澤藤統一郎の憲法日記

改憲阻止の立場で10年間毎日書き続け、その後は時折に掲載しています。

スラップを受任する弁護士の責任を問うー「DHCスラップ訴訟」を許さない・第97弾

DHC・吉田に対する反撃の訴訟に、共同不法行為者として、原告代理人として訴訟を担当した弁護士も被告にするかどうか。まだ結論に至っていない。考え方は、次のようなものだ。

専門家責任という成熟しつつある法律用語がある。専門家には、非専門家(素人)とは異なる高度の水準の注意義務が求められ、契約責任も不法行為責任も厳格に論じられなければならない、とする考え方。具体的には、医師・弁護士・公認会計士・不動産鑑定士・税理士などの有資格者、あるいは原発や石油プラント、航空機などの危険物の設計者などに、それぞれの専門家としての高度のあるいは厳格な責任があるとされる。

医療過誤訴訟において、診療の過程における医師の注意義務の水準が激しく争われ、次第に厳格なものとして定着してきた。実は、同じことが弁護士の執務遂行についても言えることなのだ。弁護士は、実務法律家として専門家たる力量と倫理性をもたなければならない。そのいずれかの欠如は弁護過誤として法的責任を生じうる。依頼者との関係では債務不履行となり、係争の相手方との関係では不法行為となりうるのだ。

加藤新太郎(元裁判官)は、弁護士の執務における弁護過誤の類型を、〔A〕依頼者に対する責任と、〔B〕第三者に対する責任とに大別した上、各々を3類型に分類している。

〔A〕依頼者に対する弁護過誤の類型
(1) 不誠実型
(2) 単純ミス型
(3) 技能不足型

〔B〕第三者に対する弁護過誤の類型
(1) 不当訴訟型
(2) 違法弁論型(名誉毀損型)
(3) 違法交渉型

依頼者に対する弁護士の責任は自明で分かり易い。「弁護士さんが勝てると言ったから、提訴を依頼したのに、ぶざまに負けた。話が違うじゃないか」という局面での責任。しかし、第三者に対する責任の方は必ずしも自明とは言いがたいかも知れない。この点について、加藤新太郎の説くところは、以下のとおりである。

「弁護士は、訴訟追行又は強制執行に際して損害を与えた場合、不法行為責任(民法709条)を追及される。
弁護士としては、『専門的知識・技能を活用して依頼者の利益のみならず関わりを生じた第三者の利益をも害することのないようすべき注意義務』(一般的損害発生回避義務)を負う。これは、弁護士の公的役割に由来するものであるが、実定法上の根拠としては、弁護士法1条2項にいう誠実義務と考えてよいであろう。すなわち、弁護士の誠実義務は、依頼者に対する関係のみならず、弁護士の執務のあり方全般を規律するものである」(「新・裁判実務体系 専門家責任訴訟法」)」

法律に素人である依頼者は、ブログ「澤藤統一郎の憲法日記」の記述によって、自分の名誉が傷つけられたとして、専門家としての力量を備えているはずの、資格を持った弁護士に提訴の可否を相談する。このとき、相談を受けた弁護士には専門家として、提訴の可否・当否を吟味し判断すべき義務があり、そのための力量と倫理が求められる。

相談を受けた弁護士はこう言うべきだったのだ。
「この提訴は勝ち目がない。かえって、訴訟の提起自体が不法行為責任を生じかねない。提訴という方法ではなく、あなたがもっている言論の手段を行使して反論すべき。威嚇効果を狙っているとしか考えられない非常識な高額請求などはもってのほか。」
「もちろん、訴訟を受任すれば、訴訟の帰趨にかかわりなく、私には多額の着手金が手に入ることになる。しかし、それは弁護士の倫理としていただくわけにはいかない。」

さて、この提訴が違法であるとして、だれに最も重い責任があるのだろう。専門家として、提訴の可否・当否の判断を誤った弁護士にこそ責任があるのではないだろうか。

ごく最近、ある事件をきっかけに、この点についての弁護士の責任が大きな話題となっている。
産経は、この件を次の見出しで報じた。「日弁連・AV出演拒否で女性に賠償請求 提訴の弁護士『懲戒審査相当』」「日弁連異例の決定 『正当な活動』反論も」

少し字句を補うとこういうことだ。「AV出演拒否で女性に賠償請求訴訟提訴を担当した弁護士の行為について、日弁連は懲戒審査に付することが相当と判断を示した」「日弁連としては異例の決定で、弁護士の行為を正当な活動とする反論もある」

報道によれば、ことの経過は、こんなところだ。
「アダルトビデオ(AV)出演を拒否した20代の女性に所属事務所が約2400万円の損害賠償を求めた訴訟をめぐり、日本弁護士連合会(日弁連)が、所属事務所の代理人を務めた60代の男性弁護士について『提訴は問題だった』として、『懲戒審査相当』の決定をした。」

「この女性は『タレントになれる』と18歳でスカウトされ、事務所と契約。その後、AV出演を求められ、拒否すると事務所から『違約金を支払え』などと脅された。女性が契約解除を求めると、事務所は男性弁護士を代理人として損害賠償訴訟を東京地裁に起こした。」「2015年9月の東京地裁判決は『事務所は高額の違約金を盾にAV出演を迫った』と指摘。『女性には契約を解除するやむを得ない事情があった』として請求を退けた。事務所側は控訴せず、判決は確定した。」(産経)

「損害賠償訴訟の判決によると、女性はAV出演を拒否すると会社から『違約金が1千万円かかる』と言われた。契約解除を求めると、会社はこの男性弁護士らを代理人として東京地裁に提訴。地裁は2015年9月、『強要できない仕事なのに、多額の違約金を告げて出演を迫った』として請求を棄却し、確定した。」(朝日)

問題は、この弁護士の提訴が、「女性を恫喝したAV出演強制を助長する行為」として、弁護士の非行にあたるかである。この弁護士が所属する第二東京弁護士会の綱紀委員会は非行にあたらずとして、懲戒審査に付さないことを決定した。しかし、日弁連の綱紀委員会はこの決定に対する異議を認めて、二弁の決定を取り消した。このため二弁の懲戒委員会は今年1月、懲戒審査を始めた、という。

日弁連の逆転決定の理由として、産経の報道では、
(1) 提訴はこの女性や同様の立場にいる女性にAV出演を強制する行為とみなされる恐れがある
(2) 請求額の妥当性や、提訴が女性の心理に与える圧力などを十分に検討していない

朝日の報道は、
(1)「高額請求の訴訟はAV出演を強制する威圧効果がある」
(2)「女性への影響の大きさ、請求内容を考慮すると問題がないとは言えない」
の各2点を挙げている。

両記事とも、「高額請求」が問題の一つとして挙げられている。また、識者のコメントとして、「弁護士は依頼者の利益だけでなく、社会的利益の実現も求められていることを理解すべきだ」「『弁護士職務基本規程』が不当な目的の訴訟の受任を禁じるなど、一定の制限が設けられており、提訴自体が懲戒対象になることもあり得る」などが掲載されている。

さて、DHCスラップ訴訟に当て嵌めてみるとどうだろうか。
(1) スラップの提訴は、吉田嘉明の行為を批判する政治的言論の発言者である被告(澤藤)や、同様の立場の発言者に言論抑制を強制する行為とみなされる恐れがある。
(2) 高額請求の訴訟は、言論抑制を強制する威圧効果がある。
(3) 受任弁護士は、請求額の妥当性や、提訴が言論の自由に与える圧力などをおよそ検討していない。

いまDHCスラップ訴訟弁護団が検討しているのは、原告代理人弁護士の不法行為責任であって、懲戒事由該当性ではない。しかし、先に見たとおり、提訴を不法行為とする弁護士の専門家責任の根拠は、弁護士倫理にある。日弁連の決定が、「提訴が女性の心理に与える圧力などを十分に検討していない」「高額請求の威圧効果」「請求額の妥当性」を問題にしていることに留意されなければならない。私に対する損害賠償請求額は、6000万円だった。その高額請求の意図にも鑑み、こんなことが許されてよかろうはずはない。

「弁護士職務基本規定」の2か条を引用しておきたい。

(違法行為の助長)
第14条 弁護士は、詐欺的取引、暴力その他違法若しくは不正な行為を助長し、又はこれらの行為を利用してはならない。
(強者による言論の自由抑圧は「不正な行為」である。弁護士は、提訴を手段とする不正な行為を助長しているのではないか)

(不当な事件の受任)
第31条 弁護士は、依頼の目的又は事件処理の方法が明らかに不当な事件を受任してはならない。
(吉田嘉明の依頼の目的は言論抑圧にあり、その提訴は「不当な事件」として受任してはならない)

弁護士が弁護士倫理を弁えれば、スラップ訴訟の大半はなくなるのだ。

念のため、付け加えておきたい。医師には患者からの診療の求めに応ずべき義務(応招義務)がある。医師法19条が「診療に従事する医師は、診察治療の求めがあった場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない」と定めているところである。弁護士にはこれがない。スラップの依頼などは、断固として断ってよい。むしろ、断るべきなのだ。

もっとも、刑事事件の受任はまったく別問題である。いかなる被疑者も被告人も、有罪の判決確定までは無罪の推定を受ける。また、いかなる被疑者も被告人も、国家権力による訴追を受ける場面では、弱者としてその人権が擁護されなければならない。刑事事件の受任が不当な事件の受任とはならない。
(2017年1月23日)

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     「DHCスラップ」勝利報告集会は今週土曜日
弁護士 澤藤統一郎
私自身が訴えられ、6000万円を請求された「DHCスラップ訴訟」。その勝訴確定報告集会が次の土曜日に迫りました。この問題と勝訴の意義を確認するとともに、攻守ところを変えた反撃訴訟の出発点ともいたします。ぜひ、集会にご参加ください。

