堺市長選ー維新の会の反共宣伝
昨15日、堺市長が選告示となった。再選をめざす無所属現職の竹山修身と大阪維新の会新人西林克敏との対決。竹山は、民主推薦・自民支持・共社の支援だという。「極右・ポピュリスト」対「保守・中道・左翼連合」という構図。
たまたま、本日が日本維新の会の発足から1周年だそうだ。その日本維新が政治勢力として保つかどうかを占う選挙でもあるが、現代における「アンチ〔極右ポピュリズム〕統一戦線」の有効性について、80万都市を舞台にした実験でもあり、政治経験でもある。
維新側は、「自民・民主・共産による理念なき大談合、改革を拒否!」とし、反共を前面に立てた宣伝戦。橋下は連日堺にはいって、反共演説を続けているという。竹山陣営は、「いわゆる相乗り批判について」とする談話を発表。「首長選挙では各論より総論、『大義』が優先されます。「堺はひとつ、堺のことは堺で決める」というのは、まさに大義であり、この大義の下に集まることを安易に「相乗り」と決めつけることは、見当違いも甚だしいと言わざるを得ません」と切り返している。さて、今どき反共攻撃が効くだろうか。
かのマルティン・ニーメラーの言葉を思い出す。
「ナチ党が共産主義を攻撃したとき、私は自分が多少不安だったが、共産主義者でなかったから何もしなかった
ついでナチ党は社会主義者を攻撃した。私は前よりも不安だったが、社会主義者ではなかったから何もしなかった
ついで学校が、新聞が、ユダヤ人等々が攻撃された。私はずっと不安だったが、まだ何もしなかった
ナチ党はついに教会を攻撃した。私は牧師だったから行動した―しかし、それは遅すぎた」
最初に弾圧の対象となるのが共産主義・共産党なのは、弾圧をする側が市民の黙認を予想しているからだ。こうして、個別撃破攻撃が成立し、市民社会の全体を抑圧することが可能となる。ニーメラーの述懐のとおり、市民が反共を黙認すれば、結局は自分の首を絞めることになる。
反共主義こそは、民主的な連合や団結に打ち込まれる楔である。その楔が、鋭利な武器となるか、役に立たない錆びた折れ釘となるか。ヒトラーは反共主義を有効に使うことに成功した。橋下維新の会はどうなるだろうか。その答は今月の29日に出る。
(2013年9月16日)