澤藤統一郎の憲法日記

改憲への危機感から毎日書き続けています

北京「オミクリンピック」始まる。

(2022年2月4日)
 本日、北京オリンピック開会式。覇権主義中華人民共和国の、一党独裁中国共産党による、専制君主習近平のための、これ以上はない政治イベントである。1936年ベルリン大会でのドイツ・ナチス・ヒトラーを彷彿させる。

 習近平の盟友になっているのが、政治的にはプーチンであり、商業的にはボッタクリ・バッハ。彼らの手駒に使われているのが、羊のごときアスリートたち。この構図を支えているのが、メディアとメディアに煽られた民衆である。

 北京の光は、ウィグル・チベット・内モンゴル・香港そして台湾に暗い影を落としている。華麗な北京オリンピックのパフォーマンスは、多くの人々が流した涙の上に浮かんでいる。

 コロナ禍のさなかの北京オリンピックは、ひたすらに国家と党と習近平の利益のための無理に無理を重ねた奇矯な演し物となってしまった。しかし、習近平の威信を賭けた五輪強行の目は、吉と出るか凶に終わるか。中国共産党はいまウィルスと闘っている。まさしくこのイベントは、「オミクリンピック」と呼ぶべきものなのだ。

 不遜なことに、ウィルスは党中央の命令を聞かない。オミクロンは習近平に忖度しない。にもかかわらず、敢えて国家と党の威信を賭けてのゼロコロナ作戦。本日から17日間、果たしてバブルの中での平穏を保つことができるだろうか。

 既に本日の報道では、「中国への入国時やその後の検査で、選手団9人を含む21人の陽性がきのう(2月3日)確認され、先月(1月)23日から集計した感染者の合計は308人となった。これまでに選手団の感染は、あわせて111人となっていて、影響が広がっている」という。こうまでして、オリンピック開催を強行する意味がどこにあるのだろうか。

 本来、オリンピックは平和の祭典である。オリンピック憲章が想定するとおりに挙行されば、意味のないはずはない。各国のアスリートやアーチストや民衆の交流は貴重な平和に資するものとなる。しかし、国威発揚や為政者の野心のためのオリンピックでは、メリットを凌駕するデメリットを指摘せざるを得ない。無理に無理を重ねた「オミクリンピック」は、そのデメリットの象徴というべきであろう。

北京では上がらない、「ワクチン接種強制はファシズム」の声。

(2022年1月26日)
 昨日(1月25日)、習近平とトーマス・バッハが北京(釣魚台国賓館)で会談したという。かたや権力欲の巨魁、こなた商業主義の権化。それぞれが腹に一物の醜悪な相寄る魂。その両者が五輪利用の思惑では一致しての、持ちつ持たれつ。

 習近平にとっては「中華人民共和国の、中国共産党による、習近平自身のための北京五輪」であり、ボッタクリ・バッハにとっては「カネの、カネによる、さらなる儲けのための北京五輪」なのだ。民衆は、脇役としてさえ出る幕がない。

 会談で、習は「コロナ対応の徹底ぶりをアピール。選手や関係者の健康を守ることに自信を示した」と報じられている。コロナ対応現場の担当者はさぞや気の重いことだろう。バッハは、習におもねって、「北京五輪は幅広い支持を十分に得ている。国際社会もスポーツの政治化には反対している」と述べたそうだ。

 そりゃ間違いだ。正しくは「北京五輪にたいする国際世論の風当たりが厳しいが、我々の権力とカネの力とを共同すれば恐くない。お互い、がんばって世論の批判をはねのけよう」と言うべきだった。そして、「この際、国際世論には『スポーツの政治化反対』と悪罵を投げつけ、実のところは徹底したスポーツの政治化で、北京オリンピックを権力浮揚と金儲けのイベントとして成功させよう」が正しい言葉づかいだ。

 その北京五輪開幕まで、あと9日。大会関係者は、コロナ対策に懸命のご様子。なにせ、ゼロコロナの成功に党と習との威信がかかっているのだ。失敗すると、秋の党大会での習の3期目が吹き飛ぶ。

 昨日(1月25日)APが現地から伝えるところでは、

「北京市内で新型コロナウイルスの新規感染者が確認されたため、該当する行政区に住む約200万人全員にPCR検査が命じられた。豊台区で25例、その他の区で14例の新規感染者が確認されたことを受けて、北京市当局は、感染リスクが高いと思われる行政区の全住民に対して、首都を離れないよう命じた。
 2月4日に迫った北京五輪の開幕を前に、中国共産党は感染者全員の隔離を目指して、「感染者ゼロ」対策の実施をさらに強化。そのため、冬季五輪はアスリート、スタッフ、報道関係者など全員を住民から隔離する厳格な管理下で開催され、選手全員は入国時にワクチン接種を受けるか、隔離されることになる。」

 そんなにまでしての五輪、どこにやる意味があるというのか。すっぱりと、やめた方が良かろう。選手役員をバブルに詰め込み、習近平もお一人用のバブルに閉じ込めての、長丁場のオリパラ。いつ、どこで、どんなことが起きるやら。

 共産党政権によるゼロコロナ政策の強権的な押し付けに、中国の民衆は唯々諾々と従っているかのようだ。傍目には痛々しく映るばかり。これに対して、欧米ではワクチン強制反対運動が活発化している。

 ワクチン強制反対派の主張の根拠は、自己決定権にある。いかなる医療を受けるか、あるいは拒否するか、その可否を決定する主体は自己以外にはなく、権力的強制を受ける筋合いはない、というシンプルなもの。

 これに対して、自己決定権も公共の利益に譲らなければならないとするのが、ワクチン強制許容派の言い分となる。説得による同意が得られない場合、強制ができるか。微妙な問題となる。

