アベ君。いつもは傲慢で高慢なキミだが、今回都議選の大敗はよほどショックのご様子。精神の衝撃が体調に響かなければよいが…。
永田町では、「敗因は『THIS』だが主犯は『A』」と誰もが無遠慮に語る雰囲気だとか。なるほどキミが言っていたとおり、「築城3年、落城1日」。驕れる者は久しからずして、春の夜の夢の如しだ。
ところで、キミは記者には今回の敗因を、「大変厳しい都民の審判が下された。自民党に対する厳しい叱咤と深刻に受け止め、深く反省しなければならない」と言ったそうだね。「叱咤」は感心できない。通例、「叱咤激励」と使う。さすがに、「激励」は控えたようだが、まるで都民の批判は一時的なもので、キミを励ますためのお灸の程度というニュアンス。そんなことだから、反省が足りない。反省したふりしかできない、と言われるんだ。
キミは、「深く反省し、初心に立ち返って信頼回復に全力を挙げる」とも言ったそうだ。相変わらず、具体性に欠けた「反省」。キミが「国民には丁寧に説明してまいります」と言って実行したためしのないことは全国民に周知の事実。キミの反省ポーズは国民から信用されていない。なまなかなことでは、信頼を取り戻すことなどできっこないのだよ。
しかもだ。キミは、政権と自民党の反省のポーズとして、野党からの閉会中審査要求に応じると言わせておきながら、自分の出席は拒否したというではないか。そんなことだから、キミの信用は限りなくゼロとなる。このままでは、キミの政権は緩慢に死を待つしかない。
そこで、キミに起死回生の策を教えよう。キミの具体的な反省の仕方をだ。
まずは、憲法改正の提案を撤回することだ。かたちだけのものではなく、これからは心を入れ替えて、日本国憲法を尊重し、その理念を謙虚に学び実践することを誓うのだ。
もう一つ。辺野古新基地建設断念を閣議決定するのだ。大浦湾の埋立工事はストップして、警備は解散させる。すべて総理の権限でやらせる。
その上で、「THIS」を切ることだ。豊田と下村は閣僚ではないからキミが総理としてクビは切れない。だから、自民党を除名することにしよう。離党届けを受理してはならない。新生自民党に旧体質の政治家は不要だという宣言をすることに意味がある。もちろん萩生田と稲田は直ちに免職だ。しかし、この程度では、国民が納得するとは思えない。
そうしておいて、この4人には、議員辞職を勧告する。この4人のことだ。簡単に議員辞職勧告に応じることはないだろう。そのときに、キミが説得のために伝家の宝刀を抜く。まずは、「ボクも議員をやめる。一切の政治活動から手を引く。だからキミたちも一緒にやめてくれ」と泣き落とす。
これで落ちなければ、いつもの最後の手段だ。
「前川が、怪しげなところに出入りしていたことを暴露したのが誰だか、知らないはずはなかろう。キミたちそれぞれが、脛に傷のない身か、よくよく胸に手を当てて考えてごろうじろ」。これで十分だろう。
こうして、「THIS」+「主犯A」のすべてが政界から身を引く。そして、改憲と辺野古新基地建設はなくなる。それが、国民からの信頼を回復する起死回生の秘策だ。
えっ、それは起死回生策ではなく、自滅策ではないかって?
分かっていないね。キミはもう死に体なんだよ。万に一つでも、身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれの策をとるしか方法はない。自分だけ生き残ろうとしても無理なんだ。
潔さこそ、右翼の美学だろう。キミはキミにふさわしく、散る桜となるのだ。春の夜のはかない夢のごとくに。
キミ、まだ怪訝な顔をしているね。まだ、よくお分かりではないようだね。これで分からぬようでは、やっぱりダメなんだ。キミに本当の反省はできない。残念だけどね。
(2017年7月4日)
都民ファーストの会なる地方政党が、都議会で55議席を獲得して、第一党に躍り出た。アベ一強政治の禍々しさに嫌気をさした都民の気分を受けとめ、アベ離れ票の受け皿になることに成功したこの組織。実は正体不明のままである。本当に、自民の批判勢力なのか、アベ政治対抗勢力として期待しうるのか。その実態を明らかにしていかなければならない。出る杭は大いに打つべし。
都民ファーストの会のホームページを見ても、また、その綱領や政策を見ても、この集団が何を考え、何をなそうとしているのか、伝わってくるものはない。とすれば、この組織の中心に位置する人物像を探らなければならない。そのキーパースンは二人。小池百合子と野田数である。
小池百合子が、政界渡り鳥であり、日本会議につながる右翼思想の持ち主であり、核武装論者でもあることはこれまでも語られてきた。都知事としての議会答弁でも、日の丸・君が代強制容認論者であることを露わにしている。しかし、野田数のなんたるかについて語られていることは過小である。
野田は、都民ファーストの会の設立当初からの代表であり、今回都議選の選挙期間中だけは小池を代表として自らは幹事長となったが、選挙が終わってまた代表に復帰した。都民ファーストの会と、そして小池都政が、このスキャンダラスな人物の動向に影響されるであろうことは否定し得ない。
野田は、1期だけ都議を務めている。自民党公認で当選して、在任中に東京維新なる組織を作ってその代表となった。この東京維新が世間の注目を集めたことがある。日本国憲法無効論にもとづく、「大日本帝国憲法の復活確認を求める請願」に賛成票を投じたことである。
2012年、トンデモ請願が都議会に提出された。その表題は「『日本国憲法』(占領憲法)と『皇室典範』(占領典範)に関する請願」という。内容は、「現行日本国憲法が憲法としては無効であることを確認し、大日本帝国憲法が有効に現存することの決議を求める」という恐るべき請願である。
請願者は憲法無効論者である弁護士の南出喜久治ほか5034人。東京維新の野田と、これも札付きの右翼として名高い土屋敬之の二人が紹介者となったもの。
