澤藤統一郎の憲法日記

改憲への危機感から毎日書き続けています

安倍晋三よ、もう悪あがきは止めて野党の4項目要求に誠実に応えよ。

(2020年12月29日)
報道によれば、野党4党でつくる「総理主催『桜を見る会』追及本部」は、昨日(12月28日)「桜を見る会」前夜祭疑惑の真相を解明するために、安倍晋三に対して、
(1) ホテルが発行した明細書を提出せよ
(2) 同領収書を提出せよ
(3) 安倍晋三が答弁を訂正したいとする事実と異なる箇所はどこか明確にせよ
(4) ホテルへの支出に見合う費用補てんの原資を明らかにせよ
という4項目の要求書を提出した。回答期限は1月初旬までである。同要求書は、衆参の議院運営委員長にも提出された。

国会内で記者会見した追及本部の黒岩宇洋事務局長(立憲民主党・衆院議員)は、12月25日衆参両院の議院運営委員会で行われた安倍晋三(前首相)への聴取の答弁で、「疑念は晴れるどころか、さらに深まった」「安倍前首相が発言を訂正したいとしている箇所すら具体的にわからない」と指摘。「安倍氏がしらを切るのなら、証人喚問しなければならない」と批判した。

田村智子追求本部事務局長代行(日本共産党・参院議員)は、「要求する4点は、疑惑の焦点である『桜』前夜祭が供応接待にあたるのではないかという核心部分のものだ。安倍氏は資料を示し、まともな説明をすべきだ」と強調。

また、日本共産党の宮本徹衆院議員は、「領収書が出てくれば宛先がわかり、(安倍前首相の資金管理団体である)晋和会の政治資金収支報告書が虚偽記載かどうかがわかる」と述べた。

また、4野党は、真相解明に向け、年明けの通常国会でも追及を続ける方針を明確にしている。

政治資金規正法の主たる立法趣旨は、以下のとおり政治資金の流れの透明化にある。
「議会制民主政治の下における政党その他の政治団体の機能の重要性及び公職の候補者の責務の重要性にかんがみ、政治団体及び公職の候補者により行われる政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われるようにするため、政治団体の届出、政治団体に係る政治資金の収支の公開…の措置を講ずることにより、政治活動の公明と公正を確保し、もって民主政治の健全な発達に寄与することである(規正法1条より)。」

安倍晋三による国政の私物化、安倍晋三による「カネで政治を買い取ろうという汚い行為」の有無を監視するために、安倍晋三がどこから金を調達し、誰にどのように支払っているか、その資金の流れの透明化の確保を、法は要求しているのだ。

主権者国民は、常にこの透明化された政治資金の収支に関心を寄せて、監視し批判の対象としなければならない。

そのためには、
(1) ホテルが発行した明細書を提出せよ
(2) 同領収書を提出せよ
の2項目はあまりに当然の最低限の要求である。なお、1件当たり5万円以上の領収書等は、提出を義務付けられている書類でもある。

(4) ホテルへの支出に見合う費用補てんの原資を明らかにせよ
も同様である。今に至るも、いったい何を隠そうとしているのか。

(3) 安倍晋三が答弁を訂正したいとする事実と異なる箇所はどこか明確にせよ
は、少し趣が異なる。これは、安倍晋三特有の「ご飯論法」による答弁の不明確さ故の釈明要求である。

田村智子のいう「要求する4点は、疑惑の焦点である『桜』前夜祭が供応接待にあたるのではないかという核心部分のものだ」は、まことにそのとおりであろう。

買収・供応等の「カネで政治をねじ曲げる」実質犯を防ぐために、形式犯としての政治資金の透明化が求められているのだ。倫理にも法規制にも反する透明化要求拒否の姿勢は、当然に買収・供応等の「カネで政治をねじ曲げる」実質犯の存在を疑わしめるものと指摘せざるをえない。

安倍晋三の疑惑の追及は、ようやく本格的に始まった。まずは、4項目の要求に対する態度の誠実さを見極めようではないか。

露骨に企業のホンネを見せつけた、「アキタフーズ」と「DHC・吉田嘉明」。

(2020年12月27日)
久しぶりに安倍晋三の「記者会見」や「委員会答弁」に接して、あらためて腹立たしい思い。この男、日本の政治を腐敗させた元兇。あわよくば憲法を壊そうとまでしたのだ。そしてこの男、国会での数々のウソを「心から反省」「政治責任を痛感」などと言いながら、議員に居座ると開き直っている。いま、「安倍晋三の議員辞職を求める」「議員をやめろ、アベヤメロ」というスローガンが実践的に重要だと思う。

そのアベ政治の負の遺産が、あちこちに吹き出している。その中の一つとして、吉川貴盛元農水相の受託収賄疑惑がある。賄賂としての現金授受は3度にわたり、合計500万円。授受の趣旨や職務との関連性が明確である。そして、この賄賂の収受の後に政策が動いている。

吉川貴盛が安倍内閣の農水大臣だったのは2018年10月2日~2019年9月11日、ごく最近のこと。果たして腐敗は農水大臣限りのものなのか、またアキタフーズだけのことなのか疑心暗鬼とならざるをえない。

批判の目は、吉川とその背後のアベ政治に向けられているが、吉川に汚いカネを渡した鶏卵生産大手「アキタフーズ」(広島県福山市)に注目したい。3回にわたって直接に現金を渡した贈賄実行者が、グループの「元代表(87才)」だというが、氏名を特定しての報道はなされていない。便宜、この人物をAとしておこう。

報道によれば、Aは、家畜にとってストレスの少ない飼育環境を目指す「アニマルウェルフェア」(AW)をめぐり、農水族を中心とした政治家らに陳情を重ねていたという。

「アニマルウェルフェア」(AW)とは、部外者にはなじみがないが、農水省はこう説明している。

我が国も加盟しており、世界の動物衛生の向上を目的とする政府間機関である国際獣疫事務局(OIE)の勧告において、「アニマルウェルフェアとは、動物の生活とその死に関わる環境と関連する動物の身体的・心的状態」と定義されています。
アニマルウェルフェアについては、家畜を快適な環境下で飼養することにより、家畜のストレスや疾病を減らすことが重要であり、結果として、生産性の向上や安全な畜産物の生産にもつながることから、農林水産省としては、アニマルウェルフェアの考え方を踏まえた家畜の飼養管理の普及に努めています。

《生産性の向上》と《安全な畜産物の生産》が、政策目的として挙げられているが、コスト高になることから業者は反対したのだ。明らかに、「アニマルウェルフェア」(AW)とは、消費者利益のための業者規制の政策である。この政策を嫌った業界から主務大臣への賄賂の提供は、営利追求を本質とする企業の恒常的な衝動の表れにほかならない。このような犯罪の誘発は、安倍政権の業者に甘い体質の表れとみるべきであろう。安倍自身の責任も小さくはない。

消費者の声を背にした行政による業者規制と、それに対する業界からの反発は、この社会の政治と経済の基本構造に根差している。消費者や労働者や生活者は行政を通じて業者に対する厳格な規制を求め、業界は常にこの規制を緩和せよ撤廃せよと蠢動する。

常識的に、Aは自社の利益のために行政を動かそうと画策した。しかし、賄賂の提供が明るみに出た今、「(鶏卵)業界のため」の現金提供だったと「弁明」しているという。個別企業でも業界でも、薄汚い事業者は、政治や行政に携わる者に、カネを渡し利益を供与して、自社の儲けの障害となる行政規制を取り除こうとあがくのだ。

6年前の「週刊新潮記事」を思い出す。ある経営者の「独占手記」の次の一節である。

 私の経営する会社は主に化粧品とサプリメントを取り扱っています。その主務官庁は厚労省です。厚労省の規制チェックは他の省庁と比べても特別煩わしく何やかやと縛りをかけてきます。天下りを一人も受け入れていない弊社のような会社には特別厳しいのかと勘ぐったりするぐらいです。
 いずれにせよ50年近くのリアルな経営に従事してきた私から見れば、厚労省に限らず官僚たちが手を出せば出すほど日本の産業はおかしくなっているように思います。つまり霞が関官僚機構の打破こそが今の日本に求められる改革であり、それを託せる人こそが私の求める政治家でした。ですから声高に《脱官僚》を主張していた渡辺喜美さんに興味を持つのは自然のこと。少なくとも5年前はそうでした。

 よくもまあ、こうまで露骨に消費者利益のための社会的規制に悪罵を投げつけられるものと驚嘆せざるをえない。記者から追い詰められて、こうしゃべったのではなく、無邪気に自分から「手記」を書いたのだ。およそ、企業の社会的責任(CSR)や、企業倫理コンプライアンスなどの世のトレンドとは無縁の、「非良心派経営」の典型。これが、DHCの吉田嘉明の「独占手記」である。タイトルは、「さらば器量なき政治家 渡辺喜美」。これに「借金8億円を裏金にして隠したみんなの党代表」と副題が付いている。

