本日、日本民主法律家協会の第56回定時総会。毎年総会議案書を読むたびに、日本国憲法が常に危機の事態にあることを痛感させられる。
考えてみれば、途中にやや途切れはあったにせよ、1955年以来の長期保守政権である。日本国憲法を敵視し、改憲を党是にするという保守政党が政権を握り続けてきたのだ。とりわけ今は、保守というよりは右翼というべき安倍政権。こんなものが権力を握っているのだから、「改憲」の危機でもあり、憲法理念がないがしろにされる政治がまかり通っている「壊憲」の危機でもあるのだ。
それと同時に、毎年総会議案書を読むたびに感じるのは、国民の政権への抵抗による改憲阻止運動の粘り強さである。それは同時に、憲法理念の徹底を求めて闘う種々の国民運動の逞しさでもある。
おぞましい安倍政権である。発足以来、教育基本法を改悪し、特定秘密保護法を制定し、戦争法を強行し、共謀罪も通した。しかし、その都度大きな抵抗を受け、各法律も使いにくいものとなっている。そして、安倍政権の危険な本性が多くの国民に知られるようになってきている。安倍と安倍を擁立する右翼勢力の憲法敵視攻撃の激しさにもかかわらず、抵抗勢力はよくこれに耐え凌いできた。
結局のところは、緊張感張り詰めたせめぎあいが続いている。こうして、今年が憲法施行70周年の年。この70年、権力に抗して改憲を阻止し続けることで、この日本国憲法を自分自身のものとして、日々獲得してきたのだ。
この一年の共謀罪反対運動と改憲阻止に向けた運動での総括は、日本民主法律家協会の果たした役割を自信をもって報告するものだった。そして、改憲を阻止するためには野党と市民の共闘を緊密にそして大きなものとする以外になく、各野党の紐帯のために法律家が積極的役割を担おうと、確認された。
本日の総会人事で森英樹理事長が退任した。一抹の淋しさを感じる。そして、新理事長に右崎正博さんが就任。「暴走する安倍政権の壊憲策動とどう闘うか」と題する記念講演をされた。自ずと、安倍のいう「9条3項『加憲』案」に、話題は集中した。
後法は前法に優先する。2項がそのまま手つかずであったとしても、これと矛盾する3項が付け加えられると、2項の「戦力不保持」「交戦権否認」が空文化することになる。その右崎記念講演詳細レジメの「結び」の部分だけをご紹介する。
この秋が焦点となるであろう、暴走する安倍政権の改憲策動とどう闘うか。9条3項「加憲」案の日本国憲法との不整合性を徹底して理論的に明らかにするとともに、広く国民にその危険性を伝え、改憲の発議を阻止する道助を組織していく必要がある。
すでに特定秘密保護法、安保法制と政府与党による強行採決に対して、国民的な共同が組まれ、2016年7月の参議院選挙ではじめて野党の選挙協力により大きな成果を上げた経験がある。共謀罪の与党・維新による強行採決に対しても、同じ国民的な共同が組まれた。これが安倍改憲策動への大きな障害となり得る。
6月8日野党4党の党首が国会内で会談し、「安倍政権の下での憲法9条の改悪に反対すること」など、当面する政治課題での対応とともに、次の総選挙における4野党の協力について合意したと伝えられた。公権力を私物化する安倍政治を総括するとともに、この秋に向けて、安倍改憲阻止のために国民的な共同を作ることが求められている。
**************************************************************************
日本民主法律家協会第56回定時総会アピール
憲法の危機に立ち上がろう
安倍音三政権は、特に2012年の第2次政権以降、「戦後レジームからの脱却」を唱え、国民の強い反対の声を押し切って、特定秘密保護法の強行成立、国家安全保障会議の創設と国家安全保障戦略の決定、武器輸出三原則の廃止と防衛装備移転三原則の決定、武器の共同開発の推進、日米防衛協力ガイドラインの第3次改定、戦争法(安保関連法)の制定、刑事訴訟法・盗聴法(通信傍受法)改悪、そして今年6月15日の共謀罪法案の強行成立と、矢継ぎ早に憲法破壊の法制、施策を進めてきました。
こうした経緯を経て、安倍首相は今年5月3日以降、「憲法9条1項2項を残したまま3項を加え自衛隊を書き込む」と提案し、秋の臨時国会で自民党改憲案を国会に提出、来年6月を目標として通常国会で改憲の発議、国民投票を経て2020年新憲法施行という改憲スケジュールを打ち出しました。
310万を超す日本人と2000万に及ぶアジアの人たちの犠牲の上に生まれた日本国憲法は、戦後70年余、日本を戦争に巻き込ませず、1人の日本人も戦争で命を落とすことなく、また1人の外国人兵士をも殺すことなく、平和創造に寄与してきました。
しかし、安倍政権は、米国の庇護の下で、沖縄基地の恒久化と「日米軍事一体化」を進め、「世界で最も企業が活動しやすい国にする」という新自由主義を推進し、教育・文化など国民の意識をも改変しようとしてきました。そして、今回、遂にその「本丸」である9条をターゲットとして、改憲の具体化に乗り出したのです。
特に、安倍政権の政治手法は、日本国憲法の下で長年積み重ねられてきた、社会や政治の民主主義的ルールを全く無視し、小選挙区制と政党交付金制度による与党内部の締め付けの強化、内閣府に一元化された官庁の人事権の恣意的運用、重要な行政上の経過を示す公文書の破棄、隠蔽など、かってないほどの独裁性を強めてきた点て重大な問題を抱えています。とりわけ第193通常国会における政府・与党の政治行動は、森友学園問題や加計学園問題など首相による政治と行政の「私物化」に対する国民からの異論や質問に答えない「問答無用」の姿勢、最大の対決法案であった共謀罪法案について「中間報告」という異例の手法で委員会採決を省略し本会議で採決を強行するなど、あまりにも強引な議事運営に終始したものでした。このような安倍政権に憲法や民主主義を語る資格はありません。
さらに、「9条を残したまま憲法に自衛隊を書き込む」とする首相の改憲構想は、公明党の「加憲」論にすり寄り、「日本会議」の論文に明らかな通り護憲勢力を分断し、憲法9条2項の戦力不保持の原則を空文化させるものです。世界有数の軍隊に巨大化し、戦争法で米軍等と共に海外で戦うようになった自衛隊を、「その存在を憲法に書きこむだけなら問題はない」という論理は成り立ちません。しかし安倍政権は、この誤った宣伝を、囲い込んだ巨大マスコミを巧妙に使って、広めようとしています。
しかし、憲法9条を守り活かすことの意義は、ここ数年、諸悪法への反対運動や「九条の会」の運動などによって、広く国民の間に共有されてきています。この度の東京都議選の結果はその証左です。私たちは、さらに進んで「安倍改憲論」の狙いを見抜き、広げ、反対してこれを挫き、併せて憲法を擁護し発展させる運動を一層発展させていかなければなりません。
私たちは、憲法を守り活かす法律家として、国民の運動の先頭に立ち、闘いを広げることを、改めてここに宣言します。日本の平和と民主主義のために、ともに頑張りましょう。
2017年7月8日
日本民主法律家協会第56回定時総会
(2017年7月8日)
