澤藤統一郎の憲法日記

改憲への危機感から毎日書き続けています

「法と民主主義」最新号紹介 ― 特集「原発と人権」と、禰屋町子さんとの「ランチ」など。

「法と民主主義」は年10回刊。2・3月と8・9月が合併号となる。このほど本年(2018年)8・9月号(№531)が発刊となった。

編集委員の一人である私が言うのもやや気が引けるが、原発問題に関心をもつ法律家・ジャーナリストには、必見の内容である。
ぜひ、下記URLからご注文を。
https://www.jdla.jp/houmin/
https://www.jdla.jp/kankou/itiran.html#houmin

特集のタイトルは、ずばり「原発と人権」。「人間・コミュニティの回復と原発のない社会をめざして」というやや長い副題が付せられている。第4回「全国研究・市民交流集会 in ふくしま(2018.7.28~7.29)」の報告集となっている。集会報告の録音を起こしたものではなく、あらためて執筆していただいたもの。

目次をご紹介しておこう。
★特集「原発と人権」人間・コミュニティの回復と原発のない社会をめざして 第4回全国研究・市民交流集会 in ふくしま(2018.7.28~7.29)より
◆特集にあたって………編集委員会・丸山重威
◆開会挨拶………牛山積
◆歓迎の挨拶………中井勝己
●全体会報告
◆記念講演:フクシマは何を問うているのか………高橋哲哉
◆報告:福島第一原発の現状………山川剛史
●被害者・被災地の声
◆原発推進暴走国策と東電の暴利追求に闘い抜く………早川篤雄
◆帰還困難区域のふるさと・津島に想う………佐々木 茂
◆福島県内に居住し続けた人々の被害について………伊東達也
◆営業努力がない、と賠償打ち切り「被害ある限り賠償」のウソ………斎藤朝興
◆裁判所からの御墨付き「区域外避難」………鴨下祐也
◆国連人権理事会での訴え 無用な被ばくを避けるための情報コントロール権の確立を………森松明希子
◆報告:福島原発災害7年を経て||その復興とは何か………鈴木 浩
◆報告:先行する7判決の評価と課題(損害論を中心に)………米倉 勉
◆報告:原発差止め訴訟判決の成果と課題………井戸謙一
◆報告:「福島事故から7年、私たちの訴え」について………松野信夫
●分科会報告
◆第1分科会:福島第一原発の後始末と脱原子力社会への転換………水藤周三
◆第2分科会:原発災害と政策転換………礒野弥生
◆第3分科会:原発事故賠償の課題と展望………大坂恵里
◆第4分科会:核兵器と原発………内藤雅義
◆第5分科会:原発政策の転換とメディア………林 勝彦
◆閉会挨拶………塩谷弘康
◆お知らせ………「原発と人権」第4回全国研究・市民交流集会inふくしま実行委員会

★特集外

司法をめぐる動き・裁判手続等の「全面IT化」に向けた急激な動き その重大な問題点………正木みどり
*司法をめぐる動き・7月/8月の動き………司法制度委員会
*メディアウオッチ2018●《進む不正な情報支配》受け手の情報環境への視点を 安倍キャンペーンと沖縄ヘイト………丸山重威
*あなたとランチを〈№39〉●「普通のおばさん」ってほんと………ランチメイト・禰屋町子さん×佐藤むつみ
*改憲動向レポート〈№7〉憲法改正に「人生をかける」とまで発言する安倍首相………飯島滋明

時評●ジェンダー差別をなくすことはすべての差別をなくすことに通じる………杉井静子
ひろば●政策の転換を!………海部幸造

◆「特集にあたって」の冒頭の一節。
 原発のパラダイムは大きく変わった…。第4回「原発と人権」全国研究・市民交流集会inふくしまを開催して確認できたことは、井戸謙一弁護士が喝破されたとおり、「原発のパラダイムは大きく変わった」ということだ。「夢のエネルギー」と大宣伝された原発も、フクシマ事故後7年半を経て、依然として政権からは「基幹電源」と位置づけられても、いくら「必要だ」と強調されて、「もう、それは無理なのだ」とみんなが納得できる状況になりつつあることは、確かではないだろうか。
 今回の集会に当たって、実行委員会は「福島事故から7年、私たちの訴え――国、東電が責任を持ち、地域と住民を守り、『原発のない社会』の実現を」と題するアピールを提案、集会で確認した。
 幅広く、自由に議論しようと、「研究集会」と銘打って始めた集会で、初めて、「被害の救済」「地域の復興」と、「原発がない社会」を確認した。これまでの研究と闘いの成果である。大切なのは、ここで示された課題と、解決への道筋をひとつ一つ実現し、実際の政治に生かしていくことである。
 今回の特集は、この集会の記録集として位置づけされている。高橋哲哉教授の基調講演ほか、この第4回集会の講演、報告をできるだけ忠実に記録した…。