日程と場所は以下のとおりです。
☆時 2017年1月28日(土)午後(1時30分?4時)
☆所 日比谷公園内の「千代田区立日比谷図書文化館」4階
?「スタジオプラス小ホール」
☆進行
弁護団長挨拶
田島泰彦先生記念講演(「国際動向のなかの名誉毀損法改革とスラップ訴訟(仮題)」)
常任弁護団員からの解説
テーマは、
「名誉毀損訴訟の構造」
「サプリメントの消費者問題」
「反撃訴訟の内容」
☆会場発言(スラップ被害経験者+支援者)
☆澤藤挨拶
・資料集を配布いたします。反撃訴訟の訴状案も用意いたします。
・資料代500円をお願いいたします。
言論の自由の大切さと思われる皆さまに、集会へのご参加と、ご発言をお願いいたします。

       「DHCスラップ訴訟」とは
私は、ブログ「澤藤統一郎の憲法日記」を毎日連載しています。既に、連続1400日になろうとしています。
そのブログに、DHC・吉田嘉明を批判する記事を3本載せました。「カネで政治を操ろうとした」ことに対する政治的批判の記事です。
DHC・吉田はこれを「名誉毀損」として、私を被告とする2000万円の損害賠償請求訴訟を提起しました。2014年4月のことです。
私は、この提訴をスラップ訴訟として違法だとブログに掲載しました。「DHCスラップ訴訟を許さない」とするテーマでの掲載は既に、90回を超します。そうしたら、私に対する損害賠償請求額が6000万円に跳ね上がりました。
この訴訟は、いったい何だったのでしょうか。その提訴と応訴が応訴が持つ意味は、次のように整理できると思います。
1 言論の自由に対する攻撃とその反撃であった。
2 とりわけ政治的言論(攻撃されたものは「政治とカネ」に関わる政治的言論)の自由をめぐる攻防であった。
3 またすぐれて消費者問題であった。(攻撃されたものは「消費者利益を目的とする行政規制」)
4 さらに、民事訴訟の訴権濫用の問題であった。

私は、言論萎縮を狙ったスラップ訴訟の悪辣さ、その害悪を身をもって体験しました。「これは自分一人の問題ではない」「自分が萎縮すれば、多くの人の言論の自由が損なわれることになる」「不当な攻撃とは闘わなければならない」「闘いを放棄すれば、DHC・吉田の思う壺ではないか」「私は弁護士だ。自分の権利も擁護できないで、依頼者の人権を守ることはできない」。そう思い、自分を励ましながらの応訴でした。
スラップ常習者と言って差し支えないDHC・吉田には、反撃訴訟が必要だと思います。引き続いてのご支援をお願いいたします。

デマとヘイトの番組、その元凶がDHCだー「DHCスラップ訴訟」を許さない・第96弾

本日(1月20日)の赤旗社会面トップに、「DHC」の大見出しが踊った。

見出しを順序立てれば、「デマ・差別放送流した東京MX」「DHC(化粧品製造販売)が最大スポンサー」「『ニュース女子』制作も子会社」「極右論客登場番組作り続け」となる。その見出しの文字のうち、右肩トップの位置に大きく「DHC」なのだ。赤旗よ、よくぞ書いた。

「ニュース女子」批判も「東京MX」批判も重要ではある。しかし、最も批判を集中すべき元凶は、DHCなのだ。枝葉ではなく、根と幹を叩かねばならず、そのためにはDHCの名前を出さなければならない。これを遠慮しているようでは、真っ当なジャーナリズムとはいえない。

1月18日朝日夕刊に続いて、本日(1月20日)の朝刊で、毎日も東京新聞も、「東京MX」と「ニュース女子」批判の記事を掲載している。毎日の見出しは、「MX『偏見報道』に波紋」『(反対運動参加者は、年金をもらっているから)逮捕されても影響ない集団』『(地元の住民の)大多数は基地に反対でない』というもの。

リードと本文の冒頭を引用する。
「沖縄県の米軍北部訓練場のヘリコプター離着陸帯(ヘリパッド)建設に対する抗議活動を取り上げた東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO MX)の番組を巡り、波紋が広がっている。番組は『こんなやつらが反対運動をしている』などと報じ、市民らは19日、『沖縄に対する誤解や偏見をあおる』『事実関係が誤っている』とMXに抗議した。
 MXは1995年に開局した東京ローカルの地上波。問題の番組は月曜午後10時のバラエティー情報『ニュース女子』で、大手化粧品会社の子会社が制作。」

毎日も朝日と同様に、「大手化粧品会社」と言ってDHCの名を出さない。「大手化粧品会社の子会社」と言って、DHCシアターの名を出さない。何を遠慮しているのか。

本日の東京新聞「こちら特報部」は、情報量としては最大だ。その筋の通った批判の姿勢もよい。見出しは、「『ニュース女子』の誹謗中傷に高まる批判」「高江市民特派員『やゆされ悔しい』」というもの。

リードだけ引用する。
「沖縄県東村高江周辺の米軍ヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設に反対する人たちを誹謗中傷した東京メトロポリタンテレビジョン(東京MX)の番組『ニュース女子』への批判が一段と高まっている。中でも怒り心頭に発しているのが、名指しされた市民団体『のりこえねっと』だ。カンパで捻出した資金から交通費相当の金銭を支給し、現地の様子を発信する『市民特派員』を派遣したが、番組は『基地反対派に日当』などとデマを垂れ流した。特派員が語る『放送されない真実』とは?。」

『ニュース女子』では、長谷川幸洋・東京新聞論説副主幹が司会を務めている。自社の幹部が関係する番組を真っ向批判する紙面の姿勢は立派なものだ。しかし、この批判の姿勢もDHCの責任追及までには及んでいない。

各紙が、大広告主DHCの名指しの批判を躊躇する中で、さすがに赤旗は、DHCの宣伝媒体となっていない強みを遺憾なく発揮している。本日の記事は、もっぱらDHC批判に貫かれたもの。やや長いが、主要部分を引用する。

「沖縄県東村高江の米軍ヘリパッド建設に反対している人は『金で雇われている』などとデマを放送して批判が殺到している東京の地上波テレビ局・MXテレビの最大のスポンサーが、デマを流した番組『ニュース女子』を提供した化粧品・健康食品製造販売のDHC(ディーエイチシー、吉田嘉明会長)で、同局の売り上げの1?2割超にのぼっていることが19日、本紙の調べで明らかになりました。
 MXテレビの有価証券報告書によると2015年(16年3月決算)での総売り上げは164億7千万円。主な相手先ではDHCが23億5900万円(14・3%)で1位、2位のテレビ通販会社・インターワールド11億1100万円(6・7%)を大きく引き離す大口スポンサーになっています。
 10年には総売り上げ75億300万円で、大口先は1位が東京都8億5700万円(11・4%)、2位DHC8億2400万円(11%)、3位インターワールド8億600万円(10・8%)と横並びの状態でした。
 ところが11年にDHCが18億300万円(19・2%)へと急激に増やし、それ以降不動の1位に。もはやDHC抜きのMXテレビはありえないほど、いびつな収益構造になっています。
 DHCの吉田会長は14年3月、当時みんなの党代表だった渡辺喜美氏(維新の会参院議員)に8億円を提供したと暴露して大問題になりました。
 吉田氏は同年、CSチャンネル『シアター・テレビジョン』を子会社とし、翌15年には『DHCシアター』と改称。『日本最高クラスの知性を結集した日本国民のテレビ局』(通販顧客向けパンフレット)とうたい、極右論客を登場させる番組を作り続けています。
 このうちの一つである「ニュース女子」が、MXテレビの時間枠をDHCが買いとる形で地上波でも放映されています。
 MXテレビは自主的に定めている『放送番組の基準』で『すべての人の人権を守り、人格を尊重する。個人、団体の名誉、信用を傷つけない。差別・偏見の解消に努め、あらゆる立場の弱者、少数者の意見に配慮する』としています。
 2日放送の「ニュース女子」のデマ、差別表現がこれに抵触することは明らかであり、MXテレビは訂正、取り消しの放送、再発防止に取り組むべきだと批判があがっています。」

「ニュース女子」の番組の中では、「(反対派は)中国人や朝鮮人をどんどん連れてきている」と煽り、百田尚樹が「とにかく反日活動なんですけど」などと説明を行っている(リテラ)。この番組の姿勢は、吉田嘉明自身の次の言葉と符合する。「時々とんでもない悪(わる)がいたりします…。純粋な日本人でない人も結構います」「本物、偽物、似非ものを語るとき在日の問題は避けて通れません」「いま日本に驚くほどの在日が住んでいます」「問題なのは日本人として帰化しているのに日本の悪口ばっかり言っていたり、徒党を組んで在日集団を作ろうとしている輩…」。

吉田嘉明・渡辺喜美事件を思い出す。スポンサー吉田嘉明が、政治を動かそうと渡辺喜美に薄汚い8億円の裏金を提供したのだ。メディアは、挙って政治家渡辺喜美を批判したが、吉田嘉明批判を控えた。それはおかしいと、私は当ブログで、吉田嘉明を批判した。それが下記の3本。
2014年3月31日 「DHC・渡辺喜美」事件の本質的批判
 2014年4月2日 「DHC8億円事件」大旦那と幇間 蜜月と破綻
 2014年4月8日 政治資金の動きはガラス張りでなければならない?
この3本が、私に対するスラップ訴訟提起の根拠とされたのだ。

今またメディアはDHC批判に何を遠慮しているのか。元凶を指し示せ。根幹を批判せよ。さもなくば、DHCは懲りずに極右番組のスポンサーととして、デマとヘイトを垂れ流し続けるだろう。消費者のDHC商品不買による抗議の運動も不十分なものになる。
(2017年1月20日)

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     「DHCスラップ」勝利報告集会にご参加を
弁護士 澤藤統一郎
私自身が訴えられ、6000万円を請求された「DHCスラップ訴訟」。
その勝訴確定報告集会のお知らせです。
この問題と勝訴の意義を確認するとともに、攻守ところを変えた反撃訴訟の出発点ともいたします。ぜひ、集会にご参加ください。

