澤藤統一郎の憲法日記

改憲への危機感から毎日書き続けています

《呼びかけ人会議》に申しあげる。「宇都宮健児君を野党共闘の都知事選候補者として推薦することはお控えください」

(2020年5月31日)
共産党都委員会のホームページに昨日(5月30日)アップされた記事の一部を転載する。

【都知事選】臨戦態勢/革新都政の会が方針

革新都政をつくる会は29日、代表世話人会を東京都豊島区で開きました。告示まで20日に迫った都知事選(6月18日告示、7月5日投開票)で、市民と野党の共闘で都政を転換するため、臨戦態勢の確立を進める方針を確認しました。

日本共産党の田辺良彦都委員長が発言し、野党間の協議の現状を報告。元日弁連会長の宇都宮健児氏が立候補を表明したことについて、「基本政策は私たちと共有できる。たたかい方について、よく話し合っていこう」と語りました。また、野党統一候補の実現に努力するとしました。

同会の中山伸事務局長は、都政転換に向けた「呼びかけ人会議」(浜矩子・同志社大学大学院教授ら)の訴えに応え、草の根で呼びかけ人・賛同人を増やす活動に取り組んできたと報告。

新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言が解除された下で、呼びかけ人会議主催の「変えよう東京」会合(6月3日)を成功させるとともに、「パンフレット『都知事選挙 私たちの提案』『都民の目で見た小池都政黒書』の普及を軸に、職場・地域・団体の臨戦態勢を確立しよう」と述べました。6月8日に臨時総会を開くことを提起しました。

共産党都委員長が語る、「(宇都宮君の)基本政策は私たちと共有できる。たたかい方について、よく話し合っていこう」「野党統一候補の実現に努力する」とは何とも、不可思議な表現。保守には、こういう明晰さを欠いた政治的表現が目につくが、共産党にはこんな物言いは似合わない。

「たたかい方について、よく話し合っていこう」は、いったい誰と誰との、どのようなたたかいについて、何を目指しての「話し合い」を呼びかけているのだろうか。

まさかとは思うが、宇都宮君を意中の候補として「彼を野党統一の候補者とするたたかい方について、つくる会内でよく話し合っていこう」「宇都宮の野党統一候補の実現に努力する」ということと読めなくもない。

仮に、共産党主導で宇都宮君の野党統一候補(ないしは野党共闘候補)実現があればという仮定の話だが、そんなことになれば2020都知事選は革新陣営にとっての形づくりだけの消化試合でしかなくなる。彼を統一候補とした途端に、多くの都民は革新側に都知事選を本気で闘う意欲がないとみるだろう。事実上の選挙戦放棄である。

過去2度の都知事選に出馬して、惨敗した候補者である。負け馬の3度目の出馬に勝利の目はない。誰が見ても、本気で勝ちに行く選挙にふさわしい候補者ではないのだ。

彼の過去の2度の知事選の得票は、2012年97万票(当選した猪瀬直樹は434万票)、14年98万票(当選した舛添要一は211万票)である。いずれも、100万に届かない。前回都知事選では、あのバッシングの嵐の中で鳥越俊太郎は135万票(当選した小池百合子は290万票)を得ている。

東京の基礎票が弱いのでやむを得ないのかと言えば、そんなことはない。参院東京選挙区(6議席)では、蓮舫一人で171万票(2010年)を得票した実績がある。同氏は2016年の選挙でも112万票を獲得している。これには及ばないものの、共産党の参院東京選挙区での得票数も、以下のとおりなかなかのもの。
2013年(吉良佳子)71万票、16年(山添拓)67万票、19年(吉良佳子)70万票。

2014年総選挙の東京ブロックでの野党各党の得票数は、以下のとおりである。
民主党94万票、共産党89万票、社民党12万票。合計では195万票になる。この基礎票あって、宇都宮(統一)候補では100万に届かないのである。

野党共闘が成立して、基礎票に共闘効果としてのプラスアルファの上積みを期待し、これに魅力的な候補者と目玉になる政策の押し出しがあれば、…都知事選はけっして勝てないたたかいではない。

何よりも、都民の目から見て「革新共闘が今度は本気で勝ちを狙っている」と感じさせるだけの清新で有力な候補者の擁立が不可欠である。宇都宮君には、最初の出馬表明時にはその片鱗があった。しかし、選挙戦進展の中で、候補者としての資質の欠如、魅力の欠如を露わにして歴史的な惨敗をした。いま、政党が宇都宮を推薦するとなれば、都民の目には「この選挙捨てたな」と見られるしかない。

しかも、彼は前回都知事選にも革新共闘の協議を無視して3度目の立候補をし、告示直前に立候補を断念したものの、革新共闘には背を向け続けている。今回また、革新共闘とは距離を置くことを公言して憚らない。到底、革新共闘が一致して押すことのできる候補ではない。

まさかとは思うが、念のために「呼びかけ人会議」に申しあげたい。
真に革新陣営の共闘を大切する立場を貫くならば、市民と野党の共闘に背を向けてフライングの立候補宣言をした宇都宮健児君を共闘候補として推薦してはならない。共産党が、「基本政策は私たちと共有できる」と、さらにフライングを重ねたこの事態では、なおさらのことである。

仮に宇都宮君を共闘候補として推薦するようなことになれば、市民運動が主導して野党共闘を作るという、いま、成功しつつある貴重な枠組みに大きな傷を残すことになる。くれぐれも、よくお考えいただきたい。

そして、共産党にも一言申しあげたい。
無理をしてまで、今回都知事選に形だけの野党共闘にこだわる必要があるのだろうか。この時期、野党共闘にふさわしい候補者を得られないとすれば、共産党が単独推薦できる、清新で魅力的な候補者は何人もいるではないか。ことここに至って、やむなく宇都宮君で都知事選をということではなんとも虚しい。本気になって、党の政策を独自候補で押し出すたたかいを組むべきではないだろうか。

宇都宮健児フライングに続いた志位和夫フライング

(2020年5月29日)
都知事選が目前である。6月18日(木)の告示まで3週間を切った。既に、具体的な選挙運動準備が始動していなければならないこの切迫した時期に、革新陣営の予定候補者が未定である。

これまで、「市民と野党共闘」という枠組みでの統一候補の擁立が模索されてきた。その動静は、「東京革新懇」や「革新都政を作る会」、あるいは「九条の会」などを通じて公式・非公式に伝えられて来た。そして、現在は「市民と野党の共闘の実現で都政の転換をめざす呼びかけ人会議」がその任務を担っている。アベ政治や小池都政を容認しがたいとする多くの都民の期待は大きい。

国政レベルでの「市民と立憲野党の共闘」が大きく進展し、安倍改憲を阻止し、国政私物化のアベ政権を追い詰める成果を上げている。今、その都政レベルでの、「市民と野党の共闘」という枠組みの設定が重要なことが自明である。そのうえで、その枠組みにふさわしい候補者の擁立が必要なのだ。

これまで、期待を込めて見守ってきた。予定候補者として、何人もの有力な人の名前が上がっては消えた。水面下の事情についてはまったく知らないから、もしかしたら完全には消えていない人がいるのかも知れない。おそらくは、ギリギリの段階で、しかるべき人が出てくるのだろうとの希望は捨てていない。

そんな中で、宇都宮健児君が立候補を表明し、一昨日(5月27日)出馬の記者会見をした。もちろん、「市民と野党共闘」の候補ではない。その意味ではフライングである。まだ間に合う。宇都宮君、立候補はおやめなさい、と申しあげたい。

言うまでもなく、「出たい人より、出したい人」が候補者としてふさわしい。これまで、都知事選に「出たがっている」人としては、宇都宮君を措いてない。しかし、到底彼が、「市民と野党の共闘」候補者としてふさわしいとは考え難い。2020年都知事選の共闘候補として、これまで彼が考慮の対象であったことはない。

半年ほど前のこと、ある集会後の懇親会の席上、都レベルでの野党共闘と統一候補擁立に努力をされている方から、意見を聞かれたことがある。「宇都宮さんは、野党共闘からの要請がなくても、立候補したいんだろうか?」「私は彼の動静についてはまったく知りません。それでも、出たいんだろうと推測はしています」「それが困るんだ。共闘の立場から出したい人を説得して決意させることはなかなか難しい。宇都宮さんに先に手を挙げられると、余計に困難になる。何とかならないでしょうかね」