私は、吉田嘉明の渡辺喜美(当時、みんなの党代表)に対する、8億円の政治資金支援に関して、「矜持のない政治家を金で買った」「金で政治を買おうというこの行動は…徹底して批判されなくてはならない」、「DHC吉田が8億出しても惜しくないのは…『規制緩和という政治』を買い取りたいからなのだ」、「金を持つ者がその金の力で政治を自らの利益をはかるように誘導することを許してはならない。DHCの吉田嘉明はその許すべからざることをやったのだ」「自らの私益のために金で政治を買おうとした主犯が吉田。…渡辺だけを批判するのは、この事件の本質を見ないものではないか」と批判の記事をブログに掲載した。

このブログを怪しからんとして、DHC・吉田嘉明は私に、6000万円請求のスラップ訴訟を提起した。こういう恥ずかしい訴訟を受任する弁護士も現実に存在するのだ。

明らかに「吉田嘉明はカネで政治を買おうとした」のだ。「カネで政治を買おうとした」とは、言論の応酬によってのみ成り立つべき民主主義の政治過程において、カネの力で政治への影響力を獲得しようと企図したとの意である。渡辺喜美は小なりとはいえ公党の党首である。ワンマンとしても知られていた。渡辺に巨額のカネを注ぎこむことによって、一政党を事実上支配し、国政に自らの意図する方向での影響力を及ぼすことができると考えたものと合理的に推察される。これは、常識的な思考のしからしめるところである。

もとより、政治が個人や企業の経済力によって左右されるようなことがあってはならない。「民主的な政治過程がカネの力で歪められてはならない」「カネで政治を買ってはならない」という規範は、憲法上の理念や教科書上の倫理にとどまるものではなく、政治資金規正法が刑罰の制裁をもって具体的に規正しているところである。同法は、政治資金の動きの透明性を徹底することだけでなく、個人や企業(政治資金出捐者)と政治家・政治団体(政治資金受領者)間の政治資金の授受の限度額を法定して、「カネの力で民主的な政治過程が歪められることのないよう」規正し、国民による政治に「不断の監視と批判」を実効あらしめるべきことを法定している。

「アキタフーズ」のAが主務大臣に500万円を提供したという報道に照らして、DHC・吉田嘉明の渡辺喜美に対する8億円提供の事実の重大性を再認識せざるをえない。私のDHC・吉田嘉明に対する批判は、「許される言論」の範疇ではない。私は、民主主義に望まれる主権者の行動として、「カネの力で民主的な政治過程が歪められることのないよう」「不断の監視と批判」を実行したのだ。

最近は、DHC批判は、デマとヘイトとスラップに集中しているが、カネで政治を買おうという、その体質の根本をも批判の対象としなければならない。

安倍晋三という人物への対応をめぐって、国民の民度が問われている。

(2020年12月24日)
日本国民の民度なるものの寸法が、安倍晋三という人物にぴったりだったのであろう。国民は、この上なくみっともない政権投げ出しのあとの安倍の復権に寛容であった。のみならず、何と7年8か月もの長期政権の継続を許した。

そのアベ政治が残したレガシーを「モリカケ桜クロカワイ」という。毎日新聞仲畑川柳欄投句の名言である。森友・加計・桜を見る会・黒川・河合、いずれも安倍晋三とその取り巻きによる政治腐敗、国政私物化を象徴する事件。嘘とゴマカシに充ち満ちた負のレガシーである。

その安倍晋三、一見しおらしく、本日の記者会見で、「国民のみなさま」に謝罪した。「深く深く反省するとともに、国民の皆さまにおわび申し上げます」と頭を下げたのだ。

安倍晋三によると、「会計責任者である私の公設第1秘書が、(桜を見る会前夜祭での)政治資金収支報告書不記載の事実により略式起訴され、罰金を命ぜられたとの報告を受けた」。「こうした会計処理については、私が知らない中で行われていたこととはいえ、道義的責任を痛感している。深く深く反省するとともに、国民の皆さまにおわび申し上げます」「今般の事態を招いた私の政治責任はきわめて思いと自覚しており、真摯に受け止めている」という。

難解なアベ語を翻訳すると、こんなところだろうか。

「これまでずっと、繰り返しウソをつき続けてきたんだけど、ばれちゃったから一応ゴメンネって言うの。でも、あれはみんな秘書がやったことなの。その秘書が罰金100万円の責任とったんだから、もう問題済んだよね。ボク、な~んにも知らなかったんだから、しょうがないでしょ。ただね、みんな怒っているようだから、取りあえず『政治責任を自覚』って言ってみたんだ。どういうふうに、政治責任をとるかって? そんなこと、なーんにも。口だけ、口だけ。これまでそれで通ってきたんだから,今回もそれでいいでしょ。今回ちょっとまずかったから、これからはバレないように気をつけなくっちゃね」。

「桜を見る会」とは何であったか。各界の功労者を招いて総理大臣が主催する、公的行事である。これを安倍晋三は,露骨なまでに私的な後援会活動に利用した。これを許したのは山口4区の選挙民の民度である。下関・長門両市民は大いに恥ずべきである。石原慎太郎を知事にした、かつての東京都民より以上に。

しかし、公的行事である「桜を見る会」の私物化が明らかになっても、国民の民度は十分な安倍批判をなしえなかった。やむなく、「桜を見る会」ではなく、「桜を見る会」とセットにされた後援会主催の「前夜祭」の、その収支報告書の不記載という、本筋ではないところに問題の焦点を宛てざるを得なかった。そして、本来であれば、国民の怒りをもって国政私物化政権を糾弾しなければならないところ、検察への告発という形で安倍晋三を追い詰めたのだ。

しかし、本日の段階では、安倍は不起訴で逃げ延びた。たくさん持っている尻尾の一つを切り落として。しかし、まだ問題は解決していない。国会での追及もある。検察審査会もある。なによりも、世論の糾弾が重要なのだ。

不起訴処分となって、「深く深く反省するとともに、国民の皆さまにおわび申し上げます」と頭を下げる安倍晋三の姿を見る国民の感想は両様あろう。「不起訴で済ますとは怪しからん。天性のウソつきの嘘を見抜けない検察の何という甘さ」という嘆きと、「権勢を誇った有力政治家でも、こうして主権者国民に謝罪しなければならないのだから、わが国の民主主義もけっして捨てたものでもない」という評価と。

さて、どの程度の民主主義の水準を望むのか。いま、安倍晋三という人物への対応をめぐって、日本国民の民度が問われている。

「秘書がやったこと」という弁明を許さない ー 安倍晋三告発のお勧め

(2020年12月23日)
なんとも不愉快なことに、「桜を見る会・前夜祭」の収支報告疑惑について、東京地検特捜部は、安倍晋三を事情聴取したうえで不起訴処分の方向だという。

公設第1秘書(配川博之)については年内に略式起訴する見通しだというが、安倍晋三を「共謀に問うのは困難だと判断した模様」と報道されている。それはおかしい。そんな幕引きは、許されない。必ずしも、共謀の立証がされなくても、「知らぬ存ぜぬ」の安倍を起訴することはできるのだ。

 「みんな秘書がやったこと」「私は秘書のやってることを知らなかった」という言い訳を許さないために政治資金規正法25条2項がある。その活用が必要だ。

そこで、このブログに目を留めた皆様に訴えたい。安倍晋三の尻尾切りの逃げ得を許さないために、ぜひ、下記の告発状の様式を活用し、安倍晋三を告発していただきたい。A4・3頁に過ぎない。自署捺印をして下記宛、郵送すればよい。告発が不起訴処分となれば、その処分を不服として検察審査会に審査を申し立てる資格が与えられる。積極的に、憤懣を行動に表してみてはいかがだろうか。選挙だけではない。これも、政治参加の一手段である。ぜひ、自ら言いたいことも書き添えて、国政私物化の張本人の告発を。

〒100-8903 千代田区霞が関1丁目1番1号
東京地方検察庁特捜部御中

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告  発  状

年  月  日

東京地方検察庁 御中

告発人 住所

氏名                印

被告発人
 住所 東京都千代田区永田町2丁目2番1号 衆議院第一議員会館1212号室
 氏名 安倍晋三 (衆議院議員・晋和会代表者)

被告発人
住所 同上 衆議院第一議員会館1212号室 晋和会事務所
氏名 西山猛(晋和会会計責任者)

告発の趣旨

 被告発人西山猛の後記各行為は、政治資金規正法第25条1項1号(政治資金収支報告書不記載)に該当し、これに関連する被告発人安倍晋三の行為は同法第25条2項に該当する。
よって、上記の各被告発人につき、厳正な捜査と処罰を求める。

