澤藤統一郎の憲法日記

改憲への危機感から毎日書き続けています

湯島天神境内での消費税論争

(2020年11月21日)
この頃の朝の散歩は、安直に湯島天神まで。本郷通りをほんの少し南下して、三丁目交差点を左に折れ春日通りを10分ほど上野方面へ。アップダウンのない楽な行程。

途中に、春日通りの地名の起源となった、春日局ゆかりの麟祥院がある。ときに、その境内をめぐって春日局の墓を見てくる。ただ、墓を眺めるだけ…なのだが。

湯島天神は婦系図の舞台として名高く、泉鏡花の筆塚もあるが、原作には出て来ないのだという。落語では、「宿屋の富」の舞台。ひしめきあう群衆を集めて、寺社奉行が富くじの抽選を行うのがここの境内。また、柳田格之進が、油屋の番頭徳兵衛と出会うのが正月で賑わう湯島天神。今、その賑わいの面影は淡い。

湯島と言えば白梅だが、季節は菊。例年、「湯島天神菊まつり」が開催される。コロナ禍の今年は規模を縮小して、「まつり」ではなく「湯島天神菊花展」となっている。11月1日~22日の日程だが、準備期間から菊の花の開花の様子を眺めている。早朝の人気のない境内で、ゆっくりとみごとな菊を眺める贅沢な散歩。

今年は、新型コロナウイルス感染症に関する対応として、「授与所には透明パネルを設置しています」「お神札・お守りの授与は職員から直接のお渡しを避けるようにしています」「ご祈祷の際には可能な限り参拝者一組づつの斎行をしています」「ご祈祷後の直会(お神酒)を取り止めています」「手水舎の柄杓は撤去いたし、流水にてお清め頂いています」「神職・職員がマスク着用にて対応しています」「『撫で牛』への接触中止しています」と、心づくしが細かい。「授与品とご祈祷の郵送依頼」も受け付けているという。

例年よりは少なめだが、早くも合格祈願の絵馬がたくさん飾られている。私は、これを見るのが楽しみなのだ。善男善女の祈願の内容よりは、絵馬を書いた日付が、西暦か元号か、興味はそれに尽きる。

神社に奉納する絵馬なのだから当然に元号表示だろうと思うのは、素人の浅はかさ。実は、圧倒的に西暦表示派が圧倒的に優勢なのである。ほぼ、8対2という勢力図ではないか。「令和二年」よりは、「2020年」の方が、遙かに書き易く、読み易く、今年を意識しやすいのだろうと思う。西暦派と元号派と、どちらが合格率が高いか調査をしたら面白かろう。ひいき目には、西暦派の絵馬の方が知性高そうに見えるのだが。

土・日・祭日には、境内で幾つかのイベントが行われた。ちょうど一週間前、先週の土曜日には、本郷税務署と「本郷間接税会」との共催による、「消費税に関するクイズ」をやっていた。「本郷間接税会」とは、業者団体のようだが、もちろん「消費税をなくす会」ではない。クイズとアンケートに答えると粗品をもらえる。粗品には当然のごとく税務署の宣伝パンフも付いてくる。ここで、こんな会話を聞いた。

「軽減税率ってなんて分かりにくい。消費税なんて、なくなればよいのにね」「いや、それは大事な安定した財源ですから、なくなっては困るんですよ」「なに言ってんのよ。業者が税務署の肩もってどうすんの。弱い立場の消費者からむしりとらないで、大企業やお金持ちからきちんと税金取ったらどう?」「でも、これは大事な福祉の財源ですから、なくなれば立場の弱い人にしわ寄せが」「まるで政府答弁みたいなウソを言わないでよ。これまでの消費税の収入って、ちょうど企業減税と所得税の累進化をなくした減税分を合わせた額と同じっていうじゃない。庶民から税金むしりとって、大企業と大金持ちに分配してやったんでしょ」「それは極端な考え方で…」「コロナで、みんな困っている。消費税なくするのが、みんなの生活を助ける一番よい方法でしょ」

天神様の境内も神威に満ちみちて穏やかとばかりはまいらない。俗事の風が吹き込んで天神様の境内もなかなかに騒々しい。

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