学校におけるイジメと安倍政権
本日は日本民主法律家協会の2012年度第8回執行部会。課題山積の3時間の論議。そのうち、教育問題にかなりの時間が割かれた。
4月12日(金)に「何をめざすか?安倍政権の教育政策」という緊急シンポジウムを主催する。時刻は18時30分から、場所は日比谷公園内の日比谷図書文化館内「日比谷コンベンションホール」。そして、「法と民主主義」6月号を教育問題特集とする。
イジメ問題の位置づけについて若干の意見交換があり、渡辺治理事長の発言もあった。私が理解した限りで、大要以下のとおりの内容である。
現在の学校におけるイジメは、「昔からあった」というレベルの問題ではない。そして、そのことは安倍政権の政策とも深く結びついている。
社会的背景として、90年代以後の新自由主義政策による貧困化や中間層の没落がある。子どもを取り巻く環境が劣悪化し、子どもの精神の安定性に影響している。
そのような子どもたちを抱える学校には競争至上主義が蔓延している。しかも、評価主義が徹底していて低評価につながるイジメは潜在化せざるを得ない。また、教員は子どもに向き合う余裕がなく、教員集団による教育力が低下している。
このような要因で噴出しているイジメ問題について、安倍政権は彼なりのやり方による対策を政策の目玉の一つにしようとしている。社会的背景にメスを入れ学校の体質を改善しようというのではない。道徳教育の徹底や教育委員会制度の破壊という対応によってである。自らの新自由主義政策がイジメをつくり出しているのに、これを改めるのではなくむしろこれを利用して新保守主義的政策推進の口実にしようとしている。
なるほど。指摘されてみればそのとおり。このことだけでなく、啓発を受けることが多々ある会議だった。