なんともならないうちに、憂慮が現実となった。5月27日記者会見で、彼は記者の質問に答えてこう発言したそうである。

 「私が立候補(表明)するまでに政党との関係はないし、今まで政党に支援要請はしていない」「今回は、どういう候補が出てきても降りるつもりはない」「それ(山本氏が出馬しても立候補を断念しないこと)は、もう当然。(宇都宮氏以外の候補者で)野党共闘ができても、降りないわけだから」(括弧内は、J-CASTの記者による)

むくつけなまでの野党共闘拒否の宣言である。もちろん、そのような考え方があってもよかろう。しかし、誠実に社会進歩を望む人の発言ではない。日本の首都の首長選挙である。市民や野党間の共闘あっての候補者でなければならない。市民と野党の共闘が先行して、一致して「出したい人」が候補者として擁立されねばならない。「出たい人」に引き摺られての形だけの共闘は無意味である。今後への弊害が大きい。

問題は、野党の対応である。何より注目されるのは共産党の姿勢。本日(5月29日)の赤旗が、志位和夫委員長の以下の発言を報じている。

昨日(27日)の宇都宮さんの会見を拝見しましたが、基本的な政治姿勢、基本政策は私たちと共有できると思います。日本共産党として宇都宮さんの出馬表明を歓迎します。今後のたたかいについては、よく話し合っていきたい」と語りました。
志位氏はまた「この間、野党の党首間では、都知事選挙で統一候補を立ててたたかうことを何度も合意しています。わが党としては野党共闘でたたかう体制をつくるために努力したい」と語りました。

その見出しが、「東京都知事選で志位委員長 宇都宮氏の出馬表明を歓迎 野党共闘の体制づくりへ努力」というもの。まことに思慮に欠けた発言と指摘しなければならない。

《野党共闘拒否宣言の宇都宮出馬表明歓迎》と《野党共闘の体制づくりへ努力》が、両立するわけはない。これでは、共産党が、野党共闘を壊しているとの批判を避けがたい。

問題は、それだけではない。市民運動としての「呼びかけ人会議」に対する背信行為というべきだろう。「市民と野党の共闘の実現」を目指す活動は、有力野党の共産党の特定候補者評価できわめて難しくなる。共闘を否定しての宇都宮健児出馬表明がフライングであり、これを容認するかのごとき志位和夫発言もフライングというほかはない。

本来、共産党はこう言うべきだった。「呼びかけ人会議のお骨折りによる候補者選定の成果を待ちたい」「白紙の立場で野党共闘による候補者擁立の努力を重ねたい」「宇都宮候補への評価は、今は控えたい」

私は、水面下の動きは知らない。まさか、とは思うが、同会議が宇都宮健児の推薦をするようなことになれば、だまし討ちに等しい。さまざまな憶測を呼ぶことになるだろう。私も、「呼びかけ人会議」の呼びかけ人の一人だが、そのときは即刻下りることにしよう。

「れいわ新選組のポスター貼らせてください」と言われて。

夕刻に近い時刻にチャイムが鳴った。はて何の配達かと扉を開けると、玄関前に見慣れぬ女性お一人と自転車が一台。

臆するところなく、「れいわ新選組の活動をしているボランティアです。ポスターを貼らせていただけませんか」とおっしゃる。凛としたその口調は、正しいことをしているという自信に満ちている。言外に、「当然貼らせていただけますよね」という響きがある。立派なものだ。私にはこういう振る舞いはできない。

2週間ほど前にも、れいわ新選組の若者の訪問があった。あのときは男女3人組だったが、今回はお一人。礼儀正しく、不愉快な若者たちではない。前回と同様のことを申しあげて結局はお引き取りいただいた。

 「山本太郎さんに不快感は持っていませんが、『れいわ新選組』というネーミングに、たいへん違和感をもっています。このネーミングが最悪。とうてい真面目な活動をしていこうという政治団体の名前ではない」

「えっ? どうしてですか」

「まずは『令和』。これが最低で最悪。国民主権尊重のセンスがあれば『令和』を党名に付けるはずがない。押し付けられて渋々使うならともかく、積極的にこんな名前を選ぶのは、天皇制におもねる保守政党宣言としか考えられない」「そういえば、山本太郎さんは、天皇への直訴をしようとして話題になったよね。ああいうセンスには、到底付いていけない」

「うーん、そうですかね」

「『新選組』もいただけない。これは幕末の右翼テロ集団でしょう。ふざけたネーミングとしか思えない」

「見方によっては、そういう風にも言えるんでしょうかね」

「えっ? そうでない見方もできるの?」

「歴史の見方は、いろいろだと思いますが」

「私には、『令和・新選組』という組み合わせは、親天皇制のアナクロニズムで、しかも狂信的なテロ集団というイメージ」「ふざけたネーミングとしか思えない。もっと真面目にやっていただきたい」「そういう意見があったと、お仲間にお伝えください」

「分かりました」

「でも、自民党や公明党、維新なんかよりはずっとマシだと思っていますよ。消費税はなくして、税金は大企業や金持ちから取ればよいという主張には大賛成ですし、障がいのある方を議会に送り込んだのも評価できる。もし、7月の都知事選に山本太郎さんが野党統一候補として出馬することになるなら、応援しますよ」

「そうですか。そうなればよろしくお願いします」

ともかく、対話は成立した。

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1年以上も前のことだが、東京2区で立候補を予定している立憲民主党の松尾明弘の運動員が来たことがある。やはり、ポスターを貼らせてくれという戸別訪問。こちらはボランティアではなく、事務所の雇われ人の男性だった。若者とはいいがたい齢の人柄良さそうな方。

かなりの時間対応した覚えがある。「ダメだよ。立憲民主党には違和感ないけど、松尾明弘だけは絶対にダメ」「彼は隠れ改憲派じゃないか」「主要紙の候補者アンケートに、堂々と改憲賛成・9条改憲賛成と言っている。原発再稼働にも賛成だ」「自民党並みか、それ以下だ」「こんな候補者を野党の共闘候補として推せるわけがない」「この人には、切実に訴えるものがない。なぜ、選挙に出たいのか、さっぱり理解できない」

私一人がしゃべって、対話にはならなかった。

この人に関しては、過去何度か当ブログに取りあげている。詳しくは、下記URLを参照いただきたい。

市民と野党の共闘候補に「隠れ改憲派」はふさわしくない。
http://article9.jp/wordpress/?p=9523

「隠れ改憲派」松尾明弘は、野党共闘候補としてふさわしくない。

「隠れ改憲派」松尾明弘は、野党共闘候補としてふさわしくない。

もちろん、松尾は、堂々と9条改憲の持論を述べればよい。改憲論者であることは、罪でも恥でもない。しかし、有権者を誤解させることは、罪が深い。改憲論者が立憲民主党から立候補し、あまつさえ野党共闘候補者となって、9条改憲反対の善男善女の票を掠めとろうとすることが怪しからんのだ。

念のため、松尾明弘の政策をネットで検索してみた。この人、自分の政策を練り直す情熱は持ち合わせていないようだ。うすうすの政策羅列の第8項に次のように記載されている。
https://www.matsuoakihiro.jp/message/

8. 憲法 ~憲法を尊重し、21世紀の日本にふさわしい憲法について広く議論を進めます。
・「憲法によって権力の濫用を防止する」という立憲主義の理念を守ります。
・従前の司法手続きで解決できない憲法上の問題(自衛権、解散権、1票の格差等)について、国民とともに積極的に議論します。

「平和憲法を守ります」も、「護憲」も、「改憲阻止」も、「安倍9条改憲阻止」もない。「9条死守」とまでは言わずとも、「安倍改憲反対」くらいは言うべきだろうが、それすらないのだ。あるのは、「21世紀の日本にふさわしい憲法について広く議論を進めます」なのだ。これは改憲派のメッセージである。現行の日本国憲法が「21世紀の日本にふさわしい憲法」ではないと宣言しているに等しい。

「従前の司法手続きで解決できない憲法上の問題(自衛権、解散権、1票の格差等)について、国民とともに積極的に議論します。」とは、現行憲法では、「自衛権、解散権、1票の格差等について解決できないから、積極的に改憲議論を開始します」という宣言にほかならない。

ホスターをはさんで、至るところで意見交換が盛り上がることを期待したい。
(2020年2月12日)

