柳瀬唯夫答弁に市民の声。「嘘」つくな。「偽」るな。きみらは「膿」だ。「怒」っているぞ。
沖縄の旅を終え、日常生活に戻った。本日(5月12日)午後、文京区民センターでの稲嶺進・前名護市長との「交流の集い」。300人を超える参加者の盛会だった。
主催は「平和委員会」。沖縄の辺野古新基地反対闘争と、全国の反基地・平和運動との連携を目指した集会。稲嶺さんの講演の演題は、「沖縄はあきらめない」という微妙なものだった。「子どもたちの未来のために 辺野古に基地はつくらせません」との副題が付されている。
「沖縄は、琉球処分・廃藩置県後に《大和世(やまとゆー)》となり、敗戦後には《アメリカ世(あめりかゆー)》となりましたが、1972年復帰によって《再びの大和世》になったわけです。『祖国復帰』をスローガンとした県民の真の願いは、平和憲法の日本への復帰でした。しかし、現実は基地付き・核密約付きの復帰でしかありませんでした。それ以来現在まで、沖縄は事実上アメリカと、アメリカ言いなりの本土政府の支配下にあります。県民の願いを無視し、普天間の移設を口実とした辺野古新基地建設強行は、平成の琉球処分ともいうべき暴挙です。…」
稲嶺さんは、「自分は市長ではなくなったが、名護市民の思いが新基地建設反対にあることは明らかなのだから、引き続き基地反対運動には関わっていきます。今は『誇りある名護をつくる会』の代表として、当面は9月の名護市議選に向けての運動に携わっています。」という。
そして、次のように展望を述べた。
「辺野古新基地予定地の海底には活断層もありマヨネーズのような軟弱地盤もあることが明確になってきています。もうすぐ、翁長知事の健康状態も回復し、近いうちに、仲井眞知事がした国に対する埋立承認の撤回がなされるはずで、大きな盛り上がりの中で11月の知事選を迎えることになります」「また、大浦湾沿岸の13字(あざ)にまたがる『名護市東海岸漁業協同組合』の設立と漁業権の設定が認可される見通しで、地元漁業を守る見地からの新たな埋立工事阻止の運動にも法的措置にも期待されるところです」
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ところで、今年3月の佐川宣寿証人喚問のときには韓国旅行の最中だった。今度は5月の沖縄旅行中に、柳瀬唯夫元首相秘書官の参考人招致。佐川の証言もひどかったが、柳瀬の答弁は輪をかけてひどい。偽証は見え見えのバレバレではないか。以下の川柳が笑い飛ばしているとおりではないか。素晴らしい出来栄え。川柳子には、素晴らしい素材なのだ。
東京新聞(12日)。
官僚は記憶戻すに許可が要り(所沢 ?橋馨)
朝日川柳(12日)。
えんま様舌を抜かずに舌を巻く(岩手県 小林晴男)
真相をバーベキューの煙(けむ)に巻き(岐阜県 清水朋文)
同(5月5日)。
調整がつけば記憶を取り戻し(東京都 安達雅夫)
知らなんだ事実は調整するものと(三重県 日江井敦子)
調整が済んで出演猿芝居(群馬県 細堀勉)
読売時事川柳(12日)にも。
忖度をするほど落ちる記憶力(新宿区 藤吉尚之)
また、東京新聞2面に「自民党前 抗議デモ 本部や神奈川など一斉に」の記事。
何より写真がよい。自民党本部前での抗議デモの参加者の掲げるプラカードの大きな文字が怒っている。「怒」「膿」「嘘」「偽」「うそをつくな」「責任をとれ」…。
ここまでいわれる政権も珍しかろうが、これだけ撃たれてもまだ権力にしがみついている破廉恥に首相も珍しい。記事は以下のとおり。
安倍政権を支える与党自民党に「市民の怒りを見せつけよう」と、会員制交流サイト(SNS)で呼びかけた全国一斉の抗議行動が十一日、東京都千代田区の自民党本部前などであった。神奈川や千葉、埼玉など各地の党事務所前に広がり、参加者らは「安倍政権は今すぐ退陣を」などと声を合わせた。
党本部前では五百人超が集まり、「怒」「膿(うみ)」「嘘(うそ)」などと書かれたプラカードを掲げた。
呼び掛け人の会社員、日下部将之さん(43)が「力任せの国会運営、不誠実な答弁などの問題がありながらも、総理大臣が責任を取らない。一番の問題は安倍内閣を支える自民党だ」と訴えた。
仕事帰りに参加した豊島区の女性会社員(48)は「もう耐えられない。自民党は今の首相・総裁が一番ふさわしいと思うくらい、人材がいないのか」と語った。
党千葉県連(千葉市中央区)前での抗議に参加した、千葉県市川市の片岡良男さん(53)は「言い訳ばかりで、自浄能力のない安倍政権はすぐに退陣してほしい」と話していた。
そして、東京新聞1面トップは、「首相会食受け柳瀬氏助言 加計側に学部新設対応策」。既報の記事の蒸し返しではない。新たなニュースソースによる記事。これはニュースソースとなった「政府関係者」に注目せざるを得ない。
学校法人「加計(かけ)学園」の獣医学部開設を巡り2015年4月、学園や愛媛県幹部らが柳瀬唯夫首相秘書官(当時)と面会した際、学園側出席者が「安倍晋三首相と加計孝太郎学園理事長が会食した際、『下村博文文部科学相(当時)が、加計学園は課題への回答もなくけしからんといっている』との発言があった」という趣旨の説明をしたことが、政府関係者の証言で分かった。この発言を受け、柳瀬氏は「課題への取り組み状況を文科省に説明するのがよい」と、学園側に助言したという。
政府関係者によると、学園関係者が「(下村氏の指摘への)対応策について意見を求めた」ところ、柳瀬氏が「今後、策定する国家戦略特区の提案書と併せて課題への取組状況を整理して、文科省に説明するのがよい」とアドバイスしたとされる。こうしたやりとりは、県文書に記載されているが、発言者が明示されていなかった。
柳瀬氏は参考人質疑で、15年2月から6月の間に加計学園関係者らと首相官邸で3回面会したと認め、国家戦略特区での獣医学部開設を協議したと明らかにした。しかし、4月の面会の際、安倍首相と加計理事長の会食が話題になったことを「記憶がない」とし、自身の助言についても「私がそういう発言をしたという覚えもない」と述べた。
安倍首相は昨年7月の国会で、学園の学部開設を知ったのは「(学園が事業者に正式決定した)17年1月20日」と答弁している。
この記事は、加計孝太郎の証人喚問が必須であることを再確認させてくれる。そして、おそらくは、加計孝太郎の証人喚問の実施がアベ政権の終焉となることも。
(2018年5月12日)