澤藤統一郎の憲法日記

改憲阻止の立場で10年間毎日書き続け、その後は時折に掲載しています。

正念場の沖縄知事選、「魂」派と「腹」派の一騎打ちだ。

本日(9月13日)、沖縄知事選か告示された。9月30日が投票日で、即日開票となる。主要な争点は、辺野古新基地建設反対の姿勢を貫くか、それともこれを容認するのか。これは、政権の外交・内政の根幹に関わる問題。したがって、選挙の帰趨は、政権の存続にも憲法改正の可否にも大きく影響する。

翁長県政承継を標榜する新基地建設反対派からは玉城デニーが立候補し、政権の意向を酌んだ容認派からは佐喜真淳が立候補した。事実上、この二人の一騎打ち。デニーは県民を代表し、佐喜真は政権を代理している。沖縄と政権の角逐である。それはだれにも自明なことだが、佐喜真側は意識的にこの構図の明確化を避けている。

県民派は沖縄の「魂」を掲げ、政権派は「魂では喰えない。背に腹は代えられない」と、魂よりは「腹」を第一義として掲げる。

デニー側の支持勢力は、「市民と野党の共闘」。幅は広いがまとまりをどう作るかがに課題があるという。佐喜真側は政権と与党の丸抱え。これに、維新がくっついての「保守連合」。この両者の対立関係は、今後の国政における政治地図の基本構図だ。統一地方選、参院選、さらには次の総選挙の基本構図でもあり、そのまま改憲勢力と改憲阻止勢力の対決の構図でもある。

そのような状況下に始まったデニーと佐喜真の「論戦」は、今年2月4日の名護市長選を彷彿とさせる。
翌2月5日、私は当ブログに「名護高校の生徒諸君 ― 小泉進次郎のトークに欺されてはいけない」と題する記事を掲載した。まさかの稲嶺候補敗北という衝撃のなかでのつぶやきであり、ぼやきでもあった。
https://article9.jp/wordpress/?p=9879

私はその記事で、小泉進次郎の選挙演説を、〈詐欺まがい悪徳商法のトーク〉になぞらえて、若い高校生諸君に「欺されてはいけない」と警告を発したのだが、時既に遅しで愚痴にしかなっていない。

本日、沖縄知事選の告示日に当たって、同じことを繰り返さざるを得ない。今度は、名護だけではなく沖縄全県の若い有権者を念頭において語りかけねばならない。

稲嶺落選は、「名護ショック」であった。ショックは連鎖することが少なくない。一つの選挙結果で作られた空気が、次の選挙結果に伝染するのだ。勝者の側の勢いが次の選挙でも有利に働き、敗者の側の萎縮が次の選挙のデメリットになる。

沖縄での名護ショック、全国的には新潟ショックの影響が、最近の選挙に蔓延している。ウソとごまかしで塗り固められた安倍政権を支える与党勢力が、最近の選挙では優勢な現実を見据えなければならない。

名護市長選の敗因として、巷間言われていることはいくつかある。
オール沖縄の稲嶺陣営は基地反対を焦点に明確化し、渡具知陣営は争点をそらして経済活性化を訴えた。その作戦の巧拙が勝敗を分けた、というのだ。なるほど、政権が経済支援をエサに渡具知陣営への露骨な利益誘導を行ったということなのだ。基地反対の稲嶺陣営にはムチだけを、一方渡具知陣営にはアメを差し出したというわけだ。

また、辺野古基地建設反対運動の先が見えず、住民が疲れ果ててこれまでとは別の選択を強いられた結果だともいう。反対しても、国は強大で抗いがたい。裁判所だって、所詮は国家機関だ。政府の肩を持つに決まっている。それは既に明らかになっているではないか。いずれ基地はできてしまう。それなら、無用な抗争をするよりは、条件闘争に転じた方が得ではないか。望まぬ基地を押しつけられるのだ、その見返りをできるだけとるという方針のどこが悪い、というわけだ。

公明党がその存在感を示さんがために選挙運動に全力をあげた結果であったともいう。公明党が力をいれた選挙では、期日前投票の割合が高くなるといわれるが、その現象が如実に出た結果と受けとめられている。

さらに重要なことは、この選挙では初めての18歳・19歳の選挙権行使が、保守の側に有利に振れて「オール沖縄」派敗北の原因となった…のだとも。

この名護ショックの原因の構図は、沖縄知事選告示に当たって、既視感に充ち満ちている。

政権は沖縄に基地の負担を強いたうえに、こう言っているのだ。
「おとなしく基地の建設を認めろ。そうすれば悪いようにはしない。その見返りは真剣に考えてやろう」「しかし、言うことを聞かないのなら、徹底して経済的に締め上げるから覚悟しろ」
こう言われて、「我々にも五分の魂がある」という意気地派と、「魂では喰えない。背に腹は代えられない」という現実派が真っ二つになっている。前回知事選では「五分の魂」派の翁長陣営が圧勝したが、今回は「背に腹」派の勢いは侮りがたく、予断を許さない。

公明党・創価学会は、前回知事選では自主投票だった。しかし、今回選挙では佐喜真陣営に本腰を入れた応援態勢。全国から5000人規模の活動家をこの選挙戦に送り込んでいるとされる。

若者の動向、はどうだろうか。
名護市長選における地元OTV(沖縄テレビ)の出口調査では、年代別の投票先は次のようだったという。若者世代の保守化は著しいというほかない。
10代 稲嶺37% 渡具知63%
20代 稲嶺38% 渡具知62%
30代 稲嶺39% 渡具知61%
40代 稲嶺41% 渡具知59%
50代 稲嶺38% 渡具知62%
60代 稲嶺65% 渡具知35%
70代 稲嶺68% 渡具知32%
80代 稲嶺67% 渡具知33%
90代 稲嶺86% 渡具知14%

RBC(琉球放送)の出口調査では、
10代 稲嶺33.3% 渡具知66.6%
20代 稲嶺44.0% 渡具知56.0%

人は若くしては理想に燃えて革新派であり、社会で長く生きるにしたがって世のしがらみと妥協して保守派に転じる。そう信じていた私は戸惑うばかりだ。10代で既に保守派が多数とは、人類にいったいどんな異変があってのことなのだろうか。

名護市長選挙で、ネットの動画に見た高校生は、おとなしくにこやかに、小泉進次郎のつまらぬ話しを聞いていた。これには、少なからぬ衝撃を受けた。「この美ら海を埋め立ててよいのか」「オスプレイで学校の騒音はどうなるのか」「ヘリが校庭に落ちてきたらどうする」などとヤジは飛ばない。本来は、こう問い質すべきなのだ。「どうして、選挙演説で基地のことをお話ししないの」「辺野古基地の建設は我慢しなければならないの」「基地ができたら、今普天間の学校や保育園で起こっていることが今度は名護で起こることにならないの」「オスプレイはどのくらいうるさいの」「どうして、渡具知さんが勝った場合だけ経済振興になるのですか。稲嶺さんでは応援しないと言うことですか」「あなたは私たちに、具体的に何をお約束されるのですか」「そのお約束は、稲嶺さんが市長ではできないのでしょうか」「稲嶺さんの政策のどこに間違いがあるということでしょうか」「結局あなたは、名護のためにはではなく、基地建設推進のために渡具知さんを応援しているのでではありませんか」

さて、今回知事選は、政権と向き合う沖縄にとっての正念場である。ということは、全国の「市民と野党の共闘」にとっての正念場でもある。来年の参院選や改憲問題にも影響する重大事態。不利なことも多々あるが、ウソとごまかしで行政を私物化している政権の評判はまことに芳しくない。我がこととして、この選挙を闘い抜きたい。

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いまこそウソとごまかしの「安倍政治」に終止符を! 賛同署名のお願い。
https://article9.jp/wordpress/?p=11058

安倍政治に即刻の終止符を求める人々の熱い言葉の数々。
https://article9.jp/wordpress/?p=11073

ネット署名に是非ご協力を。そして、拡散もお願いします。

署名は、下記URLからお願いいたします。

https://bit.ly/2MpH0qW

(2018年9月13日・連続更新1992日)

安倍政治に即刻の終止符を求める人々の熱い言葉の数々

著名16氏の呼びかけによるキャンペーン、「いまこそウソとごまかしの「安倍政治」に終止符を!」。

その詳細は下記URLで、9月10日付当ブログを参照してください。
https://article9.jp/wordpress/?p=11058

いま、ネット署名展開中なので、是非ご協力を。そして、拡散もお願いいたします。

署名は、下記URLからお願いいたします。

https://bit.ly/2MpH0qW

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9月10日から始めたネット署名、本日(12日)夕刻の時点で、賛同者4000名を超えて、5000名に迫っている。

このネット署名には、「賛同者からのコメント」欄がある。一覧性に乏しく読み易いような作りにはなっていないので読むのに少し骨が折れるが、読んでみると実に面白い。多くの人の、安倍はゴメンだ、もういい加減に辞めてくれ、という思いが伝わってくる。

寸鉄人を刺す短文あり、悲憤慷慨型あり、理論的な長文あり、危機感横溢型あり、安倍嫌悪感ぶちまけタイプもある。子どもや将来世代にウソとゴマカシの政権は有害と嘆くもの、とりあえずは安倍以外ならだれでもという意見などもある。到底、全部の紹介はできない。ごく一部を発言者氏名略で引用してみたい。ご一読して納得いただけるところ、多々あることと思う。実はこれが、世論の底流ではないだろうか。

美しい日本に、安倍晋三はいらない。

今日本で一番不要な物は安倍晋三です。一刻も早く辞めさせましょう。民主主義を守る為に

数々のごまかしと逃げが、当たり前でまるで要領が良い事とすり替える状況に、もう耐えられません。利己的な冷笑や差別を助長させる分断が、身近に広がっていくのを見るのももう嫌です。
?
安倍晋三の政策は自分のためだけだ。早急に変えなければ、不幸な人が増え続ける。

もう、右でも左でもいいや。でも嘘つきだけは許せない。子供の時に親から教わらなかったのかなあ。閻魔様に舌を抜かれるよって。

今が歴史の分かれ目かも。このまま安倍的な政治体制を止められなかったら、引き返せない気がします。

「9歳の孫が何で警察は悪いことをしているアベさんを捕まえないの?と聞きます。いとおしく思い抱きしめたくなりました。」って投稿に共鳴?