「法と民主主義」特集《市民と立憲野党の13の共通政策・私たち法律家の闘い》のお勧め

「法と民主主義」2019年8/9月合併号【541号】が好評発売中である。
https://www.jdla.jp/houmin/index.html

特集の総合タイトルが、参院選2019と法律家の課題」というもの。その目玉が、市民と立憲野党の13の共通政策・私たち法律家の闘い」という企画。

リードの一部を紹介しておきたい。

 「…『市民と立憲野党の13の共通政策・私たち法律家の闘い』は、市民連合呼びかけ人である広渡清吾氏のほか13名の論者に執筆頂いた論考である。
 19参院選は、安倍政治に終止符を打つべく、安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合と立憲野党四党一会派による13項目の共通政策についての合意が実現する中でたたかわれた。
 改憲問題対策法律家6団体連絡会は、この政策合意が挙げる13項目の分野の第一線で活動する法律家に呼びかけて、それぞれの立場から、この政策合意の項目に賛同し、安倍政治からの転換を目指す立憲野党会派を支持する記者会見を参院選前7月1日に行った。
 法律家たちは、
①安倍政治によっていかに国民生活が疲弊し、軍事大国化が進み、民主主義と人権が危機に晒されているか、
②憲法の諸価値が壊されることに対して、それぞれの課題について市民運動がいかに粘り強く奮闘しているか、
③安倍政治のもとでそれぞれの課題を実現することは困難を極めており、草の根の市民運動とそのたたかいは、安倍政治に代わる、憲法の諸価値を実現する新たな政治をどれほど求めているか
を豊かに語った。
 本特集では、この記者会見で報告頂いた法律家の皆さんに、改めて論考を執筆頂き、『市民と立憲野党の13の共通政策・私たち法律家の闘い』として構成した」

 昨日(9月30日)が、「法と民主主義」編集会議。【541号】の総括について真っ先に出た意見が、「『参院選2019と法律家の課題』というタイトルの付け方が間違っていたのではないか」というもの。『法律家の課題』ではなく、「市民の課題」とすべきではかったか。このタイトルでは、あたかも法律家の、その専門分野だけの課題の特集のごとくではないか。むしろ、その内容は、市民に読んでもらいたいという法律家からの呼びかけではないか。
なるほど、まったくそのとおりだ。本特集は、『市民と立憲野党の13の共通政策』の各課題を法律家の視点から受けとめて掘り下げたものだが、法律家は市民の一部に過ぎない。法律分野で完結する問題など一つもありはしない。市民に呼びかけ、市民と連携することでしか、政策課題の実現はあり得ない。
 多くの市民にこれをお読みいただくとともに、各分野で,各課題への具体的取り組みを進めていただきたい。そんな思いでの、購読のお薦めである。

それに、今号は増ページで定価は据え置き。いつもよりは、多少のお買い得感がある。

「法と民主主義」(略称「法民」)は、日民協の活動の基幹となる月刊の法律雑誌です(2/3月号と8/9月号は合併号なので発行は年10回)。毎月、編集委員会を開き、全て会員の手で作っています。憲法、原発、司法、天皇制など、情勢に即応したテーマで、法理論と法律家運動の実践を結合した内容を発信し、法律家だけでなく、広くジャーナリストや市民の方々からもご好評をいただいています。定期購読も、1冊からのご購入も、下記URLから可能です(1冊1000円)

https://www.jdla.jp/houmin/form.html

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法と民主主義2019年8/9月合併号【541号】(目次と記事)

特集●参院選2019と法律家の課題

◆特集企画にあたって … 編集委員会・南 典男
■特別報告●参院選の結果と安倍改憲をめぐる新たな情勢・課題
── 日民協第58回定時総会記念講演より … 渡辺治
■市民と立憲野党の13の共通政策・私たち法律家の闘い
◆新しい政治の旗印 ─ 市民連合と立憲野党の共通政策を発展させる … 広渡清吾
◆立憲野党会派の政策合意と改憲・軍拡反対の法律家共同 … 大江京子
◆「戦争法」の違憲性、歴史への冒涜を問う ─ 安保法制違憲訴訟 … 杉浦ひとみ
◆いまこそ共謀罪の廃止を展望する … 海渡雄一
◆沖縄・辺野古新基地建設問題 … 稲 正樹
◆「共通政策」第5項目の評価と注文
─ 朝鮮半島の平和と非核化、北朝鮮との国交正常化等のために… 大久保賢一
◆「原発ゼロ基本法案」の審議・成立を! … 海部幸造
◆日本で働くすべての労働者が安心して公平に働ける労働法制の実現を…棗一郎
◆消費税の増税中止と税制の公平化 … 浦野広明
◆教育政策の真ん中に子どもの人格的成長を … 小林善亮
◆貧困・社会保障─生活実態を踏まえ、希望の持てる共通政策の発展を…加藤健次
◆ジェンダー平等の確立に向けて
─ 法律家及び法律家運動に求められること… 角田由紀子
◆公文書にまつわる疑惑の徹底究明と透明で公平な行政の実現 … 右崎正博
◆報道の自由と改革の課題 … 田島泰彦

◆特別寄稿●冤罪防止と再審請求を実現するため
── 三鷹事件の再審請求棄却決定から考える── … 高見澤昭治
◆司法をめぐる動き
・「法科大学院関連法」の成立について … 戒能通厚
・7/8月の動き … 司法制度委員会
◆メディアウオッチ2019●《「言論の自由」の責任》
韓国叩き、トリエンナーレ…、その背景
「改憲情勢」は時代の風潮なのか … 丸山重威
◆あなたとランチを〈№48〉
上田誠吉を仰ぎ見て … ランチメイト・泉澤章先生×佐藤むつみ
◆BOOK REVIEW●『国家機密と良心』(ダニエル・エルズバーグ著)を創った … 梓澤和幸
◆BOOK REVIEW●自著『「核の時代」と憲法9条』を語る … 大久保賢一
◆改憲動向レポート〈№17〉
父の墓前で改憲を誓う安倍首相 … 飯島滋明
◆ひろば●50回目を迎える「司法制度研究集会」を成功させよう! … 大山勇一
◆時評●消費税の呪縛を解く … 浦野広明
(2019年10月1日)

野党間の選挙共闘は難しい。

先日、日民協総会の折に、滋賀の玉木昌美弁護士と話をする機会があった。そのときに、参院選での滋賀の野党共闘の成立経過における興味深い事情を伺った。参院選の野党共闘候補となったのは、元滋賀県知事の嘉田由紀子さん。前回衆院選では、相当にぶれた印象のある方。難しい野党共闘を,市民主導で粘り強く作りあげたというやや微妙な教訓。ほぼ同じ内容が「自由法曹団通信」に投稿されたので、投稿内容をかいつまんでご紹介したい。

 参議院選挙で滋賀選挙区では、野党共闘の嘉田由紀子さんが自民党の現職 二之湯武史氏を破り、初当選した。この当選は、野党四党の比例得票合計の1.64倍、共闘効果が大きく現れたといえる。圧倒的自民党有利のもと、無党派層に浸透し、保守からも一定の支持を集めたものといえる。

 滋賀の場合、文字通り市民と野党の共闘を実践し、それが結果を出した。前回の衆議院選挙で希望の党にすりより、野党共闘に敵対した嘉田さんを候補者にすることには異論もあった。しか し、その政治姿勢について「市民の会しが」は嘉田さんに政治姿勢を正す文書を提出し、そのブレインや本人と真剣な協議をした。6月8日、《市民と野党の共闘で参院選に勝利し、安倍政治を終わらせる滋賀県民集会》を開催したが、野党統一候補になった嘉田さんは、「前回の希望の党にすり寄った点等について政治的に未熟であったこと、間違っていたこと」を謝罪し、安倍九条改憲反対等市民の願い、野党の共通政策を実現すべく奮闘する決意を述べた。

 選挙は、連合と国民民主が合同選対を作り、野党共闘を強く打ち出すことや共産党と一緒に活動することに躊躇を示し、当初盛り上がりにかける点かあった。「市民の会しが」や「市民アクション滋賀」は、野党を勢ぞろいさせる街頭宣伝や集会を企画し、選挙直前も選挙期間中も展開した。労働戦線をめぐる路線の対立が激しかった者同士がその障害を乗り越え、一緒にマイクを握り、野党統一の嘉田支持を訴えたという麗しい事例も生まれた。前回の反省と野党共闘の候補者である点は、支持拡大において出された喜田さんに対する不信感を次第に克服するに至った。

