地方自治体たるもの、ヘイト企業DHCとの連携を恥とせよ ー「DHCスラップ訴訟」を許さない・第183弾
(2021年5月12日)
デマとヘイトとステマとスラップで天下に著名なDHC。悪名高いその企業が、全国の幾つかの自治体と「連携協定」を結んでいる。これは見過ごせない。
DHCのホームページには、こうある。
DHCは健康づくりの推進や健康寿命の延伸をめざし、全国各地の自治体と連携協定を結んでいます。互いに協力関係を築くことで健康格差を縮小、さらには地域経済の活性化等をめざしています。
21年4月現在、DHCは下記の21自治体と連携協定を結んでいると公表した。
北海道 長沼町
岩手県 二戸市
宮城県 石巻市
茨城県 守谷市 境町 行方市 下妻市
千葉県 横芝光町
神奈川県 松田町
静岡県 御殿場市 伊東市 小山町
高知県 宿毛市 南国市
佐賀県 唐津市 みゆき町
熊本県 合志市 長洲町
鹿児島県 南九州市 鹿屋市 長島町
言うまでもなく、地方自治体は憲法が直接適用となる公法人である。その自治体が、憲法の理念に著しく反する企業と特別に親密な契約関係にあることは、好ましいことではない。また、地方自治は民主主義の学校と言われる。民主主義の学校に、ヘイトもデマもステマもスラップも、まことにふさわしくない。DHCとの連携協定を締結する自治体の見識が厳しく問われなければならない。
上記の21自治体、おそらくはDHCのなんたるか、また吉田嘉明のなんたるかを知らないままに、連携協定を結んだのであろう。しかし、DHC・吉田嘉明のヘイト体質は、今や国内の隅々に知られるところとなった。この点についてのNHK4月9日放送の功績はまことに大きい。DHCは今やNHKを名指しし、「NHKは幹部・アナウンサー・社員のほとんどがコリアン系である」「NHKは日本の敵です。不要です。つぶしましょう」などと言っている。
DHCのヘイト体質が知られるに至った今、このままDHCとの協定を締結し続けていては、ヘイト企業に親和性の高い自治体として、住民にとって恥ずべき事態とならざるを得ない。
幾つかの賢明な自治体が連携協定の解消に動き出している。おそらくは、水面下での動きはもっと活発なのであろう。
この点について、ハフポストなどが丁寧な記事を発信している。
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_60938618e4b04620270fe635
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_607f7aace4b017537f0c5016
https://news.livedoor.com/article/detail/20164191/
南国市では、3月の市議会で中山研心議員(立憲)から疑問が提起され、平山耕三市長が「協定解消も考える」と答弁。その後、市はDHC社に対し公式サイトに掲載されている文章を削除するように電話とメールで問い合わせたという。しかし、DHCは「文章を変更するなどの対応はとらない」と回答があったため、4月23日に連携協定の解約を申し入れた。
市の担当者は解約の理由について、「差別を助長する発言を一般の方がアクセスできる公式サイトに掲載しているというところ」と説明。当然のことだろう。
熊本県合志市は、「市の考えと異なる」として連携協定を凍結することを決めたという。もっとも、同市の担当者によると、2017年8月に協定を結んだものの、これまでにイベント協賛など具体的な取り組みは特にしていなかったそうだ。
この担当者はハフポストの取材に対し、「市として人権啓発にも取り組んでいる。発言が市の考えと異なるということもあり、凍結を申し入れました」と話している。
高知県宿毛市は、5月6日会社の担当者に文章についての説明や削除を求める問い合わせをしている。回答しだいでは協定を見直すという。
さて、問題は残る18自治体である。このままでよいはずはない。首長も議会もこの問題を放置してよいはずはない。心ある議員の議会での問題提起があってしかるべきだろう。このままDHCと協定を締結したままでは、「ヘイト企業」との腐れ縁を清算できない「親ヘイト自治体」として、住民が肩身の狭い思いをせざるを得ないではないか。
なお、この問題は、幾つかの自治体の「ヘイトスピーチ防止条例」違反として、審査申立がなされている。いずれ、それぞれの自治体が結論を出して話題となるだろう。全ての自治体が、ヘイト企業にはきっぱりとした姿勢を示さなければならない。