告発の事実

第1 被告発人安倍は、国会議員安倍晋三の政治資金管理団体である晋和会の代表者であり、被告発人西山は晋和会の会計責任者である。
西山は、政治資金規正法第12条1項により、晋和会の収支について、毎年所定の時期に政治資金収支報告書を作成して、山口県選挙管理委員会を経由して総務大臣に提出すべき義務を負い、その義務の不履行は同法25条1項の犯罪として、5年以下の禁錮または100万円以下の罰金に処せられる。
安倍は、当該政治資金収支報告書の記載が正確になされるよう、会計責任者の選任ならびに監督について相当の注意を尽くすべき義務が課せられ、その違反者は50万円以下の罰金に処せられる。

第2 被告発人西山の責任
1 被告発人西山は、下記各日に各ホテルにおいて恒例行事として行われた「安倍晋三後援会 桜を見る会前夜祭」の代金補填分として、晋和会会計から各金員を各ホテルに支出したにもかかわらず、晋和会の各年分の収支報告書に上記補填分合計916万円の支出及びその原資となる収入を記載することなく、山口県選挙管理委員会を経由して総務大臣に提出した。
(1) 2015年4月17日 ホテルニューオータニ東京 157万円
(2) 2016年4月8日 ANAインターコンチネンタルホテル東京 177万円
(3) 2017年4月14日 ホテルニューオータニ東京 186万円
(4) 2018年4月17日 ホテルニューオータニ東京 145万円
(5) 2019年4月17日 ホテルニューオータニ東京 215万円
2 以上は、政治資金規正法25条1項1号に違反し、法定刑の5年以下の禁錮または100万円以下の罰金の範囲で処罰されねばならない。

第3 被告発人安倍の責任
安倍は晋和会の代表者として、永年にわたる上記西山の犯罪行為をうかつにも知らなかった場合には、犯罪行為を重ねた西山を会計責任者として選任したこと、及び会計責任者としての任務遂行の監督につき相当の注意を怠ったものとして、政治資金規正法25条2項によって、50万円以下の罰金の範囲で処罰されねばならない。

第4 被告発人安倍の処罰の必要性
1 被告発人安倍は、7年8か月にわたって内閣総理大臣の地位に就き、森友学園問題、加計学園問題、そして公的行事である「桜を見る会」に自分の後援会員約800名を山口県から招待し続けてきたことに典型的に見られるとおり、国政を私物化してきた人物である。
市民は、検察当局に対し、たとえ被疑者が政治権力者であろうとも、遠慮や忖度をすることなく、公正な捜査により事案の真相を解明し、適正に訴追権限を行使することを、心から期待している。ぜひ、この告発を真摯に受け止め、徹底した捜査と正式裁判請求を求める。
2 なお、法25条2項の法定刑は、最高罰金50万円に過ぎないが、被告発人安倍が起訴されて有罪となり罰金刑が確定した場合には、法第28条第1項によって、その裁判確定の日から原則5年間選挙権及び被選挙権を失う。その結果、安倍は公職選挙法99条の規定に基づき、衆議院議員としての地位を失う。
この結果は、法が当然に想定するところである。いかなる立場の政治家であろうとも、厳正な法の執行を甘受せざるを得ない。本件告発に、特別の政治的な配慮が絡んではならない。市民の期待に応えて検察は臆するところなく、厳正な捜査を遂げられたい。

「桜・前夜祭収支疑惑」で、安倍晋三を第2次告発

(2020年12月21日)
「『桜を見る会』を追及する法律家の会」の結成が本年2月。その「会」が、本日(12月21日)安倍晋三前首相に対する第2次告発状を東京地検特捜部に提出した。

「会」は、安倍晋三による国政私物化の象徴としての『桜を見る会』を刑事的に追及することを目的とし、その前夜祭の収支における意図的なゴマカシを東京地検に告発している。本年5月21日に《安倍晋三》と《その後援会代表である公設第1秘書》、《会計責任者》の3名を、政治資金規正法違反(政治資金収支報告書不記載)と、公職選挙法違反(有権者に対する寄付)の被疑事実を告発した。これが、第1次告発である。

同日の告発状提出者は622人に及んだが、さらにその後の追加賛同者を得て、現在の第1次告発状提出者の人数は980人に達している。

国政を私物化し、政治倫理を崩壊させた安倍晋三の罪は重い。しかし、政治資金規正法違反や公職選挙法の寄付などの構造は、政治家安倍本人ではなく、秘書や会計責任者の責任を主たるものとして組み立てられている。だから、政治家安倍晋三は、「自分は何も知らない」「問題があるとすれば、秘書の責任」「あるいは、会計責任者だろう」と言って、逃れようとする。

報道によれば、「秘書だけ立件して略式で済ませ」「安倍晋三は不起訴処分」というのが、特捜の方針だという。それを、防止するための急遽の第2次告発である。

私の見解では、「第2次告発」のポイントは、晋和会代表者・安倍晋三の責任を政治資金規正法25条2項で問うところにこそある。

★ 安倍晋三の「知らぬ存ぜぬ」「秘書が…」は法25条2項については通じない。
★ 《会計責任者の法25条1項の罪が成立》≒《代表者安倍の同2項の罪も成立》
★ 安倍の25条2項の罰金刑が確定すれば、公民権停止となり、議員失職となる。
★ だから検察は、安倍に対する捜査を徹底しなければならない。

※報道によれば、「桜・前夜祭」の会場となったホテル側からの領収証の宛先は、安倍晋三の政治資金管理団体である「晋和会」であったという。つまりは、「補填資金」の出所は「晋和会」だったことになる。しかし、晋和会の政治資金収支報告書に前夜祭の収支についての記載はない。

※とすれば、まず、晋和会の会計責任者(西山)の不記載罪(法25条1項)が問われねばならない。これを免責する理由は見あたらない。
*25条1項「(政治団体の会計責任者が)政治資金収支報告書の提出をしなかつた場合に最高刑禁錮5年」

※同時に、晋和会の代表者である安倍晋三の刑事責任も免れない。
*25条2項「前項の場合において、政治団体の代表者(安倍晋三)が当該政治団体(晋和会)の会計責任者の選任及び監督について相当の注意を怠つたときは、50万円以下の罰金に処する」

つまり、安倍晋三が収支の不記載について「知らぬ、存ぜぬ」「秘書の責任」を押し通して、25条1項の罪責を会計責任者だけに押し付け、最高刑禁錮5年の罪責を免れたとしても、「会計責任者の選任及び監督について相当の注意を怠つたとき」には処罰され、罰金を科せられることになる。

※問題は、「会計責任者の《選任》及び《監督》について政治家に要求される相当の注意」の水準である。会計責任者の不記載罪が成立した場合には、当然に過失の存在が推定されなければならない。資金管理団体を主宰する政治家が自らの政治資金の正確な収支報告書の作成に、常に注意し責任をもつべきは当然だからである。

被告発人安倍において、十分な措置をとったにもかかわらず会計責任者の不記載を虚偽記載を防止できなかったという特殊な事情のない限り、会計責任者の犯罪成立があれば直ちにその選任監督の刑事責任も生じるものと考えるべきである。
とりわけ、被告発人安倍晋三は、当時内閣総理大臣として行政府のトップにあって、行政全般の法令遵守に責任をもつべき立場にあった。自らが代表を務める資金管理団体の法令遵守についても厳格な態度を貫くべき責任を負わねばならない。

※25条2項の法定刑は、最高罰金50万円に過ぎないが、被告発人安倍晋三が起訴されて有罪となり罰金刑が確定した場合には、政治資金規正法第28条第1項によって、その裁判確定の日から原則5年間公民権(公職選挙法に規定する選挙権及び被選挙権)を失う。その結果、安倍晋三は公職選挙法99条の規定に基づき、衆議院議員としての地位を失う。
*政治資金規正法第28条第1項「第23条から第26条の5まで及び前条第2項の罪を犯し罰金の刑に処せられた者は、その裁判が確定した日から5年間公職選挙法に規定する選挙権及び被選挙権を有しない。」
*公職選挙法99条「当選人は、その選挙の期日後において被選挙権を有しなくなつたときは、当選を失う。」

※この結果は、法が当然に想定するところである。いかなる立場の政治家であろうとも、厳正な法の執行を甘受せざるを得ない。本件告発に、特別の政治的な配慮が絡んではならない。臆するところなく、検察は厳正な捜査を遂げるべきである。**************************************************************************

告  発  状 (第2次・抜粋) 

