澤藤統一郎の憲法日記

改憲阻止の立場で10年間毎日書き続け、その後は時折に掲載しています。

秘密保護法に反対のパブコメを

本日のブログは、伏してのお願い。

9月3日、「特定秘密保護法案」の概要が公表され、同時に2週間の期間を区切って、パブコメの募集がなされている。締め切りが9月17日。ぜひとも、パブコメを提出していただくようお願いしたい。

「特定秘密保護法案」は、これまで「秘密保全法」と言われてきたもの。正式には、「特定秘密の保護に関する法律案」だが、長い、言いにくい。「秘密保護法」「秘密保護法案」でよいだろう。

パプコメは大事だ。選挙権の行使と並ぶ国民意思の表明手段だ。数がものを言う。長いものである必要はない。反対の意思がきちんと表明されていれば、1行でもよい。もちろん、自分の意見として理由が添えられていれば、それに越したことはない。理由は独自のものである必要はない。考えあぐねて時期を失するよりは、ぜひ簡明な意見を送信していただきたい。

例えば、次のような意見でよいと思う。もちろん、組み合わせても、自分流にアレンジしていただけばありがたい。
*私は特定秘密保護法案の国会上程に反対します。
*私は、秘密保護法の成立に絶対反対です。
*私は、もっと行政公開を進めて、国民に対する行政の透明性確保こそが重要と思っています。これ以上秘密を増やし、厳重に秘密を保護することは、これに逆行することで、絶対に反対です。
*第1に考えるべきは、国民の知る権利です。沢山の秘密を作ることで、国民の知る権利を侵害することには反対せざるを得ません。
*日本国憲法は、平和主義を掲げています。厳罰で国防秘密を守ろうとすることは、9条改正と自衛隊の国防軍化の布石としか考えられません。平和憲法を大切に思う立ち場から、特定秘密保護法の成立に反対します。
*憲法9条は、国家に軍隊の保有を認めていません。にもかかわらず、防衛に関する事項として、自衛隊の装備や編成のすべてが秘密にされ、刑罰によって秘密保持を強制することはどう考えても納得が出来ません。反対します。
*自衛隊の装備に関する見積もりが、秘密になるようです。自衛隊の装備納入についての不正が摘発されていますが、今後は汚職が秘密の壁に守られることになります。どうしても反対です。
*もし、こんな法律ができたら、原発も、TPPも、オスプレイの導入も、何もかにも国民の目の届かないところで、政府が勝手なことをやるに決まっています。そんなことを、私は認めません。
*秘密保護の法律は、結局何を秘密にするかも秘密になってしまいます。国民は、何が秘密か分からぬうちに、思いがけない処罰を受けることになりかねません。
*適性評価という新設される制度では、民間人も含め秘密を扱う人とその家族について、徹底的に身辺調査が行われます。思想信条や信仰までも調査対象となることが予想され、国民に対する国家管理の強化が進むことになります。到底認めることができません。
*2週間のパブコメ募集期間は短すぎます。もっと長くしてください。そして、「概要」ではなく法案の成案ができたところで、再度パブコメ募集をしてください。

パブコメの提出先は「内閣官房内閣情報調査室・意見募集係」
提出方法は、
*電子メール(送信先アドレスはtokuteihimitu@cas.go.jp)
*郵送(宛先は〒100-8968 東京都千代田区1?6?1)
*FAX(番号は03‐3592‐2307)
期限は、9月17日(火)必着(郵送の場合は同日消印有効)

もっとも簡便なのは、下記のURLを開くと、
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=060130903
意見提出フォームが出て来る。
これに、意見を書き込めばよい。住所氏名欄もあるが、必須ではない。

秘密保護法は、防衛・外交・スパイ・テロの4分野の秘密を「特定秘密」に指定して管理する。漏洩には厳罰(最高刑懲役10年)を科すことで、国民の目から秘密を守ろうとするもの。本格的な「戦争のできる国家」作りの一環である。国家安全保障基本法や日米ガイドライン改定などとセットになっている。

法案は、10月半ばから始まる臨時国会に提出必至と言われている。万事多端な秋の臨時国会最大の問題となりそう。重ねて、「秘密保護法反対」のパブコメを。

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  『園芸家12カ月』(カレル・チャペック著 中公文庫)
「花の栽培家のところへ来る客は、カラーや金物を売る店に来る客とちがって、ほしい物を名指して、金をはらって帰っていくのではない。栽培家のところへ来る客は、雑談をしに来るのだ。この花の名は何というのか、あの花の名は何というのか、それを聞きに来るのだ。去年君のとこで買ったミヤマカラクサナズナがおおきくなったよ、と知らせに来るのだ。ハマベンケイソウが今年やられちゃったよ、と訴えに来るのだ。そして、何か新しい物があったら見せてくれろ、と頼みに来るのだ。ルードルフ・ゲーテとエンマ・ベダウと(つまり、この2種類のアスターのうちの)どっちがいいか議論をしにやって来るのだ。そして、ゲンティアーナ・クルシーは、粘土質の土とピートとどちらが育ちがいいか、議論をしにやってくるのだ。
いろいろとそんな話をしたあとで、客は新しいアリッサムを一鉢(しかし弱ったなあ、いったいどこに植えたもんだろう)とデルフィニウムを一株(うちにあるやつはウドンコ病ですっかりだめになってしまった)と、それから鉢を一つ選び出す。しかし、いったいその鉢に植わっているものが何であるかという問題で、客と栽培家は意見が一致しない。こうして2,3時間、有益な、大事な会話で時間をついやしたあげく、客は商売人でない男に1マーク(約86円)か2マークの金をはらう。それっきりだ。それでいてそういう栽培家は、ガソリンの匂いをプンプンさせて自動車をのりつけ、いちばん高級の、第一級品という花だけ60種類選んでくれたまえと注文する客より、まだしも君のようなうるさ型のほうを歓迎するのだ。」

今はこんな花屋さんは滅多にいない。しかし、あったんですよこんなお店。
この間、「お宅は日本橋三越のチェルシーガーデンよりバラ部門が充実していますね」と話が一致して、イングリッシュローズについてだいぶ込み入った話を1時間ばかりしてきた。同じピンクのカップ咲きでも、「ヘリテージ」は「クィーンズ・オブ・スウェーデン」の愛らしさには叶わない。「レディ・エマ・ハミルトン」のオレンジは「レディ・オブ・シャーロット」に較べて、深まりゆく秋にふさわしい。「クレア・オースチン」のミルラ香は「セプタード・アイスル」より深みがある。鉢植えかコンテナなら、花が小ぶりだけれど色と香りがすばらしい「サマー・ソング」か「スカイラーク」につきる。オベリスクかアーチに這わせるつるバラなら、右からピンクの「ガルトルート・ジェキル」を、左からクリーム色の「ティージング・ジョージア」が咲いたら夢のようだ。
だいたいこんな話をして、何も買わずに帰ってきました。お店の御主人は大変喜んでいたようでしたが、悪かったかしら。
(2013年9月12日)

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Published in 木曜日, 9月 12th, 2013, at 23:42, and filed under 未分類.

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