澤藤統一郎の憲法日記

改憲への危機感から毎日書き続けています

関弁連から、アパホテル問題についての「公開質問状に対する回答」

(2020年8月30日)

関東弁護士会連合会が発行する、「関弁連だより」に掲載されたアパホテル専務インタビュー記事。何の問題意識もなく、あたかもアパホテルグループを普通の企業のように扱うその編集者の感覚に驚愕せざるを得ない。

南京大虐殺はなかったという歴史修正主義、そして改憲論、また非核三原則の否定や核武装推進論の姿勢においても、アパホテルグループは余りにも突出した存在である。とうてい、弁護士会がまともに相手にできる代物ではない。弁護士会が、こんな企業を他と同様に扱ってはならない。それこそ、弁護士の社会的信用に傷が付くことになる。

この問題について、関弁連管内弁護士の有志65名が連名で、関弁連宛に公開質問状を出した。8月17日のことである。弁護士会は、日本国憲法を擁護し憲法理念を大切にしようとする姿勢のはず。アパホテルのような反憲法的信条を露わにしている企業を無批判に取りあげることは、弁連の姿勢に悖るものではないか。弁護士会の使命から問題ではないか、弁護士会の信用を傷つけるものではないか、という問いかけ。

公開質問状の内容は、下記のURLを参照されたい。

アパホテル記事について、関弁連に対する公開質問状。
http://article9.jp/wordpress/?p=15444

不見識きわまれり、弁護士会広報紙にアパホテルの提灯記事。
http://article9.jp/wordpress/?p=15193

関弁連から、これに対する8月28日付回答を昨日(8月29日)受領した。下記のとおり、「2020年8月17日付け公開質問状に対する回答」と表題されたもので、個別の質問事項への回答はないが、「当該記事の掲載を継続することは適切ではない」との判断は示されている。これから、この回答の評価を検討することになる。

なお、弁護士会の在り方は、決して私事ではない。弁護士会の中での出来事や意見交換の在り方は、できるだけ広く市民に知ってもらうことが望ましいと思う。常に市民からの批判の目のあることが、弁護士会にあるべき姿勢を堅持させることになる。そのことは、弁護士自治の保障にも重要な役割を果たすことになるだろう。

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2020年8月17日付け公開質問状に対する回答

2020年8月28日

質問者65名代表者
弁護士 澤 藤 統一郎 様

関東弁護士会連合会
理事長 伊 藤 茂 昭

 日頃より,関東弁護士会連合会の活動にご助力・ご理解を賜りありがとうございます。貴職らよりいただきました2020年8月17日付け公開質問状に対して,以下のとおり回答いたします。

当連合会は,「2020年度関弁連の重点課題と施策」において,「立憲主義の尊重と行政権に対するその遵守の要請」「司法の独立の堅持」を掲げ,憲法問題に関しては「立憲主義を堅持し,恒久平和主義を擁護する立場」を鮮明にしています。このような当連合会の重点施策に基づく理事長声明などの活動について,貴職らからいただいた力強いご支持について,こころより御礼申し上げるとともに,今後も一層のご支援をお願いする次第です。

一方,当連合会の本年6月30日付け「関弁連だより」における冒頭記事 「関弁連がゆく」に取り上げたアパホテル株式会社代表取締役専務に対するインタビュー記事については,責職らの本公開質問状以外にも,この掲載自体を問題視する意見が寄せられ,執行部としては,弁護士法に基づく公的法人である構成弁護士会の連合会として,この記事の掲載を継続することは適切ではないと判断し,7月10日をもって当連合会ホームページから当該記事を削除いたしました。

そして,そのホームページからの削除については,理事長名において,アパホテル株式会社に対しても文書にて責任ある説明を行い,常務理事会にもその旨報告してご了承を得たところです。

また,当連合会内において,会報広報委員会及び常務理事会においても,本件の経営者一族の思想信条は関弁連の基本方針ととは異なるものの,何らその点には触れておらず,記事そのものについては問題ない以上,掲載を続けるべきであるとの意見もございました。そのような経緯ですが,本件については,執行部の判断で上記措置を執ることについての了解を得た次第です。

なお,今回の件を受けて,インタビュー記事において私企業の経営者を取り上げることについて,執行部と会報広報委員会の協議の上,編集方針を一部変更いたしました。インタビュー記事については,「関弁連がゆく」とのタイトルと併せて,その記事の内容を超えて,その私企業の経営者の思想信条を支持するかのような誤解を与える可能性があり,さらに,当該私企業が,公的団体のインタビュー記事があるという事実を広告宣伝に過度に利用する危険性も存することから,私企業の経営者のインタビュー記事は,当連合会の記事としては適切でない場合もありうるということで,8月12日には,ひとまず,過去の掲載記事の内,14の記事について当連合会ホームページから削除いたしました。

以上が,本件について当連合会執行部が執った結論であります。
当連合会執行部としては,今後は,会員の皆様からインタビュー記事について,疑義が述べられるような事態が発生しないよう,人選,記事内容について,慎重に取り組む方向で,執行部と会報広報委員会で引き続き協議を尽くす所存です。

以上の措置の御報告により,質問の各項目に対する回答に替えさせていただき,個別の各項目についての回答は,省略させていただきます。

併せて今回は,質問者の先生方をはじめ,多くの会員の方々に多大なご心配をおかけいたしました。こころよりお詫び申し上げるとともに,今後もよりよい「関弁連だより」の作成に努力する所存です。

当連合会が永続的かつ安定的に発展できるために,今後も力をお貸しいただきたいということをお願いし結びといたします。

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Published in 日曜日, 8月 30th, 2020, at 20:18, and filed under 右派・右翼, 弁護士, 歴史認識.

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