日程と場所は以下のとおりです。
☆時 2017年1月28日(土)午後(1時30分?4時)
☆所 日比谷公園内の「千代田区立日比谷図書文化館」4階
?「スタジオプラス小ホール」
☆進行
弁護団長挨拶
田島泰彦先生記念講演(「言論の自由」の今日的意義)
常任弁護団員からの解説
テーマは、
「名誉毀損訴訟の構造」
「サプリメントの消費者問題」
「反撃訴訟の内容」
☆会場発言(スラップ被害経験者+支援者)
☆澤藤挨拶
・資料集を配布いたします。反撃訴訟の訴状案も用意いたします。
・資料代500円をお願いいたします。
言論の自由の大切さと思われる皆さまに、集会へのご参加と、ご発言をお願いいたします。

       「DHCスラップ訴訟」とは
私は、ブログ「澤藤統一郎の憲法日記」を毎日連載しています。既に、連続1400日になろうとしています。
そのブログに、DHC・吉田嘉明を批判する記事を3本載せました。「カネで政治を操ろうとした」ことに対する政治的批判の記事です。
DHC・吉田はこれを「名誉毀損」として、私を被告とする2000万円の損害賠償請求訴訟を提起しました。2014年4月のことです。
私は、この提訴をスラップ訴訟として違法だとブログに掲載しました。「DHCスラップ訴訟を許さない」とするテーマでの掲載は既に、90回を超します。そうしたら、私に対する損害賠償請求額が6000万円に跳ね上がりました。
この訴訟は、いったい何だったのでしょうか。その提訴と応訴が応訴が持つ意味は、次のように整理できると思います。
1 言論の自由に対する攻撃とその反撃であった。
2 とりわけ政治的言論(攻撃されたものは「政治とカネ」に関わる政治的言論)の自由をめぐる攻防であった。
3 またすぐれて消費者問題であった。(攻撃されたものは「消費者利益を目的とする行政規制」)
4 さらに、民事訴訟の訴権濫用の問題であった。

私は、言論萎縮を狙ったスラップ訴訟の悪辣さ、その害悪を身をもって体験しました。「これは自分一人の問題ではない」「自分が萎縮すれば、多くの人の言論の自由が損なわれることになる」「不当な攻撃とは闘わなければならない」「闘いを放棄すれば、DHC・吉田の思う壺ではないか」「私は弁護士だ。自分の権利も擁護できないで、依頼者の人権を守ることはできない」。そう思い、自分を励ましながらの応訴でした。
スラップ常習者と言って差し支えないDHC・吉田には、反撃訴訟が必要だと思います。引き続いてのご支援をお願いいたします。

 

DHCにもアパホテルにも不買運動こそが有効な対応だ?「DHCスラップ訴訟」を許さない・第95弾

昨日(1月18日)の当ブログの結論部分を再掲しよう。
消費者のDHC商品の購入が、DHCを太らせ、デマとヘイトの番組作りの資金となる。そこで、消費者諸君に呼びかけたい。とりわけDHCの顧客層に。
「あなたがDHC商品を一つ買えば、デマとヘイトの番組作りを後押しして、日本の民主主義を一歩後退させることになる。反対に、あなたがDHC商品の購入を控えれば、デマとヘイトの番組作りは一歩後退し、日本の民主主義を一歩前進させることになる。」
DHC商品不買の運動は、デマとヘイトを抑制する民主主義運動なのだ。

この理は、当然のことながらDHCを標的とするものに限らない。また、「スラップ」「デマ」「ヘイト」問題にも限らない。民主主義社会での国民が、投票行動によらず消費者としての市場の選択権を行使して日々なし得る民主主義運動として、幅広いテーマでの有効性をもつ。このようにして、消費者が政治や社会を動かし得る側面に注目して、消費者主権という概念が生まれている。

消費者主権の担い手である自覚的な消費者は、ダボハゼの如く安い商品に飛びついてはならない。いかがわしい商品宣伝に踊らされてはならない。日々購入する商品が安全なものであるか、環境問題に配慮した商品であるか、フェアトレードを遵守したものであるかを吟味しなければならない。その選択が、商品の安全性だけでなく、環境問題、途上国の少年労働の問題にまで、影響を及ぼすのだ。

ブラック企業として名の出た企業の製品は買わない。そのような企業が経営する店には行かない。そのような振る舞いが、ブラックのままでは経営の継続ができないという教訓を社会に行き渡らせ、自身の労働条件の向上に資することにもなるのだ。さらには、ヘイトやデマを宣伝し、裏金で政治を操ろうとする経営者や企業の反憲法的行動に歯止めを掛けることも可能となる。スラップも同様だ。スラップ常連の企業の商品のボイコットが、この社会の言論の萎縮を回避することになるのだ。

DHCによく似た企業のよく似た経営者が、俄然話題となっている。アパホテルの歴史修正主義書籍問題だ。

「『アパホテルの全客室に、南京大虐殺を否定する内容を含む書籍が置かれている。中国人はこの事実を知った上で宿泊するかどうか決めるべき』と伝える動画が中国のSNS『微博』に投稿され、中国で大きな話題となっている。これについて、アパホテル親会社のアパグループが1月17日見解を発表した」と報じられている。

問題になった書籍は、アパグループ代表者の著書「本当の日本の歴史 理論近現代史 II」というもの。アパグループのホテルの各客室に置かれており、「南京虐殺事件が中国側のでっちあげであり、存在しなかったことは明らかである」などの主張が盛り込まれている、という。

この書籍を読んで「ショックを受けた」として、問題提起した米国人大学生の言が行き届いている。
彼(アパグループの元谷代表)には自分の本をホテルに置いたり言いたいことを言う権利はあるが、彼の政治的思想を知らない中国人客からお金を取っているのは不誠実」「彼の思想を知った上で宿泊するかどうか決めるべき」というのだ。まったくそのとおりだ。

この本の内容はお粗末極まる。「いわゆる定説と言われるものに囚われず、著者が数多くの資料等を解析し、理論的に導き出した見解に基づいて書かれたものです」というものなのだが、「定説と言われるものに囚われず」とは、定説の根拠を徹底的に分析し検証しようということではない。定説の根拠は一切無視して、結論ありきで素人見解の自説を述べるのだ、と言っているに過ぎない。

興味深いのは、「元谷は、『異なる立場の方から批判されたことをもって書籍を客室から撤去することは考えていない。日本には言論の自由が保証されており、一方的な圧力によって主張を撤回するようなことは許されてはならない』と、今後も書籍を客室に起き続けると表明した。」と報道されていること。

そのとおりだ。日本には言論の自由が保障されている。だから、このようなお粗末で劣悪な言論と言えども、公権力が取り締まることはできない。歴史修正主義者も、日本国憲法による基本権擁護の恩恵に与っているのだ。

かの動画投稿の大学生は、ネットでこう語っているという。
ここに泊まれば、彼の懐にお金が入る。事実を知って泊まるかどうか決めてほしい
これこそ、消費者主権行使の呼びかけなのだ。

「この動画は18日夕までの3日間で9500万回以上再生され、中国メディアは『右翼ホテル』などと一斉に報道。ネット上では『会員カードを切り刻み、友人に泊まるなと伝えた』『日本旅行はよいが、このホテルには泊まらないで』などの書き込みが続く(朝日)」。

アパホテルは、歴史修正主義宣伝とセットでの宿泊を勧誘している。その行為は自由だ。しかし、顧客の拒否の選択ももとより自由である。かの動画投稿の大学生は、多くの消費者に「正確な選択の前提条件」を提供したのだ。典型的な歴史修正主義言説としての「南京事件はなった」「中国のでっちあげだ」という言論を不快に思う人は、アパホテルに泊まってはならない。

資本主義というものは、それなりの合理性をもった制度である。DHCやアパホテルなどの非合理で憲法理念に反する企業に対しては、消費者主権を有効に働かせなければならない。まずは、その商品の不買運動が有効な第一歩である。
(2017年1月19日)
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     「DHCスラップ」勝利報告集会にご参加を
弁護士 澤藤統一郎
私自身が訴えられ、6000万円を請求された「DHCスラップ訴訟」。
その勝訴確定報告集会のお知らせです。
この問題と勝訴の意義を確認するとともに、攻守ところを変えた反撃訴訟の出発点ともいたします。ぜひ、集会にご参加ください。

日程と場所は以下のとおりです。
☆時 2017年1月28日(土)午後(1時30分?4時)
☆所 日比谷公園内の「千代田区立日比谷図書文化館」4階
?「スタジオプラス小ホール」
☆進行
弁護団長挨拶
田島泰彦先生記念講演(「言論の自由」の今日的意義)
常任弁護団員からの解説
テーマは、
「名誉毀損訴訟の構造」
「サプリメントの消費者問題」
「反撃訴訟の内容」
☆会場発言(スラップ被害経験者+支援者)
☆澤藤挨拶
・資料集を配布いたします。反撃訴訟の訴状案も用意いたします。
・資料代500円をお願いいたします。
言論の自由の大切さと思われる皆さまに、集会へのご参加と、ご発言をお願いいたします。

       「DHCスラップ訴訟」とは
私は、ブログ「澤藤統一郎の憲法日記」を毎日連載しています。既に、連続1400日になろうとしています。
そのブログに、DHC・吉田嘉明を批判する記事を3本載せました。「カネで政治を操ろうとした」ことに対する政治的批判の記事です。
DHC・吉田はこれを「名誉毀損」として、私を被告とする2000万円の損害賠償請求訴訟を提起しました。2014年4月のことです。
私は、この提訴をスラップ訴訟として違法だとブログに掲載しました。「DHCスラップ訴訟を許さない」とするテーマでの掲載は既に、90回を超します。そうしたら、私に対する損害賠償請求額が6000万円に跳ね上がりました。
この訴訟は、いったい何だったのでしょうか。その提訴と応訴が応訴が持つ意味は、次のように整理できると思います。
1 言論の自由に対する攻撃とその反撃であった。
2 とりわけ政治的言論(攻撃されたものは「政治とカネ」に関わる政治的言論)の自由をめぐる攻防であった。
3 またすぐれて消費者問題であった。(攻撃されたものは「消費者利益を目的とする行政規制」)
4 さらに、民事訴訟の訴権濫用の問題であった。