特集以外の記事も充実している。その中での息抜きのスペースが、佐藤むつみ編集長のインタビュー記事、「あなたとランチを」。今号で39人目となるランチのお相手は、いまや有名人となった禰屋(ねや)町子さん。倉敷民商弾圧事件の当事者である。

そのタイトルが、『「普通のおばさん」ってほんと………ランチメイト・禰屋町子さん×佐藤むつみ』というもの。「暴虐な弾圧に一歩も退かない闘士」像を想像させる禰屋さんだが、一緒にランチをしてみると、実は「普通のおばさん」なのだという感想が標題になっている。しかし、もちろんそれだけではない。弾圧の経過や抵抗、抵抗を支えた支援の運動や、接見を絶やさなかった弁護団の献身性などが書き込まれている。お話しを直接聞き取った、428日間に及ぶ勾留期間の生活状況も興味深い。

冒頭と、末尾だけを転載させていただく。

禰屋町子さんは「倉敷民商弾圧事件」で2014年1月早朝逮捕された。2015年3月やっと保釈が通るまでなんと「428日間」1年2か月も身柄を拘束された。その間「黙秘」と「否認」を続けた。冤罪である裁判は今も続き、「刑事被告人」と呼ぱれて4年を超える。いったい町子さんに何があったのか。

取り調べの検事は「極悪人と思ったら普通のおばちゃんじゃん」と。普通のおぱさんを舐めてはいけない。わかったね。
(2018年9月30日)

ヤマトを変えるのは沖縄から、明日の知事選からだ。― 「アジぶら通信が紹介する玉城デニーの人間像」

明日(9月30日)は、いよいよ沖縄知事選挙。嵐の中の選挙の様相だが、天候だけでなくこの選挙が象徴する政治状況も大きな嵐の中にある。「オール沖縄」側の勝利は、アベ政権に大きな打撃を与えて、日本の政治状況を変革する展望につながる。

「オール沖縄」と「市民と野党の共闘」は、誰と、あるいは何と闘っているのか。もちろん、真に闘う相手は佐喜真候補なんぞではない。沖縄の自・公勢力でもない。明らかに、その背後にある政権との闘いであり、アベ政権を支えてきた日本会議以下の右翼陣営との闘いにほかならない。そして、さらにその背後にある好戦国アメリカの軍事戦略との闘いでもある。

保守中道と革新を糾合した「オール沖縄」と「市民と野党の共闘」とは、民主主義や平和を希求する諸潮流の統一戦線にほかならない。その幅の広い「オール沖縄」が候補として推す人物の人間像を確認しておきたい。

旧友小村滋君の【アジぶら通信 第47号】(2018年9月29日発信)の転載である。小村君の目を通して見た、玉城デニー像。これは、実に分かり易い。

まずは、後書きに当たる「アジぶら後記(9月29日、小凡)」から。
デニーさんの演説を聴いて、ラジオで鍛えた話術の巧みさと共に、その内容にも 驚いた。分かりやすく胸を打つ。今、アメリカからVFP(平和を求める退役軍人たち)など沖縄応援の声をよく聞く。デニーさんが、知事としてアメリカへ行けば、ますます応援団は膨らむのではないか。最後の「直談判」は、まだ見ぬ父親に呼びかけているようにも私には聞こえた。

今号の標題は、「基地のない、豊かな沖縄、すでに」というもの。実は、「豊かな沖縄は、すでに」実現しつつある。「基地のない沖縄も、既に実現の道筋が見えている」と、デニー候補の演説から読み取れるというのだ。なるほど、そういうことか。

沖縄の故翁長雄志知事が「戦後沖縄の歴史を背負った政治家」と評して、後継候補に指名した玉城デニーさん(58)を紹介したいと、玉城選対本部「ひやみかちうまんちゅの会」呉屋守将会長)のホームページを見た。多くの選挙演説の動画の中から、9月24日行われた宜野湾総決起大会での「玉城演説」と同会制作のプロフィール「基地の町のロック少年が沖縄県知事選挙に立候補するまで」を参考に書いた。

9月20日の自民党総裁選で、安倍政権3年延長が決まった今、「ヤマトを変えるのは沖縄から」との思いを込めて。

戦後沖縄の歴史を背負い

玉城演説は家族の話から始まった。「私の母は伊江島生まれ、私は与那城勝連で生まれ育ちました。結婚して家内が沖縄市の出身なもので、子育てするには両親が側に居る方が良いだろうというので沖縄市に住み、もう35年になります。私は4人の子どもに恵まれました。一番上が33歳男、次が31歳女、26歳男、21歳女です。どうです上手でしょ、何が上手だか…(笑い)。それに孫が2人、孫は癒やされますねぇ…」