なお、南出喜久治は京都の弁護士。弁護士にもいろいろあることはご存じのとおり。あのお粗末稲田朋美だって弁護士なのだ。南出は、所属弁護士会から3度懲戒処分を受けた人。3回目は次のような懲戒事由だった。
「2006年3月に京都市内の女性から債務整理の依頼を受け、所有する工場を残すよう頼まれ着手金など300万円を預かったにもかかわらず、2007年7月に依頼を解除されるまで必要な対応をせず、預かり金などを返却しなかったとして、2013年1月28日、京都弁護士会から業務停止3か月の懲戒処分を受けている」(ウィキペディア)。こういう人物が提出した請願なのだ。
請願は、まず総務委員会の審議にかけられる。同年9月18日総務委員会速記録によれば、請願の要旨は、
(1)「憲法、典範、拉致、領土、教育、原発問題などの解決のために必要な国家再生の基軸は原状回復論でなければならないことを公務員全員が自覚すべきであるとする決議がなされること。」
(2)「占領憲法(日本国憲法)が憲法としては無効であることを確認し、大日本帝国憲法が現存するとする決議がなされること。」
(3)「占領典範(皇室典範)の無効を確認し、明治典範その他の宮務法体系を復活させ、皇室に自治と自律を回復すべきであるとする決議がなされること」
の3点だという。
(1)は意味不明。(2)(3)はネトウヨ論法。現行憲法は占領軍の押しつけ憲法だ⇒だから無効⇒だから今だに大日本帝国憲法が有効に存在しているのだ。という「論理」。公の場では恥ずかしくて口にできない代物。これが、紹介議員を得て都議会に出てきたのだ。
共産党の吉田信夫委員が、正鵠を射た弾劾の意見を述べている。
〇吉田委員 「日本国憲法と皇室典範に関する請願について、一言意見を表明いたします。
本請願は、そもそも現行憲法及び皇室典範は無効であるとの認識を前提とし、大日本帝国憲法、明治典範が現存するという極めて特異な考えによるもので、その考えを都議会も認めよというものです。
しかし、先ほどの説明にもあったとおり、質問主意書への中曽根内閣の政府答弁でも、日本国憲法は、大日本帝国憲法の改正手続によって有効に成立したものであって、その間の経緯については、法理的に何ら問題ないとしており、無効論は成り立ちません。
憲法にうたわれた戦争放棄、主権在民などの諸原則は、決して一方的に押しつけられたものではなく、侵略戦争への深い反省に立った日本国民の願いを反映したものであり、世界の流れを反映したものです。
にもかかわらず、驚くべきは、請願者が、我々臣民としては、国民主権という傲慢な思想を直ちに放棄してと、強調していることです。このような主権在民を否定し、時代を戦前に逆戻しさせるかの主張は、到底見過ごすことはできませんし、この請願に紹介議員となった二名の都議(野田と土屋)の良識も問われるものです。よって、本請願は不採択を求めるものです。
総務委員会では全会派の反対で不採択とすべき旨の議決がなされ、2012年10月4日の都議会本会議でも東京維新の会所属の3名と土屋の計4名が賛成に回ったものの、民主・自民・公明・共産・生活者ネット各党などの反対により不採択となった。
この点は、翌日(2012年10月5日)の赤旗が次のように報じている。
「大日本帝国憲法復活請願 『東京維新の会』が賛成」
「橋下徹大阪市長の『日本維新の会』と連携し、9月に結成した都議会新会派『東京維新の会』(民主・自民を離党した3人で構成)は4日の都議会第3回定例会最終本会議で、現行の日本国憲法を無効とし、戦前の『大日本帝国憲法』の復活を求める時代錯誤の請願に賛成しました。請願は日本共産党、民主党、自民党、公明党、生活者ネット・みらいなどの反対で不採択となりました。
請願は、天皇を元首として無制限に権力を与え、国民を『臣民』として、自由と権利を抑圧した大日本帝国憲法を美化。『我々臣民としては、国民主権という傲慢(ごうまん)な思想を直ちに放棄』して、日本国憲法を無効とし、大日本帝国憲法は現存するとの都議会決議を求めています。」
「また、東京維新の会は、都内在住外国人への生活保護支給の減額・廃止を求める陳情に賛成しましたが、反対多数で不採択となりました。」
この東京維新の代表が、野田数なのだ。「『我々臣民としては、国民主権という傲慢な思想を直ちに放棄』すべきとして、憲法無効論に基づく大日本帝国憲法の復活確認を求める請願に賛成票を投じた」この人物が、いまは都民ファーストの会の代表である。これが、小池百合子のもっとも信頼する同志なのだ。
小池チルドレンと言われる皆様方よ。あなた方の政党の代表が、かような人物であることをご存じなのだろうか。
(2017年7月3日)
都議選の開票が進んでいる。
自民党は、歴史的大敗である。負けたのはアベ様ご一統。「アベのアベによるアベのための政治」あるいは、「トモダチのトモダチによるトモダチのための政治」に、国民の批判が沸騰した。都民は国民を代表して、アベ自民に「ノー」を突きつけたのだ。
前回59人の立候補者全員を当選させた自民が、今回選挙では23議席。そのマイナス36議席。アベ政治の完敗であり惨敗であり総崩れであり、凋落というほかはない。
アベ政治は、株価に支えられた政治との思い込みがあった。財政を株式市場に投じて無理矢理株価を上げて景気の高揚を演出することで、虚構の支持率を保持している底上げ政権。いずれ株価の下落とともに、アベ政治も終わるであろうはかない運命。しかし、裏を返せば株価が下落ぬかぎりは、しぶとく命脈を保つ政権ということでもある。
それが、株価の下落より先に、アベ自民が大逆風に見舞われたのだ。自業自得とはいえ、この現実は予想をはるかに超えるものとなった。
これまでも、世論調査での安倍政権支持の理由は「ほかよりマシだから」。消極的支持でしかなかった。少しのきっかけで、驚くべき奔流が堤防を決壊させる。
これは、アベ自民にお灸というレベルではない。国民がアベ自民を見限ったというべきだろう。「謙虚に選挙結果を受けとめる」のなら、アベ退陣しかあり得ない。
