澤藤統一郎の憲法日記

改憲への危機感から毎日書き続けています

「後法は前法を破る」―9条3項の新設は2項を破ることになる。

学生時代の親しい友から電話がかかってきた。
友「安倍晋三が、『加憲的な9条改憲』ということを言いだしたろう。あれは、いったいどういうことなんだ?」

私「9条1項の戦争の放棄、9条2項の戦力不保持には手を付けずにそのまま残しておいて、9条3項か、9条の2を新しく付け加えるというあれね。」

友「『自衛隊を憲法上の存在として明記する』というのだから、自衛隊の合憲化をねらっていることは間違いない。けど、よう分からんのは、ホントにそれだけなのかどうか。これまでの政府の解釈も、『自衛隊は違憲の存在ではない』のだから、わざわざ憲法改正までやるほどのことはないだろう」

私「『加憲的改憲』は公明党の主張だから、その賛成を得やすいというところは、大いにあるだろうね。自民党改憲草案のように、9条2項を削除して国防軍を制定するということでは、危険すぎて現実性がない」

友「けどな。ホントに『自衛隊は違憲ではない』ことを明確にするだけのことだったら、手間暇かけてこんな改憲手続をわざわざ用意するはずがない。必ず、ウラがあるんだろう。」

私「9条3項でも9条の2でも、これが新しく付け加えられことで、9条1項2項の解釈が違ってくることは大いにありうる。」

友「そこが、ポイントなんだな。『新しく付け加えられた9条3項が、9条1項2項の上書きをする』などという解説を読んだが、『上書き』ではよく分からない。こんなときの法律用語があったろう。」

私「有名な法諺に『後法は前法を破る』というのがある。『後法は前法を廃止する』ともいうようだ。『後法優先の原則』と言っても同じこと。」

友「9条1・2項と、新3項とは矛盾するという前提で、新3項が1・2項の内容まで変えてしまうということだな。」

私「そうだ。まずは、9条1~2項と、新3項との解釈に齟齬がないように、統一的な解釈を試みなければならない。しかし、いかんせん『陸海空軍その他の戦力は保持しない』という2項の定めと、新3項の『自衛隊の存立』。両者が矛盾なく並立することは常識的に困難だろう。」

友「9条3項におくことで合憲化しようという自衛隊は、ホントに今のままの自衛隊なのかね。将来『戦力に変質しうる自衛隊』ではないのか」

私「そのまえに、『今のままの自衛隊』がなんであるかを確認しなければならない。戦争法によって集団的自衛権行使や他国軍への『後方支援』の権限を付与された自衛隊なので、『専守防衛の自衛隊の合憲化』では決してないことが重要だろう」

友「なるほど、そのように言われると、3項の新設によって2項が破られてしまうということの意味が見えてくる。」

私「小狡いアベのやることだ。うんと悪いことに決まっている。と構えるのが正しい対処だと思うね」

友「しかし、なんで後法が優先するのだろう」

私「直近の憲法制定権者の意思が、従前のものより尊重されてしかるべき、ということだろうね。」

友「いったい、新3項の具体的な条文案はどうなるのだろう。」

私「けっこう具体的な案文作りは楽ではないと思うよ。やましい意図を隠しながらのダマシのテクニック」

友「報道だと、自民党は現行9条『堅持』の姿勢を示して公明党の理解を得、年末までの改正案取りまとめを目指す。保岡興治は『来年の通常国会が終わるまでに発議できればベスト』ということじゃないか」

私「2020年施行を逆算すれば、そんなペースだが、そんなにうまくいくはずはない」

友「そうだな。落ち目のアベ。落ち目の自民党だよな。傲りの挙げ句の支持率低下だ。今度の都議選でもお灸を据えられることになるのだろう。」

私「アベには哲学も理念もない。現行憲法のどこをどう変えねばならぬという信念がない。この無原則が彼の強み。改憲派を糾合する立場としてはうってつけだと思う。ともかく憲法に傷を付けたいという、反憲法の情念だけは人一倍強い。そのアベの求心力が落ちてくれば、自民党も与党もまとまらない。日和見維新も遠ざかる。右翼連中からも惰弱と指弾されることになる。そんな彼にとっての悪循環が始まったように見えるよね。ようやくのことだけど」
(2017年6月25日)

自民の票と議席を減らそう。自民離れ票を小池新党にまわさず、日本共産党へ。

さあ、東京都議選が始まった。アベ一強政治に破綻が生じ、人心が離れつつある絶好のタイミング。この都議選は一地方議会の選挙にとどまらない。民意の在処をはかるまたとない機会。アベ政権による政治の私物化と、それを抑制できない自公与党体制への国民の審判のまたとないチャンス。共謀罪の廃止や、9条改憲阻止の民意を示すチャンスでもある。中央政治に、大きな影響を期待しうる注目すべき選挙。

この選挙はアベ一強批判選挙だ。最大の注目点は、自民党にどれだけの打撃を与えられるかということだ。前回選挙に比較して、前回の2013年6月都議選での自民党の当選者は59名、獲得票数は163万票、得票率は36%だった。この水準からのマイナス分が、アベ自民批判の国民の審判だ。具体的には、森友・加計両事件に象徴される政治の私物化とねじ曲げ。そして共謀罪強行に見られるアベ自民の徹底した非民主的姿勢への批判。

問題は小池新党(都ファ)の評価である。その基本性格は自民党凋落分の保守の受け皿。その機能は自民党離れ票の革新政党への流れを堰き止めるための防波堤。それが客観的な小池新党の役割。

127議席の過半数が64。小池新党単独ではこの数字に届かないが、公明と与党体制を組むことによって過半数に達するとの見方もあるようだ。

私は、地元(文京)で共産党・福手よう子候補の第一声に立ち会った。文京区は定数2で前回選挙では貴重な議席を確保している。長く都議だった現職の後継新人候補を当選させようと熱気は高い。応援に駆けつけた大阪の辰巳孝太郎、東京の吉良佳子両議員ともども熱弁を振るった。

「国政を私物化し、憲法を壊す安倍自公政権を首都・東京から変えよう」「そのための共産党の躍進を」「加計学園の疑惑。安倍首相は岩盤規制に穴を開けたというが、加計学園しか通れない特別の穴だったではないか」「安倍首相に直ちに臨時国会を開かせて必要な証人喚問をさせるよう徹底追及しよう」「特定秘密保護法・戦争法、そして共謀罪。さらには憲法9条改憲の安倍政権は徹底追及するしかない」「共謀罪法廃止も、改憲阻止も都議選の大きな争点」「開発優先の都政から、生活重視の都政への大転換を」「そして、築地市場の豊洲への移転をきっぱりと中止し、築地市場を未来に引き継ごう」「小池知事は豊洲移転を中止して、築地を営業しながら再整備する道を真剣に具体化すべきだ」「文京区内の待機児童をなくそう、特養待機高齢者をなくそう。孤独死をなくそう」「そのため、大塚車庫跡地の福祉施設利用を実現しよう」「国保税の引き下げを実現しよう」…。実に多彩な訴えだった。

