澤藤統一郎の憲法日記

改憲への危機感から毎日書き続けています

辺野古新基地工期 「最短で13年」ー その間普天間は温存という不条理

「辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議」が主催した昨日(3月16日)の沖縄県民集会。集会名称は、「土砂投入を許さない! ジュゴン・サンゴを守り、辺野古新基地断念を求める3・16県民大会」と長い。長いだけに、趣旨明瞭である。那覇市おもろまちの那覇新都心公園で開かれた集会の規模は、主催者発表で1万人の参加。

本日(3月17日)の赤旗が、一面トップでこの集会を報道している。「新基地断念までたたかう」「沖縄県民大会に1万人超」の大見出し。集会の熱気をよく伝える写真がよい。

冒頭、「オール沖縄会議」の稲嶺進共同代表(前名護市長)が、新基地建設の工事には莫大な税金と最短で13年かかることを指摘。「(工事の間は)普天間基地は動かないということは、この新基地建設そのものが間違い」だと批判し、「白紙撤回させるため、力合わせて頑張りましょう」と訴えている。これは、重要な問題提起だ。

沖縄では、もっと大きな集会の開催もあるが、沖縄県の人口は140万人。1万人超の参加者規模は、東京での10万人集会に当たるのではないだろうか。参加者が一斉に掲げる民意は示された」「土砂投入をやめろ」という、メッセージボードの写真が印象的である。

採択された決議の全文を末尾に掲載するが、そのなかに、下記の一文がある。
「私たちは、故翁長前知事が命をかけて守り抜いた県民の『誇りと尊厳』を引き継ぎ、誇りある豊かさを実現させるまでたたかう。『新時代沖縄』の実現へ向け、沖縄県民の命とくらし、沖縄の地方自治と日本の民主主義と平和を守るためこの不条理に全力で抗い続ける。」

この、「誇りと尊厳」「不条理に全力で抗い続ける」というフレーズが、素晴らしい。なお、決議の宛先は、首相、外務相、防衛相、沖縄担当相、米国大統領、駐日米国大使。上京しての対政府要請行動において提出予定だという。

集会では、沖縄防衛局が今月(3月)25日にも新たな埋め立て区域に土砂投入を開始すると県に通告していることが大きな話題となった。その25日には、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前で拡大抗議行動が実施され、引き続いて、この行動にも参加するよう集会主催者から呼び掛けられた。

玉城デニー知事のあいさつ(謝花喜一郎副知事代読)は大要以下のとおり。
 「辺野古移設に反対の民意は過去2回の県知事選など一連の選挙でも示されてきたが、辺野古埋め立てに絞った投票で民意が示されたのは初めてで、極めて重要な意義がある。民主主義国家の我が国において直接示された結果は重く、何よりも尊重されなけれならない」
 「軟弱地盤は深く存在することが判明し、完成しても基地の下では地盤沈下が続く。政府が辺野古移設に固執することによって、普天間の危険性が放置されることは許されるものではない。県民の民意、思いを尊重し、日米両政府が断念するまで揺らぐことなく闘い続ける」(以上琉球新報の要約による)

なお、3月10日の琉球新報は以下の記事を報じている。これまでも言われてきたことだが、このようにまとめられると、なるほど、「(この長い工事の間)普天間基地は動かないということは、この新基地建設そのものが間違い」というとおりではないか。この訴えは、受け入れざるをえない。

「新基地工期 最短13年 軟弱地盤、問題次々 膨らむ工費 沈下恐れも
 名護市辺野古の新基地建設を巡って、軟弱地盤の問題による工事の長期化を示す事実が次々と明らかになっている。政府は地盤改良だけで工期を約5年と見込むが、そのために必要な県への計画変更申請も認められる見通しは立っていない。工期と同様に工費が膨らむことも避けられない情勢で、政府が辺野古移設を進める理由に掲げる『普天間飛行場の一日も早い返還と危険性除去』という大義名分は崩れている。
  政府の当初予定では、埋め立て5年、その後の施設整備3年の計8年の工程が計画されていた。だが、軟弱地盤の対応が発生したことで、単純計算すると13年以上の工期がかかることになる。県が独自の試算で示した「13年」に符合する。