選挙期間の最終日、初めて安倍晋三が秋葉原の街頭演説に顔を出して、盛大な「帰れコール」を浴びた。そして「アベやめろろ」コールも沸き起こった。これがこの選挙のハイライト。状況を象徴するできごと。
安倍の応援を受けたのが、千代田区(定員1)自民公認の中村あや候補。みごと大差で落選している。アベの応援は、足を引っ張るだけだったようだ。
その中村のツィッター。開票前と後。
「最終日午後は秋葉原にて安倍総裁はじめとした多くの国会議員の先生方から激励をうけ、最後の思いを述べさせていただきました。その後マイク納めし、夜は半蔵門駅で最後のご挨拶。選挙戦、悔いはございません!皆様明日は投票へ! 」
「先程の会見でお世話になった先生方に恨み節を言ったかのような変な切り取られ方をしましたが、反論します。”今の国政どう思うか”という質問の答えの中で”…党問わず公人なら国民の代表者としての意識をもたなければならない。…脇が甘い”と言っただけで敗因を押し付けたりしていません。」
「脇が甘い」とはよく言った。しかし、アベ様ご一統、脇が甘い程度ではなかったのだ。
それにしても、都民ファーストの会の票の出方には驚く。風は恐い。明日はどちらに吹くのやら。
共産党が、都ファに埋没せず、前回17議席を今回19議席に増やしたことは欣快の至り。
我が文京区(定数2)の開票結果は、以下のとおり。
当 増子博樹〈元〉 42,185票 43.96% 都フ
当 中屋文孝〈前〉 26,997票 28.13% 自民
次 福手裕子〈新〉 26,782票 27.91% 共産
共産候補は200票差での次点。28%の得票率での落選。無念というほかはない。
最大の関心事は、この選挙結果が改憲策動にどう影響するかという点。レームダック同然のアベの号令で、自公連立が改憲を急ぐなどということは常識的にあり得ない。また、沖縄の県民いじめに居丈高となることもできまい。
残念な面も多々あるものの、ひとまずは胸をなで下ろした開票結果。
(2017年7月2日)
7月1日である。安倍内閣が集団的自衛権行使容認の閣議決定をしたあの日からちょうど3年。両院で「底上げの絶対多数」を握った自公与党と、これを閣外から支えた維新。その非立憲勢力が暴走してトンデモ政治状態が続いたこの3年。ようやくにして、これに歯止めが必要との風が吹き始めている。
明日(7月2日)が、注目の東京都議会選挙。本日が、その選挙期間の最終日である。今日までは、ブログでの選挙運動が可能だ。そして、ブログの記載を消す必要はない。だから、しっかりと書いておきたい。
なによりも、アベ一強政治の暴走をストップさせなければなりません。あなたが、平和や民主主義や暮らしを大切にしたいと願うなら、決して自民党に投票してはなりません。そして、衣の下に鎧が見える、自民党と同類の都民ファーストの会にも、です。都知事・小池百合子、なんの実績もありません。なんの理念も、なんのビジョンも。ただ、風を読み、風に乗るだけの節操のない人。
さらに公明党。国政では自民党の下駄の雪となり、腹心の友ともなってともに悪政を推進し、自民党劣勢と見るや手のひらを反して都政では小池と組もうという、これも節義・節操に欠けること甚だしい。何をやりたいのか、政治の理念を語ることがあまりにも少い。
真っ当な政治を取り戻すために、ぜひとも日本共産党の諸候補への投票をお願いいたします。文京選挙区では、共産党公認の福手よう子が厳しい闘いを繰り広げています。ぜひ、当選させてください。
なお、共産党都委員会のホームページは以下のとおり。
http://www.jcp-tokyo.net/
共産党の公認・推薦候補一覧は以下のURL。
http://www.jcp-tokyo.net/profile/list.html
そして、福手ゆう子のサイトは以下に。
https://twitter.com/yukofukute
https://twitter.com/yukofukute
http://yufukute.exblog.jp/
文京区の選挙情勢は、全体の政治状況を象徴している。
都議の定数は2。この2議席を、これまで自民・民主・共産の3候補が、熾烈に争ってきた。順位が入れ替わって勝敗の明暗が変わる。前回選挙では、自民と共産が勝って、民主が落ちた。
今回は、前回民主党公認候補として出馬し落選した増子博樹が、今度はタスキの色を変えて、都民ファーストの会から立候補する。鳩山邦夫秘書から民主党議員を経て、都ファに鮮やかな転進。4年前前回の民主基盤の得票は1万7500票。その大半は期待できないだろう。公明票の基礎票と、小池支持の風の上積みを期待する。公明党は自党の候補者を擁立する力量はない。どの候補にでも、票をとりまとめることができるのが、この宗教政党独特の「強み」。
自民前職で立候補するのが、中屋文孝。東京都議当選3回で、前東京都議会警察・消防委員長、自民党東京都第18代青年部長という肩書。前回選挙では追い風吹いて、2万8400票とダントツのトップだった。今回は、確実に公明票が離れる。安倍政治への逆風が批判票として離れる。
前回の共産候補は3期目の小竹紘子で1万9700票だった。今回は民進党と争わない。民進党区会議員の中には公然と福手応援者が出ている。社民党・自由党・革新無所属などの支援もある。自民離れ票も期待できる。メディアは福手有望とは書かないが、新人の福手にバトンタッチがうまくいけば、十分に当選の目はある。
ところで、昨日の当ブログで、「明日、新たに檜舞台に躍りでる『戦犯』は誰だろう。楽しみでならない。」と書いた。新しい名前はでなかったが、選挙運動最後の日の「戦犯」の任務は、本命のアベ・シンゾー本人が本領発揮して立派に務めた。さすが、シンゾー。
朝日.comでは、「首相演説に『「辞めろ』『帰れ』の声 都議選で初の街頭に」「首相街頭演説に籠池氏現る 『100万円返金したい』」とのタイトル。
私は近所にいながら、現場を見ていない。臨場感あふれるリテラの記事を引用する。
