澤藤統一郎の憲法日記

改憲への危機感から毎日書き続けています

テンノウヘイカバンザイ! 二度と聞きたくなかった 言葉

10月18日の閣議は、10月22日新任天皇の即位披露式にともなうパレードを延期し11月10日に開催することを正式決定した。
台風19号の被災者に配慮した結果の延期だというのだが、実はよく分からない。20日足らずの延期で、被災者への配慮の必要はなくなるとでもいうのだろうか。なぜ、中止にしないのだろうか。なぜ、延期をしてまでも実施にこだわるのだろうか。そして、被災者に配慮しながらも、22日式当日2000人の招待客を飲み食いさせたというのだろうか。

人気商売なのだから国民感情への配慮が必要なことは当然として、あまりに中途半端ではないか。10月23日の毎日夕刊トップが、避難所環境 雑魚寝でいいのか?」「台風19号、公民館に身を寄せたが…」の見出しで、次の記事を載せている。

 台風19号で避難所生活を送る被災者は、22日午前7時現在で3928人にのぼる。今も1000人近くが避難している長野県では、記者自身も家族と避難所へ身を寄せた。だが、そこは必ずしも安心が得られる場所ではなく、結局は自宅へ引き返した。避難所といえば「体育館で雑魚寝(ざこね)」が定番だが、その環境は国際基準に照らすとかなり劣悪と指摘される。このままでいいのか、…

「このままでいいのか」という言葉は、新天皇夫妻に届いているだろうか。

もう一つ。パレードの是非よりも、格段に重い国民への配慮の問題が、新天皇・即位披露式での「テンノーヘイカ・バンザイ」である。

この点について、石川逸子さんから、こんな詩のメールをいただいた。共感して、ご紹介する。
(2019年10月25日)
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天皇より1・3メートル低い位置から
安部首相が「天皇陛下万歳」を三唱しました。
明らかに憲法違反です。
昨年度からの皇位継承に伴う式典関係費は160億円余り。
前回より30%増えたそうです。

大嘗祭違憲訴訟原告として発表した詩ですが、
ご笑読くださいませ。
(なお、詩に「現天皇」とあるのは、前天皇明仁のことですー澤藤)

 

テンノウヘイカバンザイ!
   ー即位・大嘗祭違憲訴訟に向けて 石川逸子

テンノウヘイカバンザイ!
二度と聞きたくなかった 言葉
1990年11月12日
その言葉を聞いて あっけにとられた
あろうことか 現天皇の即位式のとき
海部首相がはるか高御座に坐る天皇を仰ぎ見
テンノウヘイカバンザイ! と三唱したのだ

そのテンノウの名によって
徴兵された 将兵たちが
「テンノウヘイカの おんために」
朝鮮に 中国に 東南アジアに攻め入って
殺戮・強かん・略奪・放火
ありとあらゆる暴虐をはたらいた事実を
忘れたとでもいうのだろうか
いわれなく殺されたアジアの死者たちが
バンザイ三唱を聞いて
地の底から憤怒の声をあげるのが
聞こえないとでもいうのだろうか

台湾からフィリピンの「慰安所」に連れていかれ
日々 殺すといわれて強かんされ
日本軍とともに山へ逃れ
たった一人生き延びた女性は
日本軍に撃たれて死んだ友の遺品に
今も 毎日供え物し 祈りながら
その償いを テンノウにこそしてほしいと
つい先ごろ 日本へ来て訴えている

皇国教育にまるごと染められ
テンノウヘイカバンザイ!
叫びながら
原爆に体ごと焼けて本川をながれていった
私と同年の広島二中1年生もいた

テンノウヘイカバンザイ!
その言葉をさらに
2013年 4月28日 ニュースで聞いた
サンフランシスコ講和条約締結日を祝う式典で
退席しようとする天皇夫妻に
安部首相以下出席者一同が万歳三唱したのだ
アジア・太平洋戦争でヤマトの捨て石にされた沖縄を
今度はアメリカに売った その日
沖縄県民にとっては 屈辱の日だというのに

なぜ 主権者となったわたしたちが
テンノウに平伏する儀式を営まねばならないのか
なぜ アジアのひとたちを逆なでする儀式を強行し
なぜ 退位の礼並びに即位の礼で
テンノウに感謝し
テンノウから「お言葉」を頂かねばならないのか
なお霧に包まれた 大嘗祭行事に付きあい
そのために 多額の税を投入しなければならないのか

テンノウといえば よみがえる苦い記憶
奉安殿への最敬礼をうっかり怠って
教師に いやというほどぶんなぐられた友人
白木の箱を捧げ 眼を伏せた遺族が先頭に立つ
町中の暗い行列
満員電車であろうと 皇居前にさしかかると
帽子を脱いで乗客全員 体をよじって最敬礼していた
滑稽な日々
「畏くも」と教師がいえば
(あ 次はテンノウヘイカという言葉が来る)と察知し
さっと 姿勢を正さねばならなかった子どもの日

テンノウヘイカバンザイ!
など二度と云いたくない
そんな光景を二度と見たくない
バンザイ!を唱えることで
わたしたちの主権は侵され
バンザイ!を唱えることで 権力を得
利を得るものたちが 跋扈する
世が
再来しているではありませんか

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