 最初に目立った動きが出たのは、オーストリアだった。先月(12月)9日、オーストリア政府はワクチン接種の義務化に関する法案を発表した。妊婦などの例外を除く14歳以上の全国民に、ワクチン接種を義務付け、違反者には罰金を科すというもの。

 この法案に対して、同月11日には、首都ウィーンの道路を埋め尽くすほどの人々が抗議デモを行ったという。その数、およそ4万4000人。プラカードに書かれたスローガンは、「強制接種はファシズム」だった。

 今年にはいってからは、米連邦最高裁の「企業へワクチン接種義務化措置差し止め命令」が話題となった。バイデン政権が、企業に新型コロナウイルスワクチンの接種を義務化した措置について、各州政府からの違憲を根拠とする差し止めの訴えが提起され、今月13日連邦最高裁判所は、連邦政府の機関の権限を逸脱しているとして、差し止めを命じている。これは、バイデン政権にとって、大きな痛手と報じられている。
 
 そして、欧州連合(EU)が本部を置くベルギー・ブリュッセルで23日、新型コロナウイルスのワクチン接種の強制やこれに伴う規制に抗議する約5万人(警察推定)のデモが行われた。

 さらにフランスである。1月24日の月曜日から、フランスでは「ワクチンパス」が施行されることとなった。これが、実質的なワクチン接種強制であるとして、5万を超える人々が抗議と反対の意思を示すデモに参加した。

 問われているのは、徹底した個人主義の当否である。自分の主人公は自分自身であって、自分が納得できることには従うが、他から強制されて納得できない薬物を自身の体内に注入させるようなことは絶対にあり得ない、という強烈な個人主義。

 個人主義の対義語は、いうまでもなく「全体主義」である。だからこそ、ワクチン強制反対派のスローガンが「強制接種はファシズム」となる。私は、このワクチン強制反対派の心情や主張に首肯するところ大きいが、断乎北京五輪成功に突っ走っている中国共産党には聞く耳はないだろう。今なお、習近平共産党を支持している人々にも。

悪魔が来たりて笛を吹いた ー 祭りのあとの感染爆発

(2021年8月13日)
 本日の新規コロナ感染者数、東京都が過去最多の5773人、重症患者も最多227人となった。全国では20293人と初めての2万人の大台超え。感染者の暗数は分からない。率直な感想として、この事態は恐ろしい。そして、こうまで事態をこじらせた政権や都政の無能に憤らずにはおられない。

 腹の立つ名を順に挙げれば、安倍晋三・菅義偉・小池百合子、そしてトーマス・バッハである。私はこれまでバッハのことを疫病神と言ってきたが、今日からは呼び名を変更しよう。悪魔だ。尻尾のあるあの邪悪の象徴。

 この悪魔が、祭の東京に来て笛を吹いた。政権も都政も制御できなかった。笛の音に合わせて、コロナが踊り出し蔓延し跋扈した。そして、祭が終わった今、東京5000、全国2万の新規感染者である。いったい誰だ、こんな愚劣な祭をやったのは。悪魔を呼び寄せたのは。悪魔に笛を吹かせたのは。

 バッハの嫌われっぷりが凄まじい。分に過ぎたホテルに泊まっていると叩かれ、広島に行って嫌われ、挨拶が長いと嫌われ、広島原爆投下の日に選手の黙祷を要望されて拒否したと嫌われ、銀座をうろついてたたかれ、何をしても嫌われっぱなし、叩かれっぱなし。いまは、広島訪問「警備費」を県と市に押し付けたとして、国民的な悪役となり、悪罵を受け続けている。

 念の入ったことに、丸川珠代が、五輪担当相として『銀ブラ・バッハ』擁護を呟いて大炎上とのことである。なにせ、「不要不急か否かはご本人が判断」との発言。国民の怒りが爆発するのは当然であろう。傲慢なバッハを嫌う国民感情は健全なものだ。そのバッハ擁護論へのバッシングも健全なものではないか。

 それだけでない。この悪魔は笛を吹いて、アルファ株だけでなく、デルタ株を呼び寄せた。祭のさなかに、東京の感染は爆発し医療は着実に崩壊し続けた。さらに、国内初のラムダ株にまで、出番を与えた。さすが、悪魔の笛である。

 ペルーに滞在歴があった大会関係者の女性(30代)が、7月20日に羽田空港に到着して、新型コロナウイルスの変異株で南米ペルー由来とされる「ラムダ株」の初感染者と確認された。ところが、その事実が一部メデイアに報道されたのが、8月6日のこと。それまで伏せられていたのだ。しかも、当人が大会関係者と発表されたのは、本日8月13日になってからのこと。

 ラムダ株は致死率が高いとされている。2週間も報告しなかったのは、オリンピックの閉幕まで伏せていたのではないかとの疑惑がつきまとう。自民党外交部会長の佐藤正久は、テレビ番組で「もっと早く問い合わせがあれば答えた」と釈明したという。

 すべては、祭のさなかに吹き続けられていた悪魔の笛の調べのなせる業。再びの祭はごめんだ。再びの悪魔も、その笛も。

言うなれば 汝人民家で死ね

(2021年8月7日)

 表題の句、残念ながら私の作ではない。朝日川柳欄に掲載の一句。作者は兵庫県・大西哲生、これは秀逸だ。
 五輪・コロナ・バッハ・菅が、今の新聞時事川柳の主要ネタである。魂胆ありげな安倍も案外多く、小池は精彩を欠いて少ない。それぞれのネタが、深刻ではあるが、いかにも川柳的なのだ。掲載句はさすがにどれも達者、とうてい真似できない。

 テーマが重複し分類は難しいが、このところの毎日仲畑万能川柳と朝日川柳とから、いくつかを並べてみた。

✦ まずは東京五輪を詠んだ句。東京五輪を手放しで肯定する駄句はない。東京五輪開催強行を問題にする句が主流だが、始まれば興味をそそられるというアンビバレントな心情が句になっている。