安倍首相は憲法違反を犯しても、自分の思い通りの独裁国を目指し、その為には反対する側の人々を苦しめ蔑ろにしている。国民の税金を私物化し、国民を助けずに友達や身内を優遇し海外にばら撒く巨額な税金! その巨額な税金で、地震や大水害や福島原発事故の被災者の方々を救う方に回す事もせず、国民を苦しめる総理大臣など要りません。

もうこんな政権にはウンザリ!

無駄なトークと詭弁。能力があるならまだしも、運と血筋だけのナルシストに総理大臣は無理です。

小学生の子供に「どうしてこの人(安倍さん)はまだやめないの?あんなに嘘ばかり言ってるのに」と訊かれ、納得させる説明ができなくて困っています。

?嘘つき首相が何ごともなかったように総裁選に出て、これからも政権私物化と平和憲法改悪を最大の動機として、公文書の廃棄・改ざんに動き回るのを、ぼくたちはだまって見過ごすわけにはどうしてもいかない。政権与党、役人たち、報道機関が、嘘つき首相の悪事にどうやって加担しているのかも、国民はしっかり見ているぞ。

責任逃れが出来るという前提を作らないでほしい。僕が子どもの時信じていた社会はこんなのではなかった。

私や妻が関わっていたら辞任、辞職は当然とまで言った総理がその関わりを隠すために書類の改竄削除、官僚には虚偽答弁。

今、民主主義の根底が覆されようとしている。もはや安倍政権に国政を担う資格はありません。早急の退陣を強く求めます。

また日本が、同じ大きな過ちをおかしていまうのではないかと、かなり危惧しています。税金も全く有効に使われていません。いい加減にして欲しい。

この6年弱、国民の健全な生活や権利、民主主義がどんどん破壊されていき、これ以上許せません。嘘や改竄はもうたくさん!日本は法治国家!安倍独裁政治にNO!

すでにこの国は容易に立ち直れないところまできています。これ以上安倍政権が続くことは、民主主義国家崩壊へのトドメを刺すことを意味すると言っても過言ではないのではないでしょうか。とっくの昔に安倍晋三は憲法99条に違反していると確信しています。そういう政権はただちにその座をおりるべきです。

自主独立と言いながらも、地位協定の見直しすらできない「従米マリオネット安倍政治」こそ、エセ右翼の反日である。巷の風評などを鵜呑みにせず、よくよく彼の行為等を見ればわかること。反安倍は、反日ではなく、この国を深く憂う、真の愛国者なのである、と俺等は考える。

これでどうにかなると思うほど平和ボケしてはいないけど、黙っている事で事態が好転することは絶対にない。打てる手は全て打つ。

?安倍さんは道徳教育を推進されている様ですが、ご自身は対象外の様ですね。ご自身へ道徳を適用して、退陣・辞職して下さい。

安倍政権のまやかしの下で、憲法の平和主義・法のもとの公平が壊されました。安倍晋三氏が公職にありながら、権力を弄び憲法に違反する行為を続けることは民主主義の意味さえ崩壊させると思い、賛同します。異議を唱え続けることが貴重です。

人間の本質とは「弱さ」である。人は強壮なときそれに気がつかない。弱者に優しい社会は誰にとっても有利な社会。しかるに安倍政権では全てが自己責任化され、強者のみが優遇される分断社会となっている。これ以上は社会システムが持たないところまで来ている。一日も早く、国民の手によって退陣させねばならない。

もちろん心のそこから大賛同です!! 応援支援するために何かできることがあればいつでも教えてください。

TPP交渉の内容を国民に明らかにせず今年の4月に国内の種子法を廃止、水道の民営化法案も可決目前です。国民の命を守るためにも真っ当な政治を望みます。

最低限の決め事を守らない人たちは政治の仕事をしてはならない。安倍政権退陣を要求します。

不都合な記録を焼却、廃棄するのはこの国の政府がずっとしてきたこと。テロリストがクーデターを起こして政権を転覆させた明治「維新」という歴史まで改ざんして明治を礼賛しようとする安倍一味に騙されるな。

自国の憲法を貶めるような人間は、トップにふさわしくない。国家のモラルの崩壊ぶりも目に余る。もう我慢の限界。

これ以上、日本を壊されたくない!

No more ABE

あと数年間、安部政権が続けば徹底的に日本の政治、経済、社会の仕組全体が破壊されてしまうでしょう。こんな日本では安心して子どもを育てられません…。

これこそ未曾有の国難です。

ウソつき総理とその仲間たちには辞めてもらい、事実を歴史に残すようにしていくべき。?誤魔化すばかりの不誠実な政治家には今すぐ退場してもらいます!

?経済産業省のその後の対応といい、隠蔽体質を変える動きが見られない。政権ごと変える必要がある!

ウソやごまかしというよりは、彼がやっていることは国民の財産を毀損する犯罪なので、一日も早い逮捕・起訴をお願いします。

平気で息を吐くように嘘を言い続け、行政の私物化を平然と続けているアベ政権、安倍夫妻にはうんざりしています。日本の、世界の恥です。アベ政治の終止符を!

福島県の避難指示解除基準は20ミリシーベルト/年。放射線管理区域の設定基準の4倍近くまで子どもたちが被曝しても「アンダー・コントロール」とうそぶく安倍晋三は、恥を知れ!

証拠隠滅も偽証も犯罪です。それを国全体でやろうとしてる。犯人隠匿のために。

憲法をないがしろにする安倍さんが改憲案を国民に発議しようとしている今こそ「安倍政治」に終止符を。

私の人生に安倍政治は必要ありません!

安倍晋三とその一味の駆除により一日も早く国政の正常化を!

あったことを、なかったことにはできません。ないことを、あることにもできません。こどもや孫、日本の未来を担う人たちに歴史を正しく残すためには、安倍晋三とその仲間たちに居座らせてはいけないと思う。嘘と騙し。餌付けと恫喝。こんなもので政治が行われる。これが美しい国日本ですか? 世界中から冷たい目で見られているこんな状況を、そろそろ国民の力で改善していかなければ

安倍晋三のおかげで、民主主義は闘い取らねばならないもの、不断の努力で守らなければならないもの、育てていかねばならないもの、と学ぶことができた。そのために、このキャンペーンに強く賛同いたします。

いけないことは、いけないと、わたしは声をあげる。口ごもらずに。

とにかくお引き取りください!

安倍政権発足後、何一つとしていいことがありません。国民から搾り取るだけ搾り取って、災害が起きてもろくに対策をとらないこんな政権、即刻終わらせなければなりません。

正直な人達が、公正なルールの元に政治を行うことが今すぐ必要です。安倍晋三氏は議員を辞職するべきだと強く考えています。

こんな愚脳政権は一刻も早く退陣に追い込まないと日本の未来は無い

未来ある若者達のためにも、我々の世代が立ち上がらねば! 嘘とハッタリと開き直りが罷り通る安倍政権が続けば、人権も自尊心もプライドもない、生きる価値の無い世の中になってしまいます。そんな世の中を繋ぎたくない! 人権、自尊心、プライドを持って生きられる世の中を、未来ある若者達に継承したいです。

国民のためには百害あって一利なしであることがもはや確定している安倍晋三。総理どころか国会議員としての資質も能力もなく、国民のためには百害あって一利なしである安倍晋三とその親衛隊連中を、国民の手で政治の世界から追い払いましょう。

自民党総裁=総理大臣、それおかしいですよね? 国民には選ぶ権利があるはず! もう終わらせたい、安倍政治。だからキャンペーンに賛同します。

もうこれ以上の嘘と欺瞞には耐えられません?憲法違反の戦争法閣議決定以前の日本を取り戻したい。秘密保護法も共謀罪も戦争法もどれ一つとして国民側からの要求ではない。安倍政権下でごり押しされた全ての悪法をチャラにしたい。ふざけんな! 自民党!

公文書を廃棄し改竄する連中は、歴史上の事実を廃棄し改竄する。今すぐ止めましょう。

安倍政治は、醇風美俗の日本に適していない。百害あって一利なし。早く退陣してほしい。

三権分立を壊し、報道に圧力をかける政権は危険。

もう我慢の限界! 日本国民よ、目を開けてしっかり腐った政権を見よ!

あと三年、は耐えられない。

後世に誇れる日本を取り戻したいと思います。

安倍晋三首相一派を一掃! 現行自民党主流派を一掃!

安倍政権は、平成の汚点。

アベさん、あんたには「憲法遵守」の義務がある。あんたが好むと好まざるとにかかわらず、誓約して今の地位にいるはずや。せめて卑怯者にはならんように。(≧`・´≦)

「憲法を1文字でも変えること」以外になんの理念も理想もない狂人などに1秒たりとも首相でいてほしくない。

?安倍政権の記録への冒涜は、未来に対する犯罪行為です。それを止める責任が同時代の大人にあるのだと思います。その機会を作ってくださりありがとうございます。

嘘はいけないと、親に言われて育ちましたから。

こういう署名活動がたくさんの人の目にとまってほしいですね。今、どれだけこの国がおかしいか、たくさんの人に感じてほしいです。

FBに以下のように書きました:『自民党総裁選の20日という日付に特別の意味があるわけではないけれど…いや北海道震災をうけても延期されなかったということではきわめて特別の意味がある。このかん人々が目撃してきた政治の私物化が再び公然と繰り返されたわけだから。その上での三選は、いわばこの国が「狂気」の次元に完全に入り込んだこということを意味する。この「狂気」は祝祭的な、明るい、あるいは暴力的な、革命的であったりするタイプのそれではなく、暗く、陰鬱な、誰もが黙り込んで、一つのうそが百のうそを生み出していくのを見過ごしにした結果、言葉が完全崩壊し、正常なコミュニケーションがおこなわれなくなった…という類の(集団的)「狂気」であると思う。「官僚」の士気にも大きく悪影響を及ぼしつづけるのは明らかなのに、それが正されない。ならばそれを「正気」に戻さなければならない。「狂気」(の勝利)の真っただ中で、それをなしうるのは至難のわざのように思えるけど、他方で(集団ではなく)個々の人々は正気を保っているのではないか。ただ「うそ」がまかり通るのを、憤りつつか冷笑的にかは別にして、見守ったり見過ごしたりしているだけだ。この「抑圧」(分かりつつ否認したり無視しようとしたりすること)は、ある、もしかしたら簡単なきっかけで、噴出し、物事を逆転してゆく力になりうる。「王様は裸だ」と。たしかに、モリカケは「簡単なきっかけ」と思えた。「王様は裸だ」ということが明らかになった…にもかかわらず、安倍は三選にこぎつけた。しかし「モリカケ」問題はいわば(終わるまで永遠に)回帰してくる「抑圧」として残っている、だけでなく、政権の「積極的支持率」はきわめて低い(そしてモリカケはこのことに相当程度貢献してきた/している)。政権が見捨てられる要因は、たくさんある。「失敗は成功のもと」(2007年第一次安倍政権の惨めな崩壊→現在)というけど、逆も真なり。それまで「正気」の言葉をいいつづけ、残していくことは、だからとても大事。「そのとき」が来たとき、それら「正気」の言葉たちが、人々の武器になる。』

いま日本の民主主義は最大の危機に直面しています。この危機を回避できるのは、私たち日本国民の意識力と行動力の発揮しかありません。

総理だけでなく議員を辞めろでも良いのではないでしょうか。

愚人・狂人・嘘言人の総理には即座に総理の座より降りよ!おとなしく罪を認め縛につけ!と主権者たる国民の一員として命じます!