『駅前を覆い尽くす政権批判のプラカード、そしてものすごい音量の「安倍やめろ」の声──。安倍首相は本日16時から秋葉原駅前で行われた都議会選の応援演説に登壇したが、自民党候補の応援どころではなく、国民の激しい批判の声にさらされる結果となってしまった。
「安倍やめろ」コールは自民党陣営の演説スタートまもなくからはじまった。聴衆からは安倍政権を批判するさまざまなプラカードが掲げられ、「安倍やめろ」と書かれた大きな横断幕まで登場。それを自民党スタッフは「自民党青年局」の幟を並べることで隠そうとするなど必死に。他方、駅前にはあの籠池泰典・前森友学園理事長夫妻まで登場するなど、演説会はまさにカオス状態となった。
そして、安倍首相が16時40分ごろに演説カーに登ると凄まじいブーイングと「帰れ!」コールが噴出。安倍首相がマイクを握ると、支持者らが拍手を送るも、より強くなった激しい「帰れ!」「安倍やめろ!」の声に掻き消されたのだ。
この国民の批判が殺到する事態に、しかし、安倍首相は反省するどころか逆ギレ。なんと聴衆を指差しながら「演説を邪魔するような行為」「こんな人たちに負けるわけにはいかない」と叫んだのだった。
国民の批判の声に陰謀論丸出しで“演説妨害”と決め付けるというのはいかにも安倍首相らしいが、しかしいくら話をスリ替えようが、負け惜しみを言おうが、安倍首相にとって、こうした批判を浴びせかけられる絵ができあがってしまったことは大誤算だったはずだ。この都議会選で安倍首相は2度、応援演説に参加したが、どちらとも街頭ではなく小さな屋内の会場だった。これは批判のヤジがあがることを見越し、声があがりづらい屋内を選んだことは明白。だが、にもかかわらず、会場からはヤジが飛ぶ結果に。』
秋葉原は、右翼の結集地でありアベ支持勢力にとってのメッカである。2012年暮れのアベ政権樹立となった総選挙の最終日には、ここに日の丸と旭日旗が林立した。都内で、安倍が街宣に顔を出すとしたらここしかないはず。それがこの結果だ。天下分け目の秋葉原になるやも知れぬ印象。さあ、明日が選挙だ。
(2017年7月1日)
いよいよ都議選が目前だ。この都議選は、なによりもアベ一強弾劾選挙だ。付随して自公政権批判の選挙。アベ自民と公明党への打撃が、憲法の擁護に直接つながってくる。
アベ自民の勢力を減殺し、「市民と野党」連合勢力を大きくすることが、特定秘密保護法や戦争法、そして共謀罪の発動を阻止し、その法の廃止の展望につながる。
さて、私の身のまわりでは、その手応えは小さくない。私は、文京区本郷に住んで20年余になる。20年余ご近所との付き合いは、深からず濃からず…。そのご近所のお一人が、こちらから語りかけずして、「今度(だけ)は、共産党に入れる。安倍さんって明らかにおかしい。公明党も。でも本当におかしいのはこんな人たちを選んだ私たちだものね」と。これは、20年来なかったことなのだ。
この好ましい状況は誰のおかげだろう。アベ自民から見ての「戦犯」は誰だ。メディアは、「都議選の戦犯は安倍首相と『加計3悪人』」と言っている。『加計3悪人』とは、萩生田・菅・下村の3人。
とりわけ、下村博文は文科大臣時代に学校法人加計学園から200万円の闇献金を受領していたとして叩かれ、しょうもない釈明記者会見で、さらに自らの首を絞めた。これが自民党都連会長なのだから、自民党の目はない。
『加計3悪人』にアベを加えた4人だけのおかげではない。いや、さすが自民党人材は豊富だ。日替わりメニューで出てくるニュー・スターたち。おなじみのイナダ朋美、豊田真由子様、そして二階俊博幹事長。
イナダは本当に弁護士なのだろうか。法的素養と法的な思考・判断力ゼロを露呈して恥じるところがない。豊田様の暴言は議員様たちの裏の顔を露わにして分かり易い。河村健夫議員の「あれはたまたま彼女が女性だから、あんな男の代議士なんかいっぱいいる。あんなもんじゃすまない」というホンネと相まって、影響はとてつもなく大きい。そして、大物が登場する。二階俊博幹事長である。
「二階氏は30日夕の国分寺市の演説で、自身を含む政権中枢の発言を伝えている報道機関に矛先を向け、『マスコミは偉いには違いないが、偉いと言っても限度がある。あんたらどういうつもりで書いているのか知らんが、我々はお金を払って(新聞を)買ってんだよ。買ってもらっていることを、やっぱり忘れちゃダメじゃないか』と述べた」と報じられている。
この論理、「スポンサー・ファースト主義」という。あるいは「スポンサー・オンリー主義」。「国が金を出しているのだから、国立大学では日の丸・君が代を掲揚斉唱しろ」というあの理屈。いまや、「スポンサー・ファースト主義」は三歳児からの幼稚園・保育施設に「国旗国歌に親しむ環境」の押しつけにも使われている。
「我々はお金を払って(新聞を)買ってんだよ。買ってもらっていることを、やっぱり忘れちゃダメじゃないか」というときに、二階の頭の中にある「我々」とは誰のことだろう。
政権や権力中枢のことだろうか。与党勢力のことだろうか。あるいはこの世を支配している企業のことだろうか。いずれにしても、ジャーナリズムに対して、堂々と「カネの力に屈せよ」という、凄すぎるこのセンス。さすが自民党幹事長。やっぱり安倍さんと、安倍さんにつながる人々はおかしいのだ。
コチラから見ての最大の功労者、アチラから見ての最大の戦犯は、やはりアベ・シンゾー本人なのだ。それにしても、明日、新たに檜舞台に躍りでる「戦犯」は誰だろう。楽しみでならない。
(2017年6月30日)
たまたまこのブログに目を留められた都内有権者の皆さんに訴えます。
東京都議会選挙が、3日後の日曜日に迫っています。多くの心ある有権者が、「自民党には投票しない」「今回だけは傲れる自民党に厳しいお灸を据えなければならない」とお考えのことでしょう。しかし、その大切な自民への批判票。都民ファーストの会にやってしまっては、結局は同じ穴のムジナを太らせるだけのこと。あなたの自民党批判の意図が生きることにはなりません。
