女川町・共産党議員の活躍
4月26日に仙台で日本民主法律家協会の拡大理事会があり盛会だった。仙台会の弁護士が震災復興に献身している報告に感動した。そして、27日には石巻、女川の被災と復興の現場を訪ねた。
「復興には、ひとつは被災者を人権主体とした人間の尊厳・生存権の尊重が必要であり、もう一つは被災者の自己決定権を基礎にした民主々義が必要であるが、ともに不十分」というのが、衝に当たっている各弁護士の共通の意見だった。
また、「平成の自治体大合併の否定的側面として、各コミュニティの代表組織がなくなった。また、圧倒的に自治体公務員が不足している。復興の人的な条件がまったく欠けた状況にある」ことを何度も聞かされた。
女川で、二人の共産党町議からお話を聞く機会があった。女川原発に一貫して反対し、今も再稼動反対の先頭に立つ。 震災復興の第一線で住民に寄り添う姿勢が評価され、このお二人の前回町議選での得票率合計は22%を超えているそうだ。なお、12人の町議のうち、原発反対を明確にしているのはこのお二人のほかはお一人だけとのこと。
住民の全戸、一軒一軒を訪ねながら、原発再稼動反対の署名を集めているそうだ。住民にとって、署名による意思表示は、それなりの覚悟をようすること。署名活動が、掘り下げた意見交換の場となる。住民の意識を汲み上げる場にもなる。
その活動を通した実感として、面白い言い回しを聞かせてもらった。「『これまでは原発に喰わせてもらった』と言う人も、『この次は原発に殺される』と原発立地反対にまわる人が多数派になっている」という。「女川」にとって、「福島第1」の事故の衝撃は計り知れぬほど大きいのだ。
3・11の津波では、女川原発が危機一髪で被害を免れたことはよく知られている。しかし、事故前に共産党議員の要請があって、東北電力が最深で4メートルも取水口前面の海底の浚渫をしていたということは初めて知った。正確に事態を予想しての浚渫要求ではなかったようだが、取水口の位置の関係から水深が浅いとの批判と浚渫要求を東北電力が受け入れていたという。
町議会で、共産党議員が東北電力の説明員に「こうした海底の浚渫がもし行われず、浅いままだったら今回の津波は堤防を超えていたのではないか」と問いかけると、「そういうことも考えられる」という言いまわしで、認めたという。
なるほど、汀が浅過ぎる地形であれば、津波の押し波は陸地に達する時点で高くなる理屈である。女川原発は、80?の差で津波の堤防越えを免れた。4メートルの浚渫の効果は、その貴重な80?の確保につながったことが十分に考えられる。むべなるかな、支持率22%。
(4月27日)