自民党を減らす。だが自民離れ票を小池新党に止めてはならない。ぜひとも、自民離れ・公明離れの票を、共産党の受け皿にまで。そのような気迫のこもった演説。大いに期待したい。
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ところで、本日(6月23日)は沖縄慰霊の日。毎年、この日のことは当ブログで触れている。以下は、一昨年6月23日当ブログの一節。

沖縄県には、2か条の「沖縄県慰霊の日を定める条例」がある。1974年10月21日に制定されたもの。その全文が以下のとおり。
「第1条 我が県が、第二次世界大戦において多くの尊い生命、財産及び文化的遺産を失つた冷厳な歴史的事実にかんがみ、これを厳粛に受けとめ、戦争による惨禍が再び起こることのないよう、人類普遍の願いである恒久の平和を希求するとともに戦没者の霊を慰めるため、慰霊の日を定める。
第2条 慰霊の日は、6月23日とする。」

本日が、その沖縄県の「慰霊の日」。「その日は県はもちろん県下の全市町村とも閉庁となり、沖縄戦の最後の激戦地であった南部の戦跡地で『沖縄全戦役者追悼式』が行われます」(大田昌秀「沖縄 平和の礎」岩波新書)。

この日の慰霊の対象は全戦没者である。戦争の犠牲となった「尊い生命」に敵味方の分け隔てのあろうはずはなく、軍人と民間人の区別もあり得ない。男性も女性も、大人も子どもも、日本人も朝鮮人も中国人も米国人も、すべて等しく「その死を悼み慰める」対象とする。「戦争による惨禍が再び起こることのないよう、人類普遍の願いである恒久の平和を希求する」立ち場からは、当然にそうならざるを得ない。

味方だけを慰霊する、皇軍の軍人・軍属だけを祀る、という靖国の思想の偏頗さは微塵もない。一途にひたすらに、すべての人の命を大切にして平和を希求する日。それが、今日、6月23日。

酸鼻を極めた国内で唯一の地上戦終了の日。第32軍(沖縄守備軍)司令官牛島満と長勇参謀長が自決し、旧日本軍の組織的な戦闘が終わった日をもって、沖縄戦終了の日というのだ。

私は、学生時代に、初めてのパスポートを手に、ドルの支配する沖縄を訪れた。右側の車線を走るバスで南部の戦跡を回った。牛島中将の割腹の姿を模したものという黎明の塔を見て6月23日を脳裡に刻した。沖縄戦は1945年4月1日の米軍沖縄本島上陸から牛島割腹の6月23日までと教えられた。

大田昌秀はこれに異を唱えている。終戦50年を記念して、知事として沖縄戦の犠牲者のすべての名を永遠に記録しようという「平和の礎」建設の計画に関連して語っている。(以上引用終わり)

私は、大学4年の冬に1か月余沖縄にいた。そのとき、大田昌秀と仲宗根政善の両氏に出会っている。

大田は、琉球大学の学徒で有名人ではなかった。この人から聞いた話として記憶にあるのは、従軍学徒の南部戦跡での悲劇だった。鉄血勤皇隊員の死亡の多くは、井戸に水汲みに行っての射殺だったという。井戸は米軍陣地から丸見えの位置にあり、水汲みは不可欠な任務だったが標的にならざるを得ない危険な仕事。このような仕事は、兵ではなく中学生学徒の仕事とされた。遺書を書き米軍の隙を突いて井戸に駆け寄って、多くの命が奪われたという。級友が死んでいく中で、自分は軍中枢の伝令の役を担って、井戸汲みの役は免れた。伝令の最中に捕虜になって生き延びたが、水汲み役で死んでいった級友に対する負い目に堪えられず、以来南部の戦跡にはけっして行かないということだった。この人があとで著名になり知事となって、あの時の人かと思い当たった。

仲宗根政善は、当時知らぬものとてない著名人で、当時は東大に勤務していた。たまたま沖縄に帰っておられたときにお目にかかる機会を得た。最近、その人に、次のような歌が残されていることを知った。

 日の丸の旗もあがらず爆音の
 とどろきわたる復帰のあさけ

 沖縄のいくさをへにし身にしあれば
 などかなじまぬ国旗、君が代

 叙勲の報すなほにはなれず
 戦に失せし乙女の姿浮かびて

「沖縄のいくさをへにし身にしあれば などかなじまぬ国旗、君が代」という感懐はよく分かる。日の丸も君が代も、沖縄のいくさをもたらした元凶。穏やかな沖縄の人々に、いくさの悲劇を押しつけたものの象徴。沖縄のいくさをへにし身として、日の丸にも君が代にも、なじみがたいというのだ。怒りの表現ではなく、なげきの表現となっていることに意味が深いのであろう。

仲宗根政善が
 いわまくら かたくもあらん
 やすらかに ねむれとぞいのる
 まなびのともは
と詠ったあの悲劇のときから72年。

今年も、沖縄全戦没者追悼式が行われた。辺野古新基地建設を強行するアベ晋三が「沖縄基地負担の軽減」を口にする奇妙さ。

東京都民が、沖縄県民になし得ることは、7月2日投票の都知事選でアベ自民党に痛打を与えることだ。自民党の票と議席を減らそう。
(2017年6月23日)

加計学園が経営する獣医学部ー文科大臣による設置認可のストップを

刑法学でも刑事司法実務でも、保護法益という概念が多用される。ある犯罪類型を作ることで、法が守ろうとしている価値ないし利益のことをいう。殺人罪の保護法益は人の生命。偽証罪の保護法益は、適正な国家の司法作用。では、賄賂罪の保護法益はなんだろうか。

最高裁判例は、「公務員の職務の公正とこれに対する社会一般の信頼を保護法益とする」と言っている。「公務員の職務の公正」だけでなく、「公務員の職務の公正に対する社会一般の信頼」も守られるべき価値なのだ。

賄賂罪の基本である単純収賄罪の構成要件は、「公務員が、その職務に関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をすること」(刑法197条第1項前段)である。現実に職務の公正が害されたことを要件としていない。公務員たるもの、職務の公正を害してはならないだけではなく、職務の公正に対する社会一般の信頼を損ねてはならないのだ。