七夕である。盧溝橋事件から80周年でもある。風流にひたる時間も、歴史をかえりみる余裕もない。都議選勝ちすぎの、小池百合子と都民ファーストの会批判を続けねばならない。
小池百合子が思想的に右翼であり、改憲論者であって、核武装論者でもあることはよく知られている。だが、「よく知られている」だけでは、小池百合子や都民ファーストの会に迂闊な一票を投じた人々を説得できない。小池百合子が、憲法に敵意をもった、危険な改憲論者であることを、過去の資料で確認しておきたい。
まず、確実な資料として彼女の公式ウェブサイトに掲載したツイートがある。古いものは消されたが、奇特な方が保存して発信を続けている。
その中で、最も有名になったのが自民党広報本部長を務めていた当時、2011年8月26日における下記ツイート。
「本日、サンフランシスコ講和条約発効日である4月28日を主権回復記念日として祝日とする議員立法を総務会で承認し、衆議院に提出いたしました。祝日が多すぎるというなら、借り物の憲法記念日5月3日を祝日から外します。」
主権回復記念日の評価は措く。「借り物の憲法記念日5月3日」という一文に、彼女の「押しつけ憲法観」が見えている。そして、「憲法記念日5月3日を祝日から外します」という言わずもがなの挑戦的な物言いに、日本国憲法への尋常ならざる彼女の敵意を見ることができる。
その少し前には、2010年3月11日付の、こんなツイートもある。
「『朝鮮学校の無償化、首相「法案成立後に判断」』(朝日) それはないでしょ!! 絶対反対! 反日教育を進めている北教組の傘下にある北海道の高校も同類。」
当時の首相は、民主党の鳩山由紀夫。このものの言い方。小池百合子とは、ネトウヨ並みの存在なのだ。
さらにもう少し前には、こんなものもある。
「中共の『日本解放工作要綱』にならえば、事業仕分けは日本弱体化の強力な手段。カタルシスを発散させながら、日本沈没を加速させる…。」
2009年11月26日、民主党政権の目玉政策だった事業仕分けに噛みついた発言。それにしても「中共」とは懐かしい言葉。「中共の日本解放工作要綱」の陰謀が民主党の事業仕分けとなって日本弱体化を進行させているという、これも小池の信条や心情がよく出た発言。
小池百合子は、衆院憲法調査会(現・憲法審査会の前身)の委員だった。
2000年11月30日「二十一世紀の日本のあるべき姿」と題する調査会審議に石原慎太郎(当時都知事)が参考人として出席し、現行憲法無効・自主憲法制定の持論を展開した。憲法論としても政治論としても、トンデモ説というほかはない。当時、「保守党」に所属していた小池は、この審議で石原トンデモ説に賛同しているのだ。議事録から抜粋してみる。
小池百合子「石原都知事、本日はありがとうございます。いろいろと御示唆いただきました。結論から申し上げれば、一たん現行の憲法を停止する、廃止する、その上で新しいものをつくっていく、…どの部分をてにをはを変えるというような議論では、本来もう間に合わないのではないかというふうに思っておりますので、基本的に賛同するところでございます。」
「きょうはいろいろと、憲法調査会でございますから憲法問題に関連してお話しいただいているわけですが、私は、むしろアメリカの戦略とすれば、日本にこの憲法を変えさせないのが最大の戦略になってくるんじゃないか。つまり、いろいろな点でがんじがらめにしておいて、そしてそのたびに出おくれるような形にして、最後は小切手外交をさせようというのが、これは一番アメリカにとっていい方法で、なおかつ思いやり予算というような形で置いて、ありがたくそこに海兵隊の人たちが住んでいるというような状況。ですから、アメリカの側から見れば、それが戦略なのかなと思ったりもするわけでございます。」
「もう時間がございませんので、これで終わらせていただきますけれども、この現行憲法、これが戦後に果たした役割にいろいろな面で感謝もしつつ、ただ、二十一世紀を見詰める上で、今後の日本がどうあるべきかということを踏まえた、ある意味では帰納法的な憲法の創憲ということを目指すべきではないかという私の意見を申し上げまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。」
小池も基本的に現行憲法無効論に立って、憲法改正ではなく、新憲法を「創憲」すべきと論じているのだ。「ある意味では帰納法的な憲法の創憲ということを目指すべきではないか」とは、何を言っているのか自分でも分かってはいない発言だが、現行憲法尊重の姿勢に欠け、これを否定したという心情だけは伝わってくる。
もっとも、小池の改憲論は一貫していない。
2011年時点での右翼誌「ワック」における渡部昇一との対談では、こんな風である。
「九条を前面に出すとこの国はすぐ思考停止に陥り、右だ左だと言い合うばかりで何も進まないという事態が何十年も続いてきました。塩野七生さんもおっしゃっているのですが、まずは誰が聞いても『いい』と言えるような憲法から改正して、『憲法は改正できるものだ』という意識を共有するところからはじめたほうが、結果的には早く憲法を改正できるのではないかと思うんです」(『渡部昇一、「女子会」に挑む!』ワック、2011年)
次いで2012年7月9日、自民党に移っていた小池渡り鳥は衆院予算委員会で、民主党野田佳彦首相(当時)にこうたたみかけている。
○小池委員 私は、社会保障と税の一体改革、……ある意味で、この法案そのものは自民党案の丸のみということを表現される方もおられます。私は、むしろ安全保障の案を丸のみしてほしい。ましてや、憲法改正草案もちゃんと準備いたしておりますので、いっそのこと丸のみするということも、我が国が有しているエネルギーそして時間ということを考えたら、いっそのこと早いんじゃないですか。どうですか、総理。
自民党の「日本国憲法改正草案」は、2012年4月27日に公表されている。もちろん、9条2項を削除して国防軍を創設するという右派の最大限要求案。これを「丸のみ」せよと言っているのだ。
また小池は、2015年2月19日の衆院予算委員会で、安倍晋三に対する質問の中で、こう言っている。
○小池委員 次に、憲法の方でございますが、これについてもまたこれから議論をしっかりと続けていかなければなりませんので、中身の部分はその方に任せまして、大体のロードマップをどういうふうに描いておられるのか、総理に伺わせていただきたいと思います。
せんだって、船田憲法改正推進本部長との面会の中でも、来年夏の参院選後が常識だろうというふうにおっしゃったと伺っております。これからのタイムスケジュールと、それから、憲法というのは前文から百三条まであるわけでございますけれども、その中から抽出して何かのグルーピングをするのか。例えば、緊急事態に関して、八十三条、財政に関してといったような形を想定しておられるのか、総理の今のイメージをお聞かせいただきたいと思います。
○小池委員 私は以前から、八十三条、財政の条項からまずやってみたらどうかと。一度も憲法改正に国民は投票したことも。ようやく整ったわけですから。ですから、いきなり全部のメニューを最初からというよりも、ひとつそのような形で進める、九十六条よりも私は八十三条から始めるべきではないだろうか、このように思っております。