被告発人
住所 山ロ県下関市上田中町…
氏名 安倍晋三
職業 衆議院議員・晋和会代表者

住所 山ロ県下関市東大和町…
氏名 配川博之
職業 安倍晋三後援会代表者・同前会計責任者

住所 山口県下関市東大和町…
氏名 阿立豊彦
職業 安倍音三後後会会計責任者

住所 千代田区永田町 衆議院第一議員会館1212号室 晋和会事務所
氏名 西山 猛
職業 晋和会会計責任者

告発の趣旨

 被告発人安倍音三、被告発人配川博之、被告発人阿立豊彦及び被告発人西山猛の後記第1の1ないし5及び第2の1ないし5の所為は、刑法60条、政治資金規正法第25条1項2号、同法12条1項1号ホ及び同2号に該当する。
 被告発人安倍音三の後記第3の所為は、政治資金規正法第25条2項、同条1項、同法12条1項1号ホ及び同2号に該当する。
 被告発人安倍音三の後記第4の所為は、政治資金規E法第27条2項、同法25条1項、同法12条1項1号ホ及び同2号に該当する。
 被告発人安倍晋三及び被告発人配川博之の後記第5の1および2の所為は、刑法60条、公職選挙法249条の5第1項及び同法199条の5第1項に該当する。
よって、上記の被告発人らにつき、厳重な処罰を求め、告発する。

告発の事実

第1 (略)
第2 (略)
第3 被告発人安倍は、晋和会の代表者であるが、政治資金規正法第12条1項により山口県選挙管理委員会を経由して総務大臣に提出すべき後援会の収支報告書につき、上記第2の3ないし5の所為について仮に故意がなかったとしても、晋和会の会計責任者である被告発人西山の選出及び監督につき相当の注意を怠った。

告発に至る経緯

 2020(令和2)年5月21日、法律家621人が、2018(平成30)年4月20日同催された「安倍音三後援会桜を見る会前夜祭」に関して、被告発人安倍、被告発人阿立及び被告発人配川を政治資金咀正法第25条1項2号(収支報告書不記載)の罪で、また被告発人安倍及び被告発人配川を公職選挙法249条の5第1項(寄附)の罪で東京地検に告発し、大きく報道された。その後も、同じ内容の告発は続き、告発人は現在、980人に達している(第1次告発)。
 しかるに東京地検特捜部は、いまだに上記告発人らに対し、捜査の進捗状況を明らかにしないばかりか、再三の問合せに対しても、告発を受理したかどうかすら、「捜査に関わることはお答えできない」などとして明らかにしない。極めて不当かつ不誠実な対応であり、強く抗議する。
 同年11月23日、読売新聞が、「『桜を見る会』の前夜祭を巡り、安倍氏らに対して政治資金規正法違反容疑などでの告発状が出されていた問題で、東京地検特捜部が安倍氏の公設第1秘書らから任意で事情聴取していた」、「前夜祭の飲食代などの総額は、参加者の会費だけでは不足していた」と報道したのを皮切りに、報道機関各社が独自取材に基づき、捜査内容を報道し始めた。
これまでの報道によれば、収支報告書不記載の罪で時効にかからない2015(平成27)年4月から2019(平成31)年4月まで5回開催された前夜祭において、参加者らから徴収する1人5000円の参加費ではホテルへの支払額に足りず、差額分を被告発人安倍の政治資金団体晋和会がホテルに対し現金で支払っていたとのことであり、毎年の参加費及び補填額も明らかにされている。ホテルからは晋和会宛ての領収証が発行されていたが、被告発人安倍側はこれら領収証を廃棄していたということである。
また、ホテル側はつねに前夜祭の明細書を作成し、後援会に渡していたということである。
被告発人安倍は、国会において、「会費はホテル側が設定した。安倍事務所の職員が会場入り口で会費を受け取り、その場でホテル側に現金を渡した」、「後援会に収入支出は一切なく、政治資金規正法への記載は必要ない」、「ホテルからの明細書も見積書もない」と再三答弁してきたが、こうした答弁が客観的に虚偽だったことが明白になった。
 現在、報道によれば、検察は、公設第1秘書及び事務担当者の収支報告書不記載につき政治資金規正法違反により略式起訴をして罰金刑とし、被告発人安倍については「事情聴取」の上、年内に不起訴処分とする予定であるとされている。
しかし、本件は、7年8か月にわたり内閣総理大臣の地位にあった披告発人安倍の後後会や資金管理団体が犯し続けてきた犯罪であり、しかも国会で虚偽答弁を重ね続けたこと、国会での追及後である2020(令和2)年5月に提出した2019(令和1)年分の収支報告書にもあえて収支を不記載としたことなど、悪質かつ重大な犯罪であり、決して秘書だけの処罰、略式請求により犯罪の全容が国民に公同されない処理で済ませるべき事業ではない。
また、捜査の過程で、後援会だけでなく、被告発人安倍が代表者となっている政治資金団体晋和会から資金が拠出されたことが明白になったにもかかわらず、晋和会の収支不記載についての被疑事実がいっこうに報道されないこと、第一次告発で指摘した後援会員らに対する寄附行為についても捜査が及んでいる様子がうかがわれないことも、不可解であり、問題である。
 私たちは、12月1日、東京地検特捜部に対し、徹底した捜査と真相解明を尽くし、略式起訴で終わらせず正式起訴をせよとの要請書を提出し、同月8田こは東京地検特技知に対し再度の要請書を提出するとともに、東京簡易裁判所裁判官に対し、仮に略式請求がなされても事案の重大陸に鑑み正式裁判をせよとの要請書を提出したが、東京地検特捜部はこれらの要請を受け止めることなく、年内に捜査の幕を引くことを公言している。
 そこで、私たちは、安易な事件終結を許さないため、このたび改めて、2015(平成27)年4月から2019(平成31)年4月まで5回開催された前夜祭に関する2016(平成28)年5月から2020(令和2)年5月まで5回提出された、後援会及び晋和会の収支報告書の不記載による政治資金規正法違反の犯罪と、2018(平成30)年4月および2019(平成31)年4月の前夜祭における後援会員らに対する寄附による公職選挙法違反の犯罪について、被告発人安倍らを告発するものである。
告発対象を過去5年内ないし3年内の行為に限定したのは、公訴時効の関係であって、これら犯罪は2013(平成25)年4月の第1回目の前夜祭から7年7回にわたって行われてきたことを重く受け止めるべきである。

告発事実のポイント

(略)
4 被告発人安倍の悪質性
一少なくとも2019(令和1)年分の収支報告書不記載には「故意」がある
前述のとおり、被告発人安倍は、国会において、「会費はホテル側が設定した。安倍事務所の職員が会場入りロで会費を受け取り、その場でホテル側に現金を渡した」、「後後会に収入支出は一切なく、政治資金規正法への記載は必要ない」、「ホテルからの明細書も見積書もない」などと再三答弁してきたが、こうした答弁が客観釣に虚偽だったことが明白になった。
被告発人安倍は、国会においても、また補填が明らかになった現在に至っても、「自分は知らなかった」、「秘書が自分に隠していた」として、秘書に責任を押し付け、自らに故意はなかったと供述して逃げ切ろうとしているようである。
しかしながら、そもそも「安倍事務所」の実質的代表者である被告発人安倍が、自らの政治団体の金の流れや収支報告書の内容について、「知らない」ことはあり得ない。
2013(平成25)年4月に初めて開催した前夜祭については、同年5月10日、晋和会が補填分82万9394円を株式会社パノラマ・ホテルズ・ワン(ANAインターコンチネンタルホテルの運用会社)宛てに支払い、2014(平成26)年5月に提出された晋和会の収支報告書には、上記支出を「会合費」として記載している。あえて契約主体である後援会ではなく晋和会が支出し、しかもわかりにくい「会合費」として記載したこと自体、補填を隠す意図が明白である。ところが、翌2015(平成27)年5月に提出した収支報告書以降ほ、支出を記載すること自体をやめている。これは、小渕優子衆議院議員の関連政治団体の収支報告書不記載が発覚し、同議員が閣僚辞任に追い込まれたことの影響ではないかと報道されている。こうした「安倍事務所」ぐるみの隠蔽工作について、被告発人安倍が全く知らなかったことがあり得るとは思われない。
少なくとも、「桜を見る会」や「前夜祭」が国会で厳しく追及された2019(令和1)年11月以降、被告発人安倍が、真実はどうなのかと改めて真剣に把握しないはずがない。被告発人安倍は、その上で、意図的に虚偽答弁を重ねて追及から逃げ切ろうとしてきたのであり、極めて悪質である。
確実に言えることは、2019(令和1)年分の収支報告書を作成提出した時期は、2020(令和2)年5月、つまり上記の国会での厳しい追及の後だったということである。新たに2019(令和1)年分の収支報告書を作成するにあたり、被告発人安倍は、収支の不記載が犯罪となることを明確に認識しており、2019(平成31)年4月の前夜祭での参加者から徴収した会費額やホテルの請求額を確認することは容易にできたにもかかわらず、あえて収支を記載しなかったのであって、このことは、被告発人安倍に明確な犯罪の「故意」があったことに他ならない。