以上は、刑事法レベルでの議論。政治的道義的レベルにおいてはなおさらのことだ。公務員たるもの、職務の公正を害してはならないだけではなく、職務の公正に対する社会一般の信頼を失わぬよう、よくよく注意して職務の執行にあたらねばならない。これが、閣僚や、官邸の最高レベルの公務員ともなれば、最高レベルの注意が要求されることになる。いささかも職務の公正に対する疑惑を持たれてはならない。そのように身を持さねばならない。

加計学園事件に関する安倍晋三の弁明の見苦しさは、このあたりの理解を決定的に欠いていることである。もともと、首相の座にふさわしい人物ではないのだ。

国家戦略特区諮問委員会議長としての行為によって、腹心の友に利益をもたらした。しかも、自らも「岩盤に穴を開ける」という、強引なやり口でのこと。のみならず、そこに至るまでの経過が不透明で、「ご意向」「忖度」の文字が躍る文書が数多く出て来ている。洗いざらい経過を説明せよという真っ当な要求にたいしては、「書類は廃棄」「記憶にない」、不都合な発言者には、身辺調査と人格攻撃で威嚇して黙らせようとする。誰が見ても、政権は真実の露呈を恐れているとしか思えない。

この期に及んで、「具体的に指示したり、働きかけたりしたことは一度もない」「法律にのっとった意思決定だったことに一点の曇りもない」と言っていることが的はずれ。既に首相の職務の公正に対する社会一般の信頼は完全に失われているのだ。

日本テレビ系NNNの世論調査に次の問の項目がある。
問 あなたは、加計学園の獣医学部開設のいきさつについての、安倍総理の説明に納得しますか、納得しませんか?
その回答が次のとおりだ。
(1) 納得する 9.6 %
(2) 納得しない 68.6 %
(3) わからない、答えない 21.7 %

首相の説明に納得できるという国民は、10人中にたった一人。7人ほどは首相を信じられないというのだ。だから、防衛的に「疑惑の実体はない」と言うだけではダメ。行政の経過は透明でなくてはならず、行政には説明責任が伴うという大原則の原点に戻って、すべての経過を積極的に明らかにする覚悟が必要なのだ。

それができなければ疑惑を甘受しなければならない。「政治の私物化」、「公正であるべき行政がゆがめられた」、「官邸は、既得権益者攻撃の名で、新たな既得権益者をつくり出している」「首相と、その取り巻き一味の利益のための政治が横行している」という疑惑を真実として受け入れるという意味の甘受である。

具体的な対象検証の一つとして、2017年6月30日に閣議決定された「4条件」(あるいは、「3条件+1留意事項」)充足の可否がある。同日、「『日本再興戦略』改訂2015」が決定され、国家戦略特区における獣医学部の新設に満たすべき「4条件」が確定された。以下のとおりである。

「獣医師養成系大学・学部の新設に関する検討
1. 現在の提案主体による既存獣医師養成でない構想が具体化し、
2. ライフサイエンスなどの獣医師が新たに対応すべき具体的需要が明らかになり、かつ、
3. 既存の大学・学部では対応困難な場合には、
4. 近年の獣医師需要動向も考慮しつつ、全国的見地から本年度内に検討を行う。」

前川前文科事務次官や農水相の担当を呼んで徹底審議をすれば、この4要件充足の有無は明瞭になる。そのことを明瞭するまで、加計学園が経営する岡山理科大獣医学部の設置は、ペンディングとするしかない。

なお、同学部設置手続の進展は、国家戦略特区諮問会議での区画計画認定(2017年1月20日)には至っているものの、文科大臣による獣医学部設置認可には至っていない。

文科大臣宛の認可申請は本年3月31日になされた。8月下旬に認可、来年(18年)4月開校予定と伝えられているが、明らかに事情変更の事態となっている。「文科大臣による獣医学部設置認可ストップ」が、声を合わせて叫ばなければならない、喫緊のスローガンとなろう。
(2017年6月19日)

あがれあがれ、もっとあがれ不支持率ーこの暴挙への怒りを持続させよう

6月18日。193通常国会終了の日である。
この国会で共謀罪法が成立し、アベ友学園・腹心の友学園の疑惑は晴れぬまま、会期は閉幕した。アベ政権は国民をなめきっている。「戦争法案であれだけ支持率を下げたものの、有権者の物忘れのスピードは早かったではないか」「今度も多少は支持率下がるだろうが、なに、アベ一強に代わる選択肢はなかろう」という見くびり方だ。

日本の政治は、批判の言論に反応しての修正能力を失っている。権力者による行政の私物化が進行し、行政の公正・公平に疑惑を持たれるのに、政権担当者に懼れの気持がない。疑惑の隠蔽が可能と自信過剰に陥っている。疑惑の指摘者を脅して黙らせ、記録は徹底して破棄し隠匿する。この国会で垣間見えたこの国の行政は腐りきっている。アベ自身が、「これから丁寧に国民の皆様に説明していく」と神妙な顔つきを見せながら何もせずにすっぽかす光景を何度も見せつけられてきた。

その行政の横暴を国会がチェックできない。与党議員は、政権から独立した立法府の一員であることのプライドを持たない。読売・産経に代表されるメディアの劣化も甚だしい。総じて、政治の劣化であり、民主主義形骸化の事態である。

朝日は、この国会に表れた政府の姿勢を、「厳しい追及を受けた政府は、『認めない』『調べない』『謝らない』答弁を連発した。会期150日間の答弁に、批判や疑問を正面から受け止めない姿が浮かぶ。」と表現した。

私は戦前の政党政治形骸化の過程を直接に知る世代ではない。しかし、なるほどこんな風だったのかと思わせる時代の空気を感じる。戦前の臣民は、天皇制に弾圧された人々ばかりではない。天皇にひれ伏し圧倒的に支持した人々が、侵略にも戦争にも熱狂したのだ。株価上昇の一事で政権を支持している現在の国民が、「満蒙はわが国の生命線」と納得した当時の臣民に重なって見える。

これだけのムチャクチャな横暴をやってのけたアベ政権に対する世論の批判は、それなりに大きい。本日(6月16日)、幾つかの世論調査結果が発表され、軒並み内閣支持率を下げている。

共同通信社が17、18両日に実施した全国電話世論調査によると、安倍内閣の支持率は44・9%で、前回5月から10・5ポイント急落した。不支持は43・1%。安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人「加計学園」の獣医学部新設計画を巡り、行政がゆがめられたことはないとする政府側の説明に「納得できない」としたのは73・8%で、「納得できる」は18・1%にとどまった。加計学園を巡る記録文書についての政府の調査で真相が「明らかになったと思う」は9・3%、「思わない」は84・9%だった。「共謀罪」の採決で、与党がとった異例の手続きについては、67・7%が「よくなかった」と批判した。(共同)