玉城さんは沖縄市議だった2005年、民主党から衆議院沖縄3区で立候補したが落選。09年再び挑戦して当選した。「普天間代替は最低でも県外」を掲げて鳩山政権が成立した時だった。辺野古問題から鳩山首相、小沢幹事長らが辞任離党。玉城さんは野田内閣の消費増税法案に反発して離党した。その後、12年未来の党、14年はオール沖縄候補、生活の党公認。17年は無所属など政党は変わったが、「辺野古新基地反対」は貫いた。

玉城さんは1959年生まれ。父親は基地に駐留のアメリカ人で、母親のお腹に居る時、命令が出て父は帰国。母は米国に渡る積もりでデニスと名前を付けた。しかし「ボクが2歳の頃、沖縄でシングルマザーとして育ててゆく決意をした。その時、父の手紙も写真も全て焼いた。物心ついてボクが何を聞いても『忘れた』。これがボクの家族ストーリー、原点です」。本名は康裕。

1ドル360円の時代。母は、ボクを仲の良い友だちの家庭に預けて基地で働いた。生みの母は「おっかあ」、育ての母は「アンマ-」と呼んだ。
10歳から母と2人暮らしに。コザ(現・沖縄市)の米兵相手のバー街が生活圏だから、ジュークボックスからベンチャーズやビートルズのロックが聞こえてくる。ロック少年に。高校ではバンドも結成した。「お前は顔が洋風だから英語で歌えるだろう」とボーカルだった。「沖縄生まれ沖縄育ち、生粋ウチナーンチュのボクに英語が喋れるはずないのに」

ラジオが育てた政治家
高校を出てから上智大学の社会福祉専門学校へ。昼は仕事しながら夜間の学校へ通った。沖縄に帰って福祉関係の事務職に就いたけど面白くなくて。ライブハウスのバンドに入った。そこで結婚相手に出会った。内装業やら、ラジオの手伝いやら、自分探ししているうちにラジオのパーソナリティやタレントに。元々のコミュ力を活かして12年間。すっかり沖縄では有名人になった。良い番組を作りたいとシンポジウムや講演会に参加し、勉強するうち政治にも興味を持った。

2001年12月、「(02年4月の)沖縄市長選に出ないか」と誘われた。知人に相談したら新聞に報じられ、ラジオ番組は全て降ろされた。「42歳の衝撃です」(笑い)。半年ほど落ち込んだ。一念発起、02年9月の沖縄市議選に立候補し、史上最高得票で当選した。政治家デニーのスタートだった。

豊かさ、全県民の共有に
玉城演説に戻ろう。「沖縄の実質経済成長率は全国1位なのです。人口増加率も地価上昇率も全国1位。県内総生産3300億円増、観光収入2606億円増、アジアへ直行便4.3倍、入域観光客数366万人増……これは皆さんにお配りしたチラシ『マキテーナイビランド』の裏の『誇りある豊かな沖縄』を翁長雄志から私・玉城デニーが引き継ぎ『新時代沖縄』を築く、に出ています」「沖縄の経済はこんなに成長した。こんなに豊かなんですよ。これは翁長知事が一括交付金とあらゆるメニューを組み合わせて創った4年間の成果が出ているんです」(拍手)。「沖縄の経済は確実に豊かになっている。しかし、それだけでは十分でないこの豊かさが県民ひとり独りに行き渡っているかどうか。残念ながら、全国では子ども6人に1人が貧困にあえぎ、沖縄では3人に1人という現実がある。翁長知事は、全国に先駆けてこの実態調査をした。そして県庁にプロジェクトチームを立ち上げて、30億円の基金を準備して取り組み始めました」「私は、女性がお腹に生命を宿した、その時から母子手帳を交付し、41市町村どこに居ても子育てができる体制を創っていく。私は今、そのための闘い、選挙戦をしています」(拍手)

私(小凡)はネットで見ていたので、このチラシを見ることができなかった。「ひやみかちうまんちゅの会」からチラシとその数字の出典を送ってもらった。翁長知事が兼ねて主張してきた「基地収入は県民所得の5%にすぎず、那覇新都心など返還後の経済効果は30倍以上」という実態をより詳しく示したチラシだった。基地を返還してもらった方が着実に経済成長できることを示しただけではない。安倍政権側の候補の主張「反基地ばかり言っているから経済も福祉も発展しない」に反論したものだ。

平和あっての豊かな経済
玉城演説は続く。「経済が豊かであるためには平和でなければならない。世界中でテロや紛争がおき、その地の住民は生きていくのが精一杯です。我々はそういう人たちも支援しなければなりません。幸い、沖縄はテロや紛争は免れています。この平和を維持するのが、子や孫への我々の責務です。
2012年に沖縄の海兵隊9000人はグァム、ハワイ、オーストラリア、米本国に移転させると発表されました。辺野古新基地に関係なく、です。2006年のSACO合意、普天間は辺野古に移すというパッケージ論はなくなったのです。それなのに政府は6年間もこのことを放置したままです。だったらアメリカに要求しましょう。(一段と声を張り上げ)普天間飛行場は即時閉鎖し、我々沖縄県民に返還しなさい。それが私たちの正義です(拍手)。普天間の返還は来年の2月が期限です。だったら返しなさい!それを言ってどこが悪い!(拍手と指笛)。辺野古新基地は絶対に造らせない、と言ったのも翁長知事です。沖縄県は、富川、謝花の両副知事が翁長知事の思いを受け止めて、8月31日に埋立て承認の「撤回」をして頂きました。もう辺野古に新基地はできないのです。平和は座していては、やって来ない。普天間に続く青空を、普天間の土地を取り戻しましょう。辺野古の新基地計画を止めましょう。私はこの選挙でこのことを主張し続けます。