 今回の滋賀の野党共闘の勝利には、これまでの運動の積み重ねがある。「市民の会しが」は、改憲、原発だけでなく幅広いテーマで市民フォーラムを再三開催して議論し、野党共闘の政策課題を深める作業をしてきた。滋賀において四野党の九項目の共通政策が作成できたのも、前回の参議院選挙以来、市民が野党と一緒になって県民集会や街頭宣伝を取り祖んできたうえの信頼関係があったからである。…

 なるほど、「言うは易く行うは難い」ことを実践しているわけだ。翻って、我が東京2区の次の総選挙候補者選定は難しい。今表立って候補者として運動をしているのは、立憲民主党の松尾明弘ただ一人。私が「隠れ改憲派」と異名を献呈している人。もちろん、どこの党からの出馬も自由だが、野党共闘の候補者として,まったくふさわしからぬ人。どんな人かは、下記のURLを参照願いたい。

「隠れ改憲派」松尾明弘は、野党共闘候補としてふさわしくない。
(2019年6月18日)
http://article9.jp/wordpress/?p=12811

その一部を再掲する。

「平成から令和の時代に変わりました。
新しい時代に、日本は新しく変わっていかなければならないと誰もが思っています。
しかし残念ながら、政治の世界にだけは、何としても今まで通りの形で変えずに行きたい、問題解決を先送りにしたい、と頑張っている人たちがまだまだたくさんいます。
自分たちの世代で、世界に誇れる新しい日本の形を作り上げていく。
それこそが、自分の子供、孫の世代に対する、最大の責任の果たし方であると考えています。だからこそ私は、批判にさらされ、休みもなく、不安定であることを承知のうえで、国政にチャレンジします。
まっとうな政治を実現し、停滞する日本の政治を前に進めていくために、私はもう一度政権交代することを目指します。」

この松尾の訴え。なんと無内容な、なんと愚かな、人の心に響かない、切実さのない、わけの分からない言葉の羅列。憲法も人権も差別も貧困も格差も出てこない、みごとなまでの無内容。

「平成から令和の時代に変わりました」って、ものを考えない人の決まり文句。この人、企業法務をやっている弁護士のようだが、すべて元号表記なのが驚き。若いのに、もともとが保守の心情が染みついているのだ。

この人のキャッチコピーなのか、「自由を守り、みんなが一緒に暮らせる国へ」という標語が見える。「自由を守り」とはなんだ。誰のどんな自由なのか、最低限明らかにしなければ意味がない。企業の飽くなき利潤追求の自由、解雇の自由、ヘイトスピーチの自由、国家の武装の自由、先制攻撃の自由…なのかも知れない。自由を脅かしているものの特定も、それへの闘いの宣言もない。まったくの空理空論、かる~い言葉が心細げに踊っているだけ。

私が松尾あきひろを批判するのは、野党共闘候補にふさわしくない、ということだ。2度と、地元でこんな候補を担ぎたくはない。

こんな候補者でも、滋賀のように、「その政治姿勢について『市民の会』から政治姿勢を正す文書を提出し、そのブレインや本人と真剣な協議を重ね、《東京2区市民集会》で、前回総選挙の際の『9条改憲賛成』や『原発再稼働賛成』等について、『決定的に政治的に未熟で間違っていた』と謝罪し、安倍9条改憲反対等市民の願い、野党の共通政策を実現すべく奮闘する決意を述べれば、共闘候補としての擁立はあり得るだろうか。総選挙まで、モヤモヤは晴れそうにない。
(2019年9月21日)

「隠れ改憲派」松尾明弘は、野党共闘候補としてふさわしくない。

本日、「松尾あきひろ後援会」から、立派な封書が届いた。内容は、「松尾あきひろ君を励ます会」開催のお知らせである。併せてこの人の宣伝チラシが入っている。どうして、私のようなものに、案内が来るのだろう。ややいぶかしい。

松尾明弘とは、立憲民主党の「東京都第2区総支部長」で、前回総選挙に2区から立候補して落選した人物。次回総選挙にも、出馬の意欲十分のようだ。それ故の「励ます会」なのだろう。

この人、前回総選挙では、結果的に、地元2区の野党共闘候補となった人。私も、恥ずかしながら、この人のことをよく知らないまま、「野党共闘候補」というだけで応援し、電話での票読みまでした。今は、後悔の極みである。

「出たい人より出したい人」とは、よくできた言葉。定めし、松尾明弘は「出たい人」の典型だろう。本気で、この人を「出したい」という人を見たことはない。

この人、弁護士だというが、弁護士として取り組んだ人権問題や民主的課題の売りは一切ない。なぜ弁護士を志したか、なぜ政治家を志しているのか。語るべきものをもたないのだ。

私は、以前何度かこの人を批判するブログを書いた。一番まとまっているのは、(2017年11月27日)の下記の記事。

市民と野党の共闘候補に「隠れ改憲派」はふさわしくない。
http://article9.jp/wordpress/?p=9523

私は、松尾を「隠れ改憲派」と考えている。その理由は、上記URLに詳しい。松尾は、堂々と9条改憲の持論を述べればよい。改憲論者であることは、罪でも恥でもない。しかし、有権者を誤解させることは、罪深い。改憲論者が立憲民主党から立候補し、あまつさえ野党共闘候補者となって、9条改憲反対の善男善女の票を掠めとろうとすることが問題なのだ。

下記の地元活動家の松尾評が、あまりにみごとなので、もう一度引用させていただく。私もまったく同感だからだ。

朝日新聞の候補者アンケート(10月14日)に対して、共闘候補の松尾明弘氏は、「憲法改正に『どちらかと言えば賛成』」、「防衛力強化に『賛成』」と答えています。ここまでは、東京新聞アンケートからすれば想定の範囲内でした。しかし「原発再稼働に『賛成』」には驚き(辻自民党候補、鳩山希望の党両候補は「どちらとも言えない」)、先制攻撃論に「どちらかと言えば賛成」にはぶっ飛びました。こんな回答をする立憲民主の候補はもちろん他に一人もいません。松尾候補は、希望のなかに入ってもかなり「右」ということになります。自民党候補ですらだれでも「先制攻撃に賛成」しているわけではありません。

新聞アンケートの回答について「政治家として未熟」という意見がありましたが、そんな次元の問題ではなく、これは松尾氏の国防に関する「信念」なのではないかと考えます。防衛力を強化し、先制攻撃までできるようにするには、日本は建前では防衛用の兵器しかもっていないので、今後は攻撃用の武力も整備することになります。「非核三原則堅持」(辻も同じ)とはいうものの、北朝鮮の核に対抗し、プルトニウムもあり余っているのだから、日本も核武装しようという道筋になるのではないかと思われます。

選挙期間中に不特定多数の文京・台東・中央・港の有権者に松尾候補を推薦したわたくし自身の責任を大いに感じています。

松尾氏が次回も立候補するというご意向なら、立憲や希望ではなく、自民党から立候補すべきだと思います。

松尾明弘の前回選挙におけるホームページには、「護憲」の2文字はなかった。「改憲阻止」も、「憲法理念の実現」もなかった。安倍改憲阻止が最大の政治課題となっているときに、これに触れるところがなかったのだ。

そして、本日(6月18日)届けられたカラーのチラシにも、憲法のケの字もない。このままそっくり、自民党の候補者のチラシに使えそうである。

このチラシに、「松尾あきひろ決意表明」が掲載されている。その全文が以下のとおりである。

平成から令和の時代に変わりました。
新しい時代に、日本は新しく変わっていかなければならないと誰もが思っています。
しかし残念ながら、政治の世界にだけは、何としても今まで通りの形で変えずに行きたい、問題解決を先送りにしたい、と頑張っている人たちがまだまだたくさんいます。
自分たちの世代で、世界に誇れる新しい日本の形を作り上げていく。
それこそが、自分の子供、孫の世代に対する、最大の責任の果たし方であると考えています。だからこそ私は、批判にさらされ、休みもなく、不安定であることを承知のうえで、国政にチャレンジします。
まっとうな政治を実現し、停滞する日本の政治を前に進めていくために、私はもう一度政権交代することを目指します。