テレビの画面に総理大臣の顔が出ると、チャンネルを変えたくなる。自国の総理大臣を尊敬できない不幸を嘆きます。

どうかこの国と世界の未来が誇りに満ち。人間の尊厳が普通に守られる社会になりますように!そのためには人々が真実を知ることが重要です。真実を知る姿勢こそが公正な社会を実現する礎です。

「美しい日本」どころじゃない。感じ悪い・汚い・腐ってる・欠陥だらけ・壊れてる。5Kじゃないか。4Kより美しいはずなのに…

日本を破滅から救うためには、安倍政治に終止符を打つ以外にありません。
安倍政治をこの上3年も続けさせることは、日本をますますダメな国にすることに繋がります。

国民の生活を考えない政権など、さっさとお払い箱にしましょう。

安倍政治許さん

国民に詐欺を働く無法者は主権者の責任において排除せねばならない。

ヤメテ今すぐ。

早く辞めろ!

この賛同署名の宛先は「内閣総理大臣 安倍晋三」に送られるということなので、彼に呼びかけようと思います。:安倍さん。あなたが周囲に行ってきた露骨なアメとムチの使い分けによる政治支配の結果この国は、現在、直接的な他国との戦争を行っていないにも関わらず、敗戦後に等しい荒廃した国になってしまいました。国土と国民の心までボロボロにして、何を成し遂げようとされているのかといえば、再び日本を戦争可能な国にするための憲法改正だという。戦争出来るも何も、すでに現在、あなたのとってきた数々の悪政の結果、敗戦後の有り様だというのに。もう十分でしょう、あなたは日本の歴史に名前を深々と刻みました。「日本建国後、もっとも愚かな総理」として。今、潔くその座を辞したとしても、その汚名は挽回しませんが、一刻も早い政界引退と、過去の自分が起こした罪をつまびらかにした上で、健全を取り戻した上での司法によって裁かれ、刑に服することを強くお勧めします。

安倍さんはもういいです。

「今こそ」の言葉を2014年7月1日の安倍内閣による「集団的自衛権行使容認」閣議決定以来4年あまり叫び続けてきましたが未だに実現出来ないのが歯がゆくてなりません。自由と正義を信じる民が結集すれば必ず達成できる目標です。難しいことではありません。「今こそ」を合言葉に。

ウソ人間の取巻きがまたひどい。マスコミも追随。変わらない国民の無関心、事勿れ。

早く安倍を終わらせないと日本が終わってしまいます。安倍政治は史上最悪の災害です!

安倍さん以外なら石破さんでも共産党でもかまいません。無能、冷酷、恥知らず。

独裁者とそれに追従する愚か者、そして独裁者待望感をもつ何かが恵まれない一般人からそれらがもつ力を取り上げなければならないと思います。

もう本当にうんざりです。

自国の憲法を『みっともない』などと公言する者は、首相の任にそぐわない。

この数年、民主主義の入れ物の底がどんどん浅くなり、その浅い底さえ抜けてしまった状態のように思います。今こそ…。

先の大戦で大日本帝国は、我が国土を焼野原にし、国内外を問わず人々を悲惨な目に合せました。嘘がまかり通る社会の結末がどうなるかを示しています。私たちは未来のために、嘘まみれの政権を終わらせるべきです。

平和で安心して暮らせる生活を取り戻しましょう。

アベ政治はこれできつぱり打ち切だ! いらない!

虚偽と隠蔽に塗り固められた安倍政治はもうまっぴらです。
また日本国憲法の良さが解らない人に憲法を変えてほしくない。

安倍政権関係者の様な悪辣・卑怯・傲慢・強欲な人間が国家の中枢に存在するとは信じられない不幸です。弱者を踏みにじり、自分の欲得の為だけに生きている様な、国民にとって悪い事しか成さない政権をのさばらせ、退散させられないのは何故でしょう? 真っ当な国民の声を集め、日本を悪の手から取り戻したい、心からの願いです。自分の利益ばかりばかりで国民をないがしろにする人間を国政を任せるのは危険過ぎます!今すぐ辞任させ法で裁かれるべきです!国を食い潰される前に..。

これ以上安倍による国家破壊は許せない。 (`_´メ)

お金持ちのためだけの政治、ヘイトやごまかしの政治はもう こりごり。

とにかく安倍さんにだけは任せたくないです。自民党に自浄作用が働かないので、外から圧力を掛けないとしかたないです。アピールに賛同します。

「ウソとごまかし」と言うが正確には「ウソをごまかし」ているのがほとんどだろう。公文書を改竄し証拠を隠蔽して「ウソ」がなかったことにする。追求されれば、証拠を出せ、私は被害者、だから質問には答えない。答えないからこの問題は解決。そして、志新たに・・・と始まるのである。明らかに被害者は国民じゃないか! もう、とうに私の沸点は越えている。

「他に適当な人がいないから…」と思って躊躇してる場合じゃありません。先ずは他の人にやらせて「変えてみる」勇気が必要です。

公文書改竄は犯罪です。民主主義の根幹を揺るがせます。責任をとって辞職してください。

安倍政権、自民党政治は終わりにしよう! 日本の、本当の民主主義を取り戻そう!

晋三を一刻も早く退陣を! 戊辰戦争来の嘘と欺瞞の長州人政治を憎む! by 会津藩末裔。

偽政者は退場を願います。国民・国家は貴方の玩具じゃありません。悩み悲しむ人に寄り添い、支える政治を絶望致します。

もう嘘はたくさん? 真面目で正直な代表に変えましょう。

最後に、私のコメントは以下のとおり。
ウソとごまかしはいけません。ウソとごまかしを指摘されての開き直りはもっといけません。反省したフリだけでもう済んだことにする常套手段も許せません。安倍政治の継続は、憲法の危機であり議会制民主々義の危機でもあります。多くの人の声を集めて、一刻も早く安倍政治に終止符を打とうではありませんか。
(2018年9月12日・連続更新1991日)

「安倍9条改憲」を阻止するために

本郷にお住まいの皆さま、ここ三丁目交差点をご通行中の皆さま、私は本郷5丁目に在住する弁護士です。日本国憲法とその理念をこよなく大切なものと考え、安倍首相による憲法改悪の策動を阻止し、さらに憲法の理念を政治や社会に活かすことがとても大切との思いから、志を同じくする地域の方々と、「本郷湯島九条の会」というささやかな会を作って、憲法を大切しようという運動を続けております。

会は、毎月第2火曜日の昼休み時間を定例の街頭宣伝活動の日と定めて、これまで5年近くも、ここ本郷三丁目交差点「かねやす」前で、護憲と憲法理念の実現を訴え続けて参りました。とりわけアベ政権の憲法をないがしろにする姿勢を厳しく糾弾してまいりました。今は、「安倍9条改憲」阻止が私たちの最大関心事です。

昨年・2017年の5月3日憲法記念日が「安倍9条改憲」策動の始まりでした。彼は、志を同じくする右翼団体の改憲促進集会と、これも志を同じくする読売新聞の紙面とで、2020年までに、憲法を改正したいと期限を切って具体的な改憲案を提案しました。

「安倍9条改憲」の内容は、憲法9条の1項と2項は今のままに手を付けることなく残して、新たな9条3項、あるいは9条の2を起こして、自衛隊を憲法上の存在として明記する、というものです。安倍首相は、「全ての自衛隊員が強い誇りを持って任務を全うできる環境を整えるということになるだけで、この改正で実際は何も変わらない」と繰り返しています。

もし、本当に何も変わらないのなら、憲法改正という面倒で巨費を要する手続などする必要はありません。「自衛隊員が誇りを持って任務を全うできる」か否かは、国民が判断することで首相がしゃしゃり出ることではありません。

実は、「安倍9条改憲」で、憲法の平和主義の内容は明らかに変わるのです。現行憲法9条の1項と2項は、戦争放棄・戦力不保持を明記しています。これをそのままにして、戦争法(安保法制)が成立しました。このことによって、法律のレベルでは、自衛隊は集団的自衛権行使の名目で、海外で戦争のできる実力部隊と位置づけられたのです。しかし、憲法はこれを許していない、今ならそう言えます。

安倍9条改憲を許せばどうなるでしょうか。戦争放棄・戦力不保持の1・2項と、新たに自衛隊を書き込んだ憲法の新条文とが矛盾することになります。その矛盾は、新たな条文に軍配を上げるかたちで収められる危険が高いのです。「後法は新法を破る」という法格言があります。集団的自衛権行使可能な自衛隊の明記が、9条1項・2項を死文化させかねないのです。

それが、安倍晋三とその取り巻きの狙いだと考えられます。彼に欺されてはならないと思うのです。私は、安倍晋三という人物を、嘘つきで卑怯で、信用してはならないと固く信じています。そのことは、モリ・カケ問題での国会審議で、国民の大多数が共有している思いではありませんか。

