澤藤統一郎の憲法日記

改憲への危機感から毎日書き続けています

「負けるな北星!」  学内公聴会発言者に敬意を表明する

沖縄知事選が始まって以来、沖縄タイムスと琉球新報のサイトに目が離せない。北星学園大学脅迫告発運動に関わって以来は、これに北海道新聞が加わった。3紙とも、よくその使命を果たしていると思う。日本の北と南に、優れた地方紙が育っていることには必然性があるのだろうか。興味深い現象。

その「道新」のサイトが、本日(11月15日)の未明に「元記者雇い止め、学長『慎重に判断』 北星学園大で公聴会」という記事を発信している。短い記事だから、全文を引用する。

「札幌市厚別区の北星学園大が、朝日新聞記者時代に従軍慰安婦問題の報道に携わった非常勤講師との契約を来年度更新しない方向で検討していることについて、同大は14日夜、全教職員を対象とした公聴会を開催した。田村信一学長は終了後、『いろいろな意見が出た。理事会や理事長の意見も聴き、慎重に判断したい』と述べた。
 非公開の公聴会は予定を1時間超過し2時間半続いた。関係者によると、大学側の方針について出席者から『建学の精神のキリスト教に基づく「博愛の精神」と相いれないのでは』という疑問や『雇用打ち切りが学生を守ることにつながるのか』といった意見が出たという」

11月1日付の道新記事のタイトルが、「北星学園大、元記者の契約更新せず 学長、脅迫問題で方針」だったのだから、この2週間で学長の発言にかなりの変化が生じたことが窺える。

道新だけではない。NHKも本日早朝の「北海道News Web」で、次のように報じている。
「朝日新聞の元記者を非常勤講師として雇用している札幌市の大学が、講師を辞めさせるよう脅迫された事件をめぐり、学長が示した来年度は元記者を雇用しない考えについて14日夜、教職員の意見を聴く公聴会が開かれました。
 この事件は、いわゆる従軍慰安婦の問題の取材に関わった朝日新聞の元記者を非常勤講師として雇用している札幌市の北星学園大学に、『辞めさせなければ学生に危害を加える』とする脅迫文が届くなどしたものです。
 田村信一学長が来年度は元記者を雇用しない考えを明らかにしたことを受け、14日夜、大学側が200人以上いる教職員を対象に直接意見を聴く公聴会を開きました。
 出席者によりますと、公聴会にはおよそ100人が参加し、『脅迫に屈して雇用を打ち切るのは大学の自治の放棄になる』など雇用を継続すべきという意見が相次いだということです。
 公聴会のあと田村学長はNHKの取材に対し『いろいろな意見を聞き総合的に判断したい』と述べたうえで、来月初めまでに最終判断する考えを示しました」
公聴会出席者の真摯な発言には敬意を表したい。

私たちは、学長を励ましたいと思う。そのためには、大学が、右翼からの圧力や外部からの学内治安への攻撃を心配することなく、その自治をまっとうできるよう環境を整備しなければならない。380人の弁護士が告発に名を連ねて捜査機関を督励し、大学への激励の意思を表明した。そのうち道内の弁護士は171人に及ぶ。脅迫内容実行の予防には役に立っているのではないか。

「負けるな会」に名を連ねた著名な学者や文化人が、大学に対して来年度からのボランティア講師活動提供を申し出てもいる。私は著名人ではないが、元日弁連消費者委員長として現代の消費者問題のエッセンスや具体的な法的問題を語りたいと思う。

さらに同大学の大学院生らが、「北星・学問の自由と大学の自治のために行動する大学院生有志の会」を結成した、との道新報道もある。同会は、大学に要望書を提出し、「脅迫で誰かの雇用が奪われるという前例ができれば、私たち自身の研究も常に危険にさらされる状況となる」と指摘して再考を求めているという。

卑劣で不当な攻撃に対して私たちの社会がどれほどの耐性をもっているのか、北星学園脅迫事件は、そのテストケースとなっている。心ある多くの人が、動き始めていることに意を強くもちたい。そしてさらに声を揃えて、「負けるな北星!」と叫びたいと思う。
(2014年11月15日)

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