憲法83条は「国の財政を処理する権限は、国会の議決に基いて、これを行使しなければならない。」と定める。自民党改憲草案はこれに第2項として「財政の健全性は、法律の定めるところにより、確保されなければならない。」と加える。それだけのもの。小池は、「お試し改憲」「慣れさせ改憲」のテーマとして適当ではないかと提案しているわけだ。
小池百合子の本性は、およそ憲法理念とは敵対的なものというほかはない。彼女が「都民ファースト」と言い、「国民ファースト」と言っても無内容。憲法嫌いの積極的な真正改憲派であり民族差別主義者なのだ。しかし、彼女は政界渡り鳥。嗅覚鋭く、機を見風を読む能力には長けた老獪な政治家でもある。その行動原理は、自分の信念にもとづいてのものであるよりは、自分の権力拡大のために有利か不利かの判断に基づく。
彼女は改憲論者としては一貫しているが、具体的な憲法改憲手順については、明らかに変遷している。憲法改正を言い出すことが自分に有利と思えば積極的に安倍政権(ないしはその亜流)と手を組むだろう。状勢を読んで、憲法改正を言い出すことが自らに不利と思えば何食わぬ顔で、憲法に基づく行政を行うだろう。
多くの人々に小池百合子の本性を知らせる努力を怠ってはならない。眉に唾を付けて、しっかりと都政の行方に目を光らせなければならない。盧溝橋の過ちを繰り返さないためにも。
(2017年7月7日)
私は、常識的に、政治状況を保守対革新の図式で見ている。硬直したものの見方だとの批判もあろうが、無原則よりはよほどマシだろう。保守と革新を分けるメルクマールは、私の場合なによりも憲法理念への親和性である。人権・平和・民主主義こそが基本のキ。そして外交は反安保。経済政策は企業ではなくすべての個人の生活を平等に豊かにすること。個人の尊厳と平等の実現に徹しているか、歴史を曲解せず真率に向き合うか。
保守の極に自民党があり、革新の極に共産党がある。
保守も幅は広いが、安倍政権の反憲法的姿勢は最悪なもの。また、北極星のごとく不動の極に位置していた共産党が、最近ものわかりよくやや原則性を稀薄化させているのが不満だが、これに代わりうる政治勢力はない。
この両極間の各々の位置に、幾つかの中間政党が消長を繰り返してきた。かつては、革新極に近い位置に社会党という護憲の大政党があり、保守に近いところに民社党があった。ヌエのごとき公明党は、革新に近い位置に生まれて一貫して保守の側に移行を続けた。今や完全に自民党の補完勢力になり下がっている。
社会党が保守化して民主党になり、保守化に抵抗したグループが社民党として残った。その民主党が長期低落の自民党の受け皿となっていったんは政権の座に着いたが、人心が離れて政権を失った。いまや求心力を失って、保守側と革新側の両極からの引力が働いて、政党としてのまとまりを失いつつある。
さて、問題は都民ファーストの会なる地方政党の位置決めである。もちろん、その出自からして保守陣営に属するものであって、中間政党ではない。これまで、民心が自民党を見限って保守の危機が訪れたとき、自民離れ票の受け皿となったのが中間政党であった。自民から流れ落ちる票が革新まで行き着く前に、中間政党が掬い取るイメージ。都民ファーストの会は、同じ保守陣営として、もっと上流で自民批判票の受け皿となったと言えるだろう。
それでも、自民の大敗は、反憲法的姿勢極端な安倍自民に痛打を与えたという意味で、今回の都議選の意義はあつたものと思う。
都民ファーストの会には、綱領らしい綱領はなく、政策らしい政策もない。実績ある議員はいないし、政治理念での結集体でもない。要するに、時運に乗り風に乗りたいだけの時局便乗願望者の寄り集まりに過ぎない。誰が見ても、この政治集団に未来はない。先行き短命なことは明らかと言えよう。
いま、小池都政と都民ファーストの会の看板は、唯一「情報公開」である。外はない。今のところ、過去の都政のしがらみにとらわれない立場だから、遠慮なく情報公開の立場を貫くことができる。しかし、小池都政にもすぐに苔が生える。しがらみが巻き付いてくる。そのときにも、行政の透明性の確保、情報公開の徹底を貫けるだろうか。
そんな都民ファーストの会が今回都議選で200万票を獲得した。得票率にして36%である。恐るべき風と驚嘆せざるを得ない。いつものことながら、「民主主義とはなんだ?」「こんなものが民主主義か?」と考え込まざるを得ない。
今日、「本郷・湯島九条の会」事務局長から、以下の連絡が入った。
「都議選がおわりましたが、『都民ファーストの会』会長・野田数氏は改憲右翼・国民主権否定どころか、大日本帝国憲法復活論者であり、わたしたちは『臣民』と言って憚らない人物です。小池知事は日本会議に所属しており、わたしたちはファシストに都政を売り渡してしまったのです。
今後の対策を『本郷・湯島九条の会』として建てようと思います」というもの。
今なすべきことは次の2点であろう。
まずは、可及的早期に小池都政と「都民ファーストの会」の化けの皮を剥がす批判の努力をすること。そして、もう一つ。この風のやんだあと、熱に浮かされた人々の小池離れ票を、自民に戻してはならない。革新の側に票を移行させるよう努力すべきこと。言うは易く行うは難し、ではあるが。
(2017年7月6日)
両国駅にほど近い墨田区横網に、横網町公園がある。関東大震災(1922年)の頃は陸軍被服廠跡地として空き地であったが、震災に伴う火災でここに避難した3万8000人が焼け死んだ傷ましい大災害の現場として記憶されている。
今は、公益財団法人東京都慰霊協会が管理する東京都慰霊堂や復興記念館がある。震災・戦災の犠牲者追悼の場となっているのだ。
その公園の一角に、「関東大震災朝鮮人犠牲者追悼碑」がある。
横網町公園を管理する公益財団法人東京都慰霊協会は、この碑を「関東大震災時の混乱のなかで、あやまった策動と流言ひ語により尊い命を奪われた多くの朝鮮人を追悼し、二度とこのような不幸な歴史を繰り返さないことを願い、震災50周年を記念して昭和48年(1973)に「関東大震災朝鮮人犠牲者追悼行事実行委員会」により立てられた碑です。」と紹介している。
追悼碑には
次の碑文が刻されている。
「この歴史
永遠に忘れず
在日朝鮮人と固く
手を握り
日朝親善
アジア平和を
打ちたてん
藤森成吉」
また、追悼碑建立の経過が次のとおり、書かれている。
「1923年9月に発生した関東大震災の混乱のなかであやまった策動と流言蜚語のため6千余名にのぽる朝鮮人が尊い生命を奪われました。私たちは、震災50周年をむかえ、朝鮮人犠牲者を心から追悼します。この事件の真実を知ることは不幸な歴史をくりかえさず民族差別を無くし人権を尊重し、善隣友好と平和の大道を拓く礎となると信じます。思想・信条の相違を越えてこの碑の建設に寄せられた日本人の誠意と献身が、日本と朝鮮両民族の永遠の親善の力となることを期待します。
1973年9月 関東大震災朝鮮人犠牲者追悼碑建立実行委員会」