■計画変更
 防衛省の報告書で示された工程表によると、地盤改良工事は大きく分けて二つの段階がある。海上から大型作業船を使って地盤を固めるための砂杭(ぐい)6万3155本を打ち込む工事には約3年8カ月を見込む。それに加え、改良が必要な場所は大型船で対応できない浅瀬部分にも広がり、いったん埋め立てた後に砂杭1万3544本を打ち込む作業が計画される。この過程には約1年かかる。足し合わせると約5年になる。
 報告書では浅瀬部分について「海上工事に連続して施工する工程としている」と記載し、二つの改良工事は同時並行での実施を見込んでいない。
 これらの地盤改良は、政府が今後工事の計画変更を県に申請し、承認されてからが起点となる。2月の県民投票で辺野古新基地に「反対」の民意が改めて示され、防衛省内は「変更申請に対して知事がはんこを押すことはできないだろう」と見る。地盤改良に着手できなければその分、工期も遅れる。
 
■7・7万本
 軟弱地盤に約7万7千本の砂杭を打ち込む辺野古の改良工事に関して、防衛省の報告書には東京国際空港(羽田空港)との比較表が載っている。開会中の国会審議でも、防衛省は過去の軟弱地盤工事で羽田空港が約25万本、関西空港は1期目が約103万本、2期目が約120万本の杭がそれぞれ使われる規模だったとして、辺野古の本数の“少なさ”を強調し工事が可能だと説明している。
 だが、地盤工学が専門の鎌尾彰司日本大学准教授は「羽田空港とは埋め立て面積の規模が異なり、杭の本数が違うのは当然だ。本数よりも深さが問題で、深くなるほど工事の難度が高くなる」と語る。
 辺野古の軟弱地盤は最大で水面下90メートルの地点に達しているが、防衛省は改良が必要なのは水面下70メートルまでで、その下の地盤は「より固い粘土層」ゆえ工事は不要との立場を示している。
 ただ、関西空港の例では軟弱地盤が改良地点よりも深い場所に及び、現在でも年に10センチずつ沈下しており定期的に補修が施され莫大な費用がかかっている。辺野古についても防衛省は完成後の地盤沈下の対策を検討しており、追加的な補修により経費がかかる可能性がある。
 鎌尾教授は「長期にわたる地盤沈下の見通しを立て、適切な対応を取らなければ安全な構造物ではなくなる」と危険性を指摘した。

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 辺野古新基地建設断念を求める3・16県民大会決議<全文>

 政府は2月24日の県民投票で示された圧倒的な沖縄県民の民意を尊重し、埋め立て工事を中止し、野古への新基地建設を即時、断念せよ。

  沖縄県知事が県民投票の結果を政府に通知した直後、政府は新たな護岸工事に着工し、さらに3月25日には新たな区域で埋め立てを行うとしている。県民の民意を無視して辺野古新基地建設を強行することは、民主国家として恥ずべき行為であり、断じて許すことはできない。日本が民主国家ならば国策の遂行が民意と無関係であってはならない。

  国土の約0・6%の沖縄県に米軍専用施設の約70%が集中していることは異常事態である。沖縄県民の負担軽減を行うならば、県民投票の結果を受けて、政府は米国政府と直接交渉し、辺野古新基地建設を断念し、オスプレイ配備撤回、世界一危険な普天間基地は即時運用停止を行い閉鎖返還すべきだ。

  私たちは、故翁長前知事が命をかけて守り抜いた県民の「誇りと尊厳」を引き継ぎ、誇りある豊かさを実現させるまでたたかう。「新時代沖縄」の実現へ向け、沖縄県民の命とくらし、沖縄の地方自治と日本の民主主義と平和を守るためこの不条理に全力で抗い続ける。

  今県民大会において、以下、決議し、日米両政府に対し、強く抗議し要求する。

  記

  1、県民投票で示された圧倒的な民意を尊重し、埋め立てを中止し辺野古への新基地建設を即時、断念すること。
  2、大浦湾側には活断層があり、その付近の海底には、超軟弱地盤が存在する。米国の安全基準である高さ制限にも抵触している。環境を著しく破壊している赤土混じりの埋め立て土砂を全て撤去すること。
  3、欠陥機オスプレイ配備を撤回し、米軍普天間基地を即時運用停止し、閉鎖・撤去すること。

 以上

 宛先 内閣総理大臣 外務大臣 防衛大臣 沖縄担当大臣 米国大統領 駐日米国大使

2019年3月16日

 辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議

(2019年3月17日)

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