありつくことができる。闘いを挫折させるこの構造は普遍性のあるものではないか。この困難な中で、地道に闘いを続ける人々に敬意を表せずにはおられない。
名護市長戦での敗北にめげずに、辺野古の闘争は今日も続けられている。ひとときでも、闘う人々と現場をともにしよう。少しの時間でも座り込みに参加しよう。大浦湾にボートを出して、海上の闘いも目に焼き付けておこう。
(2018年5月9日)