毎年9月1日に、この碑の前で関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典が行われる。日朝協会都連が事務局を務めてのもの。これに都知事からの追悼の辞の奉呈が慣例となっている。私も、昨年は参列した。今年も参加したいと思っている。
日本の植民地支配は歴史の汚点として率直に認め謝罪すべきが当然である。関東大震災時の軍民による朝鮮人に対する虐殺行為は、とりわけ恥ずべき歴史の1ページであるが、この事実を覆い隠そうとすることはさらに恥ずべき行為となる。まずは事実を知ることが繰り返さない第一歩。吉村昭『関東大震災』(文春文庫)と姜徳相著『関東大震災』(中公新書)の両書は日本人必読の書である。
右翼レイシストは、このときの自警団という名の日本人民衆が、無辜の朝鮮人(と中国人)に対して行った戦慄すべき残虐行為を認めたくない。その先頭に立っているのが、自民党の都議古賀俊昭。
本年(2017年)3月2日の東京都議会本会議において、古賀は、工藤美代子著「関東大震災 朝鮮人虐殺の真実」を論拠に、朝鮮人犠牲者の数がこんなに多いはずはないとして、次のように知事に質問した。
「小池知事は、昨年九月一日、同公園で行われた日朝協会が事務局を務める関東大震災犠牲者追悼式典に追悼の辞を寄せています。当組織の案内状には、六千余名、虐殺の文言があります。なお、この団体は、昨年は申請したようでありますけれども、過去、公園占用許可申請書を一度も提出することもなく公園を使用していたほか、都立公園条例で行為の制限条項により、改めて知事の許可を必要とする広告宣伝、物品販売を堂々と行っていました。
東京都を代表する知事が歴史をゆがめる行為に加担することになりかねず、今後は追悼の辞の発信を再考すべきと考えますが、所見を伺います。」「歴史の事実と異なる数字を記述した碑を、東京都の公共施設に設置・展示すべきではなく、撤去を含む改善策を講ずるべきと考えますが、知事の所見を伺います。」
これに対する小池の知事答弁は、次のとおり、かなり危ういものである。
「都立横網町公園におけます関東大震災朝鮮人犠牲者追悼碑についてのご質問でございます。この追悼碑は、ご指摘のように、昭和四十八年、民間の団体が資金を募集し、作成したものを受け入れる形で、犠牲者の追悼を目的に設置したものと聞いております。
大震災の際に、大きな混乱の中で犠牲者が出たことは、大変不幸な出来事でございます。そして、追悼碑にある犠牲者数などについては、さまざまなご意見があることも承知はいたしております。
都政におけますこれまでの経緯なども踏まえて、適切に対応したいと考えます。
そして、この追悼文についてでありますけれども、これまで毎年、慣例的に送付してきたものであり、昨年も事務方において、例に従って送付したとの報告を受けております。
今後につきましては、私自身がよく目を通した上で、適切に判断をいたします。」
「私自身がよく目を通して適切に判断」に注目せざるを得ない。これまでの慣例により毎年送付し続けてきた追悼文である。この慣例は、鈴木俊一も、青島幸男も石原慎太郎も、猪瀬直樹も舛添要一も従ってきたもの。
小池は、本来こう言うべきだった。
「犠牲者数についての議論は本質的なものではありません。傷ましい朝鮮人の犠牲があったことは確かなのですから、これを歴史の闇に葬ってはならないとするのが小池都政の基本方針です」。あるいは「これまで永年にわたって都民を代表する立場で継続してきた朝鮮人犠牲者への追悼文です。今さらこれをやめることは、却って大きな逆のメッセージを発信することになります。軽々にやめるわけにはいかないことをご了承ください。」
こう言わない小池答弁には、これまでの慣例見直しのニュアンスを含むものというほかはない。右翼勢力にも秋波を送って追悼文不送付もあり得るとのメッセージ。
いまや、小池百合子の一挙手一投足が問われている。その本質を問い質すとともに、大いに警戒しなければならない。
(2017年7月5日)
アベ君。いつもは傲慢で高慢なキミだが、今回都議選の大敗はよほどショックのご様子。精神の衝撃が体調に響かなければよいが…。
永田町では、「敗因は『THIS』だが主犯は『A』」と誰もが無遠慮に語る雰囲気だとか。なるほどキミが言っていたとおり、「築城3年、落城1日」。驕れる者は久しからずして、春の夜の夢の如しだ。
ところで、キミは記者には今回の敗因を、「大変厳しい都民の審判が下された。自民党に対する厳しい叱咤と深刻に受け止め、深く反省しなければならない」と言ったそうだね。「叱咤」は感心できない。通例、「叱咤激励」と使う。さすがに、「激励」は控えたようだが、まるで都民の批判は一時的なもので、キミを励ますためのお灸の程度というニュアンス。そんなことだから、反省が足りない。反省したふりしかできない、と言われるんだ。
キミは、「深く反省し、初心に立ち返って信頼回復に全力を挙げる」とも言ったそうだ。相変わらず、具体性に欠けた「反省」。キミが「国民には丁寧に説明してまいります」と言って実行したためしのないことは全国民に周知の事実。キミの反省ポーズは国民から信用されていない。なまなかなことでは、信頼を取り戻すことなどできっこないのだよ。
しかもだ。キミは、政権と自民党の反省のポーズとして、野党からの閉会中審査要求に応じると言わせておきながら、自分の出席は拒否したというではないか。そんなことだから、キミの信用は限りなくゼロとなる。このままでは、キミの政権は緩慢に死を待つしかない。
そこで、キミに起死回生の策を教えよう。キミの具体的な反省の仕方をだ。
まずは、憲法改正の提案を撤回することだ。かたちだけのものではなく、これからは心を入れ替えて、日本国憲法を尊重し、その理念を謙虚に学び実践することを誓うのだ。
もう一つ。辺野古新基地建設断念を閣議決定するのだ。大浦湾の埋立工事はストップして、警備は解散させる。すべて総理の権限でやらせる。
その上で、「THIS」を切ることだ。豊田と下村は閣僚ではないからキミが総理としてクビは切れない。だから、自民党を除名することにしよう。離党届けを受理してはならない。新生自民党に旧体質の政治家は不要だという宣言をすることに意味がある。もちろん萩生田と稲田は直ちに免職だ。しかし、この程度では、国民が納得するとは思えない。
そうしておいて、この4人には、議員辞職を勧告する。この4人のことだ。簡単に議員辞職勧告に応じることはないだろう。そのときに、キミが説得のために伝家の宝刀を抜く。まずは、「ボクも議員をやめる。一切の政治活動から手を引く。だからキミたちも一緒にやめてくれ」と泣き落とす。
これで落ちなければ、いつもの最後の手段だ。
「前川が、怪しげなところに出入りしていたことを暴露したのが誰だか、知らないはずはなかろう。キミたちそれぞれが、脛に傷のない身か、よくよく胸に手を当てて考えてごろうじろ」。これで十分だろう。
こうして、「THIS」+「主犯A」のすべてが政界から身を引く。そして、改憲と辺野古新基地建設はなくなる。それが、国民からの信頼を回復する起死回生の秘策だ。
えっ、それは起死回生策ではなく、自滅策ではないかって?