そもそも、憲法99条は「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」と定めます。これは、立憲主義を明記した条文と理解されています。主権者としての国民が、権力を託した相手である公務員に対して、憲法を守れ、憲法に従えと命令しているのです。

権力者の筆頭の立場にある内閣総理大臣たる者、ひたすらに主権者の命令である憲法を誠実に尊重し擁護する義務を負うのであって、憲法が気に入らないから改正しようなどと言い出してはいけません。

内閣は国会に対して法律案の上程はできますが、もとより憲法改正原案の発議(上程)の権限はありません。憲法改正は本来主権者国民の権限に属するもの、その原案の国会への発議と審議は、最も国民に近い立場にある国会議員が行うべきもので、内閣も総理大臣も改憲手続きには関与しないのが法の構造です。

にもかかわらず、憲法尊重擁護義務を負うはずの安倍首相の改憲意欲表明が、相変わらず旺盛です。ことあるごとに「自衛隊を憲法上の存在として明記したい」と繰り返し発言しています。そして、憲法改正原案の国会上程時期を、「秋の臨時国会を目指して議論を進めてもらいたい」とまで踏み込んでもいます。

たとえば、9月3日、安倍晋三首相は、防衛省で開かれた自衛隊高級幹部会同で180人の自衛隊将官を前に、「全ての自衛隊員が強い誇りを持って任務を全うできる環境を整える。これは今を生きる政治家の責任だ。私は責任をしっかり果たしていく決意だ」と訓示しています。明らかに、憲法に自衛隊を明記するという改憲意欲を示した発言ではありませんか。

憲法尊重擁護義務を負う首相が、公的な場において公的資格で、厳正な政治的中立性を求められる自衛隊幹部に対して、憲法改正という政治性の高い「訓示」を述べる異様な風景といわねばなりません。

次いで、9月6日朝、安倍首相は、ネット右翼のテレビ番組『真相深入り!虎ノ門ニュース』に出演して、同様の発言をしています。この番組を作ったDHCテレビは、沖縄の基地建設反対運動への偏見をデマとヘイトで煽った「ニュース女子」を制作したことで有名になった真正右翼の会社。安倍政権を擁護し応援する立場で一貫しています。安倍首相としては、自分の岩盤支持層へのサービスとしての出演なのでしょう。安倍晋三とは何者であるか、とても分かり易い図柄ではありませんか。

さらに、安倍首相は昨日(9月10日)午前、自民党総裁選の共同記者会見で、憲法改正問題に触れて、憲法改正を今後3年のうちに果たしたいと訴えています。当初の20年改正憲法施行からは1年ずれましたが、まだ諦めてはいないのです。

彼は、「もう私は、今回しか総裁選挙に出られませんから。あとの3年で(憲法改正に)チャレンジをしたいと考えております」という言い方。その上で、「自民党総裁として一定の目標を掲げないといけない。秋の臨時国会を目指して議論を進めてほしい」と述べています。前のめりな姿勢。

これに対して石破茂候補が、「理解ないまま国民投票にかけちゃいけません。誠実な努力を着実にやっていく上で、初めてそれが俎上(そじょう)に上るもの」と、クギを刺しています。軍事オタクで、タカ派イメージの強い石破さんをハトに見せる安倍首相の前のめりの姿勢です。

皆様、もしかしたら安倍首相は、「本当にやりたい憲法改正は諦めて、ほんのちょっとだけ、ごくマイルドな改憲提案なのだから、楽々実現できるはず」と思い込んでいたのかも知れません。

しかし、ことは国の将来を左右する重大事です。こんな嘘つきで軽薄な人物に、軽々に国の運命を任せてはなりません。安倍政権を支えている右翼改憲勢力は、「今が千載一遇のチャンス」「アベのいるうち、両院に改憲派議席が3分の2あるうち」の改憲をたくらんでいるのです。

安倍首相がその座を去るか、両院どちらかの改憲阻止派の議席を3分の1以上にすれば、憲法と平和の危機を乗り越えることができます。みなさま、ご一緒にその声を大きくしようではありませんか。
(2018年9月11日・連続更新1990日)

いまこそウソとごまかしの「安倍政治」に終止符を! 賛同署名のお願い

定刻になりましたので記者会見を始めます。
本日の会見の司会を担当する、弁護士の澤藤です。この席には、アピールの呼びかけ人16名のうち、私の他に、池田香代子(ドイツ文学者・翻訳家)、上西充子(法政大学教授)、中野晃一(上智大学教授)、濱田邦夫(元最高裁判事 弁護士)、浜田桂子(絵本作家、画家)、堀尾輝久(東京大学名誉教授)の6名が出席しています。

それぞれの立場からの訴えをさせていただきますが、まず私からアピールの内容を要約してご紹介いたします。

アピールの全文は、起・承・転・結の4節からなっています。

第1節では、民主義国家における主権の行使には、正確な情報が不可欠であることを説き起こしています。官僚から国民への正確な情報提供には適切な公文書の管理が必要であり、国民が正確な公文書の管理を求めることは、憲法上の知る権利にもとづき公文書管理法に定められたところです。

にもかかわらず、安倍政権のもとでは公文書・公的情報の隠蔽・改竄、廃棄・捏造が横行し、権力のウソやごまかしによって国民主権や民主主義を支える土台が破壊されようとしています。その指摘が第2節。具体的問題として取りあげたものは、森友・加計の各学園問題、南スーダンPKO日報問題、そして裁量労働制データ問題。

第3節では、このまま反省のない「安倍政治」を続けさせたのでは、「大本営発表」時代の歴史を繰り返すことになりかねず、議会制民主主義の危機をさえ危惧せざるを得ない事態であることを指摘し、

結論としての第4節では、私たちは、この時代を生きる主権者として、民主主義を求める声をひろく集め、真実を明らかにし、ウソとごまかしの「安倍政治」に今こそ終止符を、と訴えるものです。

このアピールに多くの方からの賛同署名をいただき、公文書の杜撰な管理問題や政権中枢による行政の私物化という問題の幕引きはけっして許さないとする世論を作っていこうではありませんか。署名は、下記URLからお願いいたします。

https://www.change.org/p/内閣総理大臣-安倍晋三-いまこそウソとごまかしの-安倍政治-に終止符を-7c29c855-209c-49c3-b93d-a95a9e76d1ee

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いまこそウソとごまかしの「安倍政治」に終止符を!

1 公文書は私たち国民が共有する知的資源
  私たち国民が政府の諸活動などを十分かつ正確に知ることは、この国の主権者として様々な物事を決めたり判断するために必要不可欠なことであり、国民主権や民主主義を成り立たせるための最低限のルールです。
そのため、日本国憲法は国民の「知る権利」を保障し、公文書管理法は公文書を「健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源」と位置づけ、その適正な管理等を通じて国等の「諸活動を現在及び将来の国民に説明する責務が全うされるようにする」としています。また、情報公開法も、国民主権の理念に則って「政府の有する諸活動を国民に説明する責務が全うされるようにするとともに、国民の的確な理解と批判の下にある公正で民主的な行政の推進に資することを目的とする」としています。

2? 公文書の隠蔽・改竄、廃棄・捏造は国民主権・民主主義を破壊する
  しかし、安倍政権のもとで、公文書・公的情報の隠蔽・改竄、廃棄・捏造が横行し、権力のウソやごまかしによって国民主権や民主主義を支える土台が破壊されようとしています。
森友学園へ約8億円もの値引きをした上で国有地が払い下げられた件で、安倍首相は「私や妻が関係していれば、首相も国会議員もやめる」と答弁しましたが、その後、財務省によって、安倍昭恵氏の名前などが記載された決裁文書が廃棄や改竄されていたことが明らかとなりました。
加計学園に半世紀ぶりの獣医学部設置を認可した件でも、安倍首相は「私がもし働きかけて決めているのであれば、責任を取る」と答弁しましたが、その後、内閣府が「総理のご意向」「官邸の最高レベルがいっている」と述べたとする文科省文書や、2015年2月に安倍首相が加計孝太郎氏と面会し新しい獣医学部を「いいね」と述べたとする愛媛県文書などが相次いで発覚しました。
南スーダンの首都ジュバで発生した武力紛争を「戦闘」と記録した南スーダンPKO派遣自衛隊日報が廃棄、隠蔽されていた問題に続き、稲田朋美防衛相(当時)が「ない」と答弁していたイラク派遣自衛隊日報も、実は存在し、そのことが1年以上も隠蔽されていたことも明らかになりました。働く人の健康と命にかかわる「働き方改革」の件でも、「裁量労働制で働く方の労働時間は平均的な方で比べれば一般労働者よりも短いというデータもある」という安倍首相の答弁は、根拠とされた厚労省「平成25年度労働時間等総合実態調査」のデータを政府に都合のいいように加工し捏造したものであることが発覚しました。

3 「大本営発表」の歴史を繰り返すことを拒否する
  権力者が自らに都合の悪い情報を隠したり、虚偽の情報を流したりすれば、国民は本当のことを知らないまま、権力の意図する方向に流され、いつの間にか取り返しのつかない事態に陥ってしまう。これが歴史の教訓です。日本でも、戦果を捏造した「大本営発表」が国民を総動員する手段として利用され、悲惨な戦争へと突き進み、あの破局と悲劇をもたらしました。それだけに権力のウソやごまかしは絶対に許されることではありません。
しかも、この間の公文書や公的情報の隠蔽や改竄、廃棄や捏造などの一連の出来事の背景には、安倍首相をはじめとする安倍政権の中枢を担う政治家や官僚が、公権力を私物化し、国民の血税で自らの利益を実現しようとしている構図が透けて見えます。
この問題の本質は、権力の私物化と国民の「知る権利」の侵害、そして国民主権や民主主義の破壊であり、主権者である国民に対する重大な背信行為にほかなりません。
日本国憲法は前文で「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言」していますが、権力のウソやごまかしによって国民主権や民主主義が失われるとき、戦前のような社会が再び到来することにもなりかねません。