 告発事実第3(会計責任者の選任監督につき相当の注意を怠った)
この罪は、第一次告発の対象とはしなかったものであるが、政治資金規正法第25条2項は、政治団体の会計責任者が収支報告書に収支を記載しなかった(同条1項)場合、「政治団体の代表者が当該政治団体の会計責任者の選任及び監督について相当の注意を怠ったときは、50万円以下の罰金に処する」と定めている。
被告発人安倍は、晋和会の代表者である。
万一、被告発人安倍に晋和会の収支報告書の不記載につき故意が認められなかった場合でも、政治資金団体である晋和会の会計責任者である披告発人西山の「選任及び監督について相当の注意を怠った」と言えるであろう。
晋和会の事務所は衆議院第1議員会館の被告発人安倍の事務所1212号室にあり、報道によれば、ホテル側は上記事務所に集金に行き、その部屋にある金庫から被告発人西山が補填分を現金で出金し、ホテル側こ手渡して領収証を受領したということである。被告発人安倍の本拠地である議員事務所に常駐する秘書が、政治資金を後後会の宴会の補填費用として出金し、通常であれば口座に記録を残すところを、あえて現金払いにして隠蔽工作を行っていたのである。百歩譲って、安倍が収支報告書不記載について「知らなかった」としても、このようなことをする人物を会計担当者として選任し、なおかつ監督を怠ったことにつき、被告発人安倍は責任を免れることはできない。
ちなみに被告発人西山は、2020(令和2)年2月4日、首相官邸付近の路上で、くわえ煙草で放尿し、麹町警察署に連行され始末書処分を受けている。

「安倍晋三年内不起訴へ」の報道には、とうてい納得し得ない。

(2020年12月19日)
本日(12月19日)の「毎日新聞」朝刊トップの見出しが、「安倍前首相を不起訴処分へ 本人聴取踏まえ、年内にも最終判断 東京地検特捜部」というもの。えっ? 安倍不起訴? おいおい、それはないだろう。ここまで捜査をした振りを見せておいて、これが精一杯です、と言うのかね。

同記事のリードは、こう述べている。

「安倍晋三前首相(66)の後援会が主催した「桜を見る会」の前夜祭を巡り、東京地検特捜部は、政治資金規正法違反などの容疑で告発状が出ていた安倍氏について、年内にも不起訴処分とする方向で上級庁と最終調整に入った模様だ。安倍氏本人の聴取結果を踏まえ、刑事責任の有無について最終判断する。開催費の費用補塡に関わった公設第1秘書らについては、同法違反(不記載)で略式起訴する方針とみられる。」

 今年(2020年)の5月21日を第1陣として、全国の弁護士およそ1000人が共同して東京地検特捜部に提出した告発状の被疑者は、安倍晋三(衆議院議員・当時内閣総理大臣)、配川博之(安倍晋三公設第1秘書・後援会代表者)、阿立豊彦(安倍晋三後援会会計責任者)の3名。もちろん、安倍晋三がメインターゲットで他は添え物である。安倍がメインディッシュなら、他の二人は前菜程度。安倍がトカゲのアタマなら、他の二人は尻尾に過ぎない。前菜だけでメインディッシュはございません? 尻尾だけつかまえましたからご安心を? それで治まるはずはなかろう。

告発対象の被疑事実は二つ。政治資金規正法違反(政治資金収支報告書への不記載)と、公職選挙法違反(有権者に対する寄付)である。前者の法定刑は禁固5年以下、後者は罰金50万円以下。公選法違反は不問に付し、政治資金規正法違反は秘書だけ立件して、政治家本人には目こぼしだという。そんな検察の姿勢でよいのか。国民の信頼を得られるのか。

毎日の記事もこうは言っているのだ。

「関係者によると、公設第1秘書が代表を務める「安倍晋三後援会」は、前夜祭を2013年から東京都内のホテルで開催。安倍氏側がホテル側へ支払った開催費用は15~19年の5年間で約2300万円だったが、1人5000円だった会費の総額は約1400万円で、差額が生じていた。

 安倍氏は国会答弁で「後援会としての収入、支出は一切なく、政治資金収支報告書への記載の必要はない」と説明していたが、捜査の結果、実際には、安倍氏側が差額分を補塡していたことが判明したという。

 告発状の提出を受けた特捜部は今秋ごろから本格的に捜査を始め、安倍事務所関係者ら100人前後から聴取を重ねてきた。会費収入と、補塡分を含めた支出を、収支報告書に記載する必要があるとみている。」

つまり、捜査では、少なくも政治資金規正法法上の不記載罪の成立は明らかになった。安倍晋三は国会で虚偽答弁を続けていたことになる。

問題は、次の記載だ。

「特捜部は安倍氏本人の関与も捜査しているが、安倍氏本人が費用の補塡や収支報告書への不記載を指示していた明確な証拠は得られていないといい、刑事責任を問うのは難しいと判断している模様だ。」

 これは、全てを秘書のせいにして、自らの責任を逃れようという、政治家の常套手段を黙過し容認するものと言わざるを得ない。
5年にわたる「前夜祭」である。少なくとも900万円の金のやりくりである。しかも、内閣総理大臣主催の「桜を見る会」の前夜祭である。この重要なイベントの収支を受益者が知らなかったはずはない。知らなかったで、済ませてはならない。

国民注視の「総理大臣の政治資金収支報告」である。ここで、おざなりの追及で「安倍本人が《費用の補塡や収支報告書への不記載》を指示していた《明確な証拠》が得られていない」として不起訴となれば、多くの政治家が「右へ倣え」して、秘書や会計責任者に責任を押し付け、責任逃れを図ることになろう。自らの無能を盾にして「政治資金収支報告書の違法を知らなかった」で済むはずがない。

捜査はおわっていない。問題は未解決である。毎日の記事も、

「補塡分の資金は、安倍氏側の政治団体から出されていたとみられ、特捜部は特定を進めている。」

と報じている。これは重要である。

これまでの報道だと、この問題の資金の出所は、安倍晋三の政治資金管理団体である「晋和会」からだという。会場のホテル側からの領収証の宛先が、「晋和会」宛てになっていたというのだ。

とすれば、晋和会の会計責任者の不記載罪が問われねばならないし、晋和会の代表者である安倍晋三の刑事責任も免れない。

政治資金規正法は、25条1項において「(政治団体の会計責任者が)政治資金収支報告書の提出をしなかつた場合に最高刑禁錮5年」とするとともに、同条2項は「前項の場合において、政治団体の代表者(安倍晋三)が当該政治団体(晋和会)の会計責任者の選任及び監督について相当の注意を怠つたときは、50万円以下の罰金に処する」と定める。

つまり、安倍晋三が「知らぬ、存ぜぬ」を押し通して、会計責任者とともに25条1項の罪責を負うことからは免れたとしても、「会計責任者の選任及び監督について相当の注意を怠つたとき」には、処罰されることになる。

この政治資金規正法第25条第2項の政治団体の責任者の罪は、過失犯(重過失を要せず、軽過失で犯罪が成立する)であるところ、会計責任者の不記載罪が成立した場合には、当然に過失の存在が推定されなければならない。資金管理団体を主宰する政治家が自らの政治資金の正確な収支報告書の作成に、常に注意し責任をもつべきは当然だからである。

被告発人安倍において、特別な措置をとったにもかかわらず会計責任者の虚偽記載を防止できなかったという特殊な事情のない限り、会計責任者の犯罪成立があれば直ちにその選任監督の刑事責任も生じるものと考えるべきである。

とりわけ、被告発人安倍晋三は、内閣総理大臣として行政府のトップにあって、行政全般の法令遵守に責任をもつべき立場にあった。自らが代表を務める資金管理団体の法令遵守についても厳格な態度を貫くべき責任を負わねばならない。

なお、被告発人安倍晋三が起訴されて有罪となり罰金刑が確定した場合には、政治資金規正法第28条第1項によって、その裁判確定の日から5年間公職選挙法に規定する選挙権及び被選挙権を失う。その結果、安倍晋三は公職選挙法99条の規定に基づき、衆議院議員としての地位を失う。

この結果は、法が当然に想定するところである。いかなる立場の政治家であろうとも、厳正な法の執行を甘受せざるを得ない。本件告発に、特別の政治的な配慮が絡んではならない。臆するところなく、検察は厳正な捜査を遂げるべきである。

安倍晋三による国政私物化の本命は「桜を見る会」であって、「前夜祭」ではない。

(2020年11月25日)
安倍晋三とは、右翼陣営の期待を担って改憲に執念を燃やしながら挫折した政治家である。また、長い任期の中で何のレガシーも残すことのできなかった愚昧な首相としても記憶されることになる。のみならず、近い将来の歴史教科書には、「国政を私物化した未熟な日本のリーダー」として名を残すことにもなろう。

