澤藤統一郎の憲法日記

改憲阻止の立場で10年間毎日書き続け、その後は時折に掲載しています。

10月11日(金)夕刻、NHKに激励と抗議を。

まずは下記をクリックして、NHKへの抗議と激励の「アピール行動」案内をお読みいただきたい。

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  日時:10月11日(金) 17時半?18時半
  場所:NHK放送センター西門周辺
     (最寄り駅:澁谷・原宿・明治神宮駅)

いま、NHKにトンデモナイ事態が生じている。とうてい見過ごすことができない。もっとも、正確に言えば、トンデモナイの元兇はNHKではなく総務省であり、さらには官邸なのだ。しかし、まずはNHKの政策スタッフを激励しなければならない。そして、総務省や官邸の手先となっている、NHK上層部や経営委員会には、抗議の声を挙げなければならない。激励と抗議、この両者が必要なのだ。

NHKに何が起きたのか。あの「かんぽ契約不正」を追及したNHKの「クローズアップ現代+」が、よくやったと褒められて当然というべきなのに、不祥事を起こした当の日本郵政から叱られ抗議されるという、石が流れて木の葉が沈んむ事態となった。

日本郵政には元総務省事務次官が天下って副社長となっている。このところすっかり有名になった、上から目線のアマクダリビトの名が鈴木康雄。日本郵政とは、かんぽ不正事件の取材対象というという存在にとどまらない。意識としては、完全に総務省と一体になって、NHKに圧力を掛けることができると思い込んでいる組織なのだ。

日本郵政は、「クロ現」に「かんぽ不正」を暴かれて、反省するどころか逆襲に出た。2018年8月2日付で、上田良一会長宛てに「NHKにガバナンスの検証を求める」文書を送付。その後、NHKは予定していた続編の放送を延期することを余儀なくされた。

また日本郵政は、NHK経営委員会にも「必要な措置」を要求。10月23日、なんと経営委員会は上田会長を「厳重注意」とし、11月7日、NHK上田会長は非を認めて事実上の謝罪に追い込まれている。アベコベなのだ。

「クロ現」は、番組の続編を作るとして不正事実の情報提供を募る動画をネットに掲載していた。ところが、日本郵政抗議に会長謝罪という事態に、続編放映の実現は大きく遅れ、動画も削除された。

鈴木康雄副社長は、NHK側から「取材を受けてくれれば動画を消す」と言われたと説明。記者団に対し、「まるで暴力団と一緒。殴っておいて、これ以上殴ってほしくないならやめたるわ。俺の言うことを聞けって。バカじゃねぇの」と述べた。これが、総務省から天下りの日本郵政副社長の口の利き方である。

問題は、権力側からの圧力にNHKがかくも脆弱なことである。日本郵政の副社長が元総務次官の肩書を使って、放送に圧力をかけ、それに経営委員長が加担するという、このムチャクチャ。この介入に抗して、経営陣が毅然と現場を守るという気概がないのだ。

今さら言うまでもなく、NHKは公共放送である。ジャーナリズムの本流に位置して、権力からの独立を期さねばならない。ひとえに、国民(視聴者)の知る権利を全うするために。

視聴者は、放送・受信を媒介にNHKと向き合うが、NHKの背後には、総務省があり、さらにその奥に官邸がある。NHKには2面性があり、視聴者に顔を向けている制作スタッフと、権力機構につながるNHK上層部や経営委員会。権力からの独立を志向する側面と、放送に介入し権力による統制の手先となる側面と。

権力の手先となって、番組への外部からの介入に積極的に加担した、石原進経営委員長には辞任を要求しなければならない。良識あるNHKの番組制作スタッフ、経営委員は励まさなければならない。このアピール行動へのご参加をお願いしたい。拡散にもご協力いただきたい。

