長く暗いトンネルをようやく抜けると、そこはまた同じトンネルだった。
本日(9月16日)、アベ内閣が総辞職してスガ新内閣組閣となった。長いトンネルを抜けて、またトンネルに入っただけ。あるいは、ラッキョの一皮を剥いても同じラッキョでしかなかったという印象。歴史的な意味は無に等しいスカみたいな日。
確かに、最低・最悪のアベ政権は終わった。しかし、居抜きのママ、首をすげ替えただけのアベ後継スガ政権の再発足である。何しろ、スガは「安倍後継」以外に、何の政治理念も語らない。語るべき何もないのだろうか、なんにも語らないことがボロを出さずに安心と思い込んでいるのかもしれない。
前政権による国政私物化疑惑への国民の批判に対しては、弁明も、反省も、再発防止の決意の表明もない。まるまるこれを承継するという態度。にもかかわらず、この点に対する国民的な批判が乏しい。メディアの甘さにも、歯がゆくてならない。
そのスガがこだわっているのが、アベ政権数々の不祥事のお蔵入りである。蔵に鍵をかけて、近づくなという姿勢。蔵の中は、モリ・カケ・サクラ・カジノに黒川・河井、公文書の隠蔽・改ざん、ウソとゴマカシの政治姿勢まで、まことに盛り沢山。全てはもう済んだこと、再調査はしない。
つまりは、アベからスガへ、政権の体質は何の変わりもないままに承継された。その上で、「巨大な負のレガシー」と言われる不祥事について、この機に隠蔽を決めこんだのだ。スガにすれば自分も共犯なのだから、こうするしかないと言わんばかり。
またしばらくは、アベ政権との闘い同様の姿勢で、スガ政権と対峙していかなければならない。そのような決意を固めるべき日。
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ちょうどこの日に、かもがわ出版からの新刊書の贈呈を受けた。
上脇博之さんの最近著「忘れない、許さない!」、副題が「安倍政権の事件・疑惑総決算とその終焉」というもの。アベ退陣以前からの出版企画だそうだが、アベ辞意表明となっての緊急出版とある。その筆力に脱帽せざるを得ない。
「許そう、しかし忘れまい」は、戦後補償を求める運動の中での、侵略戦争被害国の民衆の気持として語られる。しかし、それは加害国の真摯な謝罪の存在を前提としてのことである。アベ旧政権とスガ新政権は、旧悪を徹底して隠蔽し、丁寧に説明するなどと嘘を言って、ゴマカシ続けている。
この書の題名のとおり、最低・最悪のアベ政権悪行の数々を「ワスレナイ、ユルサナイ!」でなくてはならない。
この書の構成は以下のとおり。
第1章 「お友達」行政と公文書改竄・廃棄?財務省の「森友学園」事件
第2章 公金の私物化と裏金?「桜を見る会」&「前夜祭」事件
第3章 自民党本部主導選挙と使途不明金?河井議員夫妻「多数人買収」事件
第4章 政治的な検察官人事?黒川検事長の定年延長と検察庁「改正」案
第5章 安倍政権の政治的体質と自民党の変質?保守からの右旋回
終 章 国民置き去りの新型コロナ対応と支持率の低下〜政治的体質が招いた終焉
そして、あとがきの最後の一文がこうなっている。
「本書が安倍政権の政治的体質を総決算し、安倍政権が生み出した体質そのものの終焉を決定づける一冊になることを願って。」
アベが退陣しても、実は何も変わらない。この最低・最悪のアベ政権が生み出した体質そのものを終焉させなければならない。そのためのこの書のご紹介である。
http://www.kamogawa.co.jp/kensaku/syoseki/wa/1114.html
出版社名 かもがわ出版
発売予定日 2020年10月1日
予定税込価格 2,090円
そして、出版社は、この書についてこうコメントしている。
「安倍首相辞任 緊急出版! 森友学園、桜を見る会、河合選挙買収、黒川検事長…安倍政権の相次ぐ不祥・疑惑事件を総棚卸。安倍自民党の政治的体質、ここに極まれり。転換期の今、民意に寄り添う清潔・公正な政治を!」