「父の国で直談判」
大丈夫です、きっと実現します。どうしてデニーがそんなことを言えるの? 私の父はアメリカ人、私の母はウチナーンチュ。私はアメリカに行ったら、こう言います。「私の父はアメリカ人。その息子の私が民主主義の手続きを踏んで要求しているのに、民主主義の国アメリカは、息子の要求を拒むはずはありません」と。皆さん、こういうことが言えるのは、この玉城デニーだけですよ。(拍手と指笛の嵐)(9月28日小凡記)

明日の投開票の結果に期待したい。
(2018年9月29日)

沖縄知事選挙明後日に ― フェイク選挙との闘いだ

ひとつの地方選挙が、これほどにも注目されることは珍しい。その沖縄知事選挙の投開票が明後日、9月30日に迫ってきた。

この選挙の帰趨は、アベ政権の外交や安保政策の前途を占うことになる。改憲阻止運動の成否にも大きく影響する。「市民と野党の共闘」の試金石でもある。

この選挙最大の具体的な争点は、明らかに辺野古新基地建設の可否である。ところが、デニー陣営がこれに「反対」の立場を鮮明にしているのに対して、佐喜真陣営は「賛成」と言わない。争点ずらしなのだ。

現地の佐喜真陣営もこれを丸抱え支援している政権も、辺野古新基地建設に賛成することは県民感情を逆撫でして、選挙に不利なことをよく心得ている。それゆえの辺野古新基地建設賛成隠しであり、争点ずらしなのだ。

現地に支援に行った人の報告では、いま、辺野古はたいへんに静穏だという。政府に、大浦湾埋立工事を強行する動きはない。沖縄県がした「承認撤回処分」を不服とする審査請求手続への着手もない。これは、興味ある現象ではないか。アベ政権と言えども、世論を無視しての断固埋立強行はできないのだ。

選挙が終わるまでは争点をずらして爪を隠しておいて、佐喜真が勝てば、「辺野古基地建設容認の民意は確認された」と新基地建設を強行しようというのだ。いかにも、薄汚いアベ政治らしいやり口。これは、フェイク選挙といってよい。

 

もう一つのフェイク選挙の手口。
昨日(9月27日)の沖縄タイムス(デジタル)に、「沖縄県知事選で偽情報検証:フェイク『共産党出馬の翁長知事が訪米しても政府関係者の誰にも会えなかった』」という記事。ファクトチェックである。

沖縄タイムスが検証の対象とした問題のフェイク情報(偽ニュース)は、次のツイッター。「3561件のリツイート、5797件のいいね」がついている。

情けなくて涙が出てくる。こんな人が県知事候補ですか。
「私には米国人の血が流れてるから米国に物が言える」
…共産党出馬の翁長知事が訪米しても政府関係者の誰にも会えなかったし、沖縄の米軍基地の中にすら入れなかったのに、ハーフってだけで米国に堂々と意見できるとか、いい加減にしなさい
するめのよっちゃん#沖縄は日本だ(2018年9月14日)

無数にあるフェイク情報(偽ニュース)の中から、ファクトチェックの対象として適切なものを選択したと思う。記事の全文は以下のとおり。

 沖縄タイムスは法政大・藤代裕之研究室の協力の下、国際ファクトチェック・ネットワーク(IFCN)の基準にできる限り沿って、フェイクニュースをチェックした。告示日の13日から26日までに、フェイクニュースの疑いが高い60件が記者から集められた。
 IFCNの基準は、(1)特定の党派に偏らず公平に行う(2)情報源の詳細も公開する-など5項目。
候補者の政策は、有権者自身が実現可能性を判断するものであり、扱っていない。真偽不明な投稿は混乱を招く恐れがあるため見送った。
    
内容
ツイッター「情けなくて涙が出てくる。こんな人が県知事候補ですか。 「私には米国人の血が流れてるから米国に物が言える」…共産党出馬の翁長知事が訪米しても政府関係者の誰にも会えなかったし、沖縄の米軍基地の中にすら入れなかったのに、ハーフってだけで米国に堂々と意見できるとか、いい加減にしなさい!
    