分かっていないね。キミはもう死に体なんだよ。万に一つでも、身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれの策をとるしか方法はない。自分だけ生き残ろうとしても無理なんだ。
潔さこそ、右翼の美学だろう。キミはキミにふさわしく、散る桜となるのだ。春の夜のはかない夢のごとくに。
キミ、まだ怪訝な顔をしているね。まだ、よくお分かりではないようだね。これで分からぬようでは、やっぱりダメなんだ。キミに本当の反省はできない。残念だけどね。
(2017年7月4日)
都民ファーストの会なる地方政党が、都議会で55議席を獲得して、第一党に躍り出た。アベ一強政治の禍々しさに嫌気をさした都民の気分を受けとめ、アベ離れ票の受け皿になることに成功したこの組織。実は正体不明のままである。本当に、自民の批判勢力なのか、アベ政治対抗勢力として期待しうるのか。その実態を明らかにしていかなければならない。出る杭は大いに打つべし。
都民ファーストの会のホームページを見ても、また、その綱領や政策を見ても、この集団が何を考え、何をなそうとしているのか、伝わってくるものはない。とすれば、この組織の中心に位置する人物像を探らなければならない。そのキーパースンは二人。小池百合子と野田数である。
小池百合子が、政界渡り鳥であり、日本会議につながる右翼思想の持ち主であり、核武装論者でもあることはこれまでも語られてきた。都知事としての議会答弁でも、日の丸・君が代強制容認論者であることを露わにしている。しかし、野田数のなんたるかについて語られていることは過小である。
野田は、都民ファーストの会の設立当初からの代表であり、今回都議選の選挙期間中だけは小池を代表として自らは幹事長となったが、選挙が終わってまた代表に復帰した。都民ファーストの会と、そして小池都政が、このスキャンダラスな人物の動向に影響されるであろうことは否定し得ない。
野田は、1期だけ都議を務めている。自民党公認で当選して、在任中に東京維新なる組織を作ってその代表となった。この東京維新が世間の注目を集めたことがある。日本国憲法無効論にもとづく、「大日本帝国憲法の復活確認を求める請願」に賛成票を投じたことである。
2012年、トンデモ請願が都議会に提出された。その表題は「『日本国憲法』(占領憲法)と『皇室典範』(占領典範)に関する請願」という。内容は、「現行日本国憲法が憲法としては無効であることを確認し、大日本帝国憲法が有効に現存することの決議を求める」という恐るべき請願である。
請願者は憲法無効論者である弁護士の南出喜久治ほか5034人。東京維新の野田と、これも札付きの右翼として名高い土屋敬之の二人が紹介者となったもの。
なお、南出喜久治は京都の弁護士。弁護士にもいろいろあることはご存じのとおり。あのお粗末稲田朋美だって弁護士なのだ。南出は、所属弁護士会から3度懲戒処分を受けた人。3回目は次のような懲戒事由だった。
「2006年3月に京都市内の女性から債務整理の依頼を受け、所有する工場を残すよう頼まれ着手金など300万円を預かったにもかかわらず、2007年7月に依頼を解除されるまで必要な対応をせず、預かり金などを返却しなかったとして、2013年1月28日、京都弁護士会から業務停止3か月の懲戒処分を受けている」(ウィキペディア)。こういう人物が提出した請願なのだ。
請願は、まず総務委員会の審議にかけられる。同年9月18日総務委員会速記録によれば、請願の要旨は、
(1)「憲法、典範、拉致、領土、教育、原発問題などの解決のために必要な国家再生の基軸は原状回復論でなければならないことを公務員全員が自覚すべきであるとする決議がなされること。」
(2)「占領憲法(日本国憲法)が憲法としては無効であることを確認し、大日本帝国憲法が現存するとする決議がなされること。」
(3)「占領典範(皇室典範)の無効を確認し、明治典範その他の宮務法体系を復活させ、皇室に自治と自律を回復すべきであるとする決議がなされること」
の3点だという。
(1)は意味不明。(2)(3)はネトウヨ論法。現行憲法は占領軍の押しつけ憲法だ⇒だから無効⇒だから今だに大日本帝国憲法が有効に存在しているのだ。という「論理」。公の場では恥ずかしくて口にできない代物。これが、紹介議員を得て都議会に出てきたのだ。
共産党の吉田信夫委員が、正鵠を射た弾劾の意見を述べている。
〇吉田委員 「日本国憲法と皇室典範に関する請願について、一言意見を表明いたします。
本請願は、そもそも現行憲法及び皇室典範は無効であるとの認識を前提とし、大日本帝国憲法、明治典範が現存するという極めて特異な考えによるもので、その考えを都議会も認めよというものです。
しかし、先ほどの説明にもあったとおり、質問主意書への中曽根内閣の政府答弁でも、日本国憲法は、大日本帝国憲法の改正手続によって有効に成立したものであって、その間の経緯については、法理的に何ら問題ないとしており、無効論は成り立ちません。
憲法にうたわれた戦争放棄、主権在民などの諸原則は、決して一方的に押しつけられたものではなく、侵略戦争への深い反省に立った日本国民の願いを反映したものであり、世界の流れを反映したものです。
にもかかわらず、驚くべきは、請願者が、我々臣民としては、国民主権という傲慢な思想を直ちに放棄してと、強調していることです。このような主権在民を否定し、時代を戦前に逆戻しさせるかの主張は、到底見過ごすことはできませんし、この請願に紹介議員となった二名の都議(野田と土屋)の良識も問われるものです。よって、本請願は不採択を求めるものです。
総務委員会では全会派の反対で不採択とすべき旨の議決がなされ、2012年10月4日の都議会本会議でも東京維新の会所属の3名と土屋の計4名が賛成に回ったものの、民主・自民・公明・共産・生活者ネット各党などの反対により不採択となった。
この点は、翌日(2012年10月5日)の赤旗が次のように報じている。
「大日本帝国憲法復活請願 『東京維新の会』が賛成」
「橋下徹大阪市長の『日本維新の会』と連携し、9月に結成した都議会新会派『東京維新の会』(民主・自民を離党した3人で構成)は4日の都議会第3回定例会最終本会議で、現行の日本国憲法を無効とし、戦前の『大日本帝国憲法』の復活を求める時代錯誤の請願に賛成しました。請願は日本共産党、民主党、自民党、公明党、生活者ネット・みらいなどの反対で不採択となりました。
請願は、天皇を元首として無制限に権力を与え、国民を『臣民』として、自由と権利を抑圧した大日本帝国憲法を美化。『我々臣民としては、国民主権という傲慢(ごうまん)な思想を直ちに放棄』して、日本国憲法を無効とし、大日本帝国憲法は現存するとの都議会決議を求めています。」
