澤藤統一郎の憲法日記

改憲阻止の立場で10年間毎日書き続け、その後は時折に掲載しています。

日本郵政・鈴木康雄上級副社長の辞任を求める。

本日(12月26日)9時30分、醍醐聰さんと私とで日本郵政本社を訪ね、下記の申入書を提出した。応対されたのは、広報担当部門の責任者だという、「広報局グループリーダー」の肩書をもつ職員。約20分、神妙にこちらの話を聞いてはくれた。

申し入れの内容は、かんぽ不正販売に関しての3社社長の引責辞任は当然として、鈴木康雄上級副社長にも強く辞任を求める、という趣旨。

国民の郵政に対する信頼を裏切って、消費者被害をもたらした責任は大きい。明日(12月27日)の3社社長のトップとしての引責辞任は不可避な事態だが、鈴木副社長については、必ずしもその意向が明らかではなく、各紙の観測記事のニュアンスは様々である。

しかし3社社長がこの事態に無為無策であったことに責めを負う立場であるのに比して、鈴木副社長は明らかに報道のもみ消しをはかって被害を拡大した積極的な被害拡大に責任を負わねばならない。日本郵政の信頼回復は、トップ4名の辞任からであるが、けっして鈴木副社長の留任があってはならない。

また、辞任するだけではなく、自らの言葉で、被害者、職員、NHKへの謝罪を語るべきである。

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2019年12月26日

日本郵政株式会社社長    長門正貢様
日本郵便株式会社社長    横山邦男様
株式会社かんぽ生命保険社長 植平光彦様
日本郵政株式会社副社長   鈴木康雄様

緊急申し入れ

3社社長の引責辞任のみならず、鈴木康雄副社長の辞任を要求する

「日本郵政と経営委首脳によるNHK攻撃の構図を考える11. 5 シンポジウム」実行委員会

世話人:小林 緑(国立音楽大学名誉教授・元NHK経営委員)/澤藤統一郎(弁護士)/杉浦ひとみ(弁護士)/醍醐 聰(東京大学名誉教授・「NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ」共同代表)/田島泰彦(早稲田大学非常勤講師・元上智大学教授)/皆川学(元NHKプロデューサー)

報道によれば、貴職ら3名の日本郵政グループ社長は、このたびのかんぽ生命保険等の不正販売をめぐる総務省と金融庁の処分が27日に決まるのを受けて、同日にも辞任を表明されるとのことです。
過日、報告された「かんぽ生命保険契約問題 特別調査委員会」の報告書や一連の報道で明らかになった、かんぽ生命保険その他の商品の販売をめぐる不正行為は、高齢者を対象にした悪徳商法と断じて過言でないほど悪質極まりないものであり、貴職ら社長の引責辞任は当然のことです。
と同時に、辞任にあたっては悪徳商法で被害を蒙った人々と理不尽なノルマを押し付けられ、良心との板挟みで苦しんだ社員への深い謝罪が不可欠です。
しかし、辞任による引責という点では、貴職ら3名の社長の辞任だけでは済まされません。この問題を取り上げたNHKの「クローズアップ現代+」に対し、元総務事務次官の肩書を誇示して、不正の発覚を封じようと、続編制作のための取材を執拗に妨害したうえに、後輩にあたる総務事務次官(当時)に情報漏洩まで催促した日本郵政副社長・鈴木康雄氏の責任も極めて重く、辞任が当然です。
そこで、私たちは貴職ら4名に以下のことを申し入れます。

申し入れ事項

1.貴職ら日本郵政グループ3社の社長は、かんぽ生命保険等の不正販売の責任をとって、直ちに辞任すること。

2.NHKの取材を妨害し、総務事務次官に情報漏洩を働きかけた鈴木康雄氏の責任も3社社長の責任に劣らず重いことから、鈴木氏も、総務省の処分のいかんにかかわらず、直ちに引責辞任すること。

3.貴職ら4名は辞任にあたって、かんぽ生命保険等の不正販売の被害者、理不尽なノルマを強いられて苦しんだ、かんぽ生命保険の社員らに厳粛な謝罪をすること。

以上

(2019年12月26日)

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