 スローガンコロコロ替わる五輪です 本庄 支持拾六

 五輪後は他国のコロナ置き土産 東京 小政

 ゴリ押しは「五輪押し」と書くこれからは 栃木 風倒人

 感動や興奮よりもホッとしたい 山口 葉と根

 反発と祈りが交差する五輪 下野 咲弥アン子

 国のためじゃなくて走れキミのため 鴻巣 雷作

 国別のメダル数より感染者 福島 烏賊人参

 コロナから菅とバッハに菌メダル 静岡 ミノチャン

 見なくても非国民ではない五輪 駒ケ根 早次郎

 テレビでは五輪とコロナもう飽きた 下関 畠中英樹

 開催後東京誤輪なりそうね 北九州 皿倉さくら

 皆の者そこのけそこのけ五輪が通る 茅ケ崎 ゴト師妻

 無観客体力測定みたいだな 和泉 今倉大

 間際まで命と金のせめぎ合い 東京 カズーリ

 五者協議つまりはやりたい人で決め 東京 立肥

 悪いことしているような聖火リレー 草加 石川和巳

 2020撤去忘れのよな看板 熊本 ピロリ金太

 夢・希望・感動押しつけられ苦痛 八王子 テイク5

 お祭りはみなの笑顔があってこそ 北九州 半腐亭

 金メダル選挙前だよ栄誉賞 鳴門 かわやん

 単純にコロッと感動するんだろ 札幌 紅帽子

 オリパラのテレビ意地でも見るものか 豊田 けにち

 「中止しろ」聖火が来たら「がんばれ~」 伊豆 シロくん

 流行語「安心安全」入りそう 西条 ヒロユキン

 感動も二つ三つほどが良い(岐阜県 中野和彦)
 
 煮沸して天日干しする金メダル(宮城県 田所純一)

 表敬は金メダルチョコ代用し(東京都 堀江昌代)

 日本では寝込んだ時分(ころ)の聖火かな(京都府 藪内直)

 反対とあれほど嫌った五輪見る(茨城県 加納楯夫)

 アスリート私たちよりどこ偉い(東京都 古賀雅文)

 金メダル タイタニックに積み上げて(広島県 高橋滋)

 ニュース読むアナウンサーに顔二つ(愛媛県 吉岡健児)

 この博打(ばくち)やればやるほど負けが込み(埼玉県 西村健児)

 喰(く)えぬ子を余所(よそ)に弁当ドッと捨て(神奈川県 朝広三猫子)

 そしてコロナを詠んだ句。コロナそのものについてではなく、コロナを巡る政権の無為無策無能に目が向けられている。

 ついに出たコロナ在宅死の勧め(愛媛県 木村瞳)

 歓喜の畳 辛苦のベッド(茨城県 五社蘭平)

 2回目の前に勧める3回目(宮城県 鈴木正)

 アナウンサー飛沫(ひまつ)の量は増すばかり(大阪府 玉田一成)

 若者の怖くないよに怖くなり(群馬県 樺澤信雄)

 現実に引き戻される過去最多(徳島県 井村晃)

 知りました政治無力で人が死ぬ 埼玉 孫六

 もしかして「安心・安全」おまじない? 伊勢原 大原龍志

 ワクチンの在庫も見ずに百万回 群馬 からっ風

 GoToをせずにワクチンやってれば 東京 寿々姫

 首長が競わされてる接種率 川西 水明

 ウイルスが教える日本途上国 田川 下降の天使

 まん延をしてから防止するコロナ 福岡 朝川渡

 最初から「人の流れ」と言えばどう? 富士見 不美子

 挨拶は「予約取れたか」「うん取れた」 東京 ほろりん

 来週に打つこと決まりワクワクチン 沼津 まさみ

 副反応報告しあう接種後(あと) 川崎 さくらの妻

 接種日に出会った人と一期二会(神奈川県 田中ゆう子)

 第5波も6波もきっとやって来る 大阪 ナナチワワ

 援助せず酒は出すなよ金貸すな 鎌倉 狩野稔

 息できる人は自宅の恐ろしさ(東京都 内田昌廣)

 言うなれば汝(なんじ)人民家で死ね(兵庫県 大西哲生)

 Amazonに酸素ボンベはあるのかな(埼玉県 田口尚孝)

 崩壊を自宅療養と言い逃れ(東京都 村田正世)

 鉄面皮患者切り捨ての策に出る(神奈川県 大坪智)

 罹(かか)っても自助です五輪は続けます(東京都 土屋進一)

 言っとくよ 自宅療養 あなたもよ(大阪府 緒方よしこ)

✦ 次いで、IOCのバッハ。こんなにも短期間で評価が下がった人物も珍しい。これまでは、ベールの彼方にその姿がよく見えなかった。今回よく見えるようになったら、なんというお粗末なお人柄。贅沢極まる金銭感覚と意識だけは貴族趣味の奇妙な香具師。

 バッハ出て風呂から出たらまだバッハ(神奈川県 細田幸代)

 民宿でいいよ言わないバッハさん 別府 タッポンZ

 スイートに泊まるらしいねIOC 幸手 百爺

 IOC東京終わればハイ次と 東近江 佐太坊

 おもてなしIOC(あっち)が主賓だったのね 春日部 猫文庫

✦ 国内の人物では、当然ながら菅義偉。この人のやることなすこと、ひねりの必要なくそのまま川柳なのだ。こんな人は、却って句にしにくいのではないか。

 テロップがついて行けない読み飛ばし(三重県 山本武夫)

 式典で上告下げたを自賛する(埼玉県 渡辺梢)

「これまでに経験のない」無策かな(千葉県 高師幸広)