本紙が虚偽と判断した理由
共産党県委「翁長前知事が党から出馬したことはない」。訪米に同行記者「政府関係者と会った」。県「知事は米軍基地の中に入れる」
    
玉城氏が遺志を継ぐ翁長雄志前知事について、共産党県委員会は「党から出馬した事実はない」と説明。2014年に翁長前知事が就任して以降の訪米を本紙記者が同行取材し、国務省や国防総省などの関係者との面談で沖縄の基地負担軽減を直訴した記事を掲載している。
県基地対策課によると、基地内への抗議や要請、司令官の交代式などのイベントは、副知事や知事公室長が対応し「基地内に入れないということは一切なかった」との見解を示した。

このツイッターの投稿者「するめのよっちゃん#沖縄は日本だ」なる者のプロフィルは、以下のとおり。沖縄の自民党員だという。

『つぶやくだけでも保守活動』 安倍総理応援の為、自民党党員に。選挙ボランティアもしており、選挙期間中はツイッター不在気味。 日本の為に頑張る人を応援♪ 山本幸三氏を財務大臣に!消費税増税反対! 日本を壊すマスコミが敵。 沖縄県民。膠原病療養中。 DM使ってません。 毎週水曜日6時50分~ツイキャスやってます。

この在沖縄ネトウヨがハッシュタグとして使う「沖縄は日本だ」がもの悲しい響きをもっている。そもそも沖縄の右翼というのがもの悲しい存在なのだ。よく知られているとおり、2013年1月沖縄県の38市町村長、41市町村議会議長らからなる代表団が、上京して政府に「オスプレイの配備撤回と普天間基地の県内移設断念を求める建白書(=建白書)」を提出した。このときの、沖縄世論を代表するデモ行進に、日の丸を手にした沿道の一団から「売国奴」「日本から出ていけ」などの声が浴びせられた。明らかに組織され動員された本土右翼の行動。右翼の目からは「沖縄は日本ではない」。だから「沖縄は本土のために沈黙せよ」というのだ。2013年1月といえば、アベ晋三が右派勢力の手によって政権に返り咲いた直後のこと。「沖縄は本土のために沈黙せよ」は、アベ政権のホンネでもあった。

当時那覇市長だった翁長雄志ら沖縄の良心的保守派は本土の沖縄差別に衝撃を受け、これが政治勢力としての「オール沖縄」結成に至り、2014年沖縄県知事選挙において辺野古移設反対派の翁長候補支援の枠組みとなったとされる。「オール沖縄」の産みの親は本土右翼の沖縄差別なのだ。換言すれば、アベ政権そのものの体質なのだ。「沖縄も日本ではないか」は、翁長陣営の叫び。今は、デニー陣営が承継している。沖縄のネトウヨが掠めとるべき言葉ではない。これも、フェイクだ。
(2018年9月28日)

祝・「植村隆氏、金曜日の社長に就任」

「植村裁判を支える市民の会」のホームページが素晴らしく充実している。支援の質の高さを示して、さすがというほかはない。URLは以下のとおり。
http://sasaerukai.blogspot.com/

そのサイトの昨日(9月26日)の記事に驚いた。「植村隆氏、金曜日の社長に就任」というもの。 金曜日とは、言わずと知れた「週刊金曜日」を発行する「株式会社金曜日」のこと。同誌は、これまでも植村訴訟支援の姿勢を堅持してきた。とは言うものの、植村さんがその出版社の代表取締役社長兼発行人に就任なのだ。私には、思いもよらなかったこと。明日(9月28日)、就任の記者会見をするという。

まずは、目出度い。祝意を述べねばならない。植村さんは、今わが国に跋扈している極右似非ジャーナリズムとの対峙の最前線に位置する人。政権ヨイショの御用文化人との厳しい対立関係にもある。その人が、孤立するどころか、有力メディアの代表者になった。植村裁判支援の輪も広がるだろうし、週刊金曜日の新たな読者層の開拓も可能になるだろう。それは目出度い。

とはいえ、目出度いばかりでもなかろう。雑誌メディアの経営は、今どこも順調ではない。もしかしたら、植村さんには経営環境改善の手腕を求められているのかも知れない。そうであれば大変なことだが、応援もしなければならない。

 

ところで、植村さんが原告となっている訴訟は2件ある。最初の提訴が東京地裁、次いで札幌地裁。いずれの訴訟も最終盤、間もなく判決期日を迎える。

東京訴訟の提起は2015年1月9日。朝日新聞の植村執筆記事を「捏造」とする西岡力(東京基督教大学教授)と、文芸春秋社を被告としての名誉棄損損害賠償請求訴訟。文芸春秋社が被告になっているのは、植村さんを捏造記者と決めつけてバッシングの端緒なったのが週刊文春の記事であったから。次回11月28日第14回口頭弁論で結審の予定。

札幌訴訟提起は15年2月10日。櫻井よしこと、週刊新潮、週刊ダイヤモンド、月刊WiLLの発行元3社を被告とする同様の損損害賠償請求。本年(2018年)7月6、第12回口頭弁論期日をもって結審。11月9日(金)午後3時30分判決言渡しの予定である。