4? ウソとごまかしの「安倍政治」に終止符を
  安倍首相は「膿を出し切る」といったことを述べるだけで、これまで明らかにされてきた事実に真摯に向き合うことをせず、疑惑解明のための具体的な行動もなにひとつ取ろうとしません。さらには、自身の都合が悪くなると、前記の森友学園に関する答弁について「贈収賄は全くない、という文脈で一切関わっていないと申し上げた」と言を左右し、加計学園に関する首相発言を記録した愛媛県文書についても「伝聞の伝聞」としてごまかすなど、自身の発言に責任を持つという政治家としての最低限の責務すら放棄しています。これらは、真相の徹底解明をのぞむ多くの国民の声を無視し、まるで、時が経てば国民は忘れる、とでも考えているかのような態度といわざるをえません。
私たちは、国民主権や民主主義といった私たちの社会の土台が蝕まれ、破壊されようとしている危機を黙って見過ごすわけにはいきません。
この時代を生きる私たちは、主権者として民主主義を求める声をひろく集め、真実を明らかにし、ウソとごまかしの「安倍政治」に今こそ終止符を、と訴えます。

2018年9月10日
<呼びかけ人>
青井未帆(学習院大学法科大学院教授)、浅倉むつ子(早稲田大学大学院法務研究科教授)、池田香代子(ドイツ文学者・翻訳家)、右崎正博(獨協大学名誉教授)、上西充子(法政大学教授)、上脇博之(神戸学院大学法学部教授)、阪口徳雄(弁護士)、澤藤統一郎(弁護士)、寺脇研(京都造形芸術大学教授 元文部官僚)、中野晃一(上智大学教授)、濱田邦夫(元最高裁判事 弁護士)、浜田桂子(絵本作家、画家)、前川喜平(前文部科学事務次官)、堀尾輝久(東京大学名誉教授)、山口二郎(法政大学教授)、横湯園子(元中央大学教授)

(2018年9月10日)

ウッドワード・オバマ・ムーアらの「言葉」は、トランプの岩盤支持層に届くだろうか。

ドナルド・トランプは、御難続きである。すべては身から出た錆であり、因果応報として甘受せざるを得ないところ。

ボブ・ウッドワードの内幕本「Fear」では「小学5、6年の理解力しかない」と秘密を暴かれ匿名の政府高官によるニューヨーク・タイムズ紙への寄稿でも厳しく批判された。大統領の人格と政策を「衝動的かつ敵対的、狭量で効果がない」という政権内にいる多数の高官がトランプ大統領の言動の危うさを認識し、大統領が掲げる政策について実現を阻止しようと政権内で画策してきた、ともいうのだからトランプが怒るわけだ。

これまで発言を控えてきたオバマが、これに追い打ちをかけている。「トランプは、敵意と恐怖で国民をあおっている。トランプの下で「健全な民主体制」を支える三権分立が機能しなくなっている。世界の国で唯一、パリ協定から脱退した」、などと批判し、「トランプ擁護の共和党はもはや保守とはいえない。過激派だ」とまで言ったのだから、よほどの覚悟。

そして、本命は、常に話題作を提供するマイケル・ムーアの最新作だ。原題「Fahrenheit 11/9」。これが、邦題「華氏119」として11月に全国で放映される。これが見物だ。中間選挙を前に、トランプに頭の痛い作品。

ムーアの2004年作品が、「Fahrenheit 9/11」。これが「華氏911」の邦題になった前例を踏襲しての「華氏119」。「華氏911」は、9・11同時多発テロをきっかけにしたイラク戦争の批判だが、ブッシュ(子)政権に対する痛烈な批判でもある。今度の「華氏119」は、それ以上に徹底したドナルド・トランプ批判だという。

「華氏119」の「華氏」は、ブラッドリーの小説「華氏451度」からのイメージ借用。書物の燃え上がる温度だという、デストピアの暗喩。「119」は、トランプが大統領選で勝利宣言をした2016年11月9日を意味している。この日が、知性も理性も燃え尽くすデストピアの始まりという意味なのだろう。

そういえば思い出す。あの大統領選のさなか、ムーアは大手メディアの予想を真っ向から否定して、「残念ながらトランプが勝つ」と言っていた。

ムーアによれば、「トランプは“悪の天才”。感心するほどの狡猾さを持っていて、トランプを笑う私たちでさえ彼の術中にはめられている」という。彼は、本作でそのトランプを当選させたアメリカ社会に斬り込むとの前評判

キャッチコピーは、次のようなもの。
2016年11月9日、トランプは米国大統領選の勝利を宣言―その日、米国ひいては世界の終りは始まった?! なぜこうなった?どうしたら止められる?ムーア節炸裂! 宿命の戦いに手に汗にぎるリアル・エンターテイメント!

これが、第43回トロント国際映画祭ドキュメンタリー部門オープニング作品として現地時間9月6日夜に初上映された。話題性十分で、11月中間選挙の結果をも左右しかねない。

しかし、あんなトランプをホワイトハウスの主たらしめているのは、実はアメリカ国民の支持である。彼の明らかな失策にも揺るぎを見せない岩盤支持層あればこそである。まさしく、こんなアベ政権を続けさせている我が国の不幸な事態とまったく同様の構造なのだ。

さて、どうしたら、オバマのいう「健全な民主体制」を取り戻すことができるのだろうか。到底楽観し得ない。トランプやアベを支持する国民層に届く言葉を発し続ける工夫と努力を継続するしかないが、今のところ、われわれはその成功の展望を見出し得ない。「トランプやアベを支持する国民層に届く言葉」を探しあぐねている段階ではないか。ウッドワード・オバマ・ムーアらの「言葉」は、そのような観点から、有効なものとなりうるだろうか。
(2018年9月9日)

「いまこそウソとごまかしの「安倍政治」に終止符を!」 ― アピール運動呼びかけ会見のお知らせ

報道関係者 各位

いま、真面目に政治を考える多くの人にとって、安倍政治の継続が苛立ちを禁じえないものとなっています。

「あったものも、なかったことになる」のが安倍政治。政治と行政の私物化、公文書・公的情報の隠蔽、改竄、捏造、虚偽答弁…。「ウソとごまかしの安倍政治を終わりにしたい」ということが、多くの良識ある人々の意見のはず。

ところが、内閣支持率は下げ止まりました。メディアの批判的報道も、国会の追求も、検察の捜査さえも、すべてが最後の決め手を欠いて、安倍政治を永らえさせています。このままでは、健全な議会制民主主義の土台が揺るぎかねません。

私たちは、いまこそ、ウソとごまかしの安倍政治を終わりにするための大きな世論を作りあげる運動がぜひとも必要になっていると考え、そのためのアピールを作成しました。下記の日時・場所で、これを多くの心ある国民に訴えるための記者会見を行います。

よろしく取材と報道の程、お願い致します。

 

<呼びかけ人>

青井未帆(学習院大学法科大学院教授)、浅倉むつ子(早稲田大学大学院法務研究科教授)、池田香代子(ドイツ文学者・翻訳家)、右崎正博(獨協大学名誉教授)、上西充子(法政大学教授)、上脇博之(神戸学院大学法学部教授)、阪口徳雄(弁護士)、澤藤統一郎(弁護士)、寺脇研(京都造形芸術大学教授、元文部官僚)、中野晃一(上智大学教授)、濱田邦夫(元最高裁判所判事、弁護士)、浜田桂子(絵本作家、画家)、前川喜平(前文部科学省事務次官)堀尾輝久(東京大学名誉教授)、山口二郎(法政大学教授)、横湯園子(元中央大学教授)

 

日 時  9月10日(月) 午前10時30分?11時30分

場 所  衆議院第1議員会館 地下1階第6会議室

出席者  池田香代子、濱田邦夫、上西充子、澤藤統一郎(司会)、中野晃一、浜田桂子、堀尾輝久

(お問い合わせ先)

東京南部法律事務所(弁護士 舩尾徹)

電話 03‐3736?1141

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報道関係者にお願いです。あわせて、皆様にもお知らせです。

森友問題も加計問題も、なんの解決にも至っていません。疑惑の解明は中途半端の尻切れトンボ。国民のイライラは募るばかりです。にもかかわらず、疑惑の張本人とその取り巻きは、もう済んでしまった過去の問題であるかのような涼しい顔。

森友・加計に見られる政治の私物化だけではありません。南スーダン日報問題でも、「働き方改革」審議における裁量労働制のデータの問題にしても、資料と事実が政府の都合に合わせて、隠されあるいはねじ曲げられてしまっています。到底国民のための政治が行われているとは思えません。ウソとごまかしの、政権の政権よる政権のための政治。

ことは民主主義の根幹にかかわります。このまま幕引きを許すことは、同じことが繰り返される危惧を残すというにとどまらず、議会制民主主義の土台が崩壊してしまうのではないかという危機感を禁じえません。自浄のできない政権には、退陣してもらわなければなりません。

そのような国民多数の声を集めてかたちにしようと、「いまこそウソとごまかしの「安倍政治」に終止符を!」と標題するアピールの運動を呼びかけます。

アピールの案文は、まず現政権の公文書の取り扱いのひどさを指摘します。公文書とは、私たち国民が共有する知的資源であるにもかかわらず、この政権の取り扱いはあまりにひどい。公文書の隠蔽・改竄、廃棄・捏造は、国民主権・民主主義の破壊をもたらしかねません。そして、私たちは「大本営発表」の歴史の繰り返しを拒否します。主権者である国民が、政権の情報操作によって踊らされる存在であってよいはずはありません。

その上で、私たちは、国民主権や民主主義といった私たちの社会の土台が蝕まれ、破壊されようとしている危機を黙って見過ごすわけにはいきません。
この時代を生きる私たちは、主権者として民主主義を求める声をひろく集め、真実を明らかにし、ウソとごまかしの「安倍政治」に今こそ終止符を、と訴えます。

9月10日(月)の会見で、アピール文を発表し、この署名運動を始めます。会見では、呼びかけ人が、それぞれにその思いを語ります。

是非、会見の取材をお願いいたします。
(2018年9月8日)

アベ首相 自衛隊幹部に「改憲決意」訓示の禁じ手

今さら言うまでもないことだが、公務員には憲法を尊重し擁護する義務がある。公務員が公務員に、100%公的な場で、「憲法変えた方があなたたちが働きやすくなるでしょう」「だから、私はがんばって憲法を変える決意だ」などと発言することは考えられない。今どき、そんなあり得ベからざることが現実に起こった。しかも、発言者は内閣総理大臣、その発言を訓示として聞かされた側は自衛隊幹部の面々。アベ政権のもとでは、なんでもありなのだ。