「また、東京維新の会は、都内在住外国人への生活保護支給の減額・廃止を求める陳情に賛成しましたが、反対多数で不採択となりました。」
この東京維新の代表が、野田数なのだ。「『我々臣民としては、国民主権という傲慢な思想を直ちに放棄』すべきとして、憲法無効論に基づく大日本帝国憲法の復活確認を求める請願に賛成票を投じた」この人物が、いまは都民ファーストの会の代表である。これが、小池百合子のもっとも信頼する同志なのだ。
小池チルドレンと言われる皆様方よ。あなた方の政党の代表が、かような人物であることをご存じなのだろうか。
(2017年7月3日)
都議選の開票が進んでいる。
自民党は、歴史的大敗である。負けたのはアベ様ご一統。「アベのアベによるアベのための政治」あるいは、「トモダチのトモダチによるトモダチのための政治」に、国民の批判が沸騰した。都民は国民を代表して、アベ自民に「ノー」を突きつけたのだ。
前回59人の立候補者全員を当選させた自民が、今回選挙では23議席。そのマイナス36議席。アベ政治の完敗であり惨敗であり総崩れであり、凋落というほかはない。
アベ政治は、株価に支えられた政治との思い込みがあった。財政を株式市場に投じて無理矢理株価を上げて景気の高揚を演出することで、虚構の支持率を保持している底上げ政権。いずれ株価の下落とともに、アベ政治も終わるであろうはかない運命。しかし、裏を返せば株価が下落ぬかぎりは、しぶとく命脈を保つ政権ということでもある。
それが、株価の下落より先に、アベ自民が大逆風に見舞われたのだ。自業自得とはいえ、この現実は予想をはるかに超えるものとなった。
これまでも、世論調査での安倍政権支持の理由は「ほかよりマシだから」。消極的支持でしかなかった。少しのきっかけで、驚くべき奔流が堤防を決壊させる。
これは、アベ自民にお灸というレベルではない。国民がアベ自民を見限ったというべきだろう。「謙虚に選挙結果を受けとめる」のなら、アベ退陣しかあり得ない。
選挙期間の最終日、初めて安倍晋三が秋葉原の街頭演説に顔を出して、盛大な「帰れコール」を浴びた。そして「アベやめろろ」コールも沸き起こった。これがこの選挙のハイライト。状況を象徴するできごと。
安倍の応援を受けたのが、千代田区(定員1)自民公認の中村あや候補。みごと大差で落選している。アベの応援は、足を引っ張るだけだったようだ。
その中村のツィッター。開票前と後。
「最終日午後は秋葉原にて安倍総裁はじめとした多くの国会議員の先生方から激励をうけ、最後の思いを述べさせていただきました。その後マイク納めし、夜は半蔵門駅で最後のご挨拶。選挙戦、悔いはございません!皆様明日は投票へ! 」
「先程の会見でお世話になった先生方に恨み節を言ったかのような変な切り取られ方をしましたが、反論します。”今の国政どう思うか”という質問の答えの中で”…党問わず公人なら国民の代表者としての意識をもたなければならない。…脇が甘い”と言っただけで敗因を押し付けたりしていません。」
「脇が甘い」とはよく言った。しかし、アベ様ご一統、脇が甘い程度ではなかったのだ。
それにしても、都民ファーストの会の票の出方には驚く。風は恐い。明日はどちらに吹くのやら。
共産党が、都ファに埋没せず、前回17議席を今回19議席に増やしたことは欣快の至り。
我が文京区(定数2)の開票結果は、以下のとおり。
当 増子博樹〈元〉 42,185票 43.96% 都フ
当 中屋文孝〈前〉 26,997票 28.13% 自民
次 福手裕子〈新〉 26,782票 27.91% 共産
共産候補は200票差での次点。28%の得票率での落選。無念というほかはない。
最大の関心事は、この選挙結果が改憲策動にどう影響するかという点。レームダック同然のアベの号令で、自公連立が改憲を急ぐなどということは常識的にあり得ない。また、沖縄の県民いじめに居丈高となることもできまい。
残念な面も多々あるものの、ひとまずは胸をなで下ろした開票結果。
(2017年7月2日)
7月1日である。安倍内閣が集団的自衛権行使容認の閣議決定をしたあの日からちょうど3年。両院で「底上げの絶対多数」を握った自公与党と、これを閣外から支えた維新。その非立憲勢力が暴走してトンデモ政治状態が続いたこの3年。ようやくにして、これに歯止めが必要との風が吹き始めている。
明日(7月2日)が、注目の東京都議会選挙。本日が、その選挙期間の最終日である。今日までは、ブログでの選挙運動が可能だ。そして、ブログの記載を消す必要はない。だから、しっかりと書いておきたい。
なによりも、アベ一強政治の暴走をストップさせなければなりません。あなたが、平和や民主主義や暮らしを大切にしたいと願うなら、決して自民党に投票してはなりません。そして、衣の下に鎧が見える、自民党と同類の都民ファーストの会にも、です。都知事・小池百合子、なんの実績もありません。なんの理念も、なんのビジョンも。ただ、風を読み、風に乗るだけの節操のない人。
さらに公明党。国政では自民党の下駄の雪となり、腹心の友ともなってともに悪政を推進し、自民党劣勢と見るや手のひらを反して都政では小池と組もうという、これも節義・節操に欠けること甚だしい。何をやりたいのか、政治の理念を語ることがあまりにも少い。
真っ当な政治を取り戻すために、ぜひとも日本共産党の諸候補への投票をお願いいたします。文京選挙区では、共産党公認の福手よう子が厳しい闘いを繰り広げています。ぜひ、当選させてください。
なお、共産党都委員会のホームページは以下のとおり。
http://www.jcp-tokyo.net/
共産党の公認・推薦候補一覧は以下のURL。
http://www.jcp-tokyo.net/profile/list.html
そして、福手ゆう子のサイトは以下に。
https://twitter.com/yukofukute
https://twitter.com/yukofukute
http://yufukute.exblog.jp/
文京区の選挙情勢は、全体の政治状況を象徴している。
都議の定数は2。この2議席を、これまで自民・民主・共産の3候補が、熾烈に争ってきた。順位が入れ替わって勝敗の明暗が変わる。前回選挙では、自民と共産が勝って、民主が落ちた。
今回は、前回民主党公認候補として出馬し落選した増子博樹が、今度はタスキの色を変えて、都民ファーストの会から立候補する。鳩山邦夫秘書から民主党議員を経て、都ファに鮮やかな転進。4年前前回の民主基盤の得票は1万7500票。その大半は期待できないだろう。公明票の基礎票と、小池支持の風の上積みを期待する。公明党は自党の候補者を擁立する力量はない。どの候補にでも、票をとりまとめることができるのが、この宗教政党独特の「強み」。
