澤藤統一郎の憲法日記

改憲阻止の立場で10年間毎日書き続け、その後は時折に掲載しています。

「強行採決 絶対反対」「戦争法案今すぐ廃案」

本日(9月14日)は、戦争法案反対の国会包囲大行動。私も国会を包囲した万余の人の渦の中に。

「強行採決絶対反対」「戦争法案今すぐ廃案」「憲法壊すな」「九条守れ」「安倍はヤメロ」「安倍退陣」「安倍政権の暴走止めよう」「憲法読めない首相は要らない」「戦争やりたい首相は要らない」…。ノリの良いシュプレヒコールが延々と続く。そして、各党の党首や大江健三郎、鎌田慧、山口二郎、落合惠子などのスピーチ。みんな気合いがはいっている。「たたかいはここから。たたかいは今から」などという歌を思い出す。

とりわけ、正門前の熱気がすさまじい。今日も、人の波の圧力は機動隊のバリケードを乗り越えて、集会参加者が車道にあふれた。幸いけが人などはなかったようだ。

法案反対の声を上げる人々の熱気を目にして、考え込まざるを得ない。民主主義とはなんだろう。民意とはなんだろうか。そして、この国の民主主義はきちんと機能しているのだろうか、と。

民主主義とは民意にもとづく政治ーのはず。にもかかわらず、明らかに民意に背く法案の採決強行が懸念される事態となっている。小選挙区制のトリックで掠めとった上げ底の議席の数が政権の強み。しかし、議席イコール民意ではない。安倍晋三は、自ら「この選挙はアベノミクス選挙です」と規定していたではないか。経済政策への期待観で掠めとった議席で、違憲の戦争法案を成立させようというのだ。議席の虚妄が違憲の法案をゴリ押ししている。政権が、民意をことさらに排撃しているのだ。これが、この国の現実であり、民主主義の水準。安倍晋三のごときを首相にしておく国の国民であることが恥ずかしくてならない。

明日(9月15日)中央公聴会の公述人が次のとおりに決まったという。
 大阪大学大学院法学研究科教授 坂元一哉
 政策研究大学院大学 白石隆
 元最高裁判所判事・弁護士 濱田邦夫
 慶應義塾大学名誉教授・弁護士 小林節
 名古屋大学名誉教授 松井芳郎
 明治学院大学学生・SEALDs 奥田愛基

与党推薦が坂元・白石の両名。御用学者という役どころ。野党推薦で、濱田・小林・松井の3名。そして公募人からSEALDsの奥田だという。95人の応募者から、たった一人ということ。NHKのカメラははいらない。世論に与えるインパクトは、小さく押さえられることとなる。

本日の特別委員会集中審議でも、首相答弁も防衛大臣答弁もよれよれで、法案はボロボロだ。それでも、審議時間は消化され、スケジュールがこなされたことになり、「決めるときには決める」のだという。「決めるべきとき」とは、討議が煮詰まって、採決するにふさわしいときのことであるはず。

安倍の脳裏にあるものは、数を恃んでの採決強行の一点のみ。「強行採決絶対反対」「戦争法案今すぐ廃案」「憲法壊すな」「九条守れ」「安倍はヤメロ」「安倍退陣」「安倍政権の暴走止めよう」「憲法読めない首相は要らない」「戦争やりたい首相は要らない」…。民主主義を知らない首相は、即刻辞めるべきなのだ。
(2015年9月14日・連続897回)

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