私は、言論萎縮を狙ったスラップ訴訟の悪辣さ、その害悪を身をもって体験しました。「これは自分一人の問題ではない」「自分が萎縮すれば、多くの人の言論の自由が損なわれることになる」「不当な攻撃とは闘わなければならない」「闘いを放棄すれば、DHC・吉田の思う壺ではないか」「私は弁護士だ。自分の権利も擁護できないで、依頼者の人権を守ることはできない」。そう思い、自分を励ましながらの応訴でした。
スラップ常習者と言って差し支えないDHC・吉田には、反撃訴訟が必要だと思います。引き続いてのご支援をお願いいたします。

DHC・吉田嘉明の驚くべき沖縄ヘイト?「DHCスラップ訴訟」を許さない・第94弾

今日もまた、複数の友人からのメールで教えられたテーマ。「DHCのテレビ番組が、おどろくべき沖縄ヘイトを垂れ流しています」というのだ。

正確に言えば、今「沖縄ヘイト・在日ヘイト」で悪評この上ないMXテレビ『ニュース女子』はDHC・吉田制作の番組とのことなのだ。

舌鋒鋭く好調のリテラが、この点を詳しく報道している。これは、出色の記事であり、必見というべきだろう。長文だが、長さを感じさせない。

タイトルが、「ヘイトデマ垂れ流しで大問題のMX『ニュース女子』も… 化粧品会社のDHCはなぜ極右ヘイト番組をつくるのか」。DHCの名をバッチリ出しているところが、素晴らしい。

そのURLが下記のとおり。
http://lite-ra.com/2017/01/post-2838.html

こちらのURLでも見ることができる。
http://www.excite.co.jp/News/column_g/20170109/Litera_2838.html?_p=4

記事の内容の前半は、MXテレビ(地上波・東京メトロポリタンテレビジョン)『ニュース女子』の内容の酷さだ。多くの検証記事が、この番組のデタラメぶりと、沖縄ヘイト・在日ヘイトの非常識を報道しているが、まさしく目を覆わんばかり。そして後半は、この「ヘイト」・「デマ」番組を作っているのが、DHCだという指摘。しかも、これまでのDHCの問題の数々をきちんと書き連ねて、遠慮も萎縮もない。この後半部分が「出色」という所以なのだ。

本日(1月18日)の朝日の夕刊も、MX『ニュース女子』の内容を検証している。「MXテレビに『沖縄ヘイト』批判 米軍への抗議活動巡り」というタイトルの記事。
「沖縄県東村高江の米軍ヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設への抗議活動について報じた東京メトロポリタンテレビジョン(MXテレビ)の番組に、反発の声が上がっている。取り上げられた団体は『意図的な歪曲』『人種差別的な発言」と指摘し、沖縄の地元紙も『沖縄ヘイト』などと批判。局側は16日、『議論の一環として放送した』との見解を番組で流した。」

この朝日の記事は、MXテレビ番組のデタラメぶりを検証し、沖縄ヘイト・在日ヘイトにも触れている。しかし、DHCの社名を出さない。なんと、「化粧品大手」としか言わないのだ。「化粧品大手」といえば、まず思い浮かべるのは資生堂・花王、あるいはポーラのことではないか。イメージ重視企業が、こんなヘイト番組を作っているものと誤解されてはたいへんなダメージ。はた迷惑と同情せざるを得ない。朝日にとって、DHCは広告料スポンサーとしてのお得意様。DHCの社名は出せないということなのだろうか。

さて、リテラの記事である。
1月2日にTOKYO MXで放送された『ニュース女子』の内容のデタラメと、それ故の沖縄の基地反対運動への差別意識、のりこえねっと辛淑玉氏を名指しの誹謗中傷については、もう周知の事実となった。この前半部分は割愛して、後半部分から引用する。

「この『ニュース女子』という番組はCS放送局「DHCシアター」が制作・放送を行っているものだということだ。つまり、TOKYO-MXTVの番組枠をDHCシアターが買い上げ、地上波でも放送しているのである。

DHCシアターとは、その名の通り、化粧品やサプリメントの販売などで知られるDHCが株主でありDHCグループのひとつ。

このDHCシアターの前身は、舞台を専門に放送していたCSチャンネル「シアター・テレビジョン」なのだが、…14年にDHC会長の吉田嘉明が代表取締役会長となり、15年よりDHCシアターと改称し、『ニュース女子』や『虎ノ門ニュース8時入り!』などの番組を放送スタートするようになった。

両番組とも、井上和彦や百田尚樹のほか、圧力団体『放送法遵守を求める視聴者の会』の小川榮太郎、上念司、ケント・ギルバートなどが出演者するなど、顔ぶれを見るとCS版『そこまで言って委員会NP』(読売テレビ)といった赴き…。

つまり、もともと保守思想の持ち主である濱田がその人脈で極右番組放送局として進めてきたところにDHCという大資本が入り、さらにはネトウヨ製造番組と呼ばれる『委員会』のノウハウが流入され、現在のDHCシアターがある、というわけだ。

ご存じの通り、吉田会長といえば、2014年にみんなの党・渡辺喜美氏に8億円もの供与を「週刊新潮」(新潮社)で暴露、大問題へと発展したことが記憶に新しいが、このとき、「渡辺氏を通じて安倍晋三首相にも接近しようとしていた」(「FACTA」14年5月号)とも報じられている。いずれにしても、政界への影響力行使に色気を出す吉田会長にとって、DHCシアターの安倍政権をアシストする露骨な極右的姿勢は、当然の流れだったのかもしれない。

しかし、8億円供与問題でもわかるように、吉田会長のやり方にはこれまでさまざまな批判が起こってきた。…数々のスキャンダルや不祥事も起こってきた。1992年には六本木に元社長秘書をママに据えた会員制クラブを開店したことが「週刊新潮」で取り上げられたが、2001年にはさらに「週刊文春」(文藝春秋)が「仰天内部告発 化粧品会社DHC社長『女子社員満喫生活』」と題した記事を掲載。記事によれば〈気に入った女子社員と豪遊し、豪華な自宅には高給で女子社員からお手伝いさんを雇ったが身長、体重を書かせた〉というが、この報道に対し吉田氏は前代未聞の10億円という超高額損害賠償請求訴訟を東京地裁に起こした。結果として『文春』が敗訴したが、この高額訴訟と判決には『メディアが萎縮する』『言論の自由を脅かす』として批判が巻き起こった。

そのほかにも、吉田氏が自社株を買い戻したときの金額を国税局が低すぎるとし約6億円の追徴課税を行った際には、処分取り消しの訴訟を起こしただけでなく、国税庁職員の調査によって精神的な苦痛を受けたとして国を相手に約1億4000万円の損害賠償訴訟を起こすなど、『けんかっ早いフィクサー』『ワンマン経営者』などと呼ばれてきた吉田会長。それでもDHCがいまだ好調なのは、マスコミに広告を大量出稿していることで、前述したようなさまざまな問題を新聞やテレビが大きく報じてこなかった影響もある。」

リテラの「マスコミに広告を大量出稿していることで、前述したようなさまざまな問題を新聞やテレビが大きく報じてこなかった影響もある。」という指摘を重く受けとめねばならない。マスメディアが腰砕けなら、消費者自身が立ち上がるしかなかろう。リテラ記事の結論部分はこうなっている。

「SNS上では今回の『ニュース女子』問題を皮切りに『DHC不買』運動が起こっているが、それも当然の話だろう。DHC商品の購入がヘイト番組に加担することになるということを、消費者はよく覚えておく必要がある。」

『DHC不買』運動に関連しては、こんなサイトの記事もある。

「『右寄りTV番組』スポンサーでDHCに不買運動」(オルタナ)
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20170109-00010000-alterna-soci

「SNSでは、『DHC不買』というハッシュタグをつけて、同番組やDHCへの批判的な投稿が増えている。同番組は、DHCシアターの主要株主であるDHC(東京・港)の持ち込み番組として、2015年4月から始まった。持ち込み番組では、放送するTV局が企画に関わることは少なく、基本的に外部の制作プロダクションが映像をつくり、TV局はその映像を流すことだけを行う。制作費が掛からないので、収益率が良い。同番組を制作しているのは、DHCシアターとボーイズ(東京・港)の2社。」

「DHC商品の購入がヘイト番組に加担することになる」というリテラの指摘のとおりではないか。消費者のDHC商品の購入がDHCを太らせ、デマとヘイトの番組作りの資金となる。

消費者諸君に呼びかけたい。とりわけDHCの顧客層に。

あなたがDHC商品を一つ買えば、デマとヘイトの番組作りを後押しして、日本の民主主義が一歩後退することになる。

反対に、あなたがDHC商品の購入を控えれば、デマとヘイトの番組作りは一歩後退し、日本の民主主義が一歩前進することになる。『DHC不買』運動は、デマとヘイトを抑制する民主主義運動なのだ。
(2017年1月18日)
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「DHCスラップ」勝利報告集会にご参加を
弁護士 澤藤統一郎
私自身が訴えられ、6000万円を請求された「DHCスラップ訴訟」。
その勝訴確定報告集会のお知らせです。
この問題と勝訴の意義を確認するとともに、攻守ところを変えた反撃訴訟の出発点ともいたします。ぜひ、集会にご参加ください。

日程と場所は以下のとおりです。
☆時 2017年1月28日(土)午後(1時30分?4時)
☆所 日比谷公園内の「千代田区立日比谷図書文化館」4階
「スタジオプラス小ホール」
☆進行

弁護団長挨拶
田島泰彦先生記念講演(「言論の自由」の今日的意義)
常任弁護団員からの解説
テーマは、
「名誉毀損訴訟の構造」
「サプリメントの消費者問題」
「反撃訴訟の内容」
☆会場発言(スラップ被害経験者+支援者)
☆澤藤挨拶
・資料集を配布いたします。反撃訴訟の訴状案も用意いたします。
・資料代500円をお願いいたします。
言論の自由の大切さと思われる皆さまに、集会へのご参加と、ご発言をお願いいたします。