アベ一強政治の傲りは、政治を私物化し、おトモダチ人事で要所を固め、行政の公平をねじ曲げ、数の力による諸悪法の製造を強行し、説明責任を放棄し、議会制民主主義を形骸化するなど、既に末期症状に至っています。このような事態で、安倍晋三は9条改憲に手を付けようと言い始めました。最後の悪あがきというほかはありません。
特定秘密保護法、戦争法(安保関連法)、そして共謀罪法案(「組織的犯罪処罰法改正案」)の究極の強行採決。森友学園、加計学園問題。辺野古新基地建設強行と沖縄県民いじめ、国連での核廃絶条約への反対の立場、福祉の削減、労働法制での弱者いじめ…。安倍政権の反国民性はまことに顕著といわねばなりません。
さらに、萩生田光一、豊田真由子、稲田朋美、下村博文など日替わりメニューで腐敗ぶりを見せつけてもいます。こんな政党に、大切な一票を投じることなどできるわけがありません。
では、自民批判票を対立するどの政党、どの候補者に投ずべきか。よくよくお考えください。
メディアは、ことさらに自民対小池新党対立の構造を描いています。つまり、非自民票の受け皿としての都ファへの投票を誘導しているのです。しかし、大切な一票です。ちょっと待ってください。都ファへいれるのはもったいないといわねばなりません。
もし、あなたが都ファに投票をとお考えなら、ぜひ「なぜ」「どうして」と反芻していただきたいのです。都ファって、いったいなんだろうか。どんな理念で、何を目指している政党なのだろうか。ご存じでしょうか。
小池百合子という党首が、右翼組織である日本会議国会議員懇談会の元副会長であり、「歴史教科書問題を考える会」の役員を務め、歴史修正主義の片棒を担いできたこと。「つくる会」系の教科書採択をサポートする運動に参加してきたこと。元は安倍第1次内閣の防衛大臣であり、数え切れないほどの政党を渡り歩いてきた政治家であること。そして、民族差別主義団体在特会系団体と近しいことなどは、よく知られているところですが、さて都民ファーストの会とはいったい何なのか。
以下が都民ファーストの会の綱領です。念のために申し添えますが、これが全文です。ぜひ読んでみてください。この綱領をもつ政党に、何らかの政治理念を感じられますか。この政党が誰のために、何をしようとしているのか。どんな具体的政策をとるのか、想像ができますか。あなたの一票を託せるでしょうか。
宇宙から夜の地球を見た時、世界は大きな闇と、偏在する灯りの塊に見える。その灯りの塊の最も大きなものが、東京を中心とした輝きである。
その輝きは、東京という大都市の力であり、経済の大きさであるが、同時に、そこにある一つひとつの灯りの下に、人々の生活があり、営みがあることを政治は想像できなければいけない。
一つひとつの灯りが揺らいではいけない。
もちろん、全体の輝きが褪せてもいけない。
この20年の硬直した都政の下で、アジアの金融拠点はシンガポールに、物流拠点は上海に、ハブ空港は仁川に後塵を拝しつつある。東京が産業構造の変革の波の中で、世界をリードする絵図を描けているか。少子高齢化が叫ばれながら、福祉対策の転換を導いているか。老朽化する都市は輝きを失うのではないか。様々な危機に対する準備は万全か。これまでの延長線をなぞるだけの都政でよいのか。
だから、今こそ「東京大改革」の旗を私たちは掲げる。
「東京大改革」とは、首都東京を、将来にわたって、経済・福祉・環境などあらゆる分野で持続可能な社会となりえるよう、新しい東京へと再構築すること。東京の魅力ある資産を磨き直し、国際競争力を向上させること。都民一人ひとりが活躍できる、安心できる社会にステージアップすることである。
そのための大原則を「都民ファースト」「情報公開」「賢い支出(ワイズスペンディング)」とする。私たちが自らの名に「都民ファースト」を冠するのは、都政の第一目的は、都民の利益を最大化すること以外にないと考えるからである。一部の人間、集団の利益のために都政があってはならない。
私たちは、旧来の勢力に囚われている都政を解き放ち、躊躇なく東京を活性化し、行政力の強化を行う。区部のさらなる発展を図り、多摩・島嶼振興を積極的に推進することで、東京2020オリンピック・パラリンピック後も輝き続ける首都東京を創造していく。
今日よりも明日、明日よりも未来に希望がもてる社会を描くため、私たちが「東京大改革」をすすめていく。
都民ファーストの会の初代会長は、野田数という極右というべき人物です。まぎれもなく、反憲法、反民主々義思想の持ち主。元小池百合子衆議院議員秘書で、2016年の東京都知事選挙では小池百合子の選挙対策本部責任者を務めて、当選後に知事の特別秘書(政策担当)に任命された人物。今年の1月新設の都民ファーストの会初代代表に就任して、6月1日小池都知事が正式に都民ファーストの会の代表に就任したことに伴い代表を退任しました。
この人、2012年10月「東京維新の会」を代表して、日本国憲法無効論に基づく大日本帝国憲法復活請願を東京都議会に提出しています。その中で、「我が国の独立が奪われた時期に制定された」と現行憲法の無効を主張するとともに、皇室典範については「国民を主人とし天皇を家来とする不敬不遜の極み」「国民主権という傲慢な思想を直ちに放棄」すべきことを主張しています。
こんな人物が小池新党の初代代表者として、綱領や政策を作ったというのです。小池という衣の下に見える鎧がこの野田数。空っぽの綱領の底にあるのが、憲法否定、国民主権否定の恐るべき極右思想。
あなたが真剣に、よりよい政治を望むのなら。さらには、平和や人権や民主主義が重んじられ、働きやすく住みやすい格差の少ない社会を望むのであれば、都民ファーストの会に投票してはいけません。
ぜひ共産党へ、あるいは民進・社民・自由の、立憲民主主義を掲げている各政党の候補者への投票をお願いいたします。
(なお、以上の記事は「リテラ」「ウィキペディア」「都民ファーストの会公式ホームページ」等を参考にしています)
(2017年6月29日)