 難しいことは地方へ投げてやる(栃木県 井原研吾)

 総理即自宅療養させなさい(奈良県 横井正弘)

 菅総理目耳口頭もうあかん(福島県 菅野はるか)

 女房がしゃしゃり出ぬのがマシなだけ(福岡県 河原公輔)

 ガースーのそばだけ人が減っており(神奈川県 みわみつる)

 人流が減ったと見える不思議な眼(め)(兵庫県 河野敦)

 支持率が落ちたので止(や)む黒い雨(大阪府 首藤媾平)

 人心を摑めず人事掌握し 桶川 句意なし

 うけ狙い外す総理と似た自分 相模原 せきぼー

 今回も説明せずになし崩し 札幌 ヨーちゃん

 質問を聞かずに食べる山羊総理 東大阪 きくさん

 菅総理きっとくしゃみも「ワックチン」 府中 火星人

 先手だとおっしゃいますが後手後手ヨ 佐倉 桜人

 かみ合わぬ受け答え引き継ぐ総理 今治 てんまり

 打ち勝った証どころか宣言下 京都 みぞれ

 質問の前に答弁始めてる 別府 タッポンZ

 メモなしの球児宣誓観る総理 大津 石倉よしを

✦ この時期に安倍晋三に言及している句が少なくない。物欲しそうな風情が見えるからなのだろう。

 反安倍が反日だとは限らない 福岡 朝川渡

 安倍流で言えば6割反日に 東京 三神玲子

 耳打ちすアベちゃん逃げた日もうすぐよ(岡山県 木田昌)

 尻尾無いトカゲ見つけて調査中(福岡県 西野豊)

 安倍マリオ ヒラだ今度は公平に(山形県 渡部米助)

 沈む船マリオ船長どこ行った(神奈川県 一柳直貴)

 重い腰軽い責任無い記録 大分 赤峰ユキ

✦ 対して小池百合子の句は少ない。もう、旬の人ではなくなったようだ。

 サル山に天井無かった雌のボス(富山県 中居純)

 菅さんに ねえ立たないのと小池さん(愛知県 牛田正行)

直ちに「聖火」を消せ。《コロナに打ち負かされた証しとしての東京五輪》を中止せよ。

(2021年8月4日)
 かつて政権は、東京五輪開催の意義を「人類が新型コロナに打ち勝った証し」とノーテンキに説明した。コロナには勝てそうもないと分かってからはこの開催意義の看板は引っ込められたが、コロナ禍を顧みない無謀な五輪の開催には固執し続けた。五輪開催の意義なんぞ所詮はお飾り、どうでもよいことなのだ。そして、東京五輪開催強行の今、「政権がコロナに打ち負かされた、無能の証しとしての東京五輪」が現実化しつつある。

 また、菅は何度も、「安全安心な東京五輪」を強調してきた。「国民の命と健康を守るのは私の責務で、五輪開催を優先させることはない」とも言っている。しかし今、感染爆発のコロナ禍の実態は、東京五輪を「安全安心」の対極のものとしている。取り返しのつかない事態となる前に、直ちに聖火を消せ。《コロナに打ち負かされた証しとしての東京五輪》を中止せよ。

 政権も都知事も、そしてバッハも組織委員会も、コロナに打ち負かされたことを潔く認めなければならない。その上で、多くの人の命と健康を守るために、聖火を消して速やかに東京オリンピックを中止し、円滑な事後処理に移行しなければならない。

 コロナに負けたことは、バブルの外側でも内側でも顕著である。一昨日以来の、「重症入院患者以外は原則自宅療養」という政府と都の方針変更が、事実上の敗北宣言にほかならない。医療態勢逼迫を超えて、医療崩壊を自白したに等しい。我が国の医療態勢はかくも脆弱だったのだ。

 そして、本日の新規感染者数である。東京4166人、全国1万4207人と過去最高になった。これでも第5波のピークは見えていない。本日の閉会中審査・衆院厚生労働委員会で、政府のコロナ対策分科会会長尾身茂は、東京都の新型コロナ感染症の新規感染者数が1日1万人を超える可能性を肯定している。

 東京都を中心に医療状況の深刻さは新規感染者数に表れているばかりではない。都内の入院患者数はすでに3351人(3日時点)まで増え、過去最多だった1月12日の3427人に迫りつつある。都で感染拡大時に最大で確保できる病床6406床に対する病床の使用率は2日時点で50%と、最も深刻な「ステージ4」(感染爆発段階)に達した。

 また、1週間平均の1日当たり新規感染者数は3337人(3日時点)と過去最多を更新し続けており、入院者数が急増する懸念が生じている。療養者数も2万7千人を超え、自宅療養者数は1万4千人を上回っている。

 この事態に、世論の反発は強い。国民は、やる気のない無能な、この政権・この都政を継続させ続ける限りは、自分たちの命と健康が危ないことに気付き始めているのだ。

 一方、バブルの内側も、危うい。まずは、「選手村の敷地内で飲酒し騒ぎ」「選手ら複数人か 警察官が出動」という話題。

 31日午前2時と言えば、深夜である。東京五輪選手村の警備関係者から「選手村の敷地内で飲酒して騒いでいる人がいる」と、警視庁月島署に連絡があった。屋外の共有スペースで大人数の選手らが、マスクを外し酒を飲みながら騒いでいたという。署員が駆けつけた時にはそれらしい人たちの姿はなく、騒ぎを聞きつけた関係者数十人が現場に集まっていたという。負傷者がいるとの情報もあるが、被害届は出ていない。
 なお、選手村では新型コロナウイルス対策で、大勢が利用する共用スペースでの飲酒は禁じられている。違反した場合は競技への出場可否に影響する可能性がある。