「DHCスラップ訴訟」とは
私は、ブログ「澤藤統一郎の憲法日記」を毎日連載しています。既に、連続1400日になろうとしています。
そのブログに、DHC・吉田嘉明を批判する記事を3本載せました。「カネで政治を操ろうとした」ことに対する政治的批判の記事です。
DHC・吉田はこれを「名誉毀損」として、私を被告とする2000万円の損害賠償請求訴訟を提起しました。2014年4月のことです。
私は、この提訴をスラップ訴訟として違法だとブログに掲載しました。「DHCスラップ訴訟を許さない」とするテーマでの掲載は既に、90回を超します。そうしたら、私に対する損害賠償請求額が6000万円に跳ね上がりました。
この訴訟は、いったい何だったのでしょうか。その提訴と応訴が応訴が持つ意味は、次のように整理できると思います。
1 言論の自由に対する攻撃とその反撃であった。
2 とりわけ政治的言論(攻撃されたものは「政治とカネ」に関わる政治的言論)の自由をめぐる攻防であった。
3 またすぐれて消費者問題であった。(攻撃されたものは「消費者利益を目的とする行政規制」)
4 さらに、民事訴訟の訴権濫用の問題であった。

私は、言論萎縮を狙ったスラップ訴訟の悪辣さ、その害悪を身をもって体験しました。「これは自分一人の問題ではない」「自分が萎縮すれば、多くの人の言論の自由が損なわれることになる」「不当な攻撃とは闘わなければならない」「闘いを放棄すれば、DHC・吉田の思う壺ではないか」「私は弁護士だ。自分の権利も擁護できないで、依頼者の人権を守ることはできない」。そう思い、自分を励ましながらの応訴でした。
スラップ常習者と言って差し支えないDHC・吉田には、反撃訴訟が必要だと思います。引き続いてのご支援をお願いいたします。

DHC会長吉田嘉明の驚くべきヘイトスピーチ?「DHCスラップ訴訟」を許さない・第93弾

友人からのメールで教えられた。「DHCの会長吉田嘉明が、おどろくべきヘイトスピーチを自社のホームページに掲載しています」というのだ。

そのURLが下記のとおり。

http://top.dhc.co.jp/company/image/cp/message1.pdf

是非、多くの人にこの全文をお読みいただきたい。まさしく、「おどろくべきヘイトスピーチ」なのである。吉田嘉明とはいかなる人物であるか、自らが雄弁に語って余すところがない。

昨年(2016年)2月12日付の記事で、「会長メッセージ」と標題があり、「株式会社ディーエイチシー 代表取締役 吉田嘉明」との肩書記名がある。今どき、このような差別的文章を人目にさらす人物の存在自体が信じがたいが、まさか「なりすまし」ではないだろう。

この人物、このような差別的文章を書くこと自体が、いかに道義的非難に当たることであるか、自らの品位を貶める恥ずべき行為であるのかの自覚に欠けている。一面滑稽ではあるが、他面このような人物が大手を振ってまかり通っているこの社会を恐ろしいものと感じざるを得ない。

主要な部分を抜き書きしてみよう。
「時々とんでもない悪(わる)がいたりしますので、この点は注意が必要です。純粋な日本人でない人も結構います」
「本物、偽物、似非ものを語るとき在日の問題は避けて通れません。この場合の在日は広義の意味の在日です。いわゆる三、四代前までに先祖が日本にやってきた帰化人のことです。そうい意味では、いま日本に驚くほどの在日が住んでいます。」
「問題なのは日本人として帰化しているのに日本の悪口ばっかり言っていたり、徒党を組んで在日集団を作ろうとしている輩」
「政界(特に民主党)、マスコミ(特に朝日新聞、NHK、TBS)、法曹界(裁判官、弁護士、特に東大出身)、官僚(ほとんど東大出身)、芸能界、スポーツ界には特に多いようです」
「問題は、政界、官僚、マスコミ、法曹界です。国民の生活に深刻な影響を与えます。」
「私どもの会社も…法廷闘争になるときが多々ありますが、裁判官が在日、被告側も在日の時は、提訴したこちら側が100%の敗訴になります。裁判を始める前から結果がわかっているのです。似非日本人はいりません。母国に帰っていただきましょう。」

この文章には、論理も論証もない。「法曹界には、日本人として帰化しているのに日本の悪口ばっかり言っていたり、徒党を組んで在日集団を作ろうとしている輩が特に多い」「私どもの会社(DHC)が裁判に負けるのは、裁判官がそのような在日だから」という、無茶苦茶な没論理。

論理的にものを考える能力に欠け支離滅裂な文章を綴る輩がいることには少しの不思議もない。しかし、解せないのはこのような公然たる民族差別、あるいは排外主義の情念が、何ゆえにどこから来るものなのかということである。

かつての日本にとっては、中国も朝鮮も、学ぶべき先進の文化大国であった。ところが、明治維新後の日本が近隣諸国への膨張政策をとるようになると、根拠のない優越民族意識の醸成が国策となる。国策に操られた国民の選民意識と差別感情が、植民地支配や侵略戦争への積極的加担に大きな役割を果たした。この差別意識は、敗戦とともに表向きは消滅する。国民が国家による意識的な精神動員に乗せられたことを反省したのだ。民衆の意識の底流に、差別感情の残滓が払拭しきれずにあるとしても、社会の良識は、この吉田嘉明の文章の如き表現を許さないはずであった。いつの間に、私たちの社会は劣化してしまったのだろう。

私は、天皇制のあり方には辛口だが、天皇(明仁)の発言に、少数ながらも評価すべきものがあることは否定しない。たとえば、2001年12月の天皇誕生日に際してのコメントである。「天皇家には朝鮮の血が流れている」発言として知られているもの。

下記URLの宮内庁ホームページから引用する。

http://www.kunaicho.go.jp/okotoba/01/kaiken/kaiken-h13e.html
問 …歴史的,地理的にも近い国である韓国に対し,陛下が持っておられる関心,思いなどをお聞かせください。

天皇(明仁) 日本と韓国との人々の間には,古くから深い交流があったことは,日本書紀などに詳しく記されています。韓国から移住した人々や,招へいされた人々によって,様々な文化や技術が伝えられました。宮内庁楽部の楽師の中には,当時の移住者の子孫で,代々楽師を務め,今も折々に雅楽を演奏している人があります。こうした文化や技術が,日本の人々の熱意と韓国の人々の友好的態度によって日本にもたらされたことは,幸いなことだったと思います。日本のその後の発展に,大きく寄与したことと思っています。私自身としては,桓武天皇の生母が百済の武寧王の子孫であると,続日本紀に記されていることに,韓国とのゆかりを感じています。武寧王は日本との関係が深く,この時以来,日本に五経博士が代々招へいされるようになりました。また,武寧王の子,聖明王は,日本に仏教を伝えたことで知られております。
しかし,残念なことに,韓国との交流は,このような交流ばかりではありませんでした。このことを,私どもは忘れてはならないと思います。

天皇(明仁)もいうとおり、日本人も朝鮮・韓国人も、純粋・純血ということはありえない。明らかに血は混じりあっており、優越も劣等もあり得ない。吉田の言う「純粋な日本人」などは存在しないのだ。天皇もその例外ではない。にもかかわらず、空虚な差別感情を誇示する者の絶えないことが、「残念なこと」であり、同胞として恥ずかしい限りというほかはない。

差別には、もう一つの政治的な側面がある。
霍見芳浩ニューヨーク市立大学名誉教授が、「法と民主主義」1月号に寄稿している。トランプを「欠陥人間」大統領と表現して、トランプ現象をヒットラー現象になぞらえている。

「その昔、ナチス独逸を創り上げたアドルフ・ヒットラーは、第一次世界大戦に敗れて過大な賠償金の重圧にあえぐドイツ国民に『すべてがユダヤ人のせいだ』と叫ぶ、これにドイツ国民の大半が「そうだ」と飛びついた」。今、アメリカでよく似た事態がおきているのだ。

日本では、吉田嘉明の如き人物が、「すべてが在日のせいだ」と叫んでいる。「政界も、マスコミも、法曹界も、官僚も、芸能界も、スポーツ界も在日だらけ」「とりわけ、政界、官僚、マスコミ、法曹界の在日が、国民の生活に深刻な影響を与えている」「国民生活の不都合は在日に由来する」というのだ。

これに、「そうだ」と飛びついてはならない。こんな支離滅裂の煽動に乗せられてはならない。このようなレイシストを、徹底して批判し孤立させなければならない。DHCスラップ訴訟とその反撃訴訟は、新たな意味づけを獲得したようである。
(2017年1月17日)
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     「DHCスラップ」勝利報告集会にご参加を
                  弁護士 澤藤統一郎
私自身が訴えられ、6000万円を請求された「DHCスラップ訴訟」。
その勝訴確定報告集会のお知らせです。
この問題と勝訴の意義を確認するとともに、攻守ところを変えた反撃訴訟の出発点ともいたします。ぜひ、集会にご参加ください。

日程と場所は以下のとおりです。
☆時 2017年1月28日(土)午後(1時30分?4時)
☆所 日比谷公園内の「千代田区立日比谷図書文化館」4階
「スタジオプラス小ホール」

☆進行
弁護団長挨拶
田島泰彦先生記念講演(「言論の自由」の今日的意義)
常任弁護団員からの解説
テーマは、
「名誉毀損訴訟の構造」
「サプリメントの消費者問題」
「反撃訴訟の内容」
☆会場発言(スラップ被害経験者+支援者)
☆澤藤挨拶
・資料集を配布いたします。反撃訴訟の訴状案も用意いたします。
・資料代500円をお願いいたします。
言論の自由の大切さと思われる皆さまに、集会へのご参加と、ご発言をお願いいたします。