なんと無内容な、なんと愚かな、人の心に響かない、切実さのない、わけの分からない言葉の羅列。憲法も人権も差別も貧困も格差も出てこない、みごとなまでの無内容。

「平成から令和の時代に変わりました」って、ものを考えない人の決まり文句。この人、企業法務をやっている弁護士のようだが、すべて元号表記なのが驚き。若いのに、もともとが保守の心情が染みついているのだ。

この人のキャッチコピーなのか、自由を守り、みんなが一緒に暮らせる国へ」という標語が見える。「自由を守り」とはなんだ。誰のどんな自由なのか、最低限明らかにしなければ意味がない。企業の飽くなき利潤追求の自由、解雇の自由、ヘイトスピーチの自由、国家の武装の自由、先制攻撃の自由…なのかも知れない。自由を脅かしているものの特定も、それへの闘いの宣言もない。まったくの空理空論、かる~い言葉が心細げに踊っているだけ。

私が松尾あきひろを批判するのは、野党共闘候補にふさわしくない、ということだ。2度と、地元でこんな候補を担ぎたくはない。

もう一度、この度の参院戦一人区での市民と野党の共通政策を確認しておこう。13項目のうち、最初の6項目だけを挙げておく。

1 安倍政権が進めようとしている憲法「改定」とりわけ第9条「改定」に反対し、改憲発議そのものをさせないために全力を尽くすこと。
2 安保法制、共謀罪法など安倍政権が成立させた立憲主義に反する諸法律を廃止すること。
3 膨張する防衛予算、防衛装備について憲法9条の理念に照らして精査し、国民生活の安全という観点から他の政策の財源に振り向けること。
4 沖縄県名護市辺野古における新基地建設を直ちに中止し、環境の回復を行うこと。さらに、普天間基地の早期返還を実現し、撤去を進めること。日米地位協定を改定し、沖縄県民の人権を守ること。また、国の補助金を使った沖縄県下の自治体に対する操作、分断を止めること。
5 東アジアにおける平和の創出と非核化の推進のために努力し、日朝平壌宣言に基づき北朝鮮との国交正常化、拉致問題解決、核・ミサイル開発阻止向けた対話を再開すること。
6 福島第一原発事故の検証や、実効性のある避難計画の策定、地元合意などのないままの原発再稼働を認めず、再生可能エネルギーを中心とした新しいエネルギー政策の確立と地域社会再生により、原発ゼロ実現を目指すこと。

松尾明弘は、遠くこの水準に達していない。仮に、立憲民主党の2区候補者となることはあり得ても、野党共闘候補としてはならない。東京2区の地域で、改憲阻止の立場に立つ多くの人に、訴えたい。無原則な野党共闘は、松尾のような「隠れ改憲派」を候補者にしかねない。それは、護憲運動に大きな負の遺産をもたらす危険な事態だ。

野党共闘の候補者は、「13項目の共通政策」を実行するにふさわしい人。そのように確認をお願いしたい。
(2019年6月18日)

みなさま。今度の参院選は、憲法「改正」を阻止するための重要な選挙です。

ご近所のみなさま、ご通行中の皆さま。こちらは、本郷湯島九条の会です。
私は、本郷5丁目の弁護士ですが、日本国憲法とその理念をこよなく大切なものと考え、いま、憲法の改悪を阻止し、憲法の理念を政治や社会に活かすことがとても大切との思いから、志を同じくする地域の方々と、九条の会をつくって、ささやかながら憲法を大切しようという運動を続けています。

会は、毎月第2火曜日の昼休み時間を定例の街頭宣伝活動の日と定めて、ここ本郷三丁目交差点「かねやす」前で、改憲阻止と憲法理念の実現を訴えて参りました。とりわけアベ政権の、憲法をないがしろにする姿勢を厳しく糾弾しつづけてまいりました。

さて、みなさま。今通常国会は、6月26日で閉会となります。会期の延長はなく、総選挙との同日選もない模様。7月4日に参院選の公示となり、21日投開票の見通しです。
この参院選挙の争点はなんでしょうか。真正面から、「憲法改正の是非を問う選挙」と言って差し支えないと思います。そのため、大切な選挙戦となって

安倍晋三という政治家がいます。歴史修正主義者で、政治の私物化に余念のない人物。こんな男を、内閣総理大臣にしているのが、今の時代の空気なのです。総理大臣と言えば、行政のトップで、憲法を遵守し擁護すべき義務を負う立場。にもかかわらず、彼は、日本国憲法が大嫌い。改憲に執念を燃やしています。本当は全面的に憲法を変えたいのだけれど、それは到底無理だから、手はじめにせめて4項目だけを変えたい。これが、彼の改憲論です。4項目の筆頭には、「9条改正」が掲げられています。9条1項と2項をそのまま残すと言いながら、これを死文化させるのが、「アベ流9条改憲論」にほかなりません。

彼の改憲論は、自民党の参院選選挙公約の6本の柱の中に、しっかりと書き込まれました。この自民と、これを支持する公明・維新の3党が、改憲派です。

公明・維新以外の野党が、改憲阻止勢力。全国に32ある参院選挙一人区のすべてで、立憲主義を大切しようという野党が、市民連合を仲介者として、13項目の共通政策をもって候補者調整をすることに合意しました。その13項目の筆頭が、「改憲を許さない、国会での改憲の発議を許さない」という改憲阻止の政策です。

こうして、「改憲派3党」対「改憲阻止の野党共闘」という構図ができあがり、改憲をめぐっての選挙戦が始まろうとしています。

もちろん、選挙の争点はけっして改憲の是非にとどまるものではありません。しかし、ほとんどの具体的な政策の対立は改憲の是非に重なり、改憲問題に収斂すると言って過言ではありません。

たとえば、沖縄・米軍辺野古新基地建設強行問題。あるいは1機100億円を超すF35を105機も購入するというバカげた予算の使い方。どちらも結局は、9条の平和主義と武力による安全保障という基本的な立場のせめぎ合いではありませんか。

またたとえば、消費税10%への増税の可否。庶民に優しい税制なのか、金持ち優遇の税制を進めるのか。憲法25条が定める福祉の理念を進めるのか退歩させるのかの問題にほかなりません。

原発再稼働反対。最低賃金を全国一律で、時間給1500円に。選択的夫婦別姓の実現。いずれも、憲法の理念からは当然の政策です。

みなさま。日本国憲法とは、人権の尊重・民主主義の徹底、平和と国際協調を唱った法体系です。今必要なのはその改正ではなく、憲法に盛りこまれている豊かな理念を現実のものとする努力ではないでしょうか。

7月の参院選は、憲法の命運にとっての大切な選挙です。平和を望むみなさま。人権や民主主義を大切に思うみなさま。労働条件の改善や、子育ての環境の充実、障がい者やお年寄りに優しい、手厚い福祉社会の実現を希望するみなさま。ぜひ、自民・公明・維新の改憲勢力にではなく、共通政策を掲げる野党共闘の陣営をご支援いただきたいのです。

今、お配りしているビラの裏面に、野党の共通政策13項目を記載しています。ぜひとも、お読みください。よろしくお願いします。

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1 安倍政権が進めようとしている憲法「改定」とりわけ第9条「改定」に反対し、改憲発議そのものをさせないために全力を尽くすこと。

2 安保法制、共謀罪法など安倍政権が成立させた立憲主義に反する諸法律を廃止すること。

3 膨張する防衛予算、防衛装備について憲法9条の理念に照らして精査し、国民生活の安全という観点から他の政策の財源に振り向けること。

4 沖縄県名護市辺野古における新基地建設を直ちに中止し、環境の回復を行うこと。さらに、普天間基地の早期返還を実現し、撤去を進めること。日米地位協定を改定し、沖縄県民の人権を守ること。また、国の補助金を使った沖縄県下の自治体に対する操作、分断を止めること。

5 東アジアにおける平和の創出と非核化の推進のために努力し、日朝平壌宣言に基づき北朝鮮との国交正常化、拉致問題解決、核・ミサイル開発阻止向けた対話を再開すること。

6 福島第一原発事故の検証や、実効性のある避難計画の策定、地元合意などのないままの原発再稼働を認めず、再生可能エネルギーを中心とした新しいエネルギー政策の確立と地域社会再生により、原発ゼロ実現を目指すこと。

7 毎月勤労統計調査の虚偽など、行政における情報の操作、捏造の全体像を究明するとともに、高度プロフェッショナル制度など虚偽のデータに基づいて作られた法律を廃止すること。