あー。いやなことを思い出す。政権1期目のおしまいのころのこと。歯車が軋んで、何をどうやっても、うまくいかなくなった。何をやっても、何を言っても、裏目に出て叩かれっぱなし。その結果が史上例を見ない、みっともない政権投げ出しとなったんだ。2007年8月のこと。あれからもうすぐ10年。10年前の悪夢を思い出すと、またキリキリ腸が痛む。
あれは、オレだけの責任じゃない。獅子身中の虫は獅子を食らうというじゃないか。オレが獅子だというほどのうぬぼれはないが、何匹もの虫に身を食われた痛みを忘れることができない。一年足らずの短命政権が、不祥事で5人もの大臣辞任者を出した。だから、オレの責任じゃない。身中の虫のせいだ。
あのときの虫は、まず規制改革担当大臣の佐田玄一郎だ。事実上存在しない事務所の費用に7800万円も支出したという政治資金の虚偽報告だ。この佐田の辞任が、ケチのつきはじめ。
次が、厚生労働大臣柳澤伯夫。「残業代ゼロ法案」推進が国民の反発で挫折した挙げ句が、女性を「産む機械」とした失言。この追及は応えた。女性の支持率が下がっちゃった。
その次が、「原爆投下しょうがない」発言で辞任した久間章生防衛相。まだある。農水相の松岡利勝。事務所費問題の追及で自殺に追い込まれた。その後任が赤城徳彦。あの「バンソウコウ王子」だ。政治資金虚偽報告疑惑渦中の彼の顔がテレビに映るたびに支持率が下がって、持ちこたえられなくなった。政権も、オレの腸もだ。
第2次政権以後も、虫虫虫虫…。虫だらけだ。
小渕優子経産大臣と松島みどり法務大臣の『ダブル辞任』。次いで、経済財政政策担当大臣甘利明、高木毅原発事故再生担当相、西川公也農水大臣、下村博文前文科相、沖縄対策担当大臣鶴保庸介、復興大臣今村雅弘、地方創生担当大臣山本幸三、法務大臣金田勝年。アベチルドレンと言われた政務官クラスだと、数え切れない。
中でも噛みつかれて痛い虫が、パワハラ豊田真由子だ。「このハゲーーーーーっ!」の衝撃はメガトン級だ。しかも、選挙の応援演説で、オレが豊田を連呼しているところが繰り返された。豊田にではなく、オレにとって最悪だ。都議選でオレが街頭演説をやれば、聴衆は豊田真由子の「このハゲーーーーーっ!」を連想するだろう。イメージ悪過ぎで、オレの出番がなくなった。
せっかくダメージの少ない方を選択して、無理して国会閉じて森友・加計に蓋をして都議選になだれ込んだのに、あまりにも悪いタイミング。政権末期には、こんなことが起こるんだ。
そして、イナダだ。あの無能、懲りずにまたやらかした。いったい何度目だ。
産経報道の見出しが「稲田朋美氏発言で“三重苦” 『とばっちりだ…』突然の後ろ矢、憤る自民候補 他党は『敵失で好機』」というもの。「影響は自民現職2人や都民新人2人など10人の候補で5議席を争う激戦の板橋区選挙区にとどまらず、都議選全体に飛び火しつつある。」と遠慮がない。
産経ですら、厳しいイナダ批判で、自民と政権に手厳しい。ということは、全メディアが政権に遠慮せずにものを言うようになったということだ。政権への遠慮した物言いができない空気が蔓延しはじめているのだ。やっぱり、政権の末期症状だ。
もっと大きな虫がいる。菅だ。もっと上手に懸案を処理してくれるはずではなかったのか。森友問題も、加計問題も、収束の筋書きが書けていない。失敗続きで、責任大きい。何とかしろ。
いや、忘れていた。最大の虫はオレ自身だ。獅子を食い尽くした虫をよく見たら、獅子そのものだった。オレがオレ自身を食いちらし、食い尽くしたのだ。考えてみれば、惨めに政権を投げ出したオレが、第2次政権を作ったのがそもそもの間違い。そもそもオレの右翼体質が、結局は国民に受け入れられなかったということなのだ。
都議選の結果が恐ろしい。とりわけ、真っ向からの政権批判者だった共産党の議席次第で、悪夢が正夢になる。
ああ、祇園精舎の鐘の音が耳に重く響く。
「アベーーーーーっ! ヤベーーーーーっ!」「ダメーーーーーーっ!」と。
(2017年6月28日)
つい先頃までネットでの選挙運動は禁止されていた。大いにその不平を鳴らしていたが、4年前の公職選挙法改正で解禁となった。ようやくにして今は「自由」だ。これを活用しない手はない。
要点を確認しておこう。
選挙運動とは、「特定の選挙について、特定の候補者の当選を目的として、投票を得又は得させるために直接又は間接に必要かつ有利な行為」などと面倒な定義がなされている。そんな定義にこだわることはない。
要するに、「きたる7月2日の東京都議選文京選挙区では、自民党の悪政に対決し、すべての働く人々に明るい未来を切り開く、日本共産党の福手ゆう子に、ぜひとも清き一票をお願いします」と、特定の選挙について、特定の候補者の名前を出して、投票依頼をしてもよいということだ。
選挙運動は不自由極まりなく、選挙用文書の規制も厳しい。しかし、有権者の誰もが、ホームページ、ブログ、SNS、動画共有サービス、動画中継サイトで、選挙運動ができるのだ。大いに活用すべし、ではないか。もっとも、不特定多数者へのメール発信による選挙運動は誰もが考えるところだが、候補者・政党にのみ許され、一般有権者には解禁されていない。
また、注意すべきは、選挙とは本来が正々堂々の言論戦であるということ。言論には自ずから制約がある。虚偽や侮辱の言論を慎むべきは当然であり、また、匿名に隠れての無責任な言論もあってはならない。
だから匿名のネット選挙運動は、認められていない。「ネット選挙運動には、メールアドレスを表示することが義務づけられている」(公職選挙法第142条の3第3項)。メールアドレスの代わりに返信用フォームのURL、ツイッターのユーザー名などでもよい。その違反に罰則はないが、プロバイダー責任制限法での削除対象にはなり得る。
また、選挙運動は、選挙の期間中になすべきこととなっている。ネット選挙運動も、告示日(6月23日)から、投票日の前日(7月1日)までのこと。選挙当日には選挙運動としての新たな書き込みはできないが、それまでにアップした記事を削除する必要はない。なお、18歳未満の者は選挙運動ができないルールだから、当然にネットでの運動もできない。