「国政を私物化した」典型事例のひとつが「桜を見る会」である。昨日(11月24日)以来話題急浮上の「桜を見る会前夜祭」ではなく、白昼堂々と新宿御苑で行われた、政府主催の「桜を見る会」。本来、招待される資格のない、安倍晋三の地元である山口4区の有権者を呼んで、飲み食いさせたのだ。公私混同、これに過ぐるものはない。

野党議員から問題視され、招待者の名簿の提出を求められるや、その1時間後に名簿の全部をシュレッダーにかけて廃棄し、「不存在で提出できない」と開き直った。この汚いやり口が強く印象に残る。これが、私たちの国のトップが実際にやったことなのだ。こんな人物を、私たちの国の国民は、7年余も首相の座に就け続けていたのだ。なんと情けない民主主義ではないか。

「桜を見る会」とは何であるか、去る5月21日、弁護士662名が提出した安倍晋三らに対する告発状から引用する。

 「桜を見る会」とは、戦前の「観桜会」を前身とし、1952年、吉田茂が内閣総理大臣主催の会として始めた会とされており、「皇族、元皇族、各国大使等、衆参両議院議長及び副議長、最高裁判所長官、国務大臣、副大臣及び大臣政務官、国会議員(中略)、その他各界の代表者等」、「各界において功労・功績のあった者」が招待範囲とされ、毎年4月、新宿御苑を会場として行われてきた。
 ところが、被告発人安倍が2012年12月第二次安倍内閣を組閣して「桜を見る会」が安倍首相主催になった途端、それまでは1万人前後であった出席者数が2013年には約1万5000人に跳ね上がり、2018年には1万7500人に、2019年には1万8200人にまで膨れ上がった。予算額が1766万6000円であるのに対し、支出額は、2018年は5229万円、2019年は5518万7000円と、異常な予算超過ぶりを示している。このように出席者数も支出額も激増させながら、被告発人安倍主催の「桜を見る会」は7年連続で行われてきたのである。
 しかも最も問題になったのは、「桜を見る会」の出席者の中に、被告発人安倍の後援会員が800名から850名も含まれていたことである。これは、毎年、「安倍事務所」が、都内観光や「前夜祭」という「安倍晋三後援会」の行事とセットにして、国の行事である「桜を見る会」への参加を後援会員に無差別に呼びかけ、応募してきた後援会員やその家族、知人らがほぼ全員「桜を見る会」に招待されるというシステムによるものである。何ら「各界の代表者」でも「功労・功績のあった者」でもない後援会員らが、国費によって皇族や「各界の代表者」らと共に、無償で酒食の提供を受け、被告発人安倍や有名芸能人らと共に写真撮影の機会も与えられるなどの特権的な扱いを受けてきたのであり、公的行事や国家予算の私物化であるとの国民の厳しい批判を受けたのは当然であった。
 そればかりか、被告発人安倍は、「桜を見る会」の招待者名簿はシュレッダーにかけて廃棄した、データも残っていないなどと強弁して一切の検証作業を拒む姿勢を取り続けており、国民の憤りは沸騰している。

 レコードにA面とB面とがあるように、また、プランAがだめなときに予備的なプランBの出番がまわってくるように、国政私物化のメインの問題は飽くまで、「桜を見る会」であって、「前夜祭」はサブの問題なのだ。この点を、告発状は、こう述べている。

 私たち法律家は、被告発人安倍の「桜を見る会」私物化についても強い批判を持ち、その違法性の追及を検討している。すでに本年1月、「桜を見る会」6年分の予算超過額が財産的損害であるとする背任罪による告発がなされているが、背任罪以外にも公職選挙法違反等が疑われるところ、上述した招待者名簿の破棄・隠蔽などにより、現時点では分析、検討のための確たる資料を入手するに至っていない。

 今、B面としての「前夜祭」問題で安倍晋三の嘘が明らかになりつつある。この機会に、A面としての「桜を見る会」問題についても、きちんと安倍晋三の嘘を究明しなければならない。そのことが明確となって相応の責任を取ったとき、安倍晋三は、日本の民主主義のために、なにがしかの貢献をすることになるだろう。

2020年5月21日、662名の弁護士と法学者が提出した告発状は、かなり長文のものとなっている。その冒頭部分を、以下のとおり転載する。なお、その後、同趣旨の告発状の提出は進み、近々1000名に達すると報告されている。

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告  発  状

2020年5月21日

東京地方検察庁 御中

被告発人
住所 山口県下関市…(略)
(東京都千代田区永田町2丁目3番1号 首相官邸)
氏名 安倍晋三
職業 衆議院議員・内閣総理大臣
生年月日 1954(昭和29)年11月12日

被告発人
住所 山口県下関市東大和町1丁目8番16号 安倍晋三後援会事務所
氏名 配川博之
職業 安倍晋三後援会代表者

被告発人
住所 山口県下関市東大和町1丁目8番16号 安倍晋三後援会事務所
氏名 阿立豊彦
職業 安倍晋三後援会会計責任者

第1 告発の趣旨
1 被告発人安倍晋三、被告発人配川博之及び被告発人阿立豊彦の後記第2-1の所為は、刑法60条、政治資金規正法第25条1項2号、同法12条1項1号ホ及び同2号に該当する。
2 被告発人安倍晋三及び被告発人配川博之の後記第2-2の所為は、刑法60条、公職選挙法249条の5第1項及び同法199条の5第1項に該当する。
よって、上記の被告発人らにつき、厳重な処罰を求め、告発する。

第2 告発の事実
被告発人安倍晋三(以下、「被告発人安倍」という)は、2017(平成29)年10月22日施行の第48回衆議院議員選挙に際して山口県第4区から立候補し当選した衆議院議員、被告発人配川博之(以下、「被告発人配川」という)は、安倍晋三後援会(以下、「後援会」という)の代表者、被告発人阿立豊彦(以下、「被告発人阿立」という)は、後援会の会計責任者であった者であるが、
1 被告発人安倍、被告発人配川及び被告発人阿立は、共謀の上、政治資金規正法第12条1項により、山口県選挙管理委員会を経由して総務大臣に提出すべき後援会の収支報告書につき、2019(令和元)年5月下旬頃、山口県下関市東大和町1丁目8番16号所在の安倍晋三後援会事務所において、真実は、2018(平成30)年4月20日、ホテルニューオータニ東京において開催された宴会である「安倍晋三後援会 桜を見る会前夜祭」(以下、「前夜祭」又は「本件宴会」という)の参加費として、参加者1人あたり5000円の参加費に参加者数約800名を乗じた推計約400万円の収入があり、かつ、上記前夜祭の前後に、ホテルニューオータニ東京に対し、少なくとも上記推計約400万円の本件宴会代金を支出したにもかかわらず、後援会の2018(平成30)年分の収支報告書に、上記前夜祭に関する収入及び支出を記載せず、これを2019(令和元)年5月27日、山口県選挙管理委員会に提出し、
2 被告発人安倍及び被告発人配川は、共謀の上、法定の除外事由がないのに、2018(平成30)年4月20日、ホテルニューオータニ東京において開催された前夜祭において、後援会を介し、被告発人安倍の選挙区内にある後援会員約800名に対し、飲食費の1人あたり単価が少なくとも1万1000円程度であるところ、1人あたり5000円の参加費のみを徴収し、もって1人あたり少なくとも6000円相当の酒食を無償で提供して寄附をし
たものである。

証人買収容疑で秋元司逮捕。安倍晋三の、首相・総裁としての幾重もの責任。

(2020年8月20日)
カジノの建設が、アベ政権経済政策の目玉のひとつとなっている。情けない経済政策ではないか。カジノとは賭博以外の何ものでもない。賭博とは、互いに相手の金をむしり合うゲームである。ゲームに加わるのは人の不幸をもって我が利益にしようというさもしい連中。賭博は金のやり取りをするだけで何の利益も生み出さない。よい齢をした大人が目の色を変えて金のやり取りにうつつを抜かす。これこそ「生産性に欠け」、怠惰と頽廃を生み出す。そのゲームに投じられる莫大な金額が人の目を眩まし、社会を歪める。そして結局は胴元が金を吸い上げるだけの装置なのだ。歪んだ政権の歪んだ政策と言うほかはない。

もちろん賭博は刑法上の犯罪である。アベ政権は、実質的に社会に犯罪を煽り犯罪の蔓延によって経済を振興しようとしたが、カジノの建設が実現する以前に身内から収賄犯罪者を出した。秋元司である。彼は、アベ政権の「国土交通副大臣兼内閣府副大臣兼復興副大臣」だった。カジノ建設担当副大臣と言ってよい。その彼が、中国企業「500ドットコム」側から、賄賂を受け取っていたとして逮捕され起訴された。公訴事実は、衆院議員会館で300万円の現金を受け取ったほか、シンポジウムでの講演料や旅費など計約760万円相当を賄賂として受け取ったということ。