自民前職で立候補するのが、中屋文孝。東京都議当選3回で、前東京都議会警察・消防委員長、自民党東京都第18代青年部長という肩書。前回選挙では追い風吹いて、2万8400票とダントツのトップだった。今回は、確実に公明票が離れる。安倍政治への逆風が批判票として離れる。
前回の共産候補は3期目の小竹紘子で1万9700票だった。今回は民進党と争わない。民進党区会議員の中には公然と福手応援者が出ている。社民党・自由党・革新無所属などの支援もある。自民離れ票も期待できる。メディアは福手有望とは書かないが、新人の福手にバトンタッチがうまくいけば、十分に当選の目はある。
ところで、昨日の当ブログで、「明日、新たに檜舞台に躍りでる『戦犯』は誰だろう。楽しみでならない。」と書いた。新しい名前はでなかったが、選挙運動最後の日の「戦犯」の任務は、本命のアベ・シンゾー本人が本領発揮して立派に務めた。さすが、シンゾー。
朝日.comでは、「首相演説に『「辞めろ』『帰れ』の声 都議選で初の街頭に」「首相街頭演説に籠池氏現る 『100万円返金したい』」とのタイトル。
私は近所にいながら、現場を見ていない。臨場感あふれるリテラの記事を引用する。
『駅前を覆い尽くす政権批判のプラカード、そしてものすごい音量の「安倍やめろ」の声──。安倍首相は本日16時から秋葉原駅前で行われた都議会選の応援演説に登壇したが、自民党候補の応援どころではなく、国民の激しい批判の声にさらされる結果となってしまった。
「安倍やめろ」コールは自民党陣営の演説スタートまもなくからはじまった。聴衆からは安倍政権を批判するさまざまなプラカードが掲げられ、「安倍やめろ」と書かれた大きな横断幕まで登場。それを自民党スタッフは「自民党青年局」の幟を並べることで隠そうとするなど必死に。他方、駅前にはあの籠池泰典・前森友学園理事長夫妻まで登場するなど、演説会はまさにカオス状態となった。
そして、安倍首相が16時40分ごろに演説カーに登ると凄まじいブーイングと「帰れ!」コールが噴出。安倍首相がマイクを握ると、支持者らが拍手を送るも、より強くなった激しい「帰れ!」「安倍やめろ!」の声に掻き消されたのだ。
この国民の批判が殺到する事態に、しかし、安倍首相は反省するどころか逆ギレ。なんと聴衆を指差しながら「演説を邪魔するような行為」「こんな人たちに負けるわけにはいかない」と叫んだのだった。
国民の批判の声に陰謀論丸出しで“演説妨害”と決め付けるというのはいかにも安倍首相らしいが、しかしいくら話をスリ替えようが、負け惜しみを言おうが、安倍首相にとって、こうした批判を浴びせかけられる絵ができあがってしまったことは大誤算だったはずだ。この都議会選で安倍首相は2度、応援演説に参加したが、どちらとも街頭ではなく小さな屋内の会場だった。これは批判のヤジがあがることを見越し、声があがりづらい屋内を選んだことは明白。だが、にもかかわらず、会場からはヤジが飛ぶ結果に。』
秋葉原は、右翼の結集地でありアベ支持勢力にとってのメッカである。2012年暮れのアベ政権樹立となった総選挙の最終日には、ここに日の丸と旭日旗が林立した。都内で、安倍が街宣に顔を出すとしたらここしかないはず。それがこの結果だ。天下分け目の秋葉原になるやも知れぬ印象。さあ、明日が選挙だ。
(2017年7月1日)
いよいよ都議選が目前だ。この都議選は、なによりもアベ一強弾劾選挙だ。付随して自公政権批判の選挙。アベ自民と公明党への打撃が、憲法の擁護に直接つながってくる。
アベ自民の勢力を減殺し、「市民と野党」連合勢力を大きくすることが、特定秘密保護法や戦争法、そして共謀罪の発動を阻止し、その法の廃止の展望につながる。
さて、私の身のまわりでは、その手応えは小さくない。私は、文京区本郷に住んで20年余になる。20年余ご近所との付き合いは、深からず濃からず…。そのご近所のお一人が、こちらから語りかけずして、「今度(だけ)は、共産党に入れる。安倍さんって明らかにおかしい。公明党も。でも本当におかしいのはこんな人たちを選んだ私たちだものね」と。これは、20年来なかったことなのだ。
この好ましい状況は誰のおかげだろう。アベ自民から見ての「戦犯」は誰だ。メディアは、「都議選の戦犯は安倍首相と『加計3悪人』」と言っている。『加計3悪人』とは、萩生田・菅・下村の3人。
とりわけ、下村博文は文科大臣時代に学校法人加計学園から200万円の闇献金を受領していたとして叩かれ、しょうもない釈明記者会見で、さらに自らの首を絞めた。これが自民党都連会長なのだから、自民党の目はない。
『加計3悪人』にアベを加えた4人だけのおかげではない。いや、さすが自民党人材は豊富だ。日替わりメニューで出てくるニュー・スターたち。おなじみのイナダ朋美、豊田真由子様、そして二階俊博幹事長。
イナダは本当に弁護士なのだろうか。法的素養と法的な思考・判断力ゼロを露呈して恥じるところがない。豊田様の暴言は議員様たちの裏の顔を露わにして分かり易い。河村健夫議員の「あれはたまたま彼女が女性だから、あんな男の代議士なんかいっぱいいる。あんなもんじゃすまない」というホンネと相まって、影響はとてつもなく大きい。そして、大物が登場する。二階俊博幹事長である。
「二階氏は30日夕の国分寺市の演説で、自身を含む政権中枢の発言を伝えている報道機関に矛先を向け、『マスコミは偉いには違いないが、偉いと言っても限度がある。あんたらどういうつもりで書いているのか知らんが、我々はお金を払って(新聞を)買ってんだよ。買ってもらっていることを、やっぱり忘れちゃダメじゃないか』と述べた」と報じられている。
この論理、「スポンサー・ファースト主義」という。あるいは「スポンサー・オンリー主義」。「国が金を出しているのだから、国立大学では日の丸・君が代を掲揚斉唱しろ」というあの理屈。いまや、「スポンサー・ファースト主義」は三歳児からの幼稚園・保育施設に「国旗国歌に親しむ環境」の押しつけにも使われている。
「我々はお金を払って(新聞を)買ってんだよ。買ってもらっていることを、やっぱり忘れちゃダメじゃないか」というときに、二階の頭の中にある「我々」とは誰のことだろう。
政権や権力中枢のことだろうか。与党勢力のことだろうか。あるいはこの世を支配している企業のことだろうか。いずれにしても、ジャーナリズムに対して、堂々と「カネの力に屈せよ」という、凄すぎるこのセンス。さすが自民党幹事長。やっぱり安倍さんと、安倍さんにつながる人々はおかしいのだ。