まずは、昨日(9月4日)の東京新聞朝刊記事から。
「首相、自衛隊幹部に訓示 『改憲前のめり』批判 共産・小池氏」
安倍晋三首相は3日、防衛省で開かれた自衛隊高級幹部会同で訓示し「全ての自衛隊員が強い誇りを持って任務を全うできる環境を整える。これは今を生きる政治家の責任だ。私は責任をしっかり果たしていく決意だ」と強調した。憲法への自衛隊明記に重ねて意欲を示した発言とみられる。野党からは、閣僚らに課された憲法尊重擁護の義務に反するとの批判も出ている。

毎年開かれる会同には今回、自衛隊の将官ら約180人が出席した。首相は直接、改憲に言及しなかったが、自衛隊の違憲論を念頭に「心無い批判にさらされたこともあったと思う。自衛隊の最高指揮官、政治家としてじくじたる思いだ」と語った。これに対して、共産党の小池晃書記局長は「憲法の尊重擁護義務を土足で踏みにじる暴言だ。改憲に向けてあまりに前のめりだ」と批判した。

憲法99条は閣僚、国会議員、公務員に憲法の尊重擁護義務を定めている。今回の訓示は、首相自ら国家公務員である自衛隊員に改憲への意欲を示した形となる。」

同じ問題についての共同通信配信記事は以下のとおり。
「首相訓示は『憲法擁護に反する』 野党批判、自民議員も困惑」
 安倍晋三首相の自衛隊高級幹部会同での訓示に関し、野党や有識者から3日、行政府の長として憲法改正に意欲を示した形で問題だと批判が相次いだ。共産党の小池晃書記局長は「憲法99条が定める閣僚らの憲法尊重擁護義務に反している」とした。自民党ベテラン議員も「全く望ましくない。理解に苦しむ」と困惑している。

首相は同日「全ての自衛隊員が強い誇りを持って任務を全うできる環境を整える。これは今を生きる政治家の責任。私は責任をしっかり果たしていく決意だ」と述べた。
 小池氏は記者会見で、会合の性格を考慮すれば、自民党総裁でなく首相としての発言なのは明白だとして非難した。

東京新聞も共同通信も、まことに真っ当な記事を書いたと言うべきだろう。両者とも、憲法99条を引いている。憲法の視座から見て、アベの訓示に問題あることは一目瞭然である。

赤旗の「首相“改憲表明” 小池氏が批判」の記事は、以下のとおり。
 日本共産党の小池晃書記局長は3日、国会内で記者会見し、安倍晋三首相が同日の「自衛隊高級幹部会同」で行った訓示で、「全ての自衛隊員が強い誇りを持って任務を全うできる環境を整える、これは今を生きる政治家の責任だ」と発言したことについて、「明らかに安倍首相の持論である憲法9条に自衛隊を明記するとの主張を述べたものだ」と指摘し、「憲法尊重擁護義務を踏みにじる発言だ」と厳しく批判しました。

 小池氏は、憲法9条への自衛隊明記は「何の制限もなく海外での武力行使を可能にするものであって、自衛隊員の誇りとは何の関係もない」と強調。防衛省の公式発表によっても、同省の政策方針を自衛隊高級幹部に周知徹底させることなどが高級幹部会同の目的なのに、安倍首相の訓示は自民党総裁としてではなく「内閣総理大臣」として行ったものであり、「このような発言をする場ではない」として、「憲法99条が定める国務大臣、国会議員の憲法尊重擁護義務に明らかに違反する」と重ねて批判しました。

 その上で、「集団的自衛権行使を可能にする安保法制で海外で殺し殺される戦争に自衛隊員を駆り立てることを許さないことこそ、『今を生きる政治家の責任』だ」と主張しました。

小池批判は、単に「99条違反」を指摘するだけでなく、「自衛隊員の誇り」を口実に、実は「海外で殺し殺される戦争に自衛隊員を駆り立てること」がたくらまれているとしている。改憲陰謀を持ちかけられたかたちの自衛隊の面々。本懐だっただろうか。それとも、迷惑だっただろうか。

憲法99条は、「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。」と定める。これは、立憲主義を体現した条文と理解されている。内閣総理大臣たるもの、ひたすらに主権者の命令である憲法を誠実に尊重し擁護する義務を負うのであって、憲法が気に入らないから改正しようなどと言い出してはいけない。内閣は国会に対して法案の上程はできるが、もとより憲法改正の発議権はない。憲法改正手続は、最も国民に近い位置にある国会議員が行うもので、内閣も総理大臣も改憲手続きには関与しない。

にもかかわらず、アベが内閣総理大臣として、「全ての自衛隊員が強い誇りを持って任務を全うできる環境を整える。これは今を生きる政治家の責任だ。私は責任をしっかり果たしていく決意だ」と発言したのは、小池晃書記局長のいうとおり、「憲法の尊重擁護義務を土足で踏みにじる暴言だ。改憲に向けてあまりに前のめりだ」と批判されなければならない。

官邸のホームページに、この自衛官会同の訓示がアップされている。正確には、第52回自衛隊高級幹部会同 安倍内閣総理大臣訓示」というようだ。これを検証してみよう。https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/statement/2018/0903kunji.html

まず、訓示者の肩書である。「自衛隊最高指揮官 内閣総理大臣安倍晋三」となっている。憲法99条にいう「国務大臣」の訓示であることに疑問の余地がない。靖国神社参拝や玉串料奉納の際に「私人として行った」、あるいは「改憲発言は総裁としてのもの」という言い訳は通用しない。

中で、正確にはこう言っている。

 本日、我が国の防衛の中枢を担う幹部諸君と一堂に会するに当たり、自衛隊の最高指揮官たる内閣総理大臣として、一言申し上げたいと思います。
(略)
? 国民のために命をかける。これは全国25万人の自衛隊員一人一人が自分の家族に胸を張るべき気高き仕事であり、自分の子や孫たちにも誇るべき崇高な任務であります。
 幹部諸君。それにもかかわらず、長きにわたる諸君の自衛隊員としての歩みを振り返るとき、時には心無い批判にさらされたこともあったと思います。悔しい思いをしたこともあったかもしれない。自衛隊の最高指揮官、そして同じ時代を生きた政治家として、忸怩たる思いです。
 全ての自衛隊隊員が、強い誇りを持って任務を全うできる環境を整える。これは、今を生きる政治家の責任であります。私はその責任をしっかり果たしていく決意です。

この原稿は、明らかに官僚の「助言と承認」によって作られている。したがって、あからさまに「憲法を改正します」「自衛隊を憲法上明確にする」とまでは、さすがに言っていない。しかし、彼の訓示はこう読む以外にはない。

「自衛隊員の諸君は、時には『自衛隊は違憲の存在だ』という心無い批判にさらされたこともあったと思います。悔しい思いをしたこともあったかもしれない。自衛隊の最高指揮官、そして同じ時代を生きた政治家として、普通の読み方をすれば自衛隊は憲法違反の存在とする憲法9条を、今日まで改正することなく放置してきたことに忸怩たる思いです。
 全ての自衛隊隊員が、憲法違反との誹りを受けることなく、強い誇りを持って国民のために命をかける任務を全うできるよう環境を整えるために、憲法9条を改正して自衛隊が違憲の存在だという余地をなくする。このことが、今を生きる政治家の責任であります。私は、一日も早く憲法9条改正を実現することによってその責任をしっかり果たしていく決意です。」

アベは、アベ改憲のたくらみと決意を自衛隊に吹き込んだのだ。これは、許されない危険な行為。禁じ手ではないか。やはりアウトだ。アベシンゾー。
(2018年9月5日)

アベに対する「政治と行政の私物化」「隠蔽・改竄・口裏合わせ」「説明責任放棄」の批判に躊躇があってはならない。この批判を人格攻撃として封じることを許してはならない。

今年(2018年)9月は、沖縄県内各自治体の選挙の月となった。
「この1カ月間で県知事選挙、宜野湾市、本部町、伊是名村、大宜味村の4首長選挙、那覇、うるま、石垣の3市区の県議会議員補欠選挙、名護市や沖縄市をはじめとする29市町村議会選挙が実施される予定だ。ほぼ毎週選挙の告示、投開票があるという前代未聞の事態となっている。」(琉球新報)

とりわけ、9月30日投開票の沖縄知事選の結果は極めて重要だ。国政にも、アベの改憲策動にも大きく影響する。我がこととして、オール沖縄派候補勝利のために、力を尽くさねばならない。その立場から、このブログでも選挙運動に参加しようと思う。

その重要な沖縄県知事選の10日前に、自民党総裁選がある。こちらは、その結果が「極めて重要」ではない。自民党の総裁選びは、明らかに他人事。アベと石破、どちらの候補にも肩入れするつもりはない。しかし、事実上次期首相を決める選挙なのだから、無関心ではおられない。本日のブログでは、現時点での幾つかの感想を述べておきたい。

石破の総裁選パンフの表紙に大きく「正直、公正、石破茂」の文字。誰が見てもアベの政治姿勢批判である。「ワタクシ・石破茂は正直で公正である」というアピールは、「キミ・安倍晋三は、嘘つきで、アンフェア」という明確なメッセージ。「さあ、総裁選有権者である自民党の皆さま。正直で公正であるワタクシ・石破茂と、嘘つきでアンフェアな安倍晋三のどちらを選びますか」と争点化したのだ。

これに対して、アベ陣営から、「個人攻撃は好ましくない」「個人の人格攻撃は控えるべきだ」との批判が出たとのこと。石破支持を表明している竹下派の吉田博美参院幹事長も「相手への個人的なことでの攻撃は非常に嫌悪感がある」などと述べたと報道されている。私にとっては他人事なのだから、真面目に反論するのも大人げないが大きな違和感を禁じえない。やっぱり、「正直・公正」のアピールは、アベ個人に対する、その人格への攻撃として有効なのだ。党内、だれもが、そう思っている。ここまではよく分かる。