8 2019年10月に予定されている消費税率引き上げを中止し、所得、資産、法人の各分野における総合的な税制の公平化を図ること。

9 この国のすべての子ども、若者が、健やかに育ち、学び、働くことを可能とするための保育、教育、雇用に関する予算を飛躍的に拡充すること。

10 地域間の大きな格差を是正しつつ最低賃金「1500円」を目指し、8時間働けば暮らせる働くルールを実現し、生活を底上げする経済、社会保障政策を確立し、貧困・格差を解消すること。また、これから家族を形成しようとする若い人々が安心して生活できるように公営住宅を拡充すること。

11 LGBTsに対する差別解消施策、女性に対する雇用差別や賃金格差を撤廃し、選択的夫婦別姓や議員間男女同数化(パリテ)を実現すること。

12 森友学園・加計学園及び南スーダン日報隠蔽の疑惑を徹底究明し、透明性が高く公平な行政を確立すること。幹部公務員の人事に対する内閣の関与の仕方を点検し、内閣人事局の在り方を再検討すること。

13 国民の知る権利を確保するという観点から、報道の自由を徹底するため、放送事業者の監督を総務省から切り離し、独立行政委員会で行う新たな放送法制を構築すること。

(2019年6月11日)

参院選野党共闘態勢成立を歓迎 ー 「政策協定」と一人区の統一候補擁立

間近に迫った参院選の野党共闘態勢が成立した。けっして、確固たるものとは言い難く、安心して見ていられるものでもないが、ようやく形ができ上がったたことを歓迎したい。あとは、この形にどう魂を吹き込むかが課題となる。

昨日(5月29日)、市民連合と5野党・会派が「共通政策」に合意した。形式は、市民連合の要望13項目に、5野党・1会派の代表が、「上記要望を受け止め、参議院選挙勝利に向けて、ともに全力で闘います」として、署名したものである。まずは、この内容に目を通していただきたい。

市民連合の要望書
来る参議院選挙において、以下の政策を掲げ、その実現に努めるよう要望します。

だれもが自分らしく暮らせる明日へ
1 安倍政権が進めようとしている憲法「改定」とりわけ第9条「改定」に反対し、改憲発議そのものをさせないために全力を尽くすこと。
2 安保法制、共謀罪法など安倍政権が成立させた立憲主義に反する諸法律を廃止すること。
3 膨張する防衛予算、防衛装備について憲法9条の理念に照らして精査し、国民生活の安全という観点から他の政策の財源に振り向けること。
4 沖縄県名護市辺野古における新基地建設を直ちに中止し、環境の回復を行うこと。さらに、普天間基地の早期返還を実現し、撤去を進めること。日米地位協定を改定し、沖縄県民の人権を守ること。また、国の補助金を使った沖縄県下の自治体に対する操作、分断を止めること。
5 東アジアにおける平和の創出と非核化の推進のために努力し、日朝平壌宣言に基づき北朝鮮との国交正常化、拉致問題解決、核・ミサイル開発阻止に向けた対話を再開すること。
6 福島第一原発事故の検証や、実効性のある避難計画の策定、地元合意などのないままの原発再稼働を認めず、再生可能エネルギーを中心とした新しいエネルギー政策の確立と地域社会再生により、原発ゼロ実現を目指すこと。
7 毎月勤労統計調査の虚偽など、行政における情報の操作、捏造(ねつぞう)の全体像を究明するとともに、高度プロフェッショナル制度など虚偽のデータに基づいて作られた法律を廃止すること。
8 2019年10月に予定されている消費税率引き上げを中止し、所得、資産、法人の各分野における総合的な税制の公平化を図ること。
9 この国のすべての子ども、若者が、健やかに育ち、学び、働くことを可能とするための保育、教育、雇用に関する予算を飛躍的に拡充すること。
10 地域間の大きな格差を是正しつつ最低賃金「1500円」を目指し、8時間働けば暮らせる働くルールを実現し、生活を底上げする経済、社会保障政策を確立し、貧困・格差を解消すること。また、これから家族を形成しようとする若い人々が安心して生活できるように公営住宅を拡充すること。
11 LGBTsに対する差別解消施策、女性に対する雇用差別や賃金格差を撤廃し、選択的夫婦別姓や議員間男女同数化(パリテ)を実現すること。
12 森友学園・加計学園及び南スーダン日報隠蔽(いんぺい)の疑惑を徹底究明し、透明性が高く公平な行政を確立すること。幹部公務員の人事に対する内閣の関与の仕方を点検し、内閣人事局の在り方を再検討すること。
13 国民の知る権利を確保するという観点から、報道の自由を徹底するため、放送事業者の監督を総務省から切り離し、独立行政委員会で行う新たな放送法制を構築すること。
                                                        2019年5月29日
 私たちは、以上の政策実現のために、参議院選挙での野党勝利に向けて、各党とともに全力で闘います。
 安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合

上記要望を受け止め、参議院選挙勝利に向けて、ともに全力で闘います。
立憲民主党代表 枝野幸男
国民民主党代表 玉木雄一郎
日本共産党委員長 志位和夫
社会民主党党首 又市征治
社会保障を立て直す国民会議代表 野田佳彦

この政策協定を手放しで満点というつもりはない。しかし、ここまでの合意をまとめ上げた関係者の努力には敬意の表明を惜しまない。

なんと言っても、今回の参院選には、日本国憲法の命運がかかっている。「改憲阻止選挙」でなくてはならない。自公維の改憲勢力に、改憲阻止の野党共闘が対峙する構図がつくられなければならない。いま、その形ができたのだ。

「改憲阻止」「改憲発議阻止」「安保法制廃止」「防衛予算削減」「辺野古新基地建設中止」そして、「原発再稼働反対」「消費増税中止」がきちんとはいっている。

念のためテーマを羅列すれば、下記のとおり、アベ政治と対決する政策が網羅的に並んでいる。
「改憲阻止」「改憲発議阻止」「安保法制廃止」「共謀罪法制廃止」「防衛装備膨張見直し」「防衛予算削減」「辺野古新基地建設中止」「環境の回復」「普天間早期返還」「日米地位協定改定」「沖縄県民の人権を守れ」「国の沖縄県下自治体への地方自治権侵害をやめよ」「東アジアにおける平和の創出と非核化」「北朝鮮との国交正常化」「拉致問題解決」「核・ミサイル開発阻止に向けた対話を再開」「現状での原発再稼働を認めない」「再生エネルギーへの転換による原発ゼロ実現」「行政における情報の操作、捏造の究明」「関連法の廃止」「消費税率引き上げを中止」「総合的な税制の公平化」「保育、教育、雇用に関する予算の飛躍的拡充」「最低賃金1500円を目指す」「8時間働けば暮らせる働くルールの実現」「貧困・格差の解消」「公営住宅拡充」「LGBTsに対する差別解消施策」「女性に対する雇用差別賃金格差撤廃」「選択的夫婦別姓・議員間男女同数化(パリテ)実現」「森友学園・加計学園及び南スーダン日報隠蔽の疑惑を徹底究明」「透明・公正な行政の確立「内閣人事局の在り方を再検討」「放送事業者の監督を総務省から切り離し、独立行政委員会で行う新たな放送法制を構築する」。

この政策協定成立と同時に、新たに19の参院選1人区で野党統一候補を擁立することの合意もできた。これで、全国32ある参院選1人区のうち合計30選挙区で、野党統一候補を擁立することでの合意に至ったことになる。合意に至らずに残されたのは、国民と社民党が競合する鹿児島と、擁立作業が進んでいない宮崎の2県のみ。30選挙区の公認予定者の内訳は、無所属14、立憲7、国民民主5、共産3。なお、佐賀は国民が擁立作業中という。

もっとも、この文書の性格について全党が一致というわけではなさそうである。しかし、各党の代表者が、「上記要望を受け止め、参議院選挙勝利に向けて、ともに全力で闘います」との文言を承認して、署名をしたのだ。その上での各選挙区での候補者調整である。それだけの重みは否定し得ない。そもそも、政党間の政策協定とは、法的拘束力をもつ契約書ではない。政治的、道義的なものだ。後は、反アベ・反自公の改憲阻止勢力糾合を確かなものとする努力を積み上げていくしかない。