毎日新聞調査でも、支持率は「前回から10ポイント減」となって、不支持が逆転している。

毎日新聞は17、18両日、全国世論調査を実施した。安倍内閣の支持率は36%で、5月の前回調査から10ポイント減。不支持率は44%で同9ポイント増加した。不支持が支持を上回ったのは2015年10月以来。「共謀罪」の構成要件を改めて「テロ等準備罪」を新設する改正組織犯罪処罰法を参院委員会採決を省略して成立させた与党の国会運営や、学校法人「加計学園」の問題への政府の対応などが影響したとみられる。(毎日)

日本テレビ系の、NNN世論調査では安倍内閣支持率の推移は以下のとおり。この調査でも、不支持が支持を上回っている。
       支持する  支持しない  わからない
今 回 (6月) 39.8%   41.8%     18.4%
前 回 (5月) 46.1%   36.4%     17.6%
前々回 (4月) 50.4%   30.8%     18.8%

こんな問に対する回答もある。
問 あなたは、加計学園の獣医学部開設のいきさつについての、安倍総理の説明に納得しますか、納得しませんか?

(1) 納得する 9.6 %
(2) 納得しない 68.6 %
(3) わからない、答えない 21.7 %

問 「総理のご意向」「官邸の最高レベル」などの言葉を使って、文科省に積極対応を求めたとされる内閣府が、「そのようなことを伝えた認識はないことが確認された」などとする調査結果を公表しました。あなたは、内閣府の調査結果に納得しますか、納得しませんか?

(1) 納得する 11.3 %
(2) 納得しない 68.1 %
(3) わからない、答えない 20.6 %

問 「共謀罪」の趣旨を含んだテロ等準備罪を新たにつくる、「改正組織犯罪処罰法」が、国会で成立しました。あなたは、この法律に賛成ですか、反対ですか?

(1) 賛成 31.8 %
(2) 反対 39.5 %
(3) わからない、答えない 28.8 %

各世論調査に現れた国民意識の反応は健全なものだ。問題は、その持続性。私は、この怒りを忘れない。そして、「忘れるな」「忘れてはならない」と執拗に訴え続けたい。
(2017年6月18日)

「安倍政権を支持しない」が93%!という調査も出てきた

朝は、6時半からウトウトしながらのTBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」。金曜日の小沢遼子さんがリタイヤしてさびしくなったが、森本毅郎はハリのある声で健在。しばらく腰痛の治療でのお休みもあったが、今やこの人、齢をとることを忘れたのではないかと思わせる。

今週は、番組の特別企画として、「忖度しない!ご意向まつり」を実施。リスナーの「ご意向」を募集してきた。ミニ世論調査である。森本ファンの投票だから、当然にサンプルは偏っている。世間とはひと味違うところに面白みがある。

今日(6月16日・金)がその最終日で、テーマは「あなたは安倍政権を支持しますか。しませんか」。究極の強行採決で共謀罪法案を強引に押し通したその翌日というタイミング。支持と不支持の二者択一で、「分からない」も、「どちらとも言えない」もない。興味津々の結果は…。

「支持する!」・・・・・7%
「支持しない!」・・・93%
 (応募総数701通)
https://www.tbsradio.jp/156827

この結果は、「やはり」というべきか、それとも「驚くべき」というべきか。

読み上げられた、主な不支持の理由。
「共謀罪の決め方がひどかった。とても支持できない。支持する人がいるのが不思議」「国有地払い下げもすっきりしない、獣医学部新設もすっきりしない。国会や官房長官の説明は国民を馬鹿にしている。自浄作用がなくなった現政権は、まったく支持できない」「首相でありながら平気で野次を飛ばし、自分が野次を飛ばされると怒り出し、野党議員に対して反撃する様は見ていられない。」「『丁寧に説明していく』となんども言っているが、その説明を聞いたことがない。」「異論を唱えるものに冷たく、お友達には手厚い政権に未来を託せない」「秘密保護法、カジノ法案、安保法案、共謀罪を強行採決。しかし、この力を与えたのは国民。次は自民党に投票するのをやめて、暴走を止めなければと思う」

支持の7%は「経済政策の評価」と、「民進党よりはマシ」。
「(アベの)振る舞いは目にあまるが、金融緩和で株は上昇している。この実績は評価すべき」「民進党を見ていると、安倍政権を支持するしかない。蓮舫さんはパフォーマンスばかり。共謀罪の審議も、法案の問題点を追及すべきなのに、法相の個人攻撃ばかりだった」

「100対0」となっては、却って恐い。「93対7」は、確実に今の良質な国民意識の一面を物語っている。みんなもどかしいのだ。こんな粗暴な政権をのさばらせ放置してきたことを。そして、いまだに退治することができずに拱手傍観せざるを得ないことを。

そんな気持で、7時45分に家を出た。今日は東北新幹線に乗り遅れてはならない。やや急いで、丸の内線・本郷三丁目駅の入り口まできて、オジさん5~6人がビラを配っているのに遭遇した。てっきりマンション販売ビラかと思ったら、これが自民党都議会議院選挙候補者の宣伝行動。

思わず、言葉が出た。「えっ? 自民党?」「自民党だけは絶対にダメだ」「自民党よ。昨日は、国会で何をした」「キミたち恥ずかしくないか」「アベ晋三のために政治をねじ曲げて恥ずかしいとは思わないのか」。一番駅寄りに、議員バッジを付けた、候補者と思しき人物が立っていた。配っていたビラの写真の人物。睨みつけて大きな声で、「恥を知れ。自民党!!」

件の人物はなにも言わずに、えへらえへらしているだけ。もちろん、自民党にだって表現の自由はある。しかし、共謀罪法をだまし討ちで成立させた翌日のことだ。これくらいは言っておかなくては。

えこひいき政治も、だまし討ち国会運営も、結局は国民がアベ政権与党に与えた議席の数の力によるものだ。まずは、至るところで「アベ政権ノー」の声を出そう。NHKや読売の世論調査で内閣支持率が、「森本毅郎スタンバイ!」並みに近づけば、確実に政治状況は変わる。

このまま自民党が選挙に勝つようなことでは、「アベの、アベによる、アベのための政治」「アベ政権の、自公与党による、アベの身内とおともだちのための政治」が続くことになる。

まずは東京都議選で、驕る自公勢力に熱いお灸をすえなければならない。
(2017年6月16日)