収賄の金額は760万円程度だが、これが全部かどうかは疑わしい。彼は、昨年(2019年)12月25日早朝、毎日記者の携帯電話に電話をかけ「はした金はもらわねえよ。あり得ねえよ。ほんとばかたれ」「1億、2億なら別だが俺は正面から堂々ともらうんだから」「地検ははしゃぎすぎだ。こんなことで身柄拘束しやがって。徹底して戦ってくるわ」と宣って、その日のうちに逮捕となった。760万円程度のはした金にご不満だったようなのだ。

その彼が起訴となり、2月12日に保釈となった。保釈保証金は3000万円と報道されている。相当な金額と言ってよい。証拠隠滅行為を疑われれば、保釈は取消され、保釈保証金は没取(業界では、ボットリと読む)される。通常、3000万円は惜しい。よもやそんなことはあるまい、と思う。ゴーンの件もそうだったが、この世界には「よもやそんなこと」が結構頻繁に起こるのだ。

本日(8月20日)、保釈されていた秋元が再逮捕されたとの報道である。被疑罪名は、組織犯罪処罰法違反(証人等買収)。当然に保釈は取り消され、3000万円は没取となるだろう。これは、落ち目のアベ政権に小さくない衝撃となる。あらためて国民は、アベ政権というものの薄汚さを再確認しなければならないからだ。

組織犯罪処罰法7条の2の「証人等買収」罪は、結構面倒な規定だが、「自己又は他人の刑事事件に関し、証言をしないこと、若しくは虚偽の証言をする…ことの報酬として、金銭その他の利益を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。」というもの。

秋元逮捕の被疑事実は、「自分の刑事事件で、贈賄側に虚偽の証言をすることの報酬として計3千万円を渡そうとした」ものと報道されている。また、贈賄側にうその証言をするよう働きかけたとして同容疑で逮捕された淡路明人が「秋元議員から証人買収を依頼され、指示を受けた」との趣旨の供述をしているという。

多くの人名が出てきて分かりにくいが整理してみよう。

(1) 主事件は贈収賄である。主役は収賄側の秋元司。脇役が、贈賄側・中国企業「500ドットコム」の紺野昌彦と仲里勝憲の二人。なお、贈賄側2被告の公判は、収賄側とは分離して8月26日に第1回が予定されている。

(2) 派生事件が証人買収で、買収を持ちかけた側が、秋元司、淡路明人、佐藤文彦、宮武和寛の4人である。いずれも逮捕されたが、実行行為は佐藤が紺野に、宮武が仲里に働き掛けたという。紺野・中里は供与された現金を受け取っておらず逮捕されていない。

秋元は、衆院解散当日の2017年9月28日、議員会館の事務所で、IR参入を目指していた中国企業「500ドットコム」元顧問の紺野と中里の2人から現金300万円を受け取ったとされる。秋元は授受を否定し、贈賄側の両被告は公判でも起訴内容を認める方針とみられている。そこで、「9月28日は秋元議員に会っていなかった」と証言の依頼をしたということなのだ。買収資金は、最初は1000万円、次いで用意した現金2000万円を見せての話となり、最終的に3000万円の約束が持ちかけられたという。

立憲民主の安住国対委員長がこう述べている。
秋元議員に対しては、「司法手続きをゆがめるようなことをやったとなると、国会議員としては絶対にあってはならないことなので、即刻、議員辞職に値する。本人がみずから辞めないのであれば、議員辞職勧告決議案を出そうと思っている」

また、「自民党は秋元氏の処分をしないまま離党を認め、安倍総理大臣は、内閣府の副大臣に任命した経緯があり、総裁と総理としての2つの責任がある」。まったく、そのとおりである。

さらに、こんな問題も派生している。証人買収を持ちかけた側の中心に位置するのが、淡路明人である。秋元議員の支援者で会社役員とされるが、マルチ企業「48(よつば)ホールディングス」の元社長。同社は2017年10月に消費者庁から特定商取引法違反で取引停止命令を受けている。以前から、赤旗の報じるところだが、安倍晋三首相や妻の昭恵と接点があり、首相と近いことをマルチの宣伝に使っていた。「安倍さんや菅さんとツーショットを撮れるような立派な人がクローバーをやっている」とのイメージは、強力な“荒稼ぎ”の武器とされた。同社は16年9月17年6月までの10カ月間で192億円以上を“荒稼ぎ”しているという。

この機会に思い起こそう。安倍政権というものの実態を。その数々の腐敗と汚れた歴史を。

切られた尻尾のうごめきに目を奪われることなく、トカゲのアタマを押さえねばならない。

(2020年6月28日)
河井克行・案里の運動員買収の実態がほぼ明確になりつつある。検察のリークだけではなく、メディアによる追及もめざましい。何より、世論の糾弾が厳しく、被買収者が否定しきれない空気を作っている。そのことが、「買収ドミノ」「告白ドミノ」といわれる現象を生んでいる。

だが、これまで明らかになりつつあるのは、河井夫妻から地元議員への金の流れだけである。これは、事案の半分でしかない。もっと重要なのは、安倍晋三ないしは自民党中枢から河井夫妻への、買収原資となった金の流れの解明である。いったい誰が、どのような意図をもって、いつ、どのようにこの金額を決め、送金したのか。

この点については、検察のリークも、メディア追及の成果も表れてはいない。世論の糾弾も厳しさも不十分で「告白ドミノ」も存在してはいないのだ。はたして検察は、この点に切り込んでいるのだろうか。メディアはどうだろうか。

トカゲの尻尾切りを、生物学では「自切」というそうだ。非常の時に、トカゲは自ら尻尾を切る。尻尾は容易に切れる構造になっており、切っても出血はせず、やがて再生する。外敵に襲われたとき、自切し尻尾は、しばらく動き回ることで外敵の注意を引きつけ、その隙に本体は逃げることができるのだ、という。これ、アベトカゲの常套手法。本体を守るために、尻尾を切り捨てるのだ。「責任は尻尾限り」と言わんばかりに、である。

今また、安倍晋三は河井という尻尾を切り捨てた。この切り捨てられてうごめく2本の尻尾にばかり注意をとられていると、その隙に本体が逃げおおせてしまうことになりかねない。腐ったアタマをこそ、押さえねばならない。

ところで、たまたま明るみに出た広島の地方保守政界の選挙事情。ドップリ、金が動き金で動く体質をさらけ出した。これは、ひとり広島だけのことなのだろうか、また自民党だけの問題だろうか。広島だけの特殊事情であり、アベ・溝手確執の特殊事情故のこととは思いたいところだが、おそらくはそうではあるまい。

インターネットテレビ局ABEMAに、『ABEMA Prime』という報道番組がある。そこに、かの勇名を馳せた元衆議院議員・豊田真由子が出演して、埼玉4区(朝霞市・志木市・和光市・新座市)でも、事情は大同小異であったと語っている。一昨日(6月26日)のことだ。

埼玉4区は、関東都市圏の一角、けっして保守的風土が強い土地柄というわけではない。ここでの選挙事情は、日本中似たようなものであるのかも知れない。

豊田真由子は、「とある先輩議員から、『ちゃんと地元でお金を配ってるの? 市長さん、県議さん、市議さんにお金を配らなくて、選挙で応援してもらえるわけがないじゃないの』と叱られ、びっくりしたことがある。選挙の時に限らず、この世界は桁が違うお金が動いているんだと、5年の間に感じた」と告白したという。さらにこう言っている。

「私はお金も無かったので、(自民)党からの1000万円と親族からの借金などでやったが、収支報告書を見た他の議員さんに『本当にこれでやってんの? どうやって勝ったの? 市議会議員選挙並みだね』と笑われるくらいだった。ど根性で地べたを這いつくばることで、だんだんとお助けをいただけるようになっていったが、必ずしもそうではない地域があるし、『お金をくれないんだったらあなたを応援しないよ』という方もいる。やっぱりそういう風習のようなものが日本の政治にはあるし、国会議員の選挙というのは、地元の市長さんや県議さん、市議さんに応援してもらわないと、非常に戦いにくい、厳しいということだ。議員さんに世襲の方や大きな企業グループのご子息が多いのも、そうではないとやっていけない世界だからだ」。

わが国の政治風土と、有権者の民度を語る貴重な証言である。そのような、票と議席の集積の頂点に、腐ったアタマが乗っかっている。切られた尻尾のうごめきに幻惑されることなく、この際本体のアタマを押さえなければならない。

恥を知れ、安倍晋三。

昨日(11月8日)の参院予算委。質疑の中で、またまた安倍晋三の醜態が明らかとなった。改めて思う。こんな人物を行政府の長としている、わが国のみっともなさと不幸を。そして、最近よく聞く安倍晋三こそ国内最大のリスク」というフレーズに同感する。