      「DHCスラップ訴訟」とは
私は、ブログ「澤藤統一郎の憲法日記」を毎日連載しています。既に、連続1400日になろうとしています。
そのブログに、DHC・吉田嘉明を批判する記事を3本載せました。「カネで政治を操ろうとした」ことに対する政治的批判の記事です。
DHC・吉田はこれを「名誉毀損」として、私を被告とする2000万円の損害賠償請求訴訟を提起しました。2014年4月のことです。
私は、この提訴をスラップ訴訟として違法だとブログに掲載しました。「DHCスラップ訴訟を許さない」とするテーマでの掲載は既に、90回を超します。そうしたら、私に対する損害賠償請求額が6000万円に跳ね上がりました。
この訴訟は、いったい何だったのでしょうか。その提訴と応訴が応訴が持つ意味は、次のように整理できると思います。
1 言論の自由に対する攻撃とその反撃であった。
2 とりわけ政治的言論(攻撃されたものは「政治とカネ」に関わる政治的言論)の自由をめぐる攻防であった。
3 またすぐれて消費者問題であった。(攻撃されたものは「消費者利益を目的とする行政規制」)
4 さらに、民事訴訟の訴権濫用の問題であった。

私は、言論萎縮を狙ったスラップ訴訟の悪辣さ、その害悪を身をもって体験しました。「これは自分一人の問題ではない」「自分が萎縮すれば、多くの人の言論の自由が損なわれることになる」「不当な攻撃とは闘わなければならない」「闘いを放棄すれば、DHC・吉田の思う壺ではないか」「私は弁護士だ。自分の権利も擁護できないで、依頼者の人権を守ることはできない」。そう思い、自分を励ましながらの応訴でした。
スラップ常習者と言って差し支えないDHC・吉田には、反撃訴訟が必要だと思います。引き続いてのご支援をお願いいたします。

1月28日(土)午後1時30分『DHCスラップ訴訟・勝利報告集会』にご参加を?「DHCスラップ訴訟」を許さない・第92弾

私自身が訴えられた「DHCスラップ訴訟」。その勝利報告集会が近づいてきました。あらためてお知らせし、集会へのご参加を、よろしくお願いします。
日程と場所は以下のとおりです。
☆時 2017年1月28日(土)午後(1時30分?4時)
☆所 日比谷公園内の「千代田区立日比谷図書文化館」4階「スタジオプラス小ホール」
☆進行
弁護団長挨拶 田島泰彦先生記念講演 常任弁護団員からの解説
テーマは、「名誉毀損訴訟の構造」「サプリメントの消費者問題」「反撃訴訟の内容」など。会場発言(スラップ被害経験者+支援者)
澤藤挨拶
・資料集を配布いたします。反撃訴訟の訴状案も用意いたします。
・資料代500円をお願いいたします。

この集会から、強者の言論抑圧に対する反撃をはじめます。ご支援ください。

さて、「DHCスラップ訴訟」とは、いったい何だったのでしょうか。その提訴と応訴が応訴が持つ意味は、次のように整理できると思います。
1 言論の自由に対する攻撃とその反撃であった。
2 とりわけ政治的言論(攻撃されたものは「政治とカネ」に関わる政治的言論)の自由をめぐる攻防であった。
3 また消費者問題としての意義(攻撃されたものは「消費者利益を目的とする行政規制」)
4 訴権濫用による高額賠償請求がどこまで許されるか。

私は、言論萎縮を狙ったスラップ訴訟の悪辣さ、その害悪を身をもって体験しました。訴訟の被告になるのは、だれもが避けたい不愉快でしんどい経験です。6000万円もの請求を受ければ、多少はびびりの気持も湧いてきます。「こんな面倒なことになるのなら批判のブログは書かねばよかった」などと、ちらりと思ったりもします。でも、「これは自分一人の問題ではない」「自分が萎縮すれば、多くの人の言論の自由が損なわれることになる」「不当な攻撃とは闘わなければならない」「闘いを放棄すれば、DHC・吉田の思う壺ではないか」「私は弁護士だ。自分の権利も擁護できないで、依頼者の人権を守ることはできない」。そう思い、自分を励ましながらの応訴でした。

振り返って今、私は、DHC・吉田のやり口をけっして許してはならないと考えています。このような手口を放置すれば、社会の言論が萎縮して言論の自由が根底から崩壊しかねないとの危機感を持っています。とりわけ、「強者を批判することは裁判をやられて面倒だから、やめておいた方が賢い」となりかねません。

また、攻撃された私のブログは、政治とカネにまつわる、典型的な政治的言論ですから、スラップを放置することは権力批判の言論への萎縮を容認することにほかならないと思います。さらに、私は、吉田を「『金で政治を買おうというこの行動』、とりわけ『大金持ちがさらなる利潤を追求するために行政の規制緩和を求めて政治家に金を出す』、こんな行為は徹底して批判されなくてはならない」とブログに書きました。これは、消費者を代表する立場から、消費者利益を攻撃する者への言論による批判です。このような言論が封殺されてはなりません。

ですから、私は被告として訴訟に勝利しただけでは不足なのです。DHC・吉田は私の他に、同時期に9件のスラップ訴訟を提起しています。スラップ常習者と言って差し支えないと考えます。このようなスラップ常習者には、反撃訴訟が必要だと思います。

私に対する、DHCスラップ訴訟の提起が2014年4月16日ですから、時効期間の3年を考慮して、2017年4月16日以前の提訴が望ましいと思います。候補日を最初のブログ掲載の日から3年目の3月30日(木)として準備をいたします。被告は、DHC・吉田嘉明の両名だけとするか、あるいはDHC・吉田の不法行為を補佐した原告訴訟代理人となった弁護士も被告とするか。もう少し詰めて検討したいと思います。

反撃訴訟の訴額(損害賠償請求額)は660万円とします。
その根拠は、6000万円請求のスラップに対抗して応訴するための弁護士費用がその10%の金額として主損害を600万円。その損害賠償請求訴訟の弁護士費用10%を付加しての660万円。つまり、スラップ応訴のために被告(澤藤)が本来支払うべき弁護士費用(着手金+成功報酬)の妥当額が600万円。そして、反撃訴訟の弁護士費用がその10%の60万円。こういう計算です。

・違法性を基礎づけるキーワードは、
(1) DHC側の「調査義務懈怠」
(2) 6000万円の過大請求
(3) 合計10件もの濫訴
(4) 成算ないのに控訴し、最高裁まで争った。

1月28日集会では、田島先生のDHCスラップ訴訟を闘ったことの意義をお話しいただけるものと思います。また、反撃訴訟について、弁護団からの解説もあります。言論の自由の大切さと思われる皆さまに、集会へのご参加と、ご発言をお願いいたします。
(2017年1月13日)

来月28日(土)午後に、DHCスラップ訴訟被告勝利報告集会?「DHCスラップ訴訟」を許さない・第91弾

 暮れも押し詰まった本日、DHCスラップ訴訟弁護団会議が開かれた。
テーマは下記の3点。
☆ 勝利報告文集作成の件
☆ 1月28日勝利報告集会の持ち方
☆ 反撃訴訟提起の件
以下に、各テーマごとの協議の概要をご報告する。

☆報告文集の作成と内容の件
・報告文集のコンセプト
勝利を記録し世に広める。
スラップ対策実務に役立つものとする。
読者対象は、ジャーナリスト+市民+弁護士。
・発行主体はDHCスラップ訴訟弁護団(光前団長)
編集は株式会社プラスワンに依頼
1500冊を作成
B5版 横組み 本文144頁+表紙
1頁1500字の見当
・ただし、1月28日報告集会配布には間に合わない。
1月16日第1次入稿で、順次1月28日集会報告を含めて原稿を追加し、
2月末発刊のスケジュールとする。
・内容の概要(4部構成)
 (1) 経過報告
 (2) 論文
 (3) 感想・祝意・メッセージ
 (4) 資料
(1) 経過報告(30頁見当)
 団長挨拶(2頁)
 本人挨拶(2頁)
 スラップについて
 本件の経過(10頁)
(2) 論文(全40頁見当)依頼先
*弁護団論文(各4?8頁見当)
 1 名誉毀損訴訟判例の推移の中にDHCスラップ訴訟を位置づける。(光前)
 2 スラップ訴訟対策のノウハウ(小園)
 3 名誉毀損裁判とは何か(神原)
 4 政治とカネ 政治資金に対する監視と批判の重要性(阪口)
 5 規制緩和と消費者問題(中川)
*研究者論文(各6?8頁見当)
 1 田島泰彦さん(メディア法) 講演報告を兼ねて
 2 右崎正博さん(憲法)
 3 内藤光博さん(憲法訴訟)
*スラップ体験者等(各2頁見当)
 1 三宅勝久さん
 2 北健一さん
 3 烏賀陽弘道さん
 4 ネットユニオンさん
 5 今瞭美さん
 6 新里宏二さん
(3) 感想・祝辞・コメント・メッセージ(30頁見当)
  (1頁×30)
(4) 資料(全40頁見当) 分量は適宜調整とする
 ブログ抜粋
 週刊新潮記事(内容の引用とする)
 本件訴訟資料
 判決(1審・2審・上告不受理決定)
 参考判例の抜粋
 弁護団長陳述書
 本人陳述書等
 可能であれば、反撃訴訟の訴状を掲載する。
・この報告集は、販売して売り上げを弁護団費用に充てる。
 原価400円ほどになり500冊は無料配布することになるので、頒価は1000円(+消費税)とする。
・弁護団員や御世話になった方には郵送献本する。

☆報告文集のタイトルを募集
以上の報告文集のタイトルが決まらない。
副題は「DHCスラップ訴訟・勝利の記録」くらいでよい。
メインタイトルは、固すぎず、面白そうで、読んでみようと思わせるものを。
「表現の自由を求めて」「言論の自由の今」「社会の健康に」などが候補にあがったが、いずれも没。広く、衆知を集めようということになった。よいお知恵を。