もう堪忍袋の緒が切れたーバカ殿にはやめてもらおう。

のう、皆の衆。
緊急にお集まりいただいたのは、ほかでもない。最近の藩政のことだ。
役人どもの目のないことは確かめてある。存念なく話し合いたい。

最近の藩政はおかしい。とうてい見過ごしてはおられない。とりわけ、藩主〈アベ加計の守〉のバカ殿ぶりには、愛想もこそも尽き果てた。アベ加計が転封でこの地の藩主になってからもう4年半になる。最初から、おかしな奴だとは思っていたが、これほどとは思わなんだ。

このバカ殿は、領民あっての藩であることが、まったく分かっておらん。藩政には公道がある。領民の声に耳を傾け、公平・公正を旨としなければならない。

ところが、このバカ殿は、「ご意向」を振りかざし、「忖度」を流行らせ、藩政批判には聞く耳を持たず、「印象操作」だとバカの一つ覚えの反論を繰り返すばかり。

アベ自身が、領民から疎まれていることは、よく分かっておろう。だから、特定秘密保護法だの共謀罪だのと言い出しているんじゃ。こうやっての皆の衆との話し合いに目を光らせ、一網打尽でしょっぴきたい。それが共謀罪の狙い。そのために、藩庁の役人どもが、うろうろ見回りをしている。領民総監視藩政がアベの目指すところ。

しかも、どうにも我慢のできないのは、アベ一存のえこひいき政治じゃ。アベシンゾ-小学院は、藩主の奥方が名誉校長を務めるとかで一時はたいへんな勢いじゃった。9万両相当の藩の敷地をだな、わずか1万両で払い下げて大問題となった。もっともこの事件、旗色悪いとみたアベがな、途中で盟友籠池を裏切って知らん顔となって、馬鹿を見たのは籠池よの。気をつけねばならんのは、この大問題が偶然に発覚したことじゃ。これは氷山の一角じゃろうて。発覚しない同じような問題が数多くあるに違いなかろうと、領民皆がバカ殿政治に疑心暗鬼となっておる。

「信なくば立たず」と、政治の神髄を寺子屋で習うたろう。藩政は、領民からの信頼なくして成り立たないということじゃ。アベ・バカ殿政治は、アベ友学園事件の不始末で完全に信を失った。この辺でアベ加計は腹を切るかと思ったものじゃった。

ところが、これがしぶとく生き延びての。そして、続いて発覚したのが今話題の加計学園問題。バカ殿の腹心の友の事業のために藩政の中枢が動いて、支藩から、土地はただで提供するは、建物建設には補助金を出すは、という至れりつくせりでな。

実は、アベの威を借るキツネやタヌキの有象無象が藩政を壟断しておる。菅が筆頭かの。それに萩生田や、八田、竹中だのという連中。そしてそれを手助けする読売・産経・山口・田崎などの面々。この連中を一掃しなければならない。

反対に、役人の中にも真面目な者もおってな。内部告発とか、公益通報とかする者が現れた。これは、バカ殿派には大きな痛手。これを鎮圧しようと奴らは躍起になっている。その先頭に立っているのが、あのヨシイエのところのせがれ。あいつは、元はおれたちの味方のような顔をしておったがな。ところが、士分に取り立てられてからは、ひどい寝返りだ。張り切ってバカ殿派の手先になってな、今度も内部告発者は処罰するぞ、と息巻いておる。

しかもだ。今日になって、アベの一味が狂ってしまったようだ。突然に今日(6月14日)中に、共謀罪のお触れを出そうと深夜になっても作業中だ。これはトンデモナイ事態。アベのバカ殿やその取り巻きを一掃するには、久々に一揆を起こさねばならない。

一揆の趣意書を直訴状として拵えてみた。飽くまで素案だ。今日はこれを皆の衆で練り上げていただきたい。孫子のために、打倒アベで立ち上がらねばならん。このことに気持は一つよのう。なあ、皆の衆。

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             直  訴  状
バカ殿アベ加計の守信介・罪となるべき下記八つの所業あるにつき、直ちに職を辞し蟄居謹慎を申しつけられるべきこと。領民一同之を建白。

第1の所業 明文改憲の罪
明文改憲によって、国防軍創設・天皇元首化・基本的人権の侵奪をたくらむほか、96条先行改憲論に象徴される立憲主義への飽くなき攻撃こそ最大の罪。今は、9条3項加憲を行おうとしていること、不届き千万。

第2の所業 解釈改憲の罪
集団的自衛権行使容認の強行や武器輸出解禁の姿勢に表れているとおり、改憲手続きを迂回して憲法の理念を実質的に破壊する罪は重い。

第3の所業 共謀罪法案審議強行の罪
国民運動弾圧の「平成の治安維持法」を制定し、国民総監視社会を作ろうとすること大罪なり。

第4の所業 公平公正を害するえこひいき行政の罪
腹心の友のためや、「アベシンゾー首相ガンバレ」とコールする教育施設に特別の配慮を惜しまない偏り行政の罪。

第5の所業 マスコミ介入と懐柔の罪
一方では停波をチラつかせ、他方では「読売を読め」という、批判するメデイアと擦り寄るメデイアを意識的に選別した対応の罪

第6の所業 原発再稼動と輸出の罪
3・11で顕在化した恐怖、利権構造、政策決定過程の密室性は、脱原発の澎湃たる天の声を呼び起こした。再稼動と輸出とは、人類の未来に対する大罪である。

第7の所業 核廃絶に反対の罪
唯一の被爆国でありながら、国民と被爆者の意思に反して核兵器禁止条約に反対するという愚行こそ、天地の許さぬ大罪である。

第8の所業 辺野古新基地建設強行の罪
沖縄県民の立ち場でアメリカと交渉するのではなく、アメリカの立ち場で沖縄に基地を押し付け、新たな基地被害をつくり出す重罪。
(2017年6月14日)

アベ・えこひいき政治には、もううんざりだ。

本日(6月13日)は、本郷湯島九条の会による定例の本郷三丁目街頭宣伝の日。午後の法務委員会での、共謀罪法案強行採決があり得るとの報せで緊迫した雰囲気の中、参加者のボルテージも上がった。そのメンバーと一緒に国会へ。衆議院第一議員会館内でのシンポジウムに参加した。

本日は、与党側が内閣委員会の委員長(民進党)に対する解任決議案提出をきっかけに、野党側が国家戦略特区を担当する山本地方創生担当大臣に対する問責決議案を提出。加えて、金田法務大臣に対する問責決議案が提出されて、審議はストップしたようだ。この成り行きは、シンポジウムの途中で、宮本岳志議員から報告された。会期末まであと5日。場合によっては延長もある。強行採決の危機は、ずっと続くことになる。野党がどれだけがんばれるかは、ひとえに国民世論のあり方にかかっている。