 この騒ぎで、昨日(8月3日)「組織委員会が、関連する7~8の各国・地域オリンピック委員会(NOC)に注意喚起した」「組織委は、非常に目に余る状況としてNOCに注意をした」と報道されている。具体的なNOC名は明かされていない。騒ぎを主導した選手の所属NOCから謝罪があり、既に競技を終えている対象選手については今大会の離村ルールである「競技後48時間」を待たずに“強制帰国”させる措置を取ったという。また、他にも飲酒騒ぎがあったとする報道が出ている。

 さらに本日、「選手村で初クラスター」「ギリシャ、5人陽性」と報じられている。
 東京五輪・パラリンピック組織委員会は4日、ギリシャのアーティスティックスイミングの選手4人と関係者1人が新型コロナウイルス検査で陽性が確認されたと発表し、併せて「クラスター(感染者集団)と言わざるを得ない」との見方を示している。5人は東京・晴海の選手村に滞在しており、選手村でのクラスター発生は初となる。これまでの五輪関係者の累計陽性者数は300人を超えた。

 バブル方式とは、選手が国外から持ち込んだウイルスを閉じ込め外の世界への感染を防止する狙いだけでなく、反対に外からの選手への感染を防止する効果もあるだろう。しかし、既にバブルの内も外も清浄ではない。日本社会も国際社会も、そして五輪そのものも、完全にコロナに負けているのだ。

「IOCの正体見たり ぼったくり」ー オリンピックとは何であるかを学ぶ

(2021年8月2日)
 本日の毎日朝刊コラム「風知草」に、山田孝男が「五輪で学んだこと」を書いている。その中に次の一節がある。

 「日本人は、大会開催に至る過程で、IOC(国際オリンピック委員会)が、国際公務員を擁する善意の公共機関などではなく、営利に敏感で透明性の低い、厄介なスポーツ興行団体であることも学んだ。

 IOC会長と有力理事は各国の知名士や大企業と結びつき、<貴族化>している。バッハ会長は今、1泊300万円(値引きで250万円とも)というホテルオークラのスイートルームにいる。ほぼ全額を大会組織委員会が払う契約が露見し、IOCの全額負担になったという報道もある。

 バッハ以上に尊大な印象を与えてやまないコーツ副会長も同じホテルにいるらしい。我々は、差別解消をうたう五輪憲章の総元締IOCが、社会的格差という時代の課題に無頓着である現実も学んだ。

 84年の米ロサンゼルス大会以来、ひたすら商業化路線を突き進んできた五輪に大きな転機が訪れた。さまざまな未熟さが露見し、成熟が問われている。不格好だが、時代を画する大会になっている。」

 端的に言えば、パンデミック下の東京五輪で学んだことは、「IOCの正体見たり ぼったくり」ということである。ないしは「尊大な興行師」、あるいは「たかり屋」でもあろうか。授業料は3兆3000億円と、とてつもなく高くついたが。

 ぼったくり連中が五輪の正体を教えてくれる以前の日本人のオリンピックについてのイメージは、聖なるものではなかったか。

 私自身も、教えられたとおり、オリンピックには長い間プラスイメージを持っていた。古代ギリシャではポリス間の戦乱が絶えなかったが、4年に1度のオリンピアードの際には戦をやめて、この平和の祭典に参加した。その勝者には、名誉を表す月桂樹の冠だけ、その余の賞金も賞品もなかった。近代オリンピックは、その古代ギリシャの崇高な平和の祭典を復興したものである。国際協調主義、人種や民族を超えた平等の理念で貫かれている。

 そのオリンピックの正体とは、国威発揚、商業主義、そして政権の浮揚策である。中でも目に余るのがボッタクリ精神横溢の商業主義。国費を使いまくってのたかり屋への奉仕。祝賀資本主義という言葉をよく聞くようになった。本日の赤旗に、「コロナ禍 問う五輪」の記事。安保法制に反対する学者の会などが開催したオンラインシンポの紹介である。こちらは、7人の学者による多角的なオリンピックの徹底批判。胸に落ちる。以下は、その7学者発言の要約である。

広渡清吾・東大名誉教授 「政権浮揚のための東京五輪強行」

 新型コロナは収束の兆しが見えず、その対処に人類の英知が問われている。市民の命と暮らしを守るのが政治の役割だが、日本政府と東京都、組織委員会は、その見識を失っている。政権浮揚のための東京五輪強行だが、事態は十分にハルマゲドン化している。これを切り開く議論を行おう。

鵜飼哲・一橋大名誉教授 「祝賀資本主義の収奪」

 五輪という「祝祭」は、「資本を再建する祭典」である。同時に、「招致された非常事態」であり、略奪のメカニズムでもある。商業主義を加速させるが、祝祭の後は必ず不況となり、さらなる規制緩和や増税のダブルパンチが待っている。

井谷聡子・関西大准教授 「五輪後に福祉カット」

 近代五輪の第1回大会は女性を排除した。クーベルタンの近代五輪の理念には、色濃く優生思想がある。近年の「五輪の肥大化」の中で、東京大会でも施設の大規模化の一方で、野宿者らが排除されている実態がある。五輪後には、財政再建の名による福祉カットが起きるだろう。声を上げなければならない。

大沢真理・東大名誉教授 「母子家庭の貧困深刻」

 五輪とコロナ禍の前から、日本の生活保障制度が低所得者と社会的弱者を冷遇し、保健所体制を大幅削減してきた。コロナ禍での若い女性の自殺増を招いており、命と暮らしの危機だ。とりわけ、母子家庭の貧困が深刻になっている。

岡野八代・同志社大教授 「自由束縛する菅政権」

 学問の営みとは、残酷さを避けること、最悪の事態を避けることに眼目がある。五輪とコロナ禍をめぐって菅首相をはじめとした政治家の自己中心的な振る舞いが際立っている。教訓を引き出すためにも、異論や批判を排除しない学問の自由が必要だ。