安倍の「醜態その1」は、一昨日の衆院予算委に続いての閣僚席からの野次である。
毎日が、簡潔にこう伝えている。「安倍首相、再びやじ 質問議員指さして」「金子参院予算委員長『厳に慎んで…』」
https://mainichi.jp/articles/20191108/k00/00m/010/282000c

首相が8日の参院予算委員会で、質問する立憲民主党の杉尾秀哉氏を指さしながらやじを飛ばしたとして、杉尾氏が抗議する一幕があった。首相は6日の衆院予算委でも野党議員にやじを飛ばし、棚橋泰文衆院予算委員長が不規則発言を慎むよう要請した。
杉尾氏によると、放送局に電波停止を命じる可能性に言及した2016年の高市早苗総務相の発言について質問した際、首相が自席から杉尾氏を指さして「共産党」とやじ。金子原二郎参院予算委員長が「不規則発言は厳に慎んでほしい」と注意した。
杉尾氏は取材に「国会は政策を論議する場であり、やじは首相の適性や品格に関わる問題だ」と語った。

安倍にとっては、「共産党」が悪口なのだ。戦前の天皇制時代に作られた時代感覚そのままの恐るべきアナクロニズム。それにしても、立憲民主党の杉尾秀哉氏を指さしながらの「共産党」である。意味不明。というよりも、理解を超えた発言。他人ごとながら、「この人、ほんとに大丈夫かね」と心配になる。

安倍の「醜態その2」は、共産党・田村智子議員の質問によって、明らかになった醜行。本日(11月9日)の赤旗トップ記事になっている。
「桜見る会を安倍後援会行事に」「参加範囲は『功労・功績者』のはずが」「税金私物化 大量ご招待」「田村氏追及に首相答弁不能」という大見出し。
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik19/2019-11-09/2019110901_01_1.html

https://www.jcp.or.jp/akahata/aik19/2019-11-09/2019110903_01_1.html

「安倍内閣のモラルハザード(倫理の崩壊)は安倍首相が起こしている」―。日本共産党の田村智子議員は8日の参院予算委員会で、安倍晋三首相主催の「桜を見る会」に安倍首相や閣僚らが地元後援会員を多数招待していた問題を追及しました。安倍首相は質問に答えられず、審議はたびたびストップ。安倍首相が先頭にたって公的行事・税金を私物化している疑惑が深まりました。

「桜を見る会」の参加者数・支出額は安倍政権になってから年々増え続け、2019年の支出額は予算額の3倍にもなっています。田村氏は、各界で「功労・功績のある方」を各府省が推薦するとしながら、自民党議員・閣僚の後援会・支持者が多数招待されていることを明らかにしました。

安倍首相の地元・山口県の友田有県議のブログ記事では、“後援会女性部の7人と同行”“ホテルから貸し切りバスで会場に移動”などの内容が記されています。
田村氏は「安倍首相の地元後援会のみなさんを多数招待している」「友田県議、後援会女性部はどういう功労が認められたのか」とただしました。
安倍首相は答弁に立てず、内閣府官房長が「具体的な招待者の推薦にかかる書類は、保存期間1年未満の文書として廃棄している」と答弁しました。田村氏は「検証ができない状態ではないか」と厳しく批判しました。

田村氏は「安倍事務所に参加を申し込んだら、内閣府から招待状がきた」という下関の後援会員の「赤旗」への証言を紹介。「下関の後援会員の名前と住所をどの府省がおさえられたのか。安倍事務所がとりまとめたとしか考えられない」とただしました。
さらに田村氏は、友田県議や吉田真次下関市議のブログに、「桜を見る会」とあわせて安倍首相夫妻を囲んだ前夜祭の盛大なパーティーの様子が紹介されていると指摘。「桜を見る会が『安倍首相後援会・桜を見る会前夜祭』とセットになっているんじゃないか」「まさに後援会活動そのものだ」と追及しました。

安倍首相は「お答えを差し控える」と答弁を拒否し、議場は騒然。田村氏は「桜を見る会は参加費無料でアルコールなどをふるまう。政治家が自分のお金でやれば明らかな公職選挙法違反だ。こういうことを公的行事と税金を利用して行っていることは重大問題だ」と強く訴えました。

なるほど、安倍晋三は共産党が嫌いなわけだ。が、問題は安倍自身がしたことの責任だ。田村議員が指摘するとおり、「政治家が自分のお金でやれば明らかな公職選挙法違反」なのだ。これに呼応して、山添拓議員が、「私費でやれば公選法違反。税金で堂々やるとは、私物化も甚だしい!」とツイートしている。さて、政治家が自分のお金でやれば明らかな公職選挙法違反」だが、「税金で堂々やる」のは犯罪にならないのだろうか。そんなはずはなかろう。

問題の条文は公選法199条の2 第1項である。公選法の条文は、極めて読みにくく作られている。文意をとりやすいように整理すれば次のとおりである。

公職選挙法第199条の2
第1項 政治家は、当該選挙区内にある者に対し、いかなる名義をもってするを問わず、寄附をしてはならない。

その違反に対する罰則は、下記のとおり。
第249条の2
第1項 第199条の2第1項の規定に違反して当該選挙に関し寄附をした者は、1年以下の禁錮又は30万円以下の罰金に処する。
第2項 通常一般の社交の程度を超えて第199条の2第1項の規定に違反して寄附をした者は、当該選挙に関して同項の規定に違反したものとみなす。

もちろん、有罪が確定すれば、原則5年間の公民権(選挙権・被選挙権)停止となる。

問題は、この安倍晋三による「税金私物化 大量ご招待」を、「寄附」と見ることができるか、である。私は、できると思う。もしこの安倍晋三の税金私物化が、公職選挙法違反にならないとすれば、公選法は甚だしいザル法である。ザルの目を塞ぐ法改正が必要となる。

「寄附」の定義規定は次のとおりである。
公職選挙法第179条第2項
「この法律において「寄附」とは、金銭、物品その他の財産上の利益の供与又は交付、その供与又は交付の約束で党費、会費その他債務の履行としてなされるもの以外のものをいう。」

つまり、安倍晋三が山口1区の有権者に、「金銭や物品」を配ることだけが、公職選挙法で禁止された「寄附」に当たるものではない。禁じられているのは、「財産上の利益の供与」一切なのだ。

立法の趣旨は明らかである。カネを持つものが、カネで政治を壟断することを防止するためである。典型的には、カネで票を買うことは買収罪となり、カネを支払っての選挙運動員を使って票を集めることは、間接的に票を買うことになるとして、運動員買収罪となる。しかし、通常の選挙犯罪は、特定の選挙との具体的な関連性が要求される。たとえば、次のとおり。

第221条1項 次の各号に掲げる行為をした者は、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。
第一号 当選を得若しくは得しめ又は得しめない目的をもつて選挙人又は選挙運動者に対し金銭、物品その他の財産上の利益若しくは公私の職務の供与、その供与の申込み若しくは約束をし又は供応接待、その申込み若しくは約束をしたとき。

選挙「買収」は、「当選を得若しくは得しめ又は得しめない目的をもつて」という形で、特定の選挙との具体的関連性が要件となっている。しかし、寄附にはその目的規定がない。特定の選挙との関連性が希薄ではあっても、カネの力で選挙民の投票行動が左右されるようなことがあってはならないとするのが法意なのだ。

本件では、安倍晋三がその選挙区の有権者を「参加費無料でアルコールなどをふるまう」会に招待し参加させたことが寄附に当たるか、が問われている。本来の「功労・功績者」への招待であれば公職選挙法条の犯罪とはならないが、欲しいままに予算を計上し、あるいは予算を大幅に上まわる人を招いて、事実上後援会員を「タダで飲み食いさせ」たのは,明らかに財産上の利益の供与であるから、寄附に当たる。問題は、「寄附」とは、自腹を切っての供与だけをいうもので、権力者が税金を欲しいままに使っての選挙民に対する利益供与は除かれるのか、という点に収斂する。

この寄附禁止規定は、「政治家が自分のカネでやる」ことを想定していたには違いない。しかし、身銭を切っての寄附の悪質性よりも、権力者がその地位を利用ないし悪用して、国民の財産を掠めとっての「寄附」がより悪質であることは、誰の目にも明らかではないか。

法の制定時、こんな安倍晋三流の悪質極まりない選挙違反は想定されていなかった。それが、安倍一強の驕りによってここまで腐敗が進行したということではある。しかし、実質的な負担者が誰であれ、有権者に利益を供与せしめた者すべてが、公選法199条の2 第1項違反と解すべきで、その解釈が罪刑法定主義に反するものではないと、私は思う。
それにしても、汚い。恥を知れ、安倍晋三。
(2019年11月9日)

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