参加したシンポジウムは、「森友問題の幕引きを許さない市民の会」が主催した「森友・加計問題を考えるシンポジウム」。
パネリストは、小川敏夫(民進党 参議院議員)、宮本岳志(日本共産党 衆議院議員)、杉浦ひとみ(弁護士)、青木理(ジャーナリスト)の各氏。コーディネ-タ-が、醍醐聰さん。時宜を得て盛会だったし、議論も盛りあがった。

幾つかのテーマが話題となった。今のアベ政治が、私益のためにねじ曲げられたデタラメ政治となっていることは確認できたが、さて、この事態にどのような具体的な対抗策が考えられるのか。これがシンポ参加者の問題意識。暴走する権力を、誰が、どのように止めることができるのか。「最後は国民の一票」というのはそのとおりなのだろうが、誰もがそれではもどかしい。その余の術はないのか。

まずは議会である。とりわけ野党の役割が期待される。国政調査権をフル活用して、国民の声を背に権力の横暴を暴き追及する。今国会では、野党はよくやっているとは思う。しかし、所詮は数がものをいう世界の話。野党側議員の数が少ない。数の力で押し切られては如何ともしがたい。

次いで、メディアに期待が集まる。官房長官を30分にわたって質問ぜめにして食い下がり追い詰めた、東京新聞社会部記者の話題に拍手が湧いた。しかし、この拍手は普段のメディアへの失望をも表したもの。欧米の記者たちの要人に対する切り込みの鋭さが話題となった。彼我の落差はどこから来るのだろうか。本来権力への監視こそがジャーナリズムの役割。「大手町に本社のある新聞2社」の権力とつるんだ体たらくが、今の日本のメディアのあり方を象徴している。パネラーからは「がんばっているメディアや番組を応援していただきたい」との発言があった。

さらには、暴走する権力への司法の歯止め期待される。会場から「具体的な司法活用の方策はないのか」という質問が寄せられた。パネラーからは、「行政訴訟や民事訴訟の活用は、具体的な被害を受ける者以外には原告適格は認められず、一般的にはむずかしい。」「場合によっては、罰則のある具体的な法違反について告訴や告発をすることはできるだろう」と回答された。

ひとしきり話題となったのは、準強姦の被告訴人として逮捕寸前であった元TBS記者山口敬之の不起訴事案。アベ政権御用達記者として名高い彼の逮捕状の執行を取り消したのは警視庁中村格刑事部長(当時。現警察庁)。これも、アベ政権の「ご意向」ないしは「忖度」事件。自らにシッポを振って忠誠を誓う者に対する、「えこひいき政治」の腐臭が漂っている。

この件について、パネラーからは、「検察審査会の起訴相当決議は検察官を拘束する。場合によっては強制起訴にもなる。検察審査員は一般国民から選任されるのだから、世論の後押しは効果があると思う。検察審査会に世論を示して後押しする行動の工夫が大切」との発言。

議会、メデイア、司法の各局面を通じて重要性が強調されたのが、行政文書の保存と公開。情報公開制度の形骸化を許してはならないことが、繰りかえし語られた。

そして、加計学園問題において公益通報を決意した公務員に対する「守秘義務違反攻撃」の卑劣さが話題とされた。

行政情報は公開が大原則である。公務員法が刑罰で漏示を禁止されている秘密とは、いわゆる「実質秘」に限られる。非公知の事項であって、実質的にもそれを秘密として保護するに値すると認められるものをいう、とされている。

具体的には、微妙なグレーゾーンがあるにせよ、今回の「内部告発」を公務員の守秘義務違反として封じ込めようとは、さながら悪代官の悪あがきではないか。元ヤンキー先生こと義家弘介文科副大臣よ。悪代官になり下がりたいか。

内容の濃いシンポジウムだったと、同行した地域の方にたいへん好評だった。このことが、地域の運動の盛りあがりにもつながるだろう。
(2017年6月13日)

アベ政権打倒に世論は変わりつつある。

世論調査によるアベ政権に対する支持率が一部で急落している。典型は、北海道新聞の5月26~28日調査。安倍内閣を「支持する」は4月の前回調査から12ポイント減の41%、「支持しない」は12ポイント増の57%と、不支持が支持を逆転した衝撃。

6月1日発表の日経新聞電子版「クイックVote」の調査結果も話題となった。内閣支持率は前回調査の52.1%から25.4ポイントもダウンして26.7%だった。6月8日発売の週刊文春は、独自の調査で「内閣支持率22%」というタイトルを打った。

大手メディアの通常の調査が続いてこうなるかは分からない。しかし、明らかに、風向きは変わってきた。アベ政治へのアゲィンストに。そして、世評はアベに冷たくなってきている。私の印象では、社会の良質の人々が、これ以上アベ政権の所業を看過しておけないという気持になっている。メデイアにも、ようやく遠慮のない政権批判ができる空気ができている。

「アベはいいやつだ。放っておいてもらいたい」は、通用しなくなっている。「アベのやることは見ちゃおれない。もう、いい加減に退場してもらわねばならん」という世の中の空気なのだ。昨年、都知事だった舛添が襲われたバッシング。あの現象が突然にアベの身に起こっても不思議はない。

アベの悪行は、大きくは2つに大別される。
一つは、人権や民主々義の蹂躙である。憲法敵視、憲法改悪、沖縄への基地押しつけ、共謀罪法案の強行、歴史修正主義、原発再稼働、教育への介入、核廃絶への不熱心……。
二つ目が、政治の私物化である。アベ友学園問題、腹心の友学園問題がその典型。岩盤規制に穴を開け、その穴から滲み出る甘い汁を身内に吸わせようとしているだけのこと。
そして、無反省で居丈高で傲慢で不誠実な人格と姿勢を三つ目に挙げることもできよう。今は、「内閣支持率急落の前兆が見えはじめた時期」なのかも知れない。

毎日新聞の投書欄(「みんなの広場」)を最近丹念に読んでいる。アベ政権を批判し、叱責する投書者の質の高さと批判の的確さ、そして政権に対する怒りのボルテージに驚かされる。その表題を追ってみると、たとえば以下のとおりである。

昨日月11日(日)
「功利的」へ導く安倍政権=無職・松沢肇・60
民主国家は憲法のおかげ=無職・中川富蔵・86
「安倍晋三首相の場違いの一言が憲法改正を走り出させた。発言には憲法99条違反の声もあるが、元々祖父・岸信介元首相の遺志を継いでいる…」
議会政治の危うさ覚える=主婦・岡本信子・67
「こんなに政府が一丸となり暴走するような政権を私は知らない。」
黒を白にする政治でいいのか=元教員・高須賀嘉夫・85
「黒は黒であり、白は白である。黒が白になることはあり得ない。だが、私は黒が白になった現実を体験している。太平洋戦争末期、私は少年だった。…」