石川健治・東大教授 「緊急事態条項の危険」

 加藤勝信官房長官は、コロナ禍を「憲法に緊急事態条項を新設する絶好の契機だ」と発言している。しかし、元来の緊急事態の法理は、英国で発達した「客観的緊急事態理論」であって独裁権力を想定するものではない。独裁権力を作るために生まれた「主観的緊急事態理論」とは別物なのだ。

佐藤学・東大名誉教授 「人間の尊厳を取り戻すたたかいを」

 コロナ・パンデミックという「惨事」と、五輪という「祝賀」が同時進行している現状。社会的に弱い立場の女性や子どもにしわ寄せが及んでいる。奪われている私たちの自由と人権と人間の尊厳を取り戻すたたかいが必要だ。

 このパネルディスカッションの司会は、中野晃一・上智大教授だった。

燃え盛る「聖火」を消せ。あの禍々しい劫火を。

(2021年7月30日)
 火は妖しくも美しい。それ故に火は人を呼び寄せ人を惑わす。火はときに、その危うさを人に忘れさせ、人は火に魅入られて身を焼き身を滅ぼす。火に群がる蛾と人と変わるところはない。

 今、少なからぬ人々が「聖火」に引き寄せられ、その虚飾に惑わされ酔わされている。その火の危険を忘れ、あるいは危険を正視せず、危険に気付かないふりをし続けている。その怠惰は、多くの人々の身を焼き身を滅ぼすことになる。今必要なのは、一刻も早く、その危険を正視して「聖火」を消すことだ。直視せよ。あれは、人々の災厄を招いている劫火なのだ。

 昨日(7月29日)の東京都内新規コロナ感染確認者数は3865人と発表された。全国では10699人、初めて1万人の大台を超えた。言葉の真の意味での緊急事態である。東京では直近1週間の人口10万人当たりの感染者数111人を超えた。ステージ4下限の4倍を上回る。国民の生命と健康、そして生活が脅かされている。

 東京五輪は、7月23日に開会となった。その日から昨日までの東京の感染者数の推移は、下記のとおりである。
 
7月23日(金) 1659人 (開会式当日)
7月24日(土) 1128人
7月25日(日) 1763人
7月26日(月) 1429人 (連休明け初日)
7月27日(火) 2748人 (連休明け2日目)
7月28日(水) 3177人 (連休明け3日目)
7月29日(木) 3865人 (連休明け4日目)

 4連休が明けてからは、感染爆発と言って誇張ではない。この感染爆発が東京五輪開催と無関係という強弁は通らない。「東京五輪は、国民の犠牲を厭わず開催されねばならない」「都民やアスリートの安全よりも、東京五輪が重要だ」「まだ、アルマゲドンは起こっていない」と言うのなら、話の筋は通っている。危険この上ないスジではあるが。

 東京五輪の安全安心がお題目だけのことであるのは、誰もが知っている。バブルには「どこでもドア」が完備している。今回のオリンピックに限らず、選手の素行がよいわけはない。本日正午までの五輪関係感染者数は累計193人である。母数を確定しがたいが、これは無視できない多数である。しかも潜伏期間を考えれば、これからが心配なのだ。

 祝祭としての東京五輪が、「感動」を呼ぶものであればあるだけ、「感動」しやすい人々にパンデミックの現状認識を稀薄化させている。限りある医療リソースが東京五輪に奪われている。

 この事態に、菅義偉・小池百合子のコメントの情けなさは、言語に絶する。この二人への批判を機に、「楽観バイアス」という言葉が飛び交うようになった。今年の流行語大賞の有力候補である。人には、見たいものしか見えない。「聖火」に吸い寄せられた人には、その火の恐ろしさは見えない。見えても語らない。菅・小池とも、この事態に楽観論しか語らない。

 楽観バイアス・シンドロームは、菅・小池にとどまらない。立憲民主党の安住淳国対委員長が、東京オリンピックに関し「選手村でクラスターが起きるなど新たな状況が生まれない限り、中止は現実的でない」と述べたという。まず、これには驚いた。、菅・小池を糾弾して、誰が国民の味方であるかをアピールする絶好の機会を逃したのではないか。

 さらに、同党の枝野幸男代表までがこれに続いた、昨日(7月29日)の記者会見で、新型コロナウイルス感染拡大の中で開催されている東京五輪について、わざわざ中止を求めないと述べたという。その理由として、「すでに五輪の日程が進んでおり、多くの選手や関係者が来日して活動している」「中止すればかえって大きな混乱を招くと強く危惧している」と述べたとのこと。国民の命と健康を犠牲にしてまで実現しなければならない「混乱回避」とはいったい何なのだ。

 さらに、「アスリートの皆さんには競技に集中して全力を出していただきたい」「長年の努力の成果を自信を持って発揮できるよう、テレビの前で応援しているし、日本選手の活躍を喜んでいる」とまで語ったという。

 恐るべし、楽観バイアス・シンドローム。そして、「聖火」の危険な魅力。だからこそ、直ちにその火を消さなければならない。 

菅さんよ、もすこしシャキッとしておくれ。

(2021年7月28日)
 昨日(7月27日・火)のコロナ新規感染確認者数が衝撃的だった。東京2848人、全国7629人である。神奈川758、大阪741という人数にも驚かざるを得ない。正直、背筋が寒くなる。かけっこだの、ボール投げなどに興じているときではあるまい。

 4連休明けという特殊な事情はあるのかも知れないが、東京の7日間平均は1732.6人で前週の149.4%だという。一週間ごとに5割増。これは恐ろしい。来週の火曜日、8月3日には東京は4000人を超え、全国では1万人を超えることを示唆している。他にも原因はあろうが、オリンピックの開催が裏目に出たことは間違いない。