「支える会」は、2016年4月12日付で「設立趣意書」を公表している。
「植村さんとともに、さらに前へ」というタイトル。「さらに前へ」という呼びかけは、下記の共同代表7氏によるもの。
上田文雄(前札幌市長、弁護士)
小野有五(北海道大学名誉教授)
神沼公三郎(北海道大学名誉教授)
香山リカ(精神科医)
北岡和義(ジャーナリスト)
崔善愛(ピアニスト)
結城洋一郎(小樽商科大学名誉教授)

この呼びかけ文の抜粋で、事態を理解することができる。

 発端は、週刊文春2014年2月6日号の記事「”慰安婦捏造”朝日新聞記者がお嬢様女子大教授に」でした。転職先に決まっていた神戸松蔭女子学院大学に抗議が殺到、植村さんは教授就任を断念せざるを得なくなりました。14年5月からは、非常勤講師を務める北星学園大学にも「国賊をやめさせろ」「学生をいためつける」など脅迫・嫌がらせのメールや電話が押し寄せ、ネット上に植村さんの長女(当時17歳)の写真と実名がさらされ「自殺するまで追い込むしかない」などと書き込まれる事態になりました。

 「大学、植村さん家族を脅迫から守ろう。私たちも北星だ」と立ち上がったのは市民です。北星学園大学に応援メッセージを送るなど大学を励ます「負けるな北星!の会」(略称・マケルナ会)には国内外の1000人が加わりました。全国の400人近い弁護士が脅迫者を威力業務妨害罪で札幌地検に刑事告発するなど、支援の輪は大学人、宗教者、市民グループ、研究者、弁護士、ジャーナリストなど各界に広がっていきました。この応援を力に、北星学園大学は14年12月、植村さんの次年度雇用継続を決めました。

 植村さんは「私は捏造記者ではない」と手記や講演で反論を続けています。朝日新聞の第三者委員会、歴史家、当時取材していた記者らによって完全否定されても、「捏造」のレッテル貼りは執拗に続いています。

 この間の異常ともいえる植村さん攻撃は、基本的人権、学問の自由、報道・表現の自由、日本の民主主義に向けられています。女性が生と性を蹂躙された日本軍「慰安婦」を、なかったことにし、歴史を書き換え、ものを言わせぬ社会に再び導こうとする黒い意志を、見逃すわけにはいきません。この裁判が植村さんの名誉回復のみならず、私たちの社会の将来に大きな影響を及ぼすと考える所以です。

 札幌訴訟が先行して証拠調べを実施し、櫻井よしこ尋問で、そのウソが明らかとなった。東京訴訟でも西岡力のウソが暴かれている。ウソで、人を「捏造記者」と決めつけ、恐るべきネット右翼のバッシングの導火線となったのだ。

以下は、「支える会」ホームページの本日(9月27日)付「西岡氏の批判広がる」の転載である。この訴訟に関心をよせていた人たちの櫻井・西岡に対する批判。植村バッシングとは何であるか。この問題の多面性が浮かびあがってくる。