さて、都議選である。ネットによる言論戦が望まれる。今は、投票結果に結びつく発信をすべきときだ。
メディアは、もっぱら「小池与党」対「自民」の対立構図を描いているが、そうとらえてはならない。この選挙は、なによりもアベ一強政治弾劾選挙だ。アベ強権政治ノーの一票の積み上げの舞台だ。共謀罪反対の意思表示であり、共謀罪採決強行に見られた議会制民主主義の危機への有権者の警鐘の選挙だ。政治を私物化し、行政をねじ曲げ、政治過程の透明性を奪い、真摯な説明責任を放擲したアベ自民党政治への怒りを表明する機会だ。投票による世直しのチャンスなのだ。
メディアはこれをミスリードして、「小池知事派過半数か 自民第1党か」(朝日)、「知事勢力の過半数焦点」(東京)、「小池勢力VS自民 新構図の決戦」(産経)などと言っている。こういう構図が喧伝されれば、「小池」と「自民」だけがクローズアップされ、その他の政治勢力の存在が霞んでしまうことになる。
ところが、選挙状勢はそうなっていないようなのだ。
JX通信社なるネット配信社が、東京都内世論調査を昨日(6月26日)発表している。
6月24?25日実施のもの。788人から回答を得たという。
見出しを「都議選中盤情勢 都民ファーストが第1党の勢い維持」とし、
アブストラクトを
「都民ファーストに投票32% 自民は19%」
「『築地は守る、豊洲を活かす』に賛成58%」
としている。要するに、ありきたりのメデイアの構図である。
注目すべきは、都民の投票意向先調査で、1週間前の前回数値との比較である。
「都民ファースト」 32.2%(前週比-2.4ポイント)
「自民党」 19.5%(前週比+0.8ポイント)
3位以下の投票意向先では、
共産党が12.2%(プラス4.2ポイント)
民進党が 6.0%(プラス1.3ポイント)
公明党が 5.1%(プラス0.5ポイント)
都ファは、支持を減らしている。-2.4ポイントは、決して小さな数値ではない。注目は共産党。先週の8.0%からの12.2%の獲得は52.5%の増である。この上昇幅のもつ意味は大きい。
前回都議選の自民党得票率は36%。この数値と比較しての今回19.5%は明らかに自民党への都民の批判が大きいことを物語っている。しかし、その批判票の受け皿が小池新党であってはならない。よく知られているとおり、小池は改憲論者の右翼。「日本会議国会議員懇談会」の副会長経歴を持つ。「新しい歴史教科書をつくる会」の支持を受けている歴史修正主義者でもある。また、公明党は、国政ではアベ政治を支え、都政では小池と組もうという無原則。
「自民批判票を、小池新党にやってはならない。ぜひとも共産党に」という呼びかけの手応えが、1週間での「プラス4.2ポイント=52%増」ではないか。共産党の地道な自民批判と、都ファ・公明に対抗しての選挙運動が実を結びつつあるように見える。
(2017年6月27日)
時事が伝える昨日(6月25日・日曜日)の首相動静である。
午前10時現在、東京・富ケ谷の私邸。朝の来客なし。
午前中は来客なく、私邸で過ごす。
午後も来客なく、私邸で過ごす。
26日午前0時現在、私邸。来客なし。
以下は6月19日付読売の報道。
「読売新聞社は17?18日、全国世論調査を実施した。
安倍内閣の支持率は49%で、前回調査(5月12?14日)の61%から12ポイント下落した。不支持率は41%(前回28%)に上昇した。
内閣支持率が50%を割ったのは、昨年6月17?19日調査(49%)以来。下落幅は2012年12月の第2次安倍内閣発足以降で最も大きかった。ただ、最低を記録した安全保障関連法成立直後(15年9月調査)の41%は上回った。内閣を支持しない理由のトップは『首相が信頼できないから』48%で、第2次安倍内閣発足以降で最も高かった。」
ほかならぬアベの盟友、ナベツネ新聞がアベの不人気を報道せざるを得ない事態。これが、1週間前のこと。とはいえ、このときはまだ内閣の支持率が不支持率を上回っていた。今、さらに事態は深刻だ。
毎日に続いて、朝日も読売もアベ内閣不支持が支持率を上回った(都内有権者)という世論調査結果を発表した。数字だけではない。折も折、アベチルドレンの一人、豊田真由子議員の「パワハラ・絶叫」事件。随伴して繰り返される安倍晋三のパワハラ議員支援連呼絶叫の映像。加計学園問題だけでなく、森友学園問題も大きく人々に記憶を呼び起こす事態となっている。
アベの私邸は東京都内にある。その東京が天下分け目の都議選の真っ最中。その短い選挙期間のラスト・サンデーに、自民党総裁安倍晋三の出番はなかった。自民党都議団凋落が囁かれている事態にもかかわらず、である。アベに応援受けるなんて、不人気を背負い込むようなもの。豊田真由子を連想させるだけ。自民党都議候補からすれば、疫病神同然なのだ。聴衆から罵声を浴びせられることにもなりかねない。
だから、お呼びがかからない。お呼びがかからないから、ラスト・サンデーが「ふて寝サンデー」となったのだ。
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孤独だな。さびしいな。誰も声をかけてくれない。世の中冷たいな。神戸は五月晴れなんて言ってみたけど、東京は霧だ、靄だ、いや闇だ。
あああ、パンダはいいな。なんの悩みもないんだろうな。ただいるだけで、ちやほやされて、人寄せパンダだもんな。ボクもパンダになりたい。
あああ、藤井聡太君はいいな。若くてたいへんな人気だ。実力ある人が羨ましい。ボクもああなりたいな。
あああ、前川さんはいいな。なんてったって信念の人だものね。いうことにスジが通っていて、説得力があるものね。ボクも信念がほしい。いまさら、無理だろうけど。
あああ、籠池夫婦はいいな。彼らなりに「夫婦相和し」ってのを実践しているもんな。お互いの信頼関係が深いんだろうな。ウチの夫婦はダメだ。やることなすことうまくいかない。籠池夫婦みたいになりたいな。