なお、下記は、関連事件についての日本郵政株式会社宛の「申し入れと質問書」である。

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2019年10月4日

日本郵政株式会社
 社 長 長門正貢 様
 副社長 鈴木康雄 様

NHKに対する貴社の抗議の撤回、NHKの視聴者に対する謝罪を求める申し入れとそれに関連した質問書

NHK を監視・激励する視聴者コミュニティ

                  共同代表 湯山哲守・醍醐 聰

 皆様におかれましては、ご多忙の毎日をお過ごしのことと存じます。
 9月26日以降の『毎日新聞』等の報道によって、貴社は昨年4月に放送された「NHKクローズアップ現代+」の、かんぽ生命保険の不正販売の報道につき、何度か、動画の削除、ガバナンスの強化など「善処」を申し入れてこられたことが明らかになりました。
 しかし、長門社長は9月30日の記者会見で、番組内容は事実であり、NHKに抗議や申し入れをしたことを深く反省していると陳謝しました。
 ところが、10月3日の『朝日新聞』朝刊に掲載された鈴木副社長名のNHK経営委員会宛ての書簡(2018年11月7日付け)では、「当方からの貴委員会へのお願いにつきましては、貴委員会にても、また執行部にても、充分意のあるところをお汲み取りいただいた」ことについて謝意を述べると同時に、鈴木氏の職歴を記しながら、「ひとりコンプライアンスのみならず、幹部・経営陣による番組の最終確認」も求めています。
 このような貴社のNHKに対する抗議と干渉、続編放送に対する妨害は、かんぽ生命保険の不正販売の実態について、NHKの視聴者の知る権利を侵害するものにほかなりません。
 以上のような経過に関して、次のとおり、申し入れと質問をいたします。申し入れについては、どのように受け止め、対処されるのか、質問については、項目ごとに、書面で、10月10日(木)までに、別紙宛てにご回答をお送りくださるよう、お願いします。

申し入れ

 1.9月30日の長門社長の謝罪を踏まえて、貴社が昨年来、NHKに抗議や「善処」の申し入れをしたことを撤回するとともに、NHKの視聴者の知る権利を侵害したことについて、NHKの視聴者に謝罪するよう、要求する。

 2.鈴木副社長名のNHK経営委員会宛ての前記書簡の中で、経営委員会に対して、「番組の最終確認」も求めたのは、「放送法」第32条が禁じた経営委員による個別の番組編集への関与・干渉を教唆するものであり、それこそ、NHK役職員に課されたコンプライアンス違反を扇動するに等しい。この点について、鈴木副社長の謝罪と当該求めの撤回を要求する。

質 問

1.長門社長が9月30日の記者会見で上記のような謝罪をした後、貴社広報担当の木下範子執行役は取材に対し、NHKへの抗議について、「当時の状況下で行ったこと」と述べ、謝罪したり、抗議や申し入れを撤回したりする考えはないと明言している(『毎日新聞』2019年9月30日)。
執行役が社長の謝罪を覆す発言をするのでは、貴社のガバナンスが疑われる。長門社長の謝罪発言が貴社の真意なら、木下執行役の発言を撤回するのが当然と考えるが、どうなのか、貴社の正式の見解を求める。

 2.鈴木副社長は、これまで、NHK執行部ならびにNHK経営委員会に対する「善処」の申し入れは、NHKのガバナンスの徹底を求めたものであって、番組編集への介入、圧力にはあたらない、と説明してきた。
 しかし、鈴木氏がNHK経営委員会宛てに送った前記の書簡の中で、「ひとりコンプライアンスのみならず、幹部・経営陣による番組の最終確認」も求めていたことは、日本郵政によるNHKへの一連の抗議、申し入れの実質は個別の番組への干渉、圧力にほかならず、ガバナンス云々は口実に過ぎなかったと考えられる。こうした指摘を貴社はどう受け止めるか、見解を求める。

 3.長門社長の謝罪発言が貴社の公式見解なら、鈴木副社長の従前の言動は撤回され、謝罪のうえ、鈴木氏に対し、しかるべき責任が問われて当然である。貴社は鈴木副社長を何らかの引責処分することを考えていないのか、見解を求める。

以上

(2019年10月7日)

 

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