澤藤統一郎の憲法日記

改憲への危機感から毎日書き続けています

DHCスラップ反撃訴訟最終法廷で5度目の勝訴 ―「DHCスラップ訴訟」を許さない・第174弾

本日(3月18日)、コロナ禍のさなかの東京高裁511号法廷で、DHCスラップ反撃訴訟控訴審判決言い渡しがあった。おそらくはこれが、DHC・吉田嘉明と私との一連の訴訟において開かれる最後の法廷となる。

この事件が起きたのが2014年の春。あれから6年にもなる。あのとき私はDHC・吉田嘉明に怒り、今日まで怒り続けてきた。その怒りのエネルギーで、5度の訴訟を継続してきた。まずはDHC・吉田嘉明の起こした典型的なスラップ訴訟を被告として受けて立って、一審に勝訴し、2審も勝訴した。DHC・吉田嘉明は、最高裁への上告受理申立までしたが不受理となって、私の勝訴が確定した。これで3勝。続いての攻守ところを替えた反撃訴訟での一審勝訴に続く、本日の控訴審勝訴。これで、5選5勝である。

控訴審判決は、DHC・吉田嘉明が起こしたスラップの違法を再確認の上、一審では110万円であった損害賠償認容額を、165万円に増額した。一審では認めなかった前件訴訟(DHC・吉田嘉明のスラップ訴訟)における応訴弁護士費用負担分を50万円だけ認めたもの。

金額はともかく、明確にDHC・吉田嘉明がしたスラップ提訴の意図と違法を認めた判決に満足している。反撃訴訟をやってよかった。附帯控訴もやった甲斐があった。

一審判決は、スラップの違法を明晰に認定してはいたが、私のブログによる言論を恫喝し萎縮させる意図の有無には無関心だった。本日の控訴審判決の理由はこの点に踏み込んでいる。判決の末尾の部分をやや長文だが引用しておきたい。なお、以下の()は、私の書き足しである。

「前示のとおり,被控訴人(澤藤)の本件各(ブログでの)記述が,いずれも公正な論評として名誉毀損に該当しないことは控訴人ら(DHC・吉田嘉明)においても容易に認識可能であったと認められること,それにも関わらず控訴人らが,被控訴人に対し前件訴訟(DHC・吉田嘉明によるスラップ訴訟)を提起し,その請求額が,当初合計2000万円,本件ブログ4(「DHCスラップ訴訟を許さない・第1弾」)掲載後は,請求額が拡張され,合計6000万円と,通常人にとっては意見の表明を萎縮させかねない高額なものであったこと,控訴人吉田が自ら本件手記を公表したのであれば,その内容からして,本件各記述のような意見,論評,批判が多数出るであろうことは,控訴人ら(DHC・吉田嘉明)としても当然予想されたと推認されるところ⦅なお,前件訴訟の提訴前に,控訴人らの相談に当たった弁護士から,本件貸付が規制緩和目的のためなのか,私利私欲のためなのか分からない人たちから批判が出ることは当然あり得るとの意見が出ていたことが認められる(証人内海〔原審〕35頁)。⦆,控訴人ら(DHC・吉田嘉明)が,それに対し,言論という方法で対抗せず,直ちに訴訟による高額の損害賠償請求という’手段で臨んでいること,ほかにも近接した時期に9件の損害賠償請求訴訟を提起し,判決に至ったものは,いずれも本件貸付に関する名誉毀損部分に関しては,控訴人らの損害賠償請求が認められずに確定していることからすれば,……前件訴訟(DHCスラップ訴訟)の提起等は,控訴人ら(DHC・吉田嘉明)が自己に対する批判の言論の萎縮の効果等を意図して行ったものと推認するのが合理的であり,不法行為と捉えたとしても,控訴人ら(DHC・吉田嘉明)の裁判を受ける権利を不当に侵害することにはならないと解すべきである。したがって,控訴人ら(DHC・吉田嘉明)の前件訴訟の提起等は,請求が認容される見込みがないことを通常人であれば容易に知り得たといえるのに,あえて訴えを提起するなどしたものとして,裁判制度の趣旨目的に照らして著しく相当性を欠くものということができ被控訴人(澤藤)に対する違法行為と認められる。

以上の認定で、私の6年間の怒りは無駄ではなかったという充実感がある。表現の自由保障に一石を投ずる判決を得たと思う。

DHC・吉田の側から本日の判決を不服とする上告受理申立があるか否かは予想の限りではない。しかし、仮に申立があったとしても、もう不受理決定を待つだけで、精神的な負担感はまったくない。
あらためて、私は日本一幸福な被告であったことを再確認している。

弁護団の皆様、お世話になりました。支援をしていただいた皆様、本当にありがとうございました。

この勝訴判決が確定したときには、記念のイベントを企画したいと思います。その際には、ぜひともご協力をよろしくお願いいたします。
(2020年3月18日)

Comments are closed.

澤藤統一郎の憲法日記 © 2020. Theme Squared created by Rodrigo Ghedin.