以下は9月26日午後3時現在の#西岡力についてのタイムラインからの抜粋である。このほかに、中島岳志、平野敬一郎氏らの本文なしリツイートも多数ある。

※抜粋にあたっては、ツイート本文の一部を削ったものもある。
https://twitter.com/search?q=%EF%BC%83%E8%A5%BF%E5%B2%A1%E5%8A%9B&src=typd
■望月衣塑子
めちゃくちゃである。何の学術的裏付け、根拠もないまま植村氏を批判。結果、植村氏や家族や大学は誹謗中傷、脅迫に晒され続けた。その罪はあまりにも重い
■佐藤 章
この裁判記事によれば西岡力はほとんど捏造じゃないか。自分が捏造しておいて他者を捏造呼ばわりするのは学者として人として失格だろう。恐らくは櫻井よしこもそうだろう。植村隆は捏造などするような人間ではない。西岡と櫻井は、記者会見を開いて謝罪すべきだ。
■masa
慰安婦問題を少しかじったら誰もが知ってる名前だろう。そして、裁判で捏造を認めた、この人物は北朝鮮拉致被害者の「救う会」の会長でもある。では「家族会」は?一緒に多くの集会を開いているだろうから、YouTubeででも確認するとよいかもしれない。
■細かい情報?
西岡氏はまた、元「慰安婦」の証言集は読んでおりながら、「挺身隊」名目で「慰安婦」にさせられた韓国人女性の証言は「覚えていない」とし、自らの主張と異なる最新の調査・研究結果も読んでいないと答えた。
■まりーべる321
#ヤフコメ が酷いですね。 #ネトウヨ さん達、いい加減にして欲しいです。
■World Peace Productions
#西岡力 本当に学者なのか?恥を知れ嘘つき野郎
■Hiroshi Takahashi
櫻井よしこさんも自分がウソ吐いたのを白状したし、西岡力さんも自分がウソ吐いたの白状したし、阿比留瑠比さんも自分の矛盾をアウェーの植村隆さんに突っ込まれて白旗上げたし、これだけウソ吐きのウソがばれてるのに、ウソを信じたい人たちは目を覚まさないんだよなー。
■佐藤 章
植村隆はぼくの昔の同僚だが、捏造などするような人間では決してない。人間である以上細かいミスはあるだろうが、優秀なジャーナリストであることは間違いない。捏造は、櫻井や西岡である。お仲間の杉田や小川のレベル、人間性を見てもよくわかる。
■渡辺輝人
酷いな。歴史修正主義って、日本語だと、修正なんて生易しいものじゃなくて、歴史の意図的改ざんなんだよね。
■ Hiroshi Takahashi
櫻井よし子に続いて右派の連中、ボロボロやんかw。
■想田和弘
シャレにならんな。→『朝日』元記者・植村隆裁判で西岡力氏が自らの「捏造」認める
■ソウル・フラワー・ユニオン?
西岡力。櫻井よしこといい阿比留瑠比といい、嘘をつきまくって結局白旗。汚辱にまみれたカルトの不誠実な人生。
■能川元一
西岡力も櫻井よしこも、実に軽々しく「捏造」という非難を他者に浴びせてきたから、自分たちのミスを「捏造」呼ばわりされても自業自得なんだよね。
■宋 文洲
嘘吐きはウヨの始まり
■m TAKANO?
植村隆裁判で、事実に基づいた緻密な追求によって櫻井よしこに続いて西岡力も白旗を揚げざるを得ない状況に追い込まれた。いわゆる右派論客こそ捏造だらけであることが、この裁判を通じて明らかにされた。
■北丸雄二
「慰安婦」問題否定派の旗手である麗澤大学客員教授の西岡力、捏造だったって。
■森達也(映画監督・作家)
ここまでの展開はさすがに予想できなかった。思想信条は違っても尊敬できる人であってほしいのに、下劣すぎる本質がどんどん顕わになる。
■tany
<西岡氏が、いくつかの重要部分について「間違い」を認めた> って、間違いじゃなくて<嘘をついた>だよね。 櫻井よしこやネトウヨはどうするんだろう。
■hiroshi ono
なんか、最近YuTubeでも歴史改ざんやヘイトまき散らす(自称)保守系ネット番組が相次いで締め出されたり、新潮の雑誌が休刊に追い込まれたり、櫻井よし子や今回の西岡力が裁判で自ら捏造デマ流してたこと認めたり、潮目が変わって来た感じ。日本の自浄作用に期待します。
■西大立目
結局「捏造」してるのは朝日叩いてる連中なんですよね。 小川榮太郎とか櫻井よしことか西岡力とか そしてコイツラは未だに「保守論壇誌」だの「産経新聞」だので朝日叩きのお仕事継続中
■デマを生む人信じる人の思考回路研究?
「慰安婦問題」を否定する人々の拠り所とされてきた西岡力氏の言論。西岡氏は、元朝日新聞記者の植村隆氏の書いた慰安婦記事は捏造だ?と言い続けてきた。しかし実際は逆で、西岡氏の方が自らの言論に都合よく事実を捏造していたことを東京地裁で認めた。
■you u you
これホントだったら大変なことだと思うんだけど。植村さんを叩いている人達は西岡さんに事実確認したほうがよくない?
■Kawase Takaya
人を嘘つき呼ばわりしていた奴が本当に嘘つきだった。これで事の理非が分からなければ、病膏肓に入るとしか。
■スワローヲタフク
西岡力って、確か「救う会」の会長で、アベのブレーンだよな。まさに、アベ政権に「巣食う会」になりましたとさwww
■河原 淳
櫻井よしこに続いて西岡力もー。 安倍首相を取り巻く右派論客のウソが次々に暴かれている。平然とウソをつき、他人を容赦なく攻撃し排斥する。安倍首相にも通じる。
■akabishi2
司会は櫻井よし子。救う会会長は西岡力。植村裁判で実質的に「捏造」を認めた2人が、拉致被害者の運動に深く関わっているのは偶然でもなんでもないことは、普通に考えればわかることなのに、誰もそのことを口にできないし書けないもんなー
■清水 潔
おいおい。 西岡氏は、植村氏の記事に対し「名乗り出た女性は親に身売りされて慰安婦になったと訴状に書き、韓国紙の取材にもそう答えている。捏造記事と言っても過言ではありません」とコメント。 しかし尋問で問われると、「記憶違いだった」と間違いを認めた。
■T-T
櫻井よしこも西岡力も裁判でデマを認めて、いま沖縄知事選でデマが飛び交っていると問題になっているけど与党候補からはデマで困っているという声は出ていないということ。
■藤井 太洋
慰安婦=プロの娼婦説の引き金を引いた西岡力が、発端となった記事の捏造を認めたのか。大きな一歩になるな。 そもそも慰安所にはプロも、騙された人も強制連行された人もいたのだろう。だからといって移動の自由がない戦地の慰安所に収容していいわけがないのだ。
■河信基
この男が横田夫妻を操り、拉致問題を10年間拗らせた張本人。廃刊になった新潮45の常識外に偏った常連寄稿者の一人でもある。
■宿坊の掲示板ほぼbot
「慰安婦」問題否定派の旗手である西岡力氏。彼の論考や発言は、櫻井よしこ氏をはじめ、右派言説の論理的支柱となり、影響を与え続けてきた。その西岡氏が9月5日に東京地裁で尋問に答えた内容は、彼らに失望と嘆息を与えるかもしれない。西岡氏が、いくつかの重要部分について「間違い」を認めたからだ
■Veem.atomic
朝日新聞の慰安婦問題、結局は捏造ではなくて、捏造だと言ってた西岡力氏が、否定の根拠を捏造(記憶違い)だと裁判で認めた訳だ。 朝日を責めてた人達、これからどうするんだろ? 謝罪するのかな?
■ウツボマン
しかし、安倍応援団、ひどいね。百田尚樹に青山繁晴、櫻井よしこに西岡力。小川榮太郎に山口敬之、竹田恒泰。よくもこれだけのメンバーを集められるもんだ。
■川上 哲夫
元朝日新聞記者・植村隆さんの、元「慰安婦」記事を「捏造」と週刊誌に書いた西岡力の記事こそが【捏造】であったことを本人が認めた。仕方なく認めた
■toriiyoshiki?
「金曜日」の記事を読んで思うのは、西岡力氏の学者・研究者・言論人としてのモラル崩壊ぶりである。自説を補強するため、新聞記事のありもしない一節をでっち上げるなど、あってはならないこと、人並みの良心さえあればとても考えられないことである。
■toriiyoshiki
朝日新聞の従軍慰安婦についての記事を「捏造」だと非難してきた御本人が、自らの論拠が事実上の「捏造」だったことを認めるに至ったお粗末の顛末。これは裁判記録として残るから、もう言い抜けはできまい。
■ryozanpaku
『植村氏が起こした民事裁判で、西岡力氏は今年9月5日、植村氏を批判する根拠としていた元「慰安婦」の訴状と韓国紙の記事について、そのいずれも引用を誤っていたうえ、自らが記事を改竄していたことを認めた。植村氏の記事が「捏造だ」という主張はもはや根拠を失っている。』 西岡、謝れ!

