明日(7月1日)は、官邸に駆けつけよう。
「政府は、明日(7月1日)集団的自衛権行使を可能とする憲法解釈変更の閣議決定に踏み切る方針」と、各紙が一斉に報道している。公明党が今日(30日)、行使容認に向けて党内の意見をとりまとめ、明日(1日)自民・公明両党の与党協議が成立して、即日政府が閣議決定するという段取り。さらにその後に、安倍首相が記者会見し、集団的自衛権の行使容認に踏み切る理由について説明するというスケジュール。
菅義偉官房長官の本日(6月30日)の記者会見では、「与党で調整ができれば、明日閣議決定を行いたい」と表明。自民、公明両党は、1日の閣議決定を目指し、正式合意前の意見集約を続行と報じられている。なお、官房長官は同じ改憲で、「政府として国民の生命・財産、国の安全を守るとの立場から、法制度の不備があるなら切れ目なくしっかり対応する」と強調し、憲法解釈変更の必要性を訴えた、という。
まだ、公明党の党内調整が完了したという報道には接してない。しかし、各紙が「公明党は本日(30日)午後に安全保障に関する合同会議を国会内で開催し、対応について幹部一任を取り付けたい考え」と報じている。また、「公明党は30日午後、外交安全保障・憲法両調査会合同会議を国会内で開き、行使を容認する方向で意見集約する。閣議決定に盛り込まれる武力行使の『歯止め』が厳格で、容認できると判断した」という報道もある。おそらくは、もう結論は出ている。問題として残されているのは、どのようにすれば「自民党から押し切られ陥落したのではない」という言い訳の形づくりができるか、それだけなのだ。
明日・2014年7月1日は、日本国憲法の歴史における恥辱の日となろう。立憲主義に大きな傷がつき、国民主権がないがしろにされ、恒久平和の理念に砂がかけられる。その罪を犯すグループの中心に位置するのが安倍晋三。それを囲んで右翼の徒党と化した自民党があり、自民党と心中を決めこんだ公明党がある。さらに右翼メディアと財界があり、そして、決して多数ではないが、積極消極に安倍を支持する国民がいる。
しかし、「立憲主義を尊重せよ」、「安倍政権による改憲クーデターを許すな」、「平和を守れ」、という世論は決して小さいものではない。政権にとっても、必ずしも成算があるわけではない危険な賭けに踏み切ったのだ。安倍よ、自公よ、右翼メディアよ、国民の良識を侮ってはならない。平和憲法を守れ、立憲主義を尊重せよという世論の厚みを見誤ってたことを思い知らねばならない。
明日は官邸に行こう。官邸の中にははいれなくとも、石の塀と鉄の扉の外から、抗議の声を届けよう。明日は、9時半?10時半(実行委員会と戦争をさせない1000人委員会)、12時15分?12時45分(憲法共同センター)、17時?18時半(実行委員会と1000人委員会)の官邸前集会が予定されている。時間の許す限り参加しよう。参加して、憲法をないがしろにすることについての抗議の意思を表明しよう。
また、内閣に、閣議の出席者に、自民党と公明党に、ファクスで電話で郵便で、抗議の意思を伝えよう。
明日は重要な日となるが、それでも解釈改憲は明日一日で完成するわけではない。新規立法や多くの関連法の改正が必要となる。国家安全保障基本法の上程もあるかも知れない。一つ一つの法案審議の過程が新たなせめぎ合いの舞台となる。集団的自衛権行使容認反対の運動は、特定秘密保護法反対運動の成果を引き継いでいる。この反対世論をさらに大きく強固なものとして行くことが王道だ。国民は、決して投票日だけの主権者ではない。
デモも、署名運動も、街頭宣伝も、パンフレットの配布も、ファクスも、電話も、投書も、ブログも、地方選挙も、床屋談義もコンパの議論も、世論調査も、そして一つ一つの集会も、一人ひとりの声を確実に社会に積み上げていく手段だ。平和のためではないか。億劫などと言ってはおられない。今なら、まだ声を上げることができる。手遅れにならないうちに、大きく声を揃えよう。「立憲主義を壊すな」「解釈改憲を許さない」「9条を守れ」「日本を戦争のできる国にしてならない」、そして「安倍内閣打倒」と。
(2014年6月30日)