 この事態に最高責任者である菅義偉、さぞや肝を冷やしているだろうと思いきや、さにあらず。まるで他人ごと。どこ吹く風の趣き。前任者もそうだったが、下々の心情が分からない。分かろうともしないのだ。

 首相官邸のホームページに、昨日の「東京都の新規感染者数が過去最多となったこと等についての会見」が掲載されている。その全文を掲出して、これにコメントさせていただく。
https://www.kantei.go.jp/jp/99_suga/statement/2021/0727kaiken.html

 「先ほど関係閣僚で会談いたしました。東京都で新規感染者が、今言われましたように過去最高ということで、また全国的にも増え続けております。」

 菅さんよ。真っ先に、「専門家の皆様」の意見を聞かなきゃならないんじゃないの。今回は都合が悪いからスルーなのかね。そして、《新規感染者過去最高》とサラリと言ってるが、その危機感が伝わってこない。この事態を招いたについての責任の重みが感じられない。国民の命を預かる者としての自覚に欠けているよ。

 「東京都によれば、感染者のうち65歳以上の高齢者の割合というのは2パーセント台ということです。そして、30代以下が約7割を占めているということであります。一方40代、50代の方の中で入院が増えており、デルタ株の割合も急速に増加しており、まずは4連休を含めて、人流も含めて分析していくことにしました。」

 そんなことは、誰もが分かっている。菅さんよ、まずはこの事態の深刻さを国民に理解してもらい、その原因を指摘し、具体的な対策を国民に語りかけて協力を求める、それがあなたの仕事だろう。はあ? 「これから分析をしていく」? これまで何にもしてこなかったってわけ?

 「さらに、各自治体と連携しながら、強い警戒感をもって感染防止に当たっていく。そして、重症化リスクを7割減らす新たな治療薬を、政府で確保しておりますので、この薬について、これから徹底して使用していくことも確認いたしました。」

 菅さんよ、あんたの話は頼りない。「各自治体と連携しながら、強い警戒感をもって感染防止に当たっていく」って、これまでもやって来たことだろう。それでもこれまでの感染防止策のどこに穴があったのか、これからどうあらためるのか、もっと具体性のある話を聞きたいんだよ。これじゃ、まったくだめだろう。

 菅さんよ、あなたがこの事態で語るべきは感染防止策だったが、それについては語ることなく、語ったのは治療薬についてであった。7月19日に特別承認となった抗体カクテル療法のことではあろうが、あなたの説明はワクチン同様、具体性・透明性を欠くこと甚だしい。しかも、「治療薬は確保したから、国民は安心してよい」と聞こえる。危機意識が伝わってこないんだ。

 「いずれにしろ、こうした状況の中で、改めて国民の皆さんにおかれましては、不要不急の外出は避けていただいて、オリンピック・パラリンピックについてはテレビ等で観戦してほしいと思っています。」

 何というおざなりな、通り一遍で紋切りの、心に響かぬ呼びかけ。聖火リレーにこだわり、ブルーインパルスを飛ばして密を作ったのはいったい誰なんだ。子どもたちをオリパラに動員しようとしているのは誰なのか。外出せざるを得ない多くの人の存在について本当に知らないのではないだろうか。 

「(北海道からのまん延防止等重点措置の適用要請について)
 まず、酒類の提供、そうしたこと、やるべきことをしっかりやってほしいと思っています。」

 北海道の皆さん、これが菅義偉政権の北海道に対する姿勢だということを肝に銘じましょう。道民の生活や思いに寄り添うところが、カケラもない。

「(オリンピックをこのまま続けるのかについて)
 まず、車の制限であるとか、テレワーク、そして正に、皆さんのおかげさまによりまして、人流は減少していますので、そうした心配はないと思っています。」

 「オリンピックをこのまま続けるのか」という質問に対する「そうした心配はないと思っています。」って、そりゃいったい何なのだ。IOCや東京都が、「オリンピックをこのまま続ける心配はない」ということなら分かるけど、菅さんよ、あんたの頭の中は「オリンピックを続けられるかどうかの心配」しかないんじゃないの。

 それに菅さんよ、「人流の減少」はそりゃないよ。そりゃ明らかなウソだろう。安倍晋三の嘘には、慣れて驚かなくなったが、あんたも相当なウソつきなんだ。この4連休、イヤな言葉だが、「人流」の増加が話題になっていたではないか。首相たる者(だったよね)が、報道を否定して「人流」の減少をいうのだ。根拠を示さなければダメだろう。

「(「黒い雨」訴訟の談話について)
 まずは今回の裁判の判決に対して、政府の対応を決めさせていただきました。また長崎については、その後の裁判等の行方もありますので、そうしたことをまず見守っていきたいと思っています。」

 菅さん、動機はともかく、これはあなたの英断だ。よいことだってできるじゃないの。よいことすれば、気持がよいでしよう。この気持を忘れないで。
 やっぱり、政権の支持率は低い方がよいよね。いつも選挙間近というのもよい。つまりは権力が世論を気にせざるを得ない状況が重要なんだ。菅さんよ、無理に上告させていたら、内閣支持率は20%を割り、次の選挙では自民党惨敗だよ。
 まずは、広島の被曝者救済だが、次は長崎だ。そして、ビキニ水爆実験の被曝者も、3・11フクシマ原発事故の被曝者も救済しなけりゃね。

「(オリンピックを中止する選択肢はあるのかについて)
 人流も減っていますし、そこはありません。」

 またまたご冗談の「人流の減少」。自信をもって言えば言うほど、引っ込み付かなくなるんだよ。反面教師・安倍晋三から学んでいないのかね。

 なお、本日発表の感染確認者数は、東京で3177人、そして全国では9576人。もう、運動会などやってる場合じゃないだろう。

人類が新型コロナウイルスに打ち負かされた証しとしての東京五輪中止宣言

(2021年3月15日)
余、コロナ蔓延の猖獗に際して、世界の大勢と日本国の現状とに鑑み、非常の措置を以って事態を収拾せんと欲し、ここに忠良なる汝ら一般国民に告ぐ。