当然に、右派勢力はこれにケチをつけようとする。たとえば、産経。「参院選候補者一本化も野党はや不協和音」という見出しでの報道。

「野党党首らは会談後、野党共闘を支援する『安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合』の代表者らと国会内で会い、『憲法9条「改定」反対』など左派色の強い13項目にわたる政策要望書にサインした。

「共産党の志位和夫委員長はその後の記者会見で『市民と野党の共通政策として調印された。野党共闘の政策的な旗印が鮮明に翻った』と歓迎。要望書で示された政策を参院選の『共通公約』と位置づけた。」

これに対し、国民民主党の幹部は『要望書を受け取ったことを示すためにサインしただけだ。共通公約ではない』と真っ向から否定した。」

との記事。「国民民主党の幹部」とは、まさか玉木代表ではあるまい。「要望書を受け取ったことを示すためにサインしただけだ。」は、誓約文言の内容に照らして、明らかにおかしい。しかし、要は「真面目に共闘に参加せず、こんな後ろ向きなことを言っていれば置き去りにされる」と、「国民民主党の幹部」にも思わせるだけの空気を作れるか否かなのだ。

朝日の報道は前向きである。「立憲の枝野幸男代表は会談後、「候補者の一本化はスタートラインだ。地域事情に応じて、各党とも最大限の努力をする」。国民の玉木雄一郎代表も「応援態勢を一つにして当選につなげる」と述べ、野党間の協力態勢の構築が必要だとの認識を示した。」としている。

また、朝日は、「改選数1の1人区で、野党は6年前に2勝29敗と惨敗。全選挙区で候補者を一本化した3年前は11勝21敗と持ち直した。複数区のように与党と議席を分け合うことがないため、野党は「1人区の趨勢(すうせい)が参院選の勝敗に大きく影響する」(立憲の福山哲郎幹事長)と重視してきた。国民幹部は「前回の11勝が最低目標だ」と語る。」

さらに朝日は、「5月の連休明けを目指した一本化の決着は大幅にずれ込んだ。さらに6年前に大敗した影響で、野党の現職の立候補予定者は国民の1人のみ。野党内では『新顔は地域への浸透に時間がかかる。一本化は遅すぎた』(閣僚経験者)との懸念が出ている。」とも報じている。なるほどそうかも知れない。

日本国憲法の命運を決する選挙戦、ここからスタートである。
(2019年5月30日)

衆議院沖縄3区補選 革新側候補統一に ー 瑞慶山茂君の出馬撤回を評価する

今年(2019年)は亥年、統一地方選と参院選が重なる「選挙の年」。7月参院選が憲法の命運を決める重大な選挙で、今年の統一地方選は地方選独自の課題だけでなく、参院選の前哨戦としての意味も大きい。その統一地方選の前半戦(4月7日)の告示日が今日となり、いよいよ選挙イヤー始動である。

ところで、同じ重要性をもつ衆議院議員の補選が二つ(大阪12区・沖縄3区)ある。なかでも、玉城デニーの沖縄県知事選挙出馬によって空位となっている衆院沖縄3区補選の成り行きが注目される。4月9日告示で、投開票が1カ月後の4月21日。

前回(17年10月22日)総選挙の開票結果は下記のとおり。
当 玉城デニー 58 無所属    前 95,517票(57.9%)
次 比嘉奈津美 59 自民(公推薦)前 66,527票(40.3%)

今回の補選では、「オール沖縄」がフリージャーナリスト(元・琉球新報記者)の屋良朝博を擁立し、自民党が島尻安伊子(元沖縄担当相)を公認して公明・維新がこれを支える。改憲推進派と護憲派、基地推進勢力と基地反対勢力との一騎打ちとなる見通し、と報道されてきた。

しかし、選挙の争点は、基地問題だけではない。中央政権がチラつかせる経済振興策というエサに対する対応も大きな争点とならざるを得ない。デニー後継の屋良圧勝とは単純にならない。それに、島尻の評判はともかく知名度の高さは大きな武器である。新人屋良の知名度はけっして高くはない。要するに、接戦は必至なのだ。

この情勢で、革新陣営にある弁護士・瑞慶山茂が立候補を表明した。彼は、沖縄戦の民間戦争被害国賠訴訟弁護団長、「南洋戦」被害国賠訴訟弁護団長として知られる。

彼は私と修習同期(23期)。同期というだけでなく、1年4か月の実務修習を、東京の同じ班でともにした。実務修習をともにしただけでなく、カリキュラム外の活動もともにして、お互い信条も心情も理解したと思っていた。彼が革新陣営の弁護士であることに疑問の余地はない。

その彼の突然の立候補表明には、戸惑わざるを得なかった。もちろん、立候補は権利である。彼の立候補が売名であるはずはない。しかし、革新が共同を求められているこの政治状況の中で、革新の票を割る、あるいは「オール沖縄」票を削ることになりはすまいか。という危惧である。やきもきしている内に、昨日(3月20日)午後、メーリングリストに彼の投稿があった。ホッとしている。

23期の皆様へ

衆院沖縄3区補選の件につきまして、本日、屋良朝博氏と政策協定を結びましたので、ご報告いたします。
協定書を添付いたしますので、ご確認下さい。
やむを得ずの出馬表明でしたが、その話はまた改めて。
今後とも宜しくお願いいたします。

その政策協定のなかに、瑞慶山茂は、支援者と自らの思いを屋良朝博に託すことにし、出馬を取りやめ、沖縄基地問題に正面から取り組み、戦争政策に反対し、今回の補欠選挙に出馬の準備を進めている屋良朝博を推して、本補欠選挙に臨み、屋良朝博の必勝に向けて支援する決意をした。」とある。潔さを印象づけた立派な下り方で、筋を通している。

政策協定全文は以下のとおりである。雨降って、地はより強固になったと理解している。
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衆議院沖縄3区補欠選挙に向けた
屋良朝博と瑞慶山茂の政策協定書

衆議院沖縄3区補欠選挙が4月9日告示、同21日投開票で実施される。弁護士・瑞慶山茂は、この間、先の大戦における沖縄戦の民間被害者および旧南洋群島・フィリピン群島などで戦禍に巻き込まれた県出身住民や遺族らに対する国の謝罪と損害賠償を求める国家賠償訴訟の弁護団長として取り組んできた。また、沖縄戦等被害者や全国の空襲被害者と遺族らの救済を国の責任において行う「空襲被害者等援護法案」及び「沖縄戦時行為等被害者等援護特別措置法案」(仮称)の制定をめざして立法活動を行ってきた。
そのため、「沖縄・平和の党」を設立し、今回の補欠選挙に出馬表明を行ったが、このたび、屋良朝博と直接会う機会があり、沖縄の困難な現状と輝かしい未来について虚心坦懐に話し合った。その結果、瑞慶山茂は、屋良朝博の人柄と深い見識に接し、支援者と自らの思いを屋良朝博に託すことにし、出馬を取りやめ、沖縄基地問題に正面から取り組み、戦争政策に反対し、今回の補欠選挙に出馬の準備を進めている屋良朝博を推して、本補欠選挙に臨み、屋良朝博の必勝に向けて支援する決意をした。
ついては、弁護士・瑞慶山茂とフリーランスライター・屋良朝博は、次のような認識を共有し、本補欠選挙に向けて、未補償のまま放置されている数多くの民間戦災者の救済措置等の実現に係る重点政策に合意するものである。

重点政策

先の大戦から74年になるが、旧軍人・軍属には総額60兆円の援護がなされている一方、多くの方々が戦災者として今なお、身体的精神的障害や後遺症に苦しみ、ご遺族への弔慰もない状況が続いている。そんな中、従来の空襲訴訟において司法は「立法を通じて解決すべきだ」との判断を下し、また、ドイツやフランスなど諸外国では民間人も軍人も分け隔てなく平等に補償していることを踏まえれば、日本政府は国の責任において民間の戦争被害者の救済措置を講じるべきであると考え、次の課題及び政策実現に共に取り組むものである。
1、国に対し、先の大戦における空襲や地上戦などの民間の被害者への謝罪とその救済および被害実態の徹底した調査を求めていく。
2、「空襲被害者等援護法を実現する議員連盟(超党派)の活動を通して、「空襲被害者等援護法案」および「沖縄戦時行為等被害者等援護特別措置法案」(仮称)の制定に全力をあげる。
3、戦争につながる米軍基地の早期撤去を求め、基地のない平和な世果報の沖縄を創り上げていく。
なお、具体的な選挙協力については、今後必要に応じて協議する。

