「沖縄さん」の未来を切り開くために
1月が行き、2月は逃げ、3月が去った。明けて本日は既に卯月4月。東京はソメイヨシノが散り始め。そぞろ気が急く。
当ブログは3年目に突入した。その第1日目。少し方針を転向したい。「書きたいことを遠慮なく書く」姿勢で2年を過ごしたが、「読んでもらえるように書く」ことを心掛けたいと思う。長すぎず、くどすぎないように注意し、読んで面白いと思っていただけるブログにする努力をしてみたい。できるだけ…、ということにしかならないかもしれないが。
そのような試みの手はじめに、沖縄の問題を取り上げたい。
昨年(2014年)10月19日の「沖縄タイムス」に掲載された石川亮太記者のたとえ話「『沖縄さん』の未来はいかに」が、あちこちに引用されて話題となっている。ざっと、こんな話だ。
「小学校のクラスで山登り遠足があり、担任の先生を先頭にクラスメートたちが身軽に山を登る。最後尾から歩くのは体の小さい『沖縄さん』だ。沖縄さんはクラスメートの荷物を山ほどかかえ、見るからに苦しそう。全身でずっしりと重さを感じ、周りの自然や景色、おしゃべりを楽しむ余裕はない。
沖縄さんが『みんなで分けあって持ちませんか』と先生やクラスメートにお願いするのは反抗だろうか。『お金をあげるから我慢して』『栄養剤を与えるから頑張って』『利き腕の右腕が重いなら、場所を左腕に変えて持って』と諭すのが先生の役目だろうか。持ちたくないから見て見ぬふりをするのが友情だろうか。
…沖縄さんは自ら望んでいないけんかに巻き込まれ、満身創痍で山登りを始めた。「念のために」と、雨具や虫よけ剤、襲われる可能性があるのか、効果があるの かも分からない熊やイノシシ、ハブ対策などの道具もたくさん持たされている。
重い荷物を持たされたまま、ここまでなんとか登ってきた沖縄さん。この先の道のりも同じ苦しさを一人で背負わなければならないか。先生任せにしている管理職に直接、窮状を訴える手はない か。」
この記事は、2014年沖縄県知事選前のもの。
「沖縄さんの未来を占う11月16日投開票の知事選まで1カ月を切った。埋め立て工事に向けた作業が現地で進められる中、県民の意思を示すことになる大事な選挙。有権者に『投票せねば』と思わせる紙面作りに努めたい。」と結ばれている。
11月知事選でも、12月総選挙でも、沖縄さんの意思は明確に示された。「このままではつぶれてしまう。なんとかして欲しい」と悲鳴を上げたのだ。しかし、クラスメートの態度は相変わらずだ。先生に至っては、「生意気なことをいうんじゃない」と新たな脅しを始めるありさま。いったいこの先どうなるのやら。まことにおぼつかない。
このクラスは47人の編成だが、満身創痍で山登りを始めた点は、広島君も長崎さんもよく似た事情。最近は福島さんもたいへんな大怪我をしている。沖縄さんが他と異なるのは、クラス編成以来たった一人の転校生だということ。1972年の転校以来、沖縄さんだけが他のクラスメートとは違う扱いを受けてきた。一人で背負わされたクラスメートの荷物は明らかに重すぎる。沖縄さんがその重さに喘いでいるのに、他のクラスメートは知らんふり。けっして、沖縄さんの荷物を肩代わりしようなどとは言わない。「そんな荷物、本当は要らないんだ。捨てちゃえよ」とアドバイスする者もない。
これは、集団によるイジメだ。沖縄ハラスメントだ。タチの悪いことには、先生が率先してイジメの先頭に立っていることだ。先生にお願いしても解決にはならない。『しょうがないのよ。大切な荷物なんだから』『我慢しなさい。我慢するのがよい子なのに、反抗的で可愛くないわね』『荷物が重いったって、まだ左腕が空いているじゃないの。そこで持てばいいじゃない』なんて言われるだけ。
しかも、沖縄さんが持たされている荷物の中には、たいへんな危険物が紛れているらしい。とても安心してはおられない。
沖縄さんは、最近腹をくくった。はっきりものを言わねばならない。「もう、いじめられるのはごめんだ」「これ以上の重い荷物を持たされるのはイヤだ」「先生、もう、これ以上私の抱える荷物を増やすのはやめてください」。きっぱりと口にすることにした。これは、けっこう反響が大きい。さすがに先生は、このまま放ってはおけない、なんとかしなければならないと思い始めてはきたようだ。それでも、クラスメートの姿勢は相変わらず冷ややかだ。このまま事態が改善しない場合、どうなることだろう。
イジメを解決するもっとも現実的な方法は転校である。沖縄さんも、転校を考えてみてはどうだろうか。冷たい先生と、イジメ加担の46人のクラスメートの集団から抜け出すのだ。その上で、一人で勉強すればよい。いや、勉強などは、もう続けても打ち切ってもよい。そして、元のイジメ仲間やそのボスとなっている先生と、対等な立場でお付き合いを始めればよい。
イジメの学級から籍を抜いてしまえば、荷物を背負うか背負わぬか、「熊やイノシシ、ハブ対策などの道具」が必要か否か、全部沖縄さんが自分で判断できるようになる。今のままでは、何もかも中途半端。こんな先生とクラスメートと付き合ったところで何一つとしてよいことがない。転校した途端に、イジメ集団の「我が軍」が襲いかかってる心配は…、まあ、ありえないだろう。
そもそも、一緒に山登りなどは不必要だ。登らねばならない場合には、それぞれがテンデンコに登ればよい。今のままなら、クラスにとどまっているメリットは小さく、デメリットは限りなく大きい。沖縄さんは、本気になって、転校の覚悟をしその準備をはじめることだ。そうすれば、先生は大いに慌てることだろう。そこから、解決の道が開けてくる…かも知れない。
(2015年4月1日)