余は、日本国と国民の名において、新型コロナウイルスとの闘いにこれ以上打つ手のないことを世界各国に対し率直に明らかにして敗北を宣するとともに、その敗北の証しとして東京五輪を返上する旨通告せしめたり。

そもそも、日本国民に対して健康で文化的な生活を保障し、世界各国の人民との共存共栄をはかることは、余の一貫した重要政策としてきたところ。新型コロナに対する殲滅の戦いもまた、実に日本国の自存と国民の繁栄を願ってのことで、望むべくんば「人類が新型コロナウイルスに打ち勝った証しとしての完全な形での東京五輪開催」こそが余の昨日までの努力傾注の目標であった。

しかるにコロナとの交戰すでに1年と3か月になんなんとして、これを撲滅することを得ず、一億国民各々と医療従事者が最善を尽せるにかかわらず、戦局必ずしも好転せず、世界の大勢また我に利あらず、しかのみならず敵コロナは頻りに新たな変異株となって無辜の国民を殺傷に及ぶ。

余はこの事態においても、これまでは東京五輪の開催にこだわり続けてきた。五輪の成功こそが唯一の政権浮揚策であり、東京五輪の開催失敗は解散の時期を失し、追い込まれ解散による2021年総選挙の与党大敗を招きかねないからである。

しかし、このまま東京五輪開催実現前提でコロナとの交戦を継続すれば、ついに日本と日本国民に取り返しのつかない災厄を招来するのみならず、延いては人類の文明をも破却することが予測されるに至った。

とすれば、これまでコロナ蔓延対策の明らかな障碍と認識されていた東京五輪を返上せざるを得ない。これは自明の理である。「人類が新型コロナウイルスに打ち負かされた証しとしての東京五輪中止」と揶揄されようとも、やむを得ざるところ。

そして、他には既に打つべき手もなければ、非常事態宣言を解除して成り行きに任せるに如くはなしとの判断。是れが、余の敗北宣言の所以なり。

余は時運の趨くところ、堪えがきを堪え、忍びがたきを忍び、以って万世のために東京五輪を返上せんとする。汝ら一般国民、余のために泣け。そして余の意を体せよ。

署名  捺印

東京オリンピック憲章(最新改訂版) ー 政権浮揚と国威発揚と金儲けとを求めて

(2021年3月6日)

 東京2021オリンピズムの根本原則

1 東京オリンピズムは、政権浮揚と国威発揚とカネのすべてのレベルを、かつ高め、かつバランスよく結合させることを目指す、我が国の国民精神総動員とスポーツの政治利用の哲学である。スポーツを、政治と経済とに融合させ、より巧妙な民衆支配の方法と、より大きな儲け方とを創造し探求するものでもある。東京オリンピズムを成功に導く民衆の生き方は、政治的、経済的、社会的に、伝統的秩序と権威に従順で支配者の提示する倫理規範を尊重し、東京五輪主催者の提供するスポーツ観戦に没我し感動することが望まれる。

2 東京オリンピズムの直接の目的は、時の菅義偉政権と小池百合子都政の数々の不祥事を国民・都民の眼から覆い隠し忘却させることで政治的安定をもたらすとともに、この社会の基本的な支配構造である資本主義の欠陥を民衆の熱狂をもって糊塗することで、現体制の尊厳の保持と市場原理の調和のとれた発展に、スポーツを役立てることである。

3 東京オリンピック・ムーブメントは、オリンピズムの政治的かつ経済的な価値に鼓舞された国家と資本とによる協調の取れた組織的、普遍的、恒久的活動である。その活動を推し進める領袖は「とにかく開催」「7月に開幕しないと信じる理由は何もない。だからプランBはない」「ワクチンが間に合わなくともオリンピックの開催は可能」と述べて中止や再延期の可能性を否定する、野蛮・無謀・無責任のトーマス・バッハである。その領袖の下での周到な準備活動は5大陸にまたがるが、東京の偉大な競技大会に世界中の選手が集まるとき、頂点に達する。そのシンボルは、「カネ」と「不正」と「権力」と「環境破壊」と「反知性」の、5つの結び合う輪である。

4 スポーツイベントを経済的な利潤獲得手段とすることは、侵してはならない神聖な権利の1つである。また、政治的な国民統合の手段とし、あるいは対外的な国威発揚手段として利用することも同様である。
すべての個人は、権力機構としての組織委員会のいかなる種類の差別も甘受して、東京オリンピックの成功のために心身ともに動員されなければならない。そのためには、盲目的従順、権威主義的心情、自己犠牲の精神とともに忖度と迎合の姿勢が求められる。

5 東京オリンピック・ムーブメントは、その成功のために、大和魂と必勝の精神を最大限動員する。とりわけ、権力と金力には卑屈となり、長幼の序と男女の別を弁え、国民一丸となって竹槍を持ち、早朝宮城に向かって遙拝し、「鬼畜コロナには決して負けない!」「東京オリンピックは必ず開催するぞ!」「中止も再延期も考えない!」「無観客もないぞー!」「天佑は我にあり!」と唱和する。断じて行えば鬼神もこれを避く。大和魂は、コロナに打ち克って、五族協和・八紘一宇の東京オリンピック開催に道を拓く。

そのとき必ずや妙なる鐘が鳴り、人類が新型コロナに打ち克った証しとしての東京オリパラが成就する。

澤藤統一郎の憲法日記 © 2021. Theme Squared created by Rodrigo Ghedin.