一昨日(6月10日)
加計問題のすり替えを危惧=主婦・松葉ナリ子・74
「加計学園の獣医学部新設計画に関して、文部科学省の前事務次官、前川喜平氏が行った証言が興味深い。「あったことをなかったことにはできない」という言葉…」

一昨々日(6月9日)
自由民権運動の熱意に敬意=無職・国友英宏・69?
民主政治のため総辞職を=無職・岡部光彦・75

以下
若者に不信感抱かせる政治家=無職・山本浩実・56
9条こそアメリカファースト=会社員・中村俊夫・55
義家氏よ、元教育者の矜持は=元小学校校長・喜島成幸・65
安倍首相に謙虚な行動望む=臨時公務員・高江貞徳・61
記者団の軟弱姿勢に失望=僧職・中山道・87
「ノー」と言う議員いないのか=無職・吉岡辰典・70
「共謀罪」国民の萎縮が狙い=無職・鳥塚鈴子・65
直接民主主義の気概持とう=無職・飯田豊・66
ぞんざいな姿勢の安倍首相=無職・山原孝夫・62
不徳の議員、心に響かぬ言葉=無職・森本秋雄・72
維新議員、矜持はないのか=会社員・東山貢之介・61
この国はどこへ行くのか=会社員・浜尾幸一・68
加計問題、前川氏の喚問を=無職・佐久間信行・61
安倍政権下での改憲許せない=年金生活者・勝田秋広・71
加計学園問題、前川氏の勇気=主婦・吉葉和子・71
疑心暗鬼が渦巻く日本へ=団体職員・谷口歩・46
喜寿を迎えて思うこと=主婦・井上邦子・77
政治劣化に抗議の声を=自営業・永冨芳信・68
「NO」が届かぬもどかしさ=主婦・佐藤千賀子・60
「共謀罪」時限立法にしては=僧侶・小圷洋仙・74
政治不信が募るばかり=無職・松崎準一・67
もの言いにくい社会を危惧=無職・篠原基修・74
加計学園問題国民は怒りを=派遣社員・吉澤重信・68
気になる首相の強気発言=自由業・曽我正彦・61
政官一体の真実隠しか=主婦・原紀子・76
憲法を軽々に変えるな=有期雇用職員・福島洋一・62

今、政治に敏感で、真っ当にものを考える人々がアベ政権を見限りはじめたのだ。国連は、はやばやとアベ政権を批判している。先頭集団が走り出せば、第2集団が続くだろう。そして、その後裔も同じ方向に走り出す。そのような時に差し掛かっているという実感がある。雪崩をうっての政権の崩壊。その予兆が感じられる。
(2017年6月12日)

「森友・加計問題を考えるシンポジウム」(6月13日・午後)のご案内

西にフェイクのトランプあれば、東にデンデンのアベあり。トランプに硬骨のコミーあれば、アベに好漢前川あり。トランプとアベと私益に恋々とする価値観を同じくし、コミーと前川とは矜持を貫くことにおいて相似たり。

されど、コミーは議院の公聴会に証言の機会を得て全米注目の中で2時間半を語りしが、前川にはその機会なし。自ら喚問の機会あれば出席すると述ぶれどもその志を遂げ得ず。この彼我の相違はいづくから来たるや。

トランプとアベ。いずれも、馬脚を現し墓穴を掘り、その体勢建て直しをせんとてさらに傷を深めつつある。されば、まさに水に落ちんとする犬は大いに打つべし。民主主義の大義なる鞭をもて。

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通常国会の終盤(予定の会期は6月18日まで)に至って慌ただしく、文部科学省の疑惑メール「再調査」は一定の成果ではありますが、時間稼ぎでもあります。共謀罪法案の行方とも関連する、森友学園・加計学園の両疑惑。ともに政治の私物化の問題。アベ政治の傲りの象徴。うやむやな幕引きを許さない「6月13日議員会館内シンポジウム」の再度のお知らせです。
http://sinkan.cocolog-nifty.com/blog/2017/05/post-7be4.html

「森友・加計問題を考えるシンポジウム」
日 時   6月13日(火)14時30分~(14時から入館証渡し)
会 場   衆議院第一議員会館 大会議室(地下一階)
パネリスト 小川敏夫(民進党 参議院議員)
宮本岳志(日本共産党 衆議院議員)
杉浦ひとみ(弁護士)
青木 理(ジャーナリスト)
コーディネ-タ- 醍醐 聰(東京大学名誉教授)
主 催   森友問題の幕引きを許さない市民の会
資料代 500円

◆ご参加と広報にご協力ください
シンポジウムのチラシのURLは次のとおりです。
http://sinkan.cocolog-nifty.com/LASTsin-moritomo210x297outlined.pdf

◆当日は早めにお出かけください
会場の収容人数は300人です。消防法の規制のため、入館証は300人分しか、発行されません。300人に達したところで受付は終了します。
参加くださる方は入館証渡しを始める時刻(14時)より早めに会場へお出かけください。

◆昭恵夫人らの証人喚問を求める署名の広報にご協力ください
今、こういう取り組みもやっています。
ツイッター、FACEBOOK、をお持ちの方は下記URLから、
リツイート、シェア、いいね、等で拡散していただけるようお願いします。
安倍昭恵氏らの証人喚問を求める署名(ツイッター)
https://twitter.com/toketusa98/status/867852029019832320/photo/1
安倍昭恵氏らの証人喚問を求める署名(FACEBOOK)
https://www.facebook.com/NHKhouiJikkoCOM/posts/552549888466533
諸々のサイト
・署名用紙のダウンロード: http://bit.ly/2qkwucT
・ネット署名のフォーム:  http://bit.ly/2rdgyXe
・ネット署名/メッセージの集約状況の閲覧サイト: http://bit.ly/2r68HhH
よろしくお願いいたします。

