澤藤統一郎の憲法日記

改憲への危機感から毎日書き続けています

あらたまの年のはじめに

未明、久しぶりに凄味のある金星を見た。やがて薄明。みごとな朝焼けに続く初日。風はなく雲も見えない静かな元日。個人的には何の心配事もない心穏やかな年の初め。啄木の歌を思い出す。

 何となく 今年はよいことあるごとし 元日の空晴れて風なし

もっとも、啄木はこの歌を不幸の中で詠んでいる。また、正月の天気がその年の吉兆を占うものとはならない。「悲しき玩具」所収のこの歌は、2011年の正月の詠であろうが、その年の1月18日には大逆事件の判決が言い渡されている。幸徳秋水以下死刑24名。1月24日には11名の死刑が執行され、翌25日には管野スガが処刑された。「今年はよいことあるごとし」と詠った直後の天皇制の暴虐の極み。啄木が受けた衝撃は大きかった。

本日の朝刊各紙には、今年7月の参院選が総選挙とのダブル選挙となるのでないかとの観測記事が報じられている。解散・総選挙のイニシャチブは政権が握っている。勝算ありと読めば打って出る。勝算読めなければ参院選に集中ということに。もし、安倍政権がダブル選挙に打って出て勝つようなことがあれば、一挙に明文改憲の動きが加速することになろう。とても、穏やかな正月などと言ってはおられない。

1933年3月ヒトラー政権が全権委任法(授権法)を成立させるまで、8か月間に3回の国会選挙を経ている。
 1932年7月31日 ナチ党得票率 37.3%
       11月6日 ナチ党得票率 33.1%
 1933年 3月5日 ナチ党得票率 43.9%

この3度の選挙と国会放火事件の謀略とで、33年3月23日に全権委任法が成立するや、この時点で、憲法改正手続きを経ることなくワイマール憲法は死亡宣告を受けたのだ。

こうしてナチ党の一党支配が確立したあと、1933年11月の「選挙」は、既に選挙ではなかった。有権者は「指導者リスト」と呼ばれたナチ党の単一候補者名簿に賛否を記すことしかできない。投票前の官製選挙キャンペーンでは、「ひとつの民族 ひとりの指導者 ひとつのヤー!(Ja!)」がスローガンとなった(石田勇治)。

選挙は、民意反映の機会ではあるが、民衆が政権に操られたままでは、ファシズムへの手段に転化しうるのだ。

そういえば最近、安倍晋三の顔つきがヒトラーに似てきたのではなかろうか。日本国憲法に、ワイマール憲法の二の舞をさせてはならない。
(2016年1月1日) 

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Published in 金曜日, 1月 1st, 2016, at 20:23, and filed under 安倍政権, 選挙.

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