近隣諸国から日本はどう見えるのか
本日は、東京弁護士会「憲法問題対策センター」の学習会。名古屋大学の愛敬浩二さんのレクチャーを拝聴した。憲法9条についての「非武装主義的解釈の意義」というテーマ。講演後の率直な意見交換における、大要以下のような発言が印象に残った。
中国や韓国の姿勢が挑発的というご意見がありましたが、立場を代えて向こうから見れば、日本こそ挑発的ということになるのかも知れません。
同じ敗戦国で、同じく経済発展を遂げたドイツは、自国の戦争責任を徹底して償った。たとえば、西ドイツのブラント首相がポーランドを訪問し、雨の中ワルシャワ・ゲットーの前でひざまずいてナチスの犯罪に対して深い謝罪の姿勢を示すわけです。こうして、ヨーロッパの中で再びドイツが近隣と紛争を起こす国となることはあり得ないという信頼を勝ち得ているのです。しかし、日本は近隣諸国への謝罪をしてこなかった。再びアジアの脅威となることはあり得ないという信頼を勝ち得てはいないのです。
近隣諸国からそのような日本を見れば、この重苦しい時期に、先祖返りのように旧体制を象徴する人の孫を首相に据えたということになる。従軍慰安婦などはなかったと言って河野談話を破棄しようという人物を首相にすることだけで、十分に挑発的ととられることを理解すべきではないでしょうか。
まったく同感。立場を代えてものを見てみよう。きっと、ちがった景色が見えてくるだろう。北朝鮮にも、イランにも言い分はある。それに耳を傾けることからしか、相互理解も平和も築けない。