考えてみれば、ボクって、才能はなく、学識も常識もデンデンなく、もちろん誠実さも信念もない。それでいて上から目線で人間関係を上手に作れない。それでも、生まれの良さと図々しさだけでやってきたんだ。それが、とっくにメッキは剥げちゃっている。これまでは、不思議と人気だけはあって大きな顔をしてきたけどもう駄目なようだ。となると、ボクって何の取り得もない、どうしようもない人間だってことが、しみじみとよく分かる。
一期目の終わりのことを思い出す。なにもかも逆目に出て、泣きべそかいて政権を投げ出したあの惨めなときのこと。今度も、はしゃいだ挙げ句の身の破滅となるんだろうな。でも、自業自得だものな。批判はすべて本当のことだから、しょうがないかな。
これまではみんな黙っていたくせに、ボクが落ち目になると批判をはじめる。経団連会長まで、「ぜひ是正してほしい。約束通り説明の機会をつくり、総理の言葉で国民に説明してほしい」なんていう。ボクに説明責任を果たし、信頼回復に努めろなんていうんだ。
これまで、ボクが「国民の皆様にご理解いただけるよう、丁寧に説明を続けていきます」と何度も言って、一度だって実行していないのは知っているはずだろう。できることなら、とっくにやっている。できないからやっていないんじゃないか。みんなそんなことはよく分かっていて、「説明責任を果たすべきだ」なんて。みんな意地が悪いんだ。しかも、ボクが口を開くと「あまりに下品で不誠実で幼稚」と罵られてばかり。
あああ。パンダにあやかりたい。藤井聡太がうらやましい。前川喜平を真似したい。籠池夫婦はいいな。それにつけても…、いつの間にボクってこんなにみじめになっちゃったんだろう。
(2017年6月26日)
学生時代の親しい友から電話がかかってきた。
友「安倍晋三が、『加憲的な9条改憲』ということを言いだしたろう。あれは、いったいどういうことなんだ?」
私「9条1項の戦争の放棄、9条2項の戦力不保持には手を付けずにそのまま残しておいて、9条3項か、9条の2を新しく付け加えるというあれね。」
友「『自衛隊を憲法上の存在として明記する』というのだから、自衛隊の合憲化をねらっていることは間違いない。けど、よう分からんのは、ホントにそれだけなのかどうか。これまでの政府の解釈も、『自衛隊は違憲の存在ではない』のだから、わざわざ憲法改正までやるほどのことはないだろう。」
私「『加憲的改憲』は公明党の主張だから、その賛成を得やすいというところは、大いにあるだろうね。自民党改憲草案のように、9条2項を削除して国防軍を創設するということでは、危険すぎて現実性がない」
友「けどな。ホントに『自衛隊は違憲ではない』ことを明確にするだけのことだったら、手間暇かけてこんな改憲手続をわざわざするはずがない。必ず、ウラがあるんだろう。」
私「9条3項でも9条の2でも、これが新しく付け加えられことで、9条1項2項の解釈が違ってくることは大いにありうる。」
友「そこが、ポイントなんだな。『新しく付け加えられた9条3項が、9条1項2項の上書きをする』などという解説を読んだが、『上書き』ではよく分からない。こんなときの法律用語があったろう。」
私「有名な法諺に『後法は前法を破る』というのがある。『後法は前法を廃止する』ともいうようだ。『後法優先の原則』と言っても同じこと。」
友「9条1・2項と、新3項とは矛盾するという前提で、新3項が1・2項の内容まで変えてしまうということだな。」
私「そうだ。まずは、9条1・2項と、新3項との解釈に齟齬がないように、統一的な解釈を試みなければならない。しかし、いかんせん『陸海空軍その他の戦力はこれを保持しない』という2項の定めと、新3項の『自衛隊の存立』。両者が矛盾なく並立することは常識的に困難だろう。」
友「9条3項におくことで合憲化しようという自衛隊は、ホントに今のままの自衛隊なのかね。将来『戦力に変質しうる自衛隊』ではないのか。」
私「そのまえに、『今のままの自衛隊』がなんであるかを確認しなければならない。戦争法によって集団的自衛権行使や他国軍への『後方支援』の権限を付与された自衛隊なので、決して『専守防衛の自衛隊の合憲化』ではないことが重要だろう」
友「なるほど、そのように言われると、3項の新設によって2項が破られてしまうということの意味が見えてくる。」
私「小狡いアベのやることだ。うんと悪いことに決まっている。そう構えるのが正しい対処だと思うね。」
友「しかし、なんで後法が優先するのだろう。意味が明確な2項に矛盾しない範囲で3項を解釈すると考えてもおかしくないじゃないか。」
私「直近の主権者の意思が、従前のものより尊重されてしかるべき、ということだろうね。」
友「いったい、新3項の具体的な条文案はどうなるのだろう。」
私「けっこう具体的な案文作りは楽ではないと思うよ。やましい意図を隠しながらのダマシのテクニックを駆使しなければならないのだから。」
友「報道だと、自民党は現行9条『堅持』の姿勢を示して公明党の理解を得、年末までの改正案取りまとめを目指す。その前倒しという話もある。保岡興治は『来年の通常国会が終わるまでに発議できればベスト』ということじゃないか。」
私「2020年施行を逆算すれば、そんなペースだが、そんなにうまくいくはずはなかろう。」
友「そうだな。落ち目のアベ。落ち目の自民党だよな。傲りの挙げ句の支持率低下だ。今度の都議選でもお灸を据えられることになるのだろう。」
私「アベには哲学も理念もない。現行憲法のどこをどう変えねばならぬという信念がない。しかし、この無原則が彼の強み。改憲派を糾合する立場としてはうってつけだと思う。ともかく憲法に傷を付けたいという、反憲法の情念だけは人一倍強い。そのアベの求心力が落ちてくれば、自民党も与党もまとまらない。日和見維新も遠ざかる。右翼連中からも惰弱と指弾されることになる。そんな彼にとっての悪循環が始まったように見えるよね。ようやくのことだけど」
(2017年6月25日)