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安倍昭恵氏らの証人喚問を求める署名運動スタート(2017年5月17日)
政府・与党は安倍夫妻が疑惑の中心にいる森友学園問題の幕引きを図ろうと執心しているが、逆に疑惑は深まる一方である。8億余円もの値引きの根拠として、地下9mのゴミの撤去費用が挙げられてきたが、工事業者自身、そのようなゴミの存在を確認していないと語っているし、籠池理事長も約3m以上、掘った覚えはないと証言している。国会でも、地下9mとは沖積期時代の地層であり、そのような地層にゴミが存在するはずがないという指摘もされている。
このような指摘に対し、安倍首相は悪意の「印象操作」と突き放すばかりで、疑惑を払しょくする答弁を全く行っていない。昭恵夫人に向けられた疑惑についても「妻は妻は」と無内容なはねつけを続け、夫人の証人喚問をかたくなに拒む一方で、野党を挑発するすり替え答弁を切れ目なく続けている。
しかし、昨日、今日の報道では疑惑は加計学園(岡山市内の学校法人)にも及んでいる。政府が国家戦略特区として同学園が新設を計画していた獣医学部を認定するにあたって、内閣府が文科省に対し、「安倍首相の意向だ」と伝えた文書があるという指摘が国会で出された。
このように安倍首相がらみの疑惑が深まり、広がるなか、各界の有志15人は連名で「安倍昭恵氏ほかの国会証人喚問を求める要望署名」の運動を企画し、準備が整った今日から、この署名運動をスタートさせた。署名用紙の全文は次のとおりである。
署名の第一次集約日 6月14日

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安倍昭恵氏ほかの国会証人喚問を求める要望署名
衆議院議長 大島理森 様
参議院議長 伊達忠一 様

呼びかけ人
池住義憲(元立教大学大学院特任教授)/太田啓子(弁護士)/丘修三(児童文学作家)/きどのりこ(児童文学作家)/小林和子(『週刊金曜日』編集長)/笹井明子(老人党リアルグループ「護憲+」管理人)/佐々木江利子(児童文学作家)/杉浦ひとみ(弁護士)/醍醐聰(東京大学名誉教授)/武井由起子(弁護士)/根本仁(元NHKディレクター)/藤田高景(村山談話を継承し発展させる会・理事長)/八木啓代(健全な法治国家のために声をあげる市民の会・代表)/湯山哲守(元京都大学教員・NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ)/ 渡辺眞知子(キリスト者政治連盟)

森友学園問題に関するどの世論調査をみても回答者の7,8割が「政府の説明に納得できない」と答えています。その最大の理由は鑑定価格9億円余の国有地が約8億円も値引きされて森友学園に払い下げられた経過、根拠について政府が納得のいく説明をしていないことにあります。また、国有地払い下げの経過を記した公文書を廃棄したと繰り返す財務省理財局の答弁にも強い批判が向けられています。
さらに、時の総理大臣夫人・安倍昭恵氏が、教育勅語を礼賛するなど教育基本法の理念に反する教育を進める森友学園の小学院(2017年4月開校予定)の名誉校長に就任したことに批判が起こっています。また、昭恵氏が同夫人付きの政府職員を介して、問題の国有地の払い下げに深く関与していた疑惑も指摘されています。にもかかわらず、安倍夫人が沈黙を続けていることに批判が広がり、安倍夫人も籠池泰典氏と同じ条件で証人喚問を行うべきという意見が高まっています。
そこで私たちは、皆院議長に次のことを申し入れます。

申し入れ
安倍昭恵氏、迫田英典氏(前財務省理財局長)、武内良樹氏(前財務省近畿財務局長)、田村嘉啓氏(財務省国有財産審理室長)、松井一郎氏(大阪府知事)、酒井康生氏(森友学園元弁護士)をすみやかに国会に証人喚問し、国有地の格安売却など森友学園をめぐる一連の疑惑を徹底究明すること
(2017年6月11日)

風見鶏が動いた。政権への風向きが変わってきたようだ。

電車では、中吊りの広告に目が行く。週刊誌の見出しが、いやでも目に飛び込んでくる。現代の「流言飛語」の震源。井戸端会議ネタの提供元。

売れればよいの週刊誌、売らねばならない週刊誌である。その作り手が、いまなにが売れ筋か、世間が何を求めているのかを、中吊り広告の見出しで語っている。なにが見出しに表れているか、そのテーマに好意的か否定的か。そしてその活字の大きさに意味がある。これで情報量の90%だ。残りの10%の情報を求めて金を払って記事を読むほどのことはない。

木曜日は、「新潮」と「文春」。
文春の広告は、とりわけ目を惹く。思わず、「オー」と声を上げるほど。だからといって、買う気にはならないが。

トップが、大きな文字で、「驕るな! 安倍」である。「安倍」に小さく「首相」と付けられているのがご愛敬。そして、【緊急特集】『読者調査では「前川喚問」賛成86% 内閣支持率22%』の文字が躍る。
さらに、『現職文科幹部が本誌に激白「不満を持っている人は大勢いる」』

トップの次が、これも大きな字で「読売『御用新聞』という汚名」。「読売記者『出会い系記事はさすがにない』」「首相と『会食30回』でダントツ」と小見出しが並ぶ。

新潮の広告もかなかなかのもの。
「安倍総理」を辞任させたい「麻生太郎」!
▼「前川前次官」が怯える「守秘義務違反」逮捕
▼実姉が証言! 「加計理事長」20歳年下女性との再婚で家族断絶
▼文科省「設置審」が認可ダメ出しの鳴動

これに、
「準強姦『安倍総理』ベッタリ記者『山口敬之』の金満」と続く。「家賃は月130万円!? 部屋の真下にスパ&プール!!」と書き添えられている。イヤミたっぷりだ。

両誌とも、トップは安倍批判だ。文春の「驕るな!安倍」は、読者層の代弁だろう。「内閣支持率22%」という調査結果が、編集者を強気にしている。そして、両誌とも、「安倍ベッタリメディアへの批判」を大きく扱っている。文春が読売、新潮が山口敬之を標的にしている。これまでは得意満面だった御用評論家や「スシロー連」の面々は、首筋が寒い思いではないか。

新潮の「文科省『設置審』が認可ダメ出しの鳴動」は、興味がある。今治市に建設中の「岡山理科大獣医学部」。2018年春開校を条件に、国家戦略会議諮問委員会(安倍晋三会長)は強引に押し通したが、文科省の認可を得たわけではない。当然に文科省は認可を下ろすだろうと思われていたが、雲行きが変わってきた。「文科省『設置審』が認可ダメ出し」が現実となれば、アベ政治への大きな打撃となろう。

そんなことで興味ある記事だが、やっぱり新潮は買わない。私には、産経・読売にびた一文も払うものか、というささやかな矜持がある。新潮・文春も、まだ私的経済制裁を解くには至ってない。

週刊朝日最新号トップは、「安倍官邸に巣くう 加計人脈」。「忖度や謀略の裏でお友達優遇!」と、これも手厳しい。

ともかく、風が変わってきた。アベ友・腹心の友両学園の、「もり・かけ問題」がアベ政権を揺るがしている。アベ一強の歪みが、私益のための政治の歪みとして露呈しつつあるのだ。これに加えての共謀罪強行は、アベ政権の命取りになりかねない。
(2017年6月8日)

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