2019年3月20日

フリーランスライター 屋良 朝博 印
弁護士        瑞慶山 茂 印

(2019年3月21日)

始まった参院選に向けての野党共闘協議 ― 市民連合と5野党1会派

改憲派にとっては、「アベのいるうち、両院の議席が3分の2あるうち」が改憲のチャンスという認識。ということは、「アベが首相の座から去ることになれば」、あるいは「衆参どちらかの議院で改憲派議席が3分の2のラインを失えば」、千載一遇のチャンスは喪失することになる。いま、アベ9条改憲の策動による憲法の危機ではあるが、改憲派にとってもけっして明るい展望が開けているわけではない。

右派が描いたアベ改憲シナリオは綻びを見せつつある。国民世論の動向が、改憲を優先課題と認識していないからである。このことが、改憲を軸とした野党の共闘を促しているし、与党内にもアベ改憲に冷ややかな空気を漂わせてている。

憲法改正の課題ばかりは、議会での審議を強行採決で乗り切ろうというアベ政権の常套手段は使えない。そのあとに国民投票が控えているからだ。国民大多数の意見の集約点を国会審議で見極めなければならない。しかし、今国民は、「現政権での改憲には反対」なのだ。だから、改憲勢力も展望を持てない。客観的に改憲は困難なのだ。

アベ改憲がもとより困難なのだから、当初のシナリオのとおりにはことが運ばない。だから焦りが出て来る。その焦りが下村博文の自民党・憲法改正推進本部長への登用。こんな、焦りの結果のタカ派人事でうまく行くはずがない。下村は、「職場放棄失言」でボロを出した。政権と下村の焦りが裏目に出たのだ。かえって、野党を硬化させ臨時国会での憲法審査会開催を困難にしている。

しかも、下村の失態に対する公明党の冷ややかさはどうだ。いま、国民から改憲加担勢力と見られては選挙に勝てないとの思惑が強いのだ。自民党内も、下村に冷たい。アベの求心力低下を思わせる。

アベ改憲実現のためには、今臨時国会で憲法審査会を開き自民党改憲案の提示くらいはしておくことが改憲のためのシナリオだったがそれができない。とすれば、来年6月公示7月投開票の参院選前に、国会が改憲発議をすることは絶望的といってよい。となれば、2019年参院選こそが改憲阻止の重要なキーポイントとなる。半数の改選だが、これで改憲勢力の議席を3分の2以下にすることができれば、当面の改憲の危機を回避できることになる。

9月の沖縄知事選の教訓が大きい。野党の共闘ができれば、「自・公・維(・希)」の改憲勢力に勝てるのだ。安倍政権の露骨な利益誘導の総力戦も民意を動かせなかったではないか。アベ政権、けっして見掛けほど強くはない。

参院選ではいつものことだが、一人区の野党共闘の成否が結果を分けることになる。その一人区は32。いずれも、アベノミクスの恩恵からは置いてけぼりだ。TPPも、農業改革も水産改革も、この一人区では極めて評判が悪い。アベ政権の人気は地に落ちている。むしろ、怨嗟の声か満ちている。スムースな形での野党共闘さえできれば、勝算十分だ。現在の世論動向は、各政党を「与党連合対野党共闘」の対決構図に巻き込まざるを得ない。どちらかの陣営に入る以外に、一人区での当選の目はないのだから。

せっかくの勝機。共闘の協議開始時期としてはもうぎりぎりではないか。具体的な共闘のあり方の協議と候補者の選定を始めなくてはならない。

改憲勢力である与党連合とは「自・公・維」のこと。そして共闘に加わる野党は、立憲民主党・国民民主党・日本共産党・自由党・社会民主党・無所属の会の5党1会派。なかなか難しい野党のとりまとめを買って出ているのが、市民連合。これが、「市民と野党の共闘」の具体的な構図。

一昨日(11月16日・金)、「立憲野党と市民連合の意見交換会」が開催された。
意見交換会参加者は、下記のとおり。

立憲民主党 福山哲郎幹事長・辻元清美国対委員長
国民民主党 平野博文幹事長・小宮山泰子衆議院議員
日本共産党 小池晃書記局長・穀田恵二国対委員長
自由党   森裕子幹事長・日吉雄太国対委員長
社会民主党 吉川元幹事長
無所属の会 大串博志幹事長・広田一国対委員長

同日のTBSニュースは、次のように伝えている。

https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3526461.html
《野党と市民連合が意見交換、来年の参院選に向け選挙協力を確認》

 立憲民主党など主な野党と、安全保障関連法などに反対する団体「市民連合」が会談し、来年の参院選に向け、選挙協力を進めることを確認しました。

 「前回の参院選挙の前に、やはりこの市民連合と政党との意見交換が大きな役割を果していただいた。来年の参院選挙に向けて、より具体的、建設的な意見交換が出来るようにお願いをしまして」(立憲民主党 福山哲郎 幹事長)

 立憲民主党など野党5党1会派の幹事長らが、「市民連合」のメンバーと会談し、来年の参院選挙に向けて、全国に32ある「1人区」で野党の候補者を一本化することなど、選挙協力を進める方針を確認しました。市民連合は、2016年の参議院選挙でも1人区における野党統一候補擁立を後押ししていて、立憲民主党などは、来年の参院選でも候補者の調整で市民連合に仲介させたい考えです。

 しかし、無所属の会の岡田代表は16日、記者との懇談で、「市民連合が重要なプレイヤーであることは間違いないが、基本は政党がしっかり主導しないと候補者は出てこない」と述べています。

 一方、これまで安全保障や憲法についての考え方の違いなどから出席を見合わせていた国民民主党は、初めてこの会談に出席しました。

また、市民連合自身は、こう報告している。(抜粋)

はじめに立憲民主党福山幹事長より挨拶がありました。
「財務省の文書改ざん、加計学園問題、防衛省の日報隠しといったことで国会が大紛糾している最中に、前回の市民連合との意見交換会が行われました。半年が経った今、安倍政権は臨時国会で入管法改正を無理やり採決しようとしており、その体質は全く変わっていません。一方で、9月には沖縄県民の皆さんの力と、市民の皆さん、そして政党の皆さんの力の中で、玉城デニー知事が当選しました。安倍政権の体質が全く変わらず、民主主義を壊し続けているという状況の中で、今日このような形で集まれたことはとても意義が深いと思います。また、国民民主党の平野幹事長にお越しいただきました。我々としては歓迎させていただきたいと考えております。安倍政権を倒すために、来年の参院選に向けて、より具体的かつ建設的な意見交換をしていきたいと考えています。」

続いて安全保障関連法に反対する学者の会・広渡清吾より挨拶がありました。
「前回の参院選では、野党と市民の努力により32全ての1人区で候補者の1本化が実現し、大きな成果をあげました。来年の参院選に向けて、この水準を後戻りしてはならないと強く思っています。先日『あたりまえの政治』を掲げ、街頭宣伝を行いました。『あたりまえの政治』を求めなくてはならないというのが、今の安倍政権が陥っている状況です。憲法を守る、民意を尊重する、嘘をつかない。このあたりまえのことができない政治を変えなければなりません。そのためにも立憲野党の皆さんと市民との協力を深めていきたいです。」

さらに、立憲デモクラシーの会・山口二郎より安保法制の廃止、改憲阻止、さらに今の日本政治が直面するいくつかの重要な課題について、前回と同様に政策合意を何らかの形で結び、共通の旗印としていきたいといいう提起がありました。

その後、立憲民主、国民民主、共産、自由、社民、無所属の会の各党・会派と、市民連合の各構成団体から、幅広く意見交換が行われ、参院選に向けて市民と野党の協力をさらに強く深めていくことが確認され、意見交換会は終了となりました。

市民連合は、11月28日(水)19時から王子・北とぴあにて、野党とのシンポジウムを開催予定です。私たちは、このような機会を通じて、参院選に向けた協力体制をさらに深化させていきたいと考えています。ぜひご参加いただけますと幸いです。

共闘は容易なことではない。しかし、共闘しなければ選挙に勝てない。選挙に勝てなければ、アベ改憲を阻止することができない。アベ改憲を許せば、この国の平和主義が不可逆的に崩れる。憲法政治に取り戻すことのできない疵がつく。憲法を擁護しようとする諸勢力には、来夏の参院選に向けて選挙共闘するしか途はない。
(2018年11月18日)

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