しかし、「安倍氏個人に対する人格攻撃は好ましくない」「個人的なことでの攻撃は非常に嫌悪感がある」はまったく理解できない。対立候補者の個人的資質や政治的活動歴に対する批判の言論は選挙戦の王道である。これを好ましくないと避けては、選挙運動は成り立たない。

ましてや、一対一の選挙戦。政治姿勢のあり方が対決点となるべき政治状況である。有権者の適切な選択を可能とするための、基礎的な情報の提供は不可欠である。互いに、自らの政治姿勢やその実践を語ると同時に、対立候補の政治姿勢やその実践歴を語らずして、いったい何のための選挙なのだ。

言論の自由は、とりわけ政治的言論の分野において議会制民主主義を支える基礎としての重要性をもつ。選挙運動とは、最高度に自由が保障された言論戦でなくてはならない。「ワタシは正直で、キミは嘘つきだ」「ワタシは国民のために公正な政治を行うが、キミは腹心の友のために政治を歪めている」「ワタシは、ガラス張りの政治を行い説明責任を果たしてきたが、キミは不都合を隠蔽し説明するすると言ってしないではないか」。このように彼我の姿勢と行動の比較・対照を訴えるのが、真っ当な選挙戦だ。「お互い、痛いところにはさわらないようにしよう」という馴れ合いは、選挙の体をなさない。

アベは、今回の総裁選に限らず、今後の選挙すべてにおいて、「不正直、不公正」を攻撃されることになる。もっと具体的には、「政治と行政の私物化」「隠蔽・改竄・口裏合わせ」「説明責任の放棄」の批判に曝される。これを、「個人攻撃だから好ましくない」と言ってはぐらかし通すつもりなのか。そんなことでは、自民党を議会制民主主義政党と呼んでよいのか、根幹にかかわる問題ともなる。

こんな分かりきったことなのに、自民党の中で「『正直・公正』は、個人攻撃として好ましくない」という声が出たことの意味には、二通りの理解が可能である。

一つは、アベ陣営の余裕のなさのなせる業との見方。「石破が本気になってアベの不正直・不公正を衝いてこられると相当なアベの痛手となる」「好ましくないとは、そういう意味だ」「どうせ勝てない石破ではないか。せめてアベの面子を潰さないように配慮した方が利口ではないか」「アベ攻撃に手加減の魚心あれば、選挙後にはそれなりの水心が期待できるぞ」という文脈。

もう一つは、石破陣営の高等戦略に乗せられた説。「単に『正直・公正』を掲げるだけではあまりにも平凡にすぎてインパクトに乏しい」「これにアベ派の『正直・公正を政策に掲げるのは怪しからん』というクレームを引き出すことができれば、俄然このキャッチが話題性を帯びることになる」「しめしめ。まんまとうまくことが運んだ」という見方。

吉田博美は、石破陣営にあってアベへの配慮を演じて見せたようで、その実、アベの味方を演じたフリをして、うまうまと『正直・公正』の話題化に成功したというのだ。石破が一時「正直・公正」のフレーズを降ろす可能性を示唆したのも、計算された演出だというのだが、さていかがなものか。

いずれにせよ、石破は「正直、公正」のフレーズを大きな話題にすることに成功し、しかもこれを堅持する方針を固めたのだ。ここまで大きくポイントを稼いだ。一方、「嘘つき・アンフェア」をあらためて印象づけられたアベ陣営は、藪をつついて蛇を出した失態。

なお、石破陣営の主観的意図は知らないが、日本社会全体に「正直、公正」が失われていることが大きな問題となっている。アベに象徴される「不正直・不公正」とこれに伴う「隠蔽・改ざん・口裏合わせ」のダーティーさは、政界にとどまらない。障がい者雇用に見られる官界の「ウソとごまかし」が衝撃だったが、産業界にも、スポーツ界にも、メディアにも、今やウソやごまかしやデマやフェイクがまかり通っている。いま、「正直、公正」の価値は重要で、これを争点とする意味は大きい。

このことに関連して8月28日の「リテラ」の記事を引いておきたい。いつもながら、よく情報を集めて切れ味がよい。「安倍独裁化で首相批判が完全タブーのディストピア」を次のように語っている。

「石破氏の『正直、公正』撤回示唆発言を受けて、Twitter上には「#石破氏の新キャッチフレーズ」なるハッシュタグが登場。これがいわゆる大喜利状態となり、こんな盛り上がりを見せていた…。

「憲法違反はしません!」
「お友だちを優遇しません」
「国民を“こんな人達”と呼びません!」
「強行採決を繰り返しません」
「災害時に宴会はしません」
「自分のフェイスブックへの差別的書き込みを放置しません」
「ネトウヨ作家をNHK経営委員にしません」
「ヤクザに汚れ仕事は依頼しません!!」
「公文書は改竄せずに保存しておきます!」
「聞かれたことに答えます」
「約束を守ります」
「自由と民主主義」

このままではマスコミや市民が「ウソで国民をごまかす政治はやめろ」「えこひいきのない公正な政治を求める」と、民主主義国家としてごく当然ことを言っただけで、誰もが「安倍首相への個人攻撃」なるレッテルを貼られ、政権から弾圧されてしまう。なかにはこんなツイートまで見られた。
〈自由、民主主義、寛容、報道の自由、地方分権、開かれた政治、国民第一、弱者にやさしい政治、格差是正、公金の適正支出、討論・対話重視、誠実、三権分立、権力を私物化しない… ダメだ。何を言っても安倍への個人攻撃になってしまう。〉

まったく、そのとおり。付言することはない。

もう一つ。今や絶好調の「日刊ゲンダイ」の記事(8月27日)も引いておこう。「出馬表明を生中継 “安倍チャンネル”と化したNHKの過剰演出」の見出し。

 いやはや、異常な連携プレーだ。NHKが26日、視察先の鹿児島・垂水市での安倍首相の自民党総裁選への出馬表明を生中継。午後3時45分から緊急番組を組む熱の入れように、安倍首相も視聴者が恥ずかしくなるほどの露骨なカメラ目線で応じた。
 スタジオには“安倍首相べったり”の政治部の岩田明子記者が陣取る鉄壁の布陣である。彼女は「鹿児島での出馬表明は地方創生を重視する姿勢を打ち出すため」「今年は明治維新から150年。明治維新ゆかりの地、鹿児島を(出馬表明の)発信の地とすることで“新しい国づくり”への意欲を示す狙いもあったのかと思う」などと解説。安倍首相の出馬表明が5分足らずだっただけに、言い足りない部分をしっかりフォローし、政権のスポークスマンとしての役目を十分に理解しているかのようだった。

 今や「皆様」ではなく、「アベ様」のNHKに成り果てている。NHKの不気味なまでの“安倍チャンネル化”は、鳥肌が立つほどである。

同様の違和感を金平茂紀も述べている。昨日(9月1日)の毎日新聞「週刊テレビ評」欄での、「総裁選出馬の緊急特番への違和感 首相と党総裁は別の職務」というNHK批判の記事。

NHKのアベのための「総裁選出馬緊急特番」記事に、ことさらに「安倍総理大臣は…」と繰り返していたことを問題視し、「安易に首相と党総裁の呼称をまぜこぜにして用いることは公正ではない」と指摘した上、自民党の総裁選挙管理委員会が新聞・通信各社に対して総裁選挙について、「公正・公平な報道」を求める文書を配布したことを問題視している。

金平は、「こんな文書を一政党のトップ選びで配布すること自体が問題」とする。これが8月28日のこと、見方によっては、NHKが安倍出馬特番を放送したのを見越してからの申し入れ。この選管は、NHKには抗議の一つもしてはいない。

露骨にアベと結ぶNHK。あるいはNHK政治部。ここにも、「正直・公正」が欠けているのだ。
(2018年9月2日)

あと三年、アベ・シンゾーでご辛抱ください。

おなじみアベ・シンゾーが、毎度おさわがせいたします。このたび、自民党総裁選への出馬を正式に表明いたしました。私自身のため、妻アキエのため、腹心の友のため、そして大臣をやりたい仲間たちのためでございます。どうぞ皆様、あと3年のご辛抱をお願いいたします。

思えば、昨年の衆院選を「国難選挙」と名付けて、北朝鮮のお陰をもって国民の皆様の支持を大きく掠めとったのが私の手柄。あれが、わずか11カ月前のこと。すっかり国際情勢は変わってしまいましたが、せっかく底上げの議席を頂戴しているうちに、国民の反対の強い政策をやってのけるのが、私の責任であり使命である。そう自覚しております。

来年には皇位継承や20カ国・地域(G20)首脳会議、再来年には東京五輪・パラリンピックなどが控えておりまして、だからどうしたとも言われそうですが、ここは大仰に「日本は大きな歴史の転換点を迎える」ナンチャッテ。我ながら少々恥ずかしいのですが、意味のないことを意味ありげに申し上げるのが私の得意とするところ。平成の先の、まだ元号の定まっていない時代に向けて、新たな国造りを進めていく。その先頭に立つ決意でございます。「新たな国造り」って、なにいつもの枕詞ですから、中身の穿鑿はご無用に願います。

考えていることは、皇位継承の儀式において、私の強固な支持基盤である右翼の皆様の喜ぶパフォーマンスとして、「テンノーヘイカ・バンザイ」を何度でも繰り返してお見せしなければなりませんし、オリパラは国威発揚の千載一遇のチャンスではありませんか。強化費をはずんで、好成績者にはボーナスつけて、私の出番を多くしなければと策を練っているところでございます。

6年前の総裁選に出馬したときのあの高揚した志、大日本帝国と大日本帝国憲法を取り戻すとのお約束にはいささかの揺らぎもありません。政治的には天皇を中心とした国家の和の精神を確立し、軍事的にはアメリカに身を寄せつつも近隣諸国に対する威嚇として十分な装備と編成を整備し、経済的には大企業が何の制約もなく自由な経済活動ができるような基盤を整えること。これまでもやってきたところではありますが、今後とも国民の抵抗を排して断固やり抜く決意でございます。

