澤藤統一郎の憲法日記

改憲への危機感から毎日書き続けています

国民は、第1自民(アベ自民)も、第2自民(小池自民)も望んでいない。

アベ自民が、疑惑隠しの解散で総選挙になろうとしている。森友・加計問題をきっかけに、国民に歪んだ政権の政治姿勢がくっきりと見えている。アベ自民への国民の批判は厳しい。これを奇貨とした小池百合子が、アベの批判者面をしてその受け皿の地位を狙っている。いま、混乱甚だしい。

10月4日のことだ。都議会本会議終了後、小池百合子は党の公約について記者団に説明した。当人は、自民との政策の相違を強調したつもりだったが、記者の受け取り方はそうならなかった。

記者から出た質問は、「希望の党は第2自民党との指摘もありますが…」というものだった。こう問われて小池は、「ムッとした表情を浮かべ」と報道されている。その上で何と答えたか。

第2どころか第1を目指したいと思います。それは、新しい保守政治という観点です」などと言い捨てて会見を終えた。言い捨てで会見を終了するのが、この人のいつものパターン。

「第2どころか第1を目指したいと思います」とは、この文脈では明らかに、「第2自民党ではなく、第1自民党を目指したいと思います」という意味だ。「自民党の補完勢力視は、失礼な話。私こそが本来の自民党、アベ自民党は小池自民の補完勢力に過ぎない」と言いたいのだろう。

政党とは、結局のところ利害相対立する国民諸階層のうちのどの層の利益を代弁するかで分かれる。私は常識的に、この社会の基本構造を経済的な強者と弱者との緊張関係において見る。政治・政党とはその反映なのだから、徹底して搾取される経済的弱者の側に立つ政党と、その反対に搾取する側の経済的強者である大企業の利益擁護に徹する政党の両極が必然的に生じる。それが、日本共産党と自民党と言ってよい。この左右の両極を結ぶラインにその余の中間政党がならぶ。共産の側に近いか自民の側に近いかその立ち位置をはかられる。

民進党(民主党)は、幅が広かった。個々の議員は、雑多な政治思想や立ち位置をもっていたが、圧倒的な世論が民進党全党をして、集団的自衛権行使容認反対の運動に結集させていた。それが今、雪崩をうっての希望の党への集団的な脱落の体たらく。

民進から希望への転向派諸君は、踏み絵を踏まされて、「9条改憲反対」も「集団的自衛権行使容認反対」もあっさりと旗を降ろした。極端な右方向への集団的地滑りである。滑り落ちる先は、単に右であるだけでない。選挙公約も定まらない政党だった。党規約も組織も明確ではなく、党の意思決定過程はブラックボックスと内部から批判が出ている、そんなカオスに落ちていったのだ。

「青は藍より出でて藍より青し」という。「小池は、自民より出でて自民より保守」の立ち位置なのだ。それが、「第2自民どころか、わたしこそ第1自民」発言となるのだ。防衛政策において自民よりタカ派。改憲課題に自民以上に積極姿勢。党運営において、自民以上に不透明で非民主的。希望の党に希望の灯りは見えない。

気をつけよう。暗い夜道と希望の党。気をつけよう。オレオレ詐欺と希望の党。
反自民、反アベのつもりのあなたの票が、自民以上の保守に取り込まれぬように。
(2017年10月7日)

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Published in 土曜日, 10月 7th, 2017, at 23:11, and filed under 選挙.

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