コチラから見ての最大の功労者、アチラから見ての最大の戦犯は、やはりアベ・シンゾー本人なのだ。それにしても、明日、新たに檜舞台に躍りでる「戦犯」は誰だろう。楽しみでならない。
(2017年6月30日)
たまたまこのブログに目を留められた都内有権者の皆さんに訴えます。
東京都議会選挙が、3日後の日曜日に迫っています。多くの心ある有権者が、「自民党には投票しない」「今回だけは傲れる自民党に厳しいお灸を据えなければならない」とお考えのことでしょう。しかし、その大切な自民への批判票。都民ファーストの会にやってしまっては、結局は同じ穴のムジナを太らせるだけのこと。あなたの自民党批判の意図が生きることにはなりません。
アベ一強政治の傲りは、政治を私物化し、おトモダチ人事で要所を固め、行政の公平をねじ曲げ、数の力による諸悪法の製造を強行し、説明責任を放棄し、議会制民主主義を形骸化するなど、既に末期症状に至っています。このような事態で、安倍晋三は9条改憲に手を付けようと言い始めました。最後の悪あがきというほかはありません。
特定秘密保護法、戦争法(安保関連法)、そして共謀罪法案(「組織的犯罪処罰法改正案」)の究極の強行採決。森友学園、加計学園問題。辺野古新基地建設強行と沖縄県民いじめ、国連での核廃絶条約への反対の立場、福祉の削減、労働法制での弱者いじめ…。安倍政権の反国民性はまことに顕著といわねばなりません。
さらに、萩生田光一、豊田真由子、稲田朋美、下村博文など日替わりメニューで腐敗ぶりを見せつけてもいます。こんな政党に、大切な一票を投じることなどできるわけがありません。
では、自民批判票を対立するどの政党、どの候補者に投ずべきか。よくよくお考えください。
メディアは、ことさらに自民対小池新党対立の構造を描いています。つまり、非自民票の受け皿としての都ファへの投票を誘導しているのです。しかし、大切な一票です。ちょっと待ってください。都ファへいれるのはもったいないといわねばなりません。
もし、あなたが都ファに投票をとお考えなら、ぜひ「なぜ」「どうして」と反芻していただきたいのです。都ファって、いったいなんだろうか。どんな理念で、何を目指している政党なのだろうか。ご存じでしょうか。
小池百合子という党首が、右翼組織である日本会議国会議員懇談会の元副会長であり、「歴史教科書問題を考える会」の役員を務め、歴史修正主義の片棒を担いできたこと。「つくる会」系の教科書採択をサポートする運動に参加してきたこと。元は安倍第1次内閣の防衛大臣であり、数え切れないほどの政党を渡り歩いてきた政治家であること。そして、民族差別主義団体在特会系団体と近しいことなどは、よく知られているところですが、さて都民ファーストの会とはいったい何なのか。
以下が都民ファーストの会の綱領です。念のために申し添えますが、これが全文です。ぜひ読んでみてください。この綱領をもつ政党に、何らかの政治理念を感じられますか。この政党が誰のために、何をしようとしているのか。どんな具体的政策をとるのか、想像ができますか。あなたの一票を託せるでしょうか。
宇宙から夜の地球を見た時、世界は大きな闇と、偏在する灯りの塊に見える。その灯りの塊の最も大きなものが、東京を中心とした輝きである。
その輝きは、東京という大都市の力であり、経済の大きさであるが、同時に、そこにある一つひとつの灯りの下に、人々の生活があり、営みがあることを政治は想像できなければいけない。
一つひとつの灯りが揺らいではいけない。
もちろん、全体の輝きが褪せてもいけない。
この20年の硬直した都政の下で、アジアの金融拠点はシンガポールに、物流拠点は上海に、ハブ空港は仁川に後塵を拝しつつある。東京が産業構造の変革の波の中で、世界をリードする絵図を描けているか。少子高齢化が叫ばれながら、福祉対策の転換を導いているか。老朽化する都市は輝きを失うのではないか。様々な危機に対する準備は万全か。これまでの延長線をなぞるだけの都政でよいのか。
だから、今こそ「東京大改革」の旗を私たちは掲げる。
「東京大改革」とは、首都東京を、将来にわたって、経済・福祉・環境などあらゆる分野で持続可能な社会となりえるよう、新しい東京へと再構築すること。東京の魅力ある資産を磨き直し、国際競争力を向上させること。都民一人ひとりが活躍できる、安心できる社会にステージアップすることである。
そのための大原則を「都民ファースト」「情報公開」「賢い支出(ワイズスペンディング)」とする。私たちが自らの名に「都民ファースト」を冠するのは、都政の第一目的は、都民の利益を最大化すること以外にないと考えるからである。一部の人間、集団の利益のために都政があってはならない。
私たちは、旧来の勢力に囚われている都政を解き放ち、躊躇なく東京を活性化し、行政力の強化を行う。区部のさらなる発展を図り、多摩・島嶼振興を積極的に推進することで、東京2020オリンピック・パラリンピック後も輝き続ける首都東京を創造していく。
今日よりも明日、明日よりも未来に希望がもてる社会を描くため、私たちが「東京大改革」をすすめていく。
都民ファーストの会の初代会長は、野田数という極右というべき人物です。まぎれもなく、反憲法、反民主々義思想の持ち主。元小池百合子衆議院議員秘書で、2016年の東京都知事選挙では小池百合子の選挙対策本部責任者を務めて、当選後に知事の特別秘書(政策担当)に任命された人物。今年の1月新設の都民ファーストの会初代代表に就任して、6月1日小池都知事が正式に都民ファーストの会の代表に就任したことに伴い代表を退任しました。
この人、2012年10月「東京維新の会」を代表して、日本国憲法無効論に基づく大日本帝国憲法復活請願を東京都議会に提出しています。その中で、「我が国の独立が奪われた時期に制定された」と現行憲法の無効を主張するとともに、皇室典範については「国民を主人とし天皇を家来とする不敬不遜の極み」「国民主権という傲慢な思想を直ちに放棄」すべきことを主張しています。
こんな人物が小池新党の初代代表者として、綱領や政策を作ったというのです。小池という衣の下に見える鎧がこの野田数。空っぽの綱領の底にあるのが、憲法否定、国民主権否定の恐るべき極右思想。
あなたが真剣に、よりよい政治を望むのなら。さらには、平和や人権や民主主義が重んじられ、働きやすく住みやすい格差の少ない社会を望むのであれば、都民ファーストの会に投票してはいけません。
ぜひ共産党へ、あるいは民進・社民・自由の、立憲民主主義を掲げている各政党の候補者への投票をお願いいたします。
(なお、以上の記事は「リテラ」「ウィキペディア」「都民ファーストの会公式ホームページ」等を参考にしています)
(2017年6月29日)