なかでも大切なのは、一刻も早く遅れている辺野古新基地建設を完成し、イージスアショア建設に着手し、全国にオスプレイを配備することです。これまでは、北朝鮮情勢緊迫と国民を煽ることでことを運んでまいりましたが、どうも半島情勢が私の思惑に反して、下手をすると南北融和、朝鮮半島非核化、北東アジアに平和が訪れるなどとなりかねません。ですから、それまでにことは緊急を要します。早いうちに、基地建設も、オスプレイ配備も済ませて、臨戦態勢を整えなければなりません。それができるのは私だけのこと。

政治にしても、経済政策にしても、沖縄問題にしても、「強きを助け、弱きを挫く」という私の志を貫くには、なまなかな気力体力ではなしがたいところではございますが、幸か不幸か、気力体力十二分であるとの主観的確信に至った以上、万難を排して不人気な政策遂行の責任を果たしていかねばなりません。

総裁選の争点や論戦のありかたについてのご質問ですが、私も政治家ですから、不利なことはけっしてやりません。とりわけ、政治姿勢の問題については、なんにつけても、「これから国民の皆様には丁寧に説明を尽くしてまいる所存でございます」と言ってその場を凌いでいけば、アッという間に3年くらいはやり過ごせる。というのが私の体験に基づく自信であります。

また、石破さんは「正直、公正」をスローガンに出馬表明をしましたが、それはアンフェア。まるで私アベ・シンゾーが、「不正直、不公正」で、政治や行政を私物化していると言わんばかりではありませんか。だれが見てもその批判が当たっているだけに、そんなことを言っていけない。真実を衝くのは、総裁選ではタブーなのです。その辺の掟は、石破さんも最近は多少分かってこられたようでけっこうなことでございます。お互い自民党員同士ではありませんか。総裁選で、本気になってお互いの傷を暴き合うような愚は避けるべきが当然と考えております。

政策論争ですか。そんなことをしたら、日本の総理大臣がまともな討論能力をもっていないという国家秘密が天下に明かにされてしまうではありませんか。それは、国益に反します。石破さんは、政策別の討論会開催を要求していますが、これに応じることが私にとって得策なはずはなく、応じることはできません。不利が分かりきっているのに受けて立つほど私はバカではないつもりです。

えっ? どうして第一声では憲法改正について触れなかったのかというご質問。これもですね、改憲を叫んで有利になるなら叫びます。いま改憲を訴えることは、必ずしも総裁選に有利にならない。むしろ、ダンマリを決めこむ方が得策で、私の立場が安泰となったところでバサッとやってしまおうというのが、バカではない私の基本作戦。しかし、私はけっして改憲をあきらめることができない立場です。だから、その後身内の集会では、率直に改憲を訴えていますよ。時と所によって、何枚でも舌を取り替えるのが私のやり方。みなさま、ご協力をよろしく。

さて、総裁選への協力・非協力を見極めての選挙後の露骨な論功行賞が私の手口。勝負はもう見えていますから、事実上は消化試合。それでも、「これから、国民にはさておき、自民党の皆様には丁寧に説明を尽くしてまいる所存でございます」。
(2018年8月28日)

「国策事業に反対するとどうなるのか見ておけと“恫喝”する」アベ政権のスラップ訴訟。

本日(8月20日)の毎日新聞朝刊1面に、政府が賠償請求検討」「県の辺野古承認撤回で」「1日2000万円」の記事。つまり、「沖縄県が辺野古『承認撤回』をしたら、政府は1日2000万円の割合の損害賠償請求をするぞ」というのだ。いよいよ出た、夏のお化け。いや、政府の自治体に対する恫喝・嫌がらせだ。国による県民に対する居丈高な挑発でもある。これまでも噂はあったが、産経の観測記事の程度。事態切迫の中でのひどい話。これも、スラップ訴訟。

「政府は、…県が名護市辺野古の埋め立て承認を撤回した場合、工事の遅延損害金が1日約2000万円発生するとの見積もりをまとめた。撤回処分の是非を巡る行政訴訟で政府が勝訴した場合に、県に損害賠償請求することを検討している。

 県が承認を撤回すれば工事は中断され、工期が延びるため、施工業者の人件費や機材費などが膨らむ。県が実際に撤回し、政府が裁判所に撤回の執行停止を申し立てると、司法判断が出るまでに少なくとも数週間はかかる。撤回が違法と認定された場合、賠償請求額は数億円に上る可能性がある。県は土砂投入前に撤回する姿勢を崩していないが、防衛省幹部は「県が慎重なのは損害賠償のリスクがあるからだ」とみている。

 ただ、知事だった翁長雄志氏の死去に伴い県知事選が9月30日投開票に前倒しされたため、政府は土砂投入を10月まで自重することも視野に入れている。県が承認を撤回しない限り、工期が延びても県の責任は生じない。政府と県は互いの出方をうかがっている状況だ。最高裁は2016年12月、県による埋め立て承認取り消し処分を違法と判断した。このとき政府は県に対する損害賠償請求をしなかった。」

続報が、本日(8月20日)の夕刊に出ている。
「辺野古埋め立て 承認撤回 沖縄副知事『覚悟決めている』」という記事。つまり、沖縄県(知事不在で職務代行者の副知事)は、政府による損害賠償請求の脅しに屈することなく、「承認撤回」の方針を貫くということなのだ。が、それは担当者にとっては「覚悟」を要することになっている。

「米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への県内移設計画で、沖縄県による辺野古沿岸部の埋め立て承認撤回に備え、政府が県への損害賠償請求を検討していることについて、県の謝花喜一郎副知事は20日朝、県庁で記者団に「覚悟を決めている」と述べた。政府が沿岸部に土砂を投入する前に承認を撤回し、工事を止める考えを重ねて示した。
 辺野古への移設工事を巡っては、政府が(8月)17日にも一部海域に土砂を投入し、本格的な埋め立てを始めると県に通知していたが、台風の影響で海上作業が難しいことなどから投入を当面見送っている。一方、8日に亡くなった翁長雄志知事は7月27日に、仲井真弘多前知事による埋め立て承認を撤回する手続きに入ることを表明。県は撤回の時期を検討している。

 政府は、県が承認を撤回した場合、工事の遅延損害金が1日約2000万円発生すると見積もり、撤回処分の是非を巡る行政訴訟で勝訴した際には、県に損害賠償請求することを検討している。これに対し、謝花副知事は「しっかり覚悟を決めている」と述べた。

「政府は、…撤回処分の是非を巡る行政訴訟で政府が勝訴した場合に、県に損害賠償請求することを検討している。」というが…。
国が敗訴した場合に県に対する損害賠償の請求ができないことは当然として、国が行政訴訟に勝訴して県の行政処分(「撤回」も行政処分)が違法として取り消された場合においても、直ちに県が国に対して損害賠償義務を負うことにはならない。行政処分取消の要件としての違法と、国家賠償(この場合は沖縄県の公権力行使に起因する損害賠償責任)の要件としての違法とは、レベルがちがうとされているのだ。

通常、行政裁量の幅はすこぶる大きい。県は、撤回を理由づける要件をあれほどにも慎重に調えている。これが軽々に違法な処分として取り消されるとは考えにくいし、ましてや損害賠償認容のハードルは極めて高いのだ。

沖縄は、基地の重圧にあえいでいる。そのイヤなものを押しつける手段はアメとムチである。経済振興というアメで前知事は尻尾を巻いた。ところがその知事を排斥して県民が選んだ次の知事は、アメをばらまいても抵抗を止めない。「じゃあ、ムチを取り出すしかない」という安倍政権の発想から出てきた辺野古基地建設強行。その一端に、「1日について2000万円の損害賠償請求」というスラップ訴訟がある。その威嚇と恫喝で、県民の基地建設反対運動を切り崩そうというのだ。

韓国によく似た話がある。今年の3月、チェジュ島で、「それはひどい」「朴槿恵政権はそこまでやったんだ」「さすがに日本では、そこまではやらないよね」と、同行者で話し合った。アベ政権は、「そこまで」やろうとしている。

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下記は、当ブログ(2018年4月5日)の一節。標題は、「韓国にもあったスラップ訴訟」。朴槿恵政権下での海軍基地建設反対運動弾圧目的のスラップ訴訟の紹介だが、辺野古でも、まったく同様の発想の運動弾圧が行われようとしている。

済州島(チェチュド)の南部カンジョン(江汀)村に、韓国海軍が大きな軍港を建設した。この基地建設に地元の反対運動が息長く続いている。しかも激しく。

2007年4月に、突然この地が基地の候補地とされたのは、ここなら抵抗運動もあるまいと侮られたからのようだ。同年8月村民は、当時の村長を解任し、基地建設反対派の新村長を選任した。その直後の海軍基地建設の是非を問う住民投票では、賛成36、反対680だったという。以来、村民の反対運動は粘り強く継続されている。にもかかわらず、政府と軍は、基地建設を強行した。この点、辺野古とよく似ている。

地元住民や全国の平和団体が熾烈な反対運動を繰り広げたが、2016年2月、基地は完成した。政府は住民や団体員9人を「北朝鮮を利する行為」として国家保安法で起訴した。

それだけではない。政府は運動体にスラップ訴訟を提起した。工事遅延による損害賠償として34億ウォンを要求しての民事訴訟の提起。「海軍はサムスン物産が工事遅延による損失賠償金を要求すると、273億ウォン(約27億円)を弁償し竣工式から1カ月後に住民と村会など個人116人と5団体を相手に34億5千万ウォン(約3億4千万円)の求償権を請求し、住民たちに不意打ちを食わせた」のだ。

2017年1月31日付ハンギョレ新聞は、「国策事業に反対するとどうなるのか見ておけと、国民に“警告”するかのような訴訟」と評している。まさしくこれこそがスラップ訴訟なのだ。これが朴槿恵政権下の事態であった。

与野党国会議員165人が、2017年10月、「政府が国民との訴訟を通じて主権者である国民を苦痛の崖っぷちに追いやることがあってはならない」とし、求償権の撤回を要求する決議案を提出した。

文在寅(ムン・ジェイン)政権となってから、空気は大きく変わっている。2017年12月、国はこのスラップ訴訟を取り下げたという。

いま、アベ政権も、「国策事業に反対するとどうなるのか見ておけと、国民に“警告”するかのような訴訟」をチラつかせている。アベ政権を倒すことが、諸悪の根源を断つことではないか。
(2018年8月20日)

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