澤藤統一郎の憲法日記

改憲阻止の立場で10年間毎日書き続け、その後は時折に掲載しています。

8月13日(木)11時? 日弁連講堂「クレオ」で、<シンポジウム>「国民の70年談話」─日本国憲法の視座から 拡散のお願い

下記のURLが、シンポジウムのチラシになっています。
ぜひとも拡散をお願いいたします。
http://article9.jp/documents/symposium70th.pdf

企画の総合タイトル 
シンポジウム「国民の70年談話」ー日本国憲法の視座から
過去と向き合い未来を語る・安全保障関連法案の廃案をめざして

日時■2015年8月13日(木)午前11時?午後1時20分
会場■弁護士会館 2階講堂「クレオ」ABC
  ・東京メトロ丸ノ内線、日比谷線、千代田線「霞ヶ関駅」B1-b出口より直通
  ・東京メトロ有楽町線「桜田門駅」5番出口より徒歩8分
■参加費無料 (カンパは歓迎)

戦後70周年を迎える今年の夏、憲法の理念を乱暴に蹂躙しようとする政権と、あくまで憲法を擁護し、その理念実現を求める国民との対立が緊迫し深刻化しています。
この事態において、政権の側の「戦後70年談話」が発表されようとしていますが、私たちは、安倍政権の談話に対峙する「国民の70年談話」が必要だと考えます。
そのような場としてふさわしいシンポジウムを企画しました。憲法が前提とした歴史認識を正確に踏まえるとともに、戦後日本再出発時の憲法に込められた理念を再確認して、平和・民主主義・人権・教育・生活・憲法運動等々の諸分野での「戦後」をトータルに検証のうえ、「国民の70年談話」を採択しようというものです。
ときあたかも、平和憲法をめぐるせめぎ合いの象徴的事件として安全保障関連法案阻止運動が昂揚しています。併せて、この法案の問題点を歴史的に確認する集会ともしたいと思います。
ぜひ、多くの皆さまのご参加をお願いいたします。

スケジュール
《第一部》過去と向き合う
■戦後70年日本が戦争をせず、平和であり続けることが出来たことの意義
  高橋哲哉(東京大学教授)
■戦後改革における民主主義の理念と現状
  堀尾輝久(元日本教育学会・教育法学会会長)
■人間らしい暮らしと働き方のできる持続可能な社会の実現に向けて
  暉峻淑子(埼玉大学名誉教授)
■日本国憲法を内実化するための闘い─砂川・長沼訴訟の経験から
  新井 章(弁護士)
■安全保障関連法案は憲法違反である
  杉原泰雄(一橋大学名誉教授)

《第二部》未来を語る
◆若者・高校生・大学生・女性・母親・ジャーナリスト・教員…
 多くの人がそれぞれに語る未来の展望

《第三部》「70年談話」
◆「国民の70年談話」の発表と参加者による採択

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政権と国民とが、憲法をめぐって鋭く対峙している。戦後70年の今日、平和憲法が最大の危機にある。その憲法を蹂躙しつつある政権の側が公表しようとしている「戦後70年談話」に対決する、国民の側からの「70年談話」が必要と考える。

政権の談話に対峙する「国民の側の談話」は、政権の歴史認識を批判し、平和な未来への展望を語るものとなるだろう。

たまたま、本日(8月4日)の朝日新聞朝刊15面に、あの「敗北を抱きしめて」の著者であるジョン・ダワーのインタビュー記事が掲載されている。表題は「日本の誇るべき力」だが、内容を紹介する冒頭の見出しが「国民が守り育てた反軍事の精神 それこそが独自性」というもの。

ダワーは、政府と国民を明確に区別し、「日本の誇るべき力(ソフトパワー)」を「国民が守り育てた反軍事の精神」と高く評価している。多くの国民が同じ思いであろう。

「国民の70年談話」に参考となると思われる部分を抜粋しておきたい。

「世界中が知っている日本の本当の力(ソフトパワー)は、現憲法下で反軍事的な政策を守り続けてきたことです」

「1946年に日本国憲法の草案を作ったのは米国です。しかし、現在まで憲法が変えられなかったのは、日本人が反軍事の理念を尊重してきたからであり、決して米国の意向ではなかった。これは称賛に値するソフトパワーです。変えたいというのなら変えられたのだから、米国に押しつけられたと考えるのは間違っている。憲法は、日本をどんな国とも違う国にしました」

「このソフトパワー、反軍事の精神は、政府の主導ではなく、国民の側から生まれ育ったものです。敗戦直後は極めて苦しい時代でしたが、多くの理想主義と根源的な問いがありました。平和と民主主義という言葉は、疲れ果て、困窮した多くの日本人にとって、とても大きな意味を持った。これは、戦争に勝った米国が持ち得なかった経験です」

「幅広い民衆による平和と民主主義への共感は、高度成長を経ても続きました。敗戦直後に加えて、もう一つの重要な時期は、60年代の市民運動の盛り上がりでしょう。反公害運動やベトナム反戦、沖縄返還など、この時期、日本国民は民主主義を自らの手につかみとり、声を上げなければならないと考えました。女性たちも発言を始め、戦後の歴史で大切な役割を果たしていきます」

「繰り返しますが、戦後日本で私が最も称賛したいのは、下から沸き上がった動きです。国民は70年の長きにわたって、平和と民主主義の理念を守り続けてきた。このことこそ、日本人は誇るべきでしょう。一部の人たちは戦前や戦時の日本の誇りを重視し、歴史認識を変えようとしていますが、それは間違っている」

この観点、この視座において、「国民の70年談話」をまとめたいものと思う。
(2015年8月4日)

Info & Utils

Published in 火曜日, 8月 4th, 2015, at 21:30, and filed under 国民の70年談話, 戦後民主主義, 歴史認識.

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