澤藤統一郎の憲法日記

改憲阻止の立場で10年間毎日書き続け、その後は時折に掲載しています。

「おしつけないで 6.30リバティ・デモ」へのお誘い ― 「君が代」強制と処分をはねかえすために

みなさま
 「君が代」裁判4次訴訟原告は、「日の丸・君が代」の強制に反対して処分を受け、その取り消しを求めて裁判を闘っています。

 学校現場では教員だけでなく生徒への締め付けも強まり、教育の自由が失われています。2020年東京オリンピックや来年の天皇代替わりに向けて、今後「日の丸・君が代」に敬意を払うべきだという圧力がさらに強まっていくのではないでしょうか。

 私たちは、主張します。
  「国旗・国歌」にどのような考えをもとうと自由であること、
  「国を愛する」気持ちを押しつけることはできないということ、
  学校に自由を取り戻したいということ、を。

 この思いを広く訴えるために、私たち「君が代」裁判4次訴訟原告有志はデモを企画しました。歌ったり、踊ったり、シュプレヒコールをあげたり…。思い思いのスタイルで楽しく渋谷の町を歩こうと思っています。6月30日は“鳴り物”などを持ってお集まりください。

 私たちと一緒に楽しく歩きましょう。
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日時 6月30日(土曜日)
 集会 18時半? ウィメンズプラザ・視聴覚室
          (表参道・青山学院大学前)
    報告 澤藤統一郎(弁護士)「4次訴訟の現段階」
 デモ 原宿・渋谷を歩く予定
 主催 おしつけないで! 6・30リバティ・デモ実行委員会

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リバティ・デモと名付けられたこのデモは、文字通り自由を求めての行進である。その要求は、「誰にも『日の丸・君が代』を押しつけないで」というだけのシンプルなもの。「子供たちに『日の丸・君が代』を強制する教育をしないで」「教師を愛国心強制の手先にさせないで」ということでもある。

「国旗・国歌」あるいは「日の丸・君が代」には、多くの人がそれぞれのイメージをお持ちのことだろう。国旗・国歌(日の丸・君が代)にどう向き合うべきかについても、いろんな考え方があるだろう。しかし、最も大切なことは、それぞれの多様な考え方が尊重されなければならないということではないか。多様な考え方を強引に一つにまとめて、「この考え方だけが正しい」と、すべての人に押しつけるようなことをしてはならない。とりわけ、権力を持つ国や自治体がそんなことをしてはいけない。また、明日の主権者を育む教育の場で、そのような押しつけが許されてはならない。

すべての人に最も大切なものは、のびのびとものを考える自由、何ものにもとらわれない考え方の自由だ。この自由を侵そうという最も危険な存在が国家ではないか。国家は、教育を通じて国民の考え方を統制したくてしょうがないのだ。常に、時の為政者にとって操りやすい従順な国民精神がお望みなのだから。

主権者である国民に対して、下僕たる国家が「国民よ、私を愛せ」と命令し強制することができるわけがない。国旗・国歌(日の丸・君が代)は、「国家の象徴」なのだから、「国旗に向かって起立し、国歌を斉唱せよ」とは、国民に対して国家に敬意を表明するよう強制していることなのだ。この強制は、戦前のあの暗い時代の記憶を呼びさます。

15年前までは、都立校は「都立の自由」を誇りにしていた。自由とは何よりも、国家や東京都の強制からの自由のことだ。都立の自由は、「日の丸に向かって起立し、君が代を斉唱せよ」という強制を許さなかった。その事態を変えたのが、石原慎太郎という、あの都知事だった。その知事の時代に都教委が全都の教職員に「日の丸・君が代」への敬意表明の強制を命じた文書が「10・23通達」である。

いま都内の全公立校では「10・23通達」が猛威を振るっている。卒業式や入学式の直前に、各校長から全教職員に対して「起立・斉唱」を強制する文書による職務命令が発せられている。信じがたい光景ではないか。そして、教師としての信念において、自分の信ずる宗教の教義において、また「日の丸・君が代」が果たしてきた歴史に鑑みて、どうしても起立・斉唱の強制に応じられないとする教員が懲戒処分とされているのだ。

悪名高い10・23通達後の懲戒処分件数は、既に延べ481件に達している。その処分取消を求める訴訟が数多く提起され、最高裁・高裁・地裁で確定した処分取消の件数(都教委敗訴確定)が73件・63名という大きな数に上っている。そしていま裁判途中の教員が、デモを呼びかけているのだ。その名も、リバティ・デモである。

この不自由な世で、自由を求めるデモである。ニギニギしく、楽しく、のびのびとやりたいものだ。是非、多くの方にご参加をお願いしたい。ついでに、私の話もお聞きいただけたら、とてもありがたい。
(2018年5月27日)

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