1月28日勝利報告集会の持ち方
・日時 2017年1月28日(土)午後(1時30分?4時)
  場所 日比谷公園内の「千代田区立日比谷図書文化館」4階
    「スタジオプラス小ホール」にて
・進行
  司会は佐藤・山本
  弁護団長挨拶     15分
  田島先生記念講演   30分
   +質疑       15分
 常任弁護団からの解説(各10?15分)
  神原(名誉毀損訴訟の構造)
  中川(サプリメントの消費者問題)
  小園(反撃訴訟の内容)
 会場発言(スラップ被害経験者+支援者)
 澤藤挨拶
・資料 資料集を配布する。
 報告文集の主要な原稿の抜き刷りを100部作成して配布資料とする。
 資料代として500円のお支払いをお願いする。

☆ DHC・吉田に対する損害賠償訴訟(反撃訴訟)の構想について
・提訴予定日
DHCスラップ訴訟の提起が2014年4月16日
時効を考慮して2017年4月16日以前の提訴が望ましい。
候補日を最初のブログ掲載の日から3年目の3月30日(木)として準備する。
・被告は、DHC・吉田嘉明の両名だけとするか、
あるいは原告訴訟代理人となった弁護士も被告とするか。
スラップ訴訟や不当懲戒請求事件の代理人となった弁護士の責任を追及した事案についての報告があり、検討したが本日は結論に至っていない。
・訴額 請求額は660万円。
・訴額の根拠は、6000万円請求のスラップに対抗して応訴するための弁護士費用がその10%の金額として主損害を600万円とし、その請求のための弁護士費用10%を付加しての660万円。つまり、スラップ応訴のために被告(澤藤)が本来支払うべき弁護士費用(着手金+成功報酬)の妥当額が600万円、そして、反撃訴訟の弁護士費用がその10%の60万円。これなら妥当というべきではないか。
・違法性を基礎づけるキーワードは、
 (1) DHC側の「調査義務懈怠」
 (2) 6000万円の過大請求
 (3) 合計10件もの濫訴
DHC・吉田の本件提訴は、原告の権利・利益の実現のための民事訴訟という、制度本来の提訴ではない。自分への批判の言論を封殺する目的をもった損害賠償請求訴訟である。わけても、政治的批判の対象とされた「公人」は、批判の言論に寛容を要求され、客観的に当該言論を封殺する結果となる高額損害賠償請求訴訟の提起には慎重でなくてはならない。そのため、批判の言論を萎縮せしめる違法・不当に訴訟ではないかとの検討に関して高度の調査義務が課せられる。その言論封殺の威嚇効果を狙った提訴として、違法を支える根拠たる事実が(1) ?(3) である。
・スラップ訴訟の原告が違法とした、3本の吉田嘉明批判のブログの最後の掲載が、2014年4月8日「政治資金の動きはガラス張りでなければならない」というもの。これを違法とする2000万円の損害賠償請求訴訟の東京地方裁判所への提訴が同年4月16日である。到底、政治的言論の自由に配慮して提訴の可否を検討した形跡はない。しかも、DHC・吉田の提訴のしかたは、事前の交渉も通知もない、いきなり提訴の乱暴極まりないやり方。さらに、一審で敗訴しても、成算のない控訴審、そして最高裁への上告受理申立とフルコースを付き合わされたのだ。
・提訴が不法行為となるべき判断についてのリーディングケースとされている1988年(昭和63年)最高裁判決の枠組みは、表現の自由という価値に無関係の不動産取引における紛争事例である。提訴が変える意気込みが必要。
・調査義務違反の主体は、むしろ本人よりは弁護士ではないか。DHC・吉田の代理人となった弁護士こそ専門家責任を負うものとして被告にすべきではないか、という強い意見もあったが、前述のとおり本日は結論に至らなかった。

 ご支援いただいた皆さまには、報告文集への寄稿をお願いします。感想・コメント・メッセージなんでも結構。できるだけ、1月16日までに。1500字程度を歓迎しますが、長短あっても極端でなければ差し支えありません。そして、1月28日集会へも、是非ご出席ください。

さて、新たな年には新たな訴訟が始まる。今度はこちらが攻める立場だ。被害回復の訴訟であるとともに、スラップを許さず言論の自由を擁護する闘いでもある。新たな弁護団員を募集し、新たな弁護団費用捻出のためのカンパ活動にも着手しなければならない。
新たな年には、新たなご支援を、どうぞよろしく。
(2016年12月26日)

私は被告業から足を洗ったばかりだが、間もなく原告業を始めることになりそうだ。ー「DHCスラップ訴訟」を許さない・第90弾

本日は、久しぶりのDHCスラップ訴訟弁護団会議。幾つかの議題に議論の花が咲いた。せっかくの弁護団を解散するのはまことに惜しい。それだけの理由ではないが、今度は私が原告となってDHC・吉田嘉明氏(以下敬称略)を被告とする損害賠償請求訴訟を提起することになりそうだ。そのときには、吉田嘉明の被告本人尋問を是非とも実現させたい。スラップを繰り返させぬために。

当然のことながら、DHC・吉田が敗訴し、私の勝訴は確定した。この勝訴の意義を確認し整理して、世にきちんと伝えねばならない。テーマは、言論の自由、政治とカネ、規制緩和と消費者保護、そしてスラップ訴訟。そのために、具体的に何をなすべきか。

☆まずは、勝利を報告し記録する書籍を作ろう。

DHC・吉田のスラップと闘っての堂々の勝利の記録。幸い、弁護団へのカンパに多少の余りがある。これで、立派なものをつくりたい。

掲載すべきものとしては、経過報告と資料はどうしても必要だ。地裁・高裁の判決と、最高裁の不受理決定+αは掲載しよう。報告論集は資料集だけにせず、弁護団の論稿をいれよう。関心ある市民やジャーナリストを読者対象に、次の各テーマの論稿を掲載することとして担当者も決めた。(タイトルは仮題)

1 スラップ訴訟対策のノウハウ
2 名誉毀損訴訟実務の構造
3 政治とカネ 政治資金に対する監視と批判の重要性
4 規制緩和と消費者問題
5 名誉毀損訴訟判例の推移の中にDHCスラップ訴訟を位置づける。

これまで事件を支援していただいた右崎正博・田島泰彦・内藤光博の3教授、そして法廷後の報告集会で貴重なご報告をいただいた、北健一・三宅勝久・烏賀陽弘道のジャーナリストの皆さま、さらには貴重な情報をお寄せただいた「ネットワークユニオン東京」の皆さまにも、短くても寄稿をお願いしよう。これまで、法廷を学習の場にしようと言ってきた。その成果を確認したい。事件に関心を持って支援していただいた方の意見や感想を収録しよう。これはにぎやかで、もしかしたら売れる書物になるのではなかろうか。

☆勝利報告集会
この勝訴の意義と今後の課題を確認するために、下記の要領で、「DHCスラップ訴訟・勝訴報告集会」を開催する。ご支援いただいた皆さま、まずは是非日程の確保を。
日時 2017年1月28日(土)午後(1時30分?4時)
場所 日比谷公園内の「千代田区立日比谷図書文化館」4階
「スタジオプラス小ホール」にて

プログラムは未定だが、田島泰彦さん(上智大学・メデイア法)には記念講演をお引き受けいただいている。経過報告に終わらせず、表現の自由や、政治とカネ、消費者利益と規制緩和、スラップ対策などについて意見交換を行う有意義な集会にしたい。

☆反撃の第2幕「アンチDHCスラップ・訴訟」提訴の可否
さて、反撃の提訴に及ぶべきか否か。本日の意見交換では、DHCと吉田嘉明に対する損害賠償請求訴訟の提起を支持する意見が大勢を占めた。

「DHC・吉田のスラップを撃退したのだからこれで十分」なのではなく、「DHC・吉田のスラップの不当が明確になったのだから反撃しなくては論理が一貫しない」と言うべきということ。

とりわけ、現在「提訴を違法とする基準についての最高裁判決リーディングケース」は、名誉毀損訴訟についてのものではなく不動産取引事例におけるもので、この判決を引用しての請求棄却には大いに違和感を禁じ得ず納得しかねる。公的立場にある者(吉田嘉明も当然にその立場にある)に対する批判の言論を封殺する目的での名誉毀損スラップ訴訟を違法とする基準は、言論の自由尊重の観点から自ずと別異にあるべきで、チャレンジすべきとの意見が多かった。

この訴訟を通じての論戦の中で、スラップ訴訟がどのように提起されるのかを明確にすることで、今後のスラップ防止策の設定に有用ではないかとも意見が出た。

違法とされた3本の吉田嘉明批判のブログの最後が、2014年4月8日「政治資金の動きはガラス張りでなければならない」というもの。これを違法とする2000万円の損害賠償請求訴訟の東京地方裁判所への提訴が同年4月16日である。到底、政治的言論の自由に配慮して提訴の可否を検討した形跡はない。しかも、DHC・吉田の提訴のしかたは、事前の交渉も通知もない、いきなり提訴の乱暴極まりないやり方。さらに、一審で敗訴しても、成算のない控訴審、そして最高裁への上告受理申立とフルコースを付き合わされたのだ。

今度は、攻守ところを変えての提訴となれば、これこそ言論の自由を守る正念場としてやりがいがある。最終結論は、時効期間満了の2017年5月16日までだが、本日の議論はゴーサインとなりそう。

議論は、訴額をどうするかにまで及んだ。大方の賛同を得たのが、660万円である。
6000万円請求のスラップに対抗する訴訟として、その10%の金額として主損害を600万円とし、その請求のための弁護士費用10%を付加しての660万円。

主損害600万円は、6000万円のスラップ訴訟を応訴するためには、本来その10%程度の弁護士費用が必要ということを根拠にしている。

つまり、スラップ応訴のために被告(澤藤)が本来支払うべき弁護士費用(着手金+成功報酬)が600万円、そして、アンチスラップ訴訟の弁護士費用がその10%の60万円と言うわけ。これなら妥当というべきではないか。

私は2年半も「被告業」を務め、ようやくこの10月に被告業の廃業宣言をしたばかり。いまは、「元被告」の身分だが、もうすぐ「原告業」に就業することになりそうだ。

反撃提訴をするとなれば、判例変更を目指す訴訟として最高裁を覚悟してのものとなる。第100弾程度で終わるだろうとの見通しだった、当ブログの「DHCスラップ訴訟を許さない」シリーズ。到底100弾では終わらない。200弾くらいにもなるだろう。第200弾でどのような報告ができることになるか、私自身が興味津々でもある。

私の原告業就業の折には、多くの皆さまにご支援をお願い申しあげます。
(2016年11月28日)

朝日新聞 WEBRONZAに、スラップ関連の2論稿掲載ー「DHCスラップ訴訟」を許さない・第89弾

2論稿とは、内藤光博教授の「市民の『表現の自由』を侵害するスラップ訴訟ー言論活動を萎縮させる『スラップ』、日本社会での認識を高めることが必要だ」
http://webronza.asahi.com/national/articles/2016102800003.html?

