澤藤統一郎の憲法日記

改憲への危機感から毎日書き続けています

我が輩(アベノマスク)の悲劇

我が輩はマスクである。白い布製。2枚で一組。サイズは極めて小さく、着用者の顔をデカく見せるとして、評判はよくない。正式の名はまだないが、アベノマスクと呼ばれることが多い。生みの親がアベだからだが、名付け親はアベではない。ときに、アホノマスクとも、ムダノマスクとも、ゴテゴテノマスクとも蔑まれる。はなはだ、肩身が狭い。

生みの親であるアベは、ウィルス感染の防御に役立つと触れ込んだが、あれは、どうもいいかげんなデタラメだったようだ。最近の実験結果では、ほとんど役に立たないとされ、ますます評判を落とした。アベはマスクで国民の口を塞ごうとしているなどと言われると、我が輩も返す言葉がない。立つ瀬がない。

物心ついたときから、肩身が狭かった。何せ466億円の壮大な無駄遣い。アベノ無為・無策・無能を象徴する「ムサクのマスク」と揶揄された。少しは役に立つはずの我が輩なのだが、どうしてこんなにも、貶められなければならないのか。これも、親の因果とあきらめるしかないのか。

我が輩、どこで生れたかとんと見当がつかぬが、遠いベトナムだったと教えられたことがある。物心ついたのは、日本の各地で「汚れがひどい」「シミがある」と騒がれ始めたあの頃のこと。あとは御難続きで、親を怨んでばかりの身の上に。

我が輩は、生まれながらに、「汚い」「不衛生」の烙印を押されて、回収⇒点検⇒費用の加算⇒評判の下落⇒配達の遅延⇒さらなる評判の下落、という悪循環。ちょうどアベ政権の評判凋落と軌を一にする。

ようやく、我が輩の兄弟が全国に配送され始める頃、世の中にはマスクはあふれて値段も下がった。なんとも、頃を見計らったようなバカげた成り行き。結局は、466億円という溜息の出るような無駄遣いが深く印象に残ることに。

ある弁護士はこうつぶやき続けている。

アベノマスク2枚 届いた方へのご提案。
★ 製造元の記載もない、危なっかしい(衛生商品たるマスクですらない)1枚200円余りのマスクの「返送運動」をしましょうよ。

返送の宛先は、官邸よりも自民党がふさわしく、意義があるかと。
 〒100-0014千代田区永田町1丁目11−23 自由民主党御中
 ― 切手94円は必ず貼って。
 ― 手紙を添えても可。匿名も違法ではない。
 ― マスク袋は開けないでそのまま返送を。
手紙は、例えば
・安倍晋三氏を総理総裁からおろし、別の人に替えて下さい
・危なっかしいマスクいりません。それより首相を代えて。

これに、こんな別の弁護士の反応も。

 私も全く同じ事を考えていました。
 自民党本部で活用してもらうのが1番いいですね。
 品質が信頼できれば、サイズが小さいから子どもさんに活用してもらう手もあったのですが・・

 なんと、子どもに着用させるのもためらわれる我が輩なのか。自民党に送るのがふさわしいと言われるそんなふがいない我が輩だと言うのか。

アベが親だから、アベが汚いことをやってきたから、アベの評判が悪いから、ああ、我が輩まで、これほど疎まれるとは。気が付けば、アベ本人以外、アベノマスク着用者は見あたらない。

結局のところ、我が輩は、アベ政権のコロナ対策の不手際の産物と相場が決まった。針のムシロのこの身の上に同情してくれる人とてなく、「自民党に送ってしまえ」はあまりにひどい。

この世をはかなんで、覚悟を決めた。吾輩は死ぬ。死んで太平を得る。せめて我が輩の生みの親にも一言遺しておきたい。「いつまでも、権力にしがみついてるのはみっともないよ」と。南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏。ありがたいありがたい。
(2020年5月20日)

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