そして、私の「スラップ訴訟の実害と対策 私の経験からージャーナリズム全体の萎縮状況がスラップ訴訟を生む土壌に」
http://webronza.asahi.com/national/articles/2016102600001.html

本日(2016年10月31日)早朝、WEBRONZA「社会」のジャンルでアップされた。実は掲載まで、内藤論稿との抱き合わせ原稿依頼とは知らなかった。研究者らしく問題の全体状況をバランスよく解説した内藤論稿と、当事者として問題の焦点をしぼった拙稿との組み合わせが絶妙ではないか。

拙稿の新味は、スラップ訴訟の増加傾向を「ジャーナリズム全体に萎縮状況のあることが基本的な原因だろう」と言っていること。「天皇制や政権批判における言論の層が薄く切れ味も鈍い。だから、やや突出した言論が権力の側から叩かれる。これに対して言論界が一致して、表現の自由擁護のために闘うという雰囲気が脆弱である。こういう状況が、スラップを生む土壌となっている。」とする論調。詳細はサイトをご覧いただきたい。

売り込んだ記事ではない。編集部からの寄稿依頼によるもの。法セミに続く企画。少しずつ、スラップへの社会的関心が高まっているように思える。
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NHK経営委員会宛ネット署名(11月4日締切り)のお願いー「次期NHK会長選考にあたり、籾井現会長の再任に絶対反対し、推薦・公募制の採用を求めます」

NHK経営委員会 御中

 来年1月に籾井現会長の任期が満了するのに伴い、貴委員会は目下、次期NHK会長の選考を進めておられます。

 私たちは、放送法の精神に即して、NHKのジャーナリズム機能と文化的役割について高い見識を持ち、政治権力からの自主・自立を貫ける人物がNHK会長に選任されることを強く望んでいます。

 籾井現会長は、就任以来、「国際放送については政府が右ということを左とは言えない」、「慰安婦問題は政府の方針を見極めないとNHKのスタンスは決まらない」、「原発報道はむやみに不安をあおらないよう、公式発表をベースに」など、NHKをまるで政府の広報機関とみなすかのような暴言を繰り返し、視聴者の厳しい批判を浴びてきました。このような考えを持つ人物は、政府から自立し、不偏不党の精神を貫くべき公共放送のトップにはまったくふさわしくありません。

 次期会長選考にあたっては、視聴者の意思を反映させる、透明な手続きの下で、ジャーナリズム精神を備え、政治権力に毅然と対峙できる人物が選任されるよう、貴委員会に対し、以下のことを強く要望いたします。

1.  公共放送のトップとして不適格な籾井現会長を絶対に再任しないこと
2. 放送法とそれに基づくNHKの存在意義を深く理解し、それを実現できる能力・見識のある人物を会長に選考すること
3.  会長選考過程に視聴者・市民の意思を広く反映させるよう、会長候補の推薦・公募制を採用すること。そのための受付窓口を貴委員会内に設置すること

署名数は現在2万8000筆ほど。もう一押しで3万に到達します。
詳細は以下を参照ください。
http://kgcomshky.cocolog-nifty.com/blog/2016/08/nhk-1e91-1.html
(注)紙の署名用紙はこちら→http://bit.ly/2aVfpfH(注)この署名運動についてのお問い合わせは
   メール:kanjin21menso@yahoo.co.jp または、
   お急ぎの場合は 070-4326-2199 (10時?20時受付)までお願いします。
(注)以下のネット署名でNHK経営委員会に提出する名簿にはメールアドレス以外の項目すべてが記載されます。ネット上に集計結果を公開するときは「お名前」「お住まい(市区町村名)」は削除します。
   → 集計結果の公開URLは https://goo.gl/GWGnYc  
  *署名の第3次集約は11月4日(金)(第3版)です。
   11月7日、NHKに提出予定です。
(2016年10月31日)

1月28日(土)、「DHCスラップ訴訟・勝訴報告集会」を開きます。「勝訴報告集」も作ります。ー「DHCスラップ訴訟」を許さない・第88弾

DHCスラップ訴訟の勝訴確定の第一報を報じて(10月6日)から3週間余が経過しました。あらためて、熱いご支援をいただいた多くの皆さまに心からの御礼を申し上げます。

光前幸一団長をはじめとする136人の弁護団の皆さま。右崎正博・田島泰彦・内藤光博の3教授、そして法廷後集会で貴重なご報告をいただいた、北健一・三宅勝久・烏賀陽弘道のジャーナリストの皆さま、さらには貴重な情報をお寄せただいた「ネットワークユニオン東京」と「DHC分会」の皆さま。ブログで、ネットで拡散していただいた方々にも、本当に御世話になりました。

この勝訴の意義と今後の課題を確認するために、下記の要領で、「DHCスラップ訴訟・勝訴報告集会」を開催いたします。ご支援いただいた皆さま、是非ご参加ください。まずは、日程の確保をお願いいたします。

 日時 2017年1月28日(土)午後(1時30分?4時30分)
 場所 日比谷公園内の「千代田区立日比谷図書文化館」4階
    「スタジオプラス小ホール」にて

プログラムは未定です。弁護団会議で検討して確定しますが、経過報告に終わらせず、表現の自由や、政治とカネ、消費者利益と規制緩和、スラップ対策などについて意見交換を行う有意義な集会にしたいと思います。

また、当日までに「DHCスラップ訴訟・勝訴報告文集」(弁護団編)のパンフレットを作成して、集会で配布いたします。この報告文集も内容未確定ですが、後日のための参考資料を残すというだけでなく、多くの方の反スラップ運動に資する意見掲載を通じて、個別のスラップ対策の基本を提示し、スラップ撲滅へのヒントになるような内容にしたいと考えています。

なお、DHCスラップ訴訟は必ずしもこれで終了ではありません。今度は攻守ところを変えての反撃の第2幕の「アンチDHCスラップ・訴訟」を提訴すべきかどうか、意見調整中です。最終結論は、時効期間満了の2017年5月16日までに出すことになります。

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さて、勝訴確定以来、今日まで当ブログには「DHCスラップ訴訟を許さない・シリーズ」第80弾?87弾を掲載する(https://article9.jp/wordpress/?cat=12)とともに、あらゆる機会を見つけて、次のような発言を心がけてきました。

「DHCスラップ訴訟は、そもそもが無理な提訴。そのことは、一審判決でDHC・吉田も身に沁みたはず。ところが、執拗に、棄却明らかな控訴をし、上告受理申立までして、確定まで2年半をひっぱった。」「これが、富者が金に糸目を付けずに、言論の自由を蹂躙しようとする典型的なスラップのかたち」「DHC・吉田が封殺しようとした言論の内容は、政治とカネの問題であり、消費者利益を損なう規制緩和」「高額損害賠償の形で、言論萎縮を狙ったスラップ訴訟の提起自体が薄汚いこと。」「有効なスラップ対策としては、実効的な制裁が必要だ。何よりも、スラップを提起するような企業や経営者には、ダーティなイメージがつきまとって経営に支障が生じるという制裁が一番効き目がある」「DHC製品を購入しないという消費者の経済制裁が、言論の自由を守ることにも、社会的規制に関する規制緩和に歯止めをかけて消費者利益を擁護することになる」「『法学セミなー』10月号のスラップ特集がタイムリーなよい企画になっている是非お読みいただきたい。」
 https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01IW56RKG/togetter06-22/ref=nosim/
なお、訴訟支援者のお一人から、「反スラップが運動としての広がりをもつために」とする以下のメールをいただきました。

「報告文集を作成されるということですが、どんなものになるか楽しみです。」
「告発が運動となるには民衆的な広がりが必要です。武富士反スラップやユニクロ反スラップには、その背景となる多重債務や過重労働に苦しむ民衆の存在がありました。DHCスラップに、サプリ健康被害や従業員の過重労働を告発する人が多ければ、反スラップに運動としての広がりが生まれたかもしれません。
他方で、DHCスラップを政治的批判に対する権力者からの弾圧とみると、大手マスコミの萎縮から高江の抗議活動弾圧まで、その関連領野は限りなく広がります。しかも、表現の自由に対するスラップという観点から見ると、争われる法律が、道交法、土地占有、名誉棄損などと多岐にかかわるので、法廷闘争の戦術も共有しにくいし、これらをまとめあげようとすると、争点があまりにも抽象的・理念的になってしまう。
ブロガーの団結を訴えても、そもそもDHCスラップの被告たちが団結できなかった以上、一般の政治批判のブロガーたちが団結できないのも無理ありません。

僕は、今回のDHCスラップ法廷闘争の最も重要な成果は、法律家たちに非対称的な名誉棄損民事訴訟の問題点を喚起したことだと思います。法学セミナーのスラップ訴訟特集号とともに、今度の報告文集は、その重要な拠点となるのではないでしょうか。」

「公共図書館に所蔵され一般市民が読めるような文献となるとともに、ネットで誰でも読めるようなテキストになったらいいなと思います。」

もっともなご指摘とご提案。ありがとうございます。
(2016年10月29日)

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