■Joshua Martin あたま抱え中?
2014年当時、西岡力に私もすっかり騙されていた。
「名乗り出た女性は親に身売りされて慰安婦になったと訴状に書き、韓国紙の取材にもそう答えている。」→嘘でした!
「私は40円で売られて、キーセンの修業を何年かして、その後、日本の軍隊のあるところに行きました」→加筆捏造でした!
■根村恵介?
レイプジャーナリスト、捏造記者、ウヨクエンタメ作家、お追従評論家…安倍晋三のまわりはいかがわしい人物だらけ。
■omelette
【「私は40円で売られて,キーセンの修業を何年かして,その後,日本の軍隊のあるところに行きました」という元の記事にない文章を書き加えていることを指摘されると,「間違いです」と小声で認めた。】 元の物に無い文を勝手に作るのは、「間違い」ではなく、「捏造」
■能川元一
あの二人はなにか勘違いしたとか筆が滑ったとかであんなこと描いてるわけじゃない。あれは二人の世界観そのものなんだから。櫻井よしこや西岡力があれだけ法廷でド詰めされても「捏造記者」呼ばわりを謝罪もせず撤回もしてないのを見ればわかるじゃん。
■エリン
この 西岡力 って奴のデマに、脊髄反射で共感したのが 櫻井よしこ らであり、加害に加担した罪は大きい。西岡氏は大学教授を辞し、櫻井よしこは物書きとして筆を折るべきだ。
以下略

両訴訟の判決を楽しみに待ちたい。
(2018年9月27日)

アメリカの若者に社会主義旋風。さて、わが国では?

昨日(9月25日)の赤旗、1面左肩に「米 若者が社会主義旋風」「格差問い予備選で番狂わせ次々」と大きな見出し。さらに3面にも大きな見出しの大型記事が続いている。「社会主義旋風起こす米国の青年」「わたしたちは資本主義の失敗をこの身で知った」「学生ローンに就職難、二大政党制への怒り…。」「国民の声を聞け」「多額の企業献金、ゆがむ政治」。そして、「『共産主義=悪』は古い価値観」。見出しを読むだけで、ほぼ内容かつかめそう。

アメリカ国内で若者の間に社会主義への共感が広がっていることは、以前から話題になっていた。民主党予備選でクリントンを激しく追い上げたサンダースの活躍が実に印象的だった。その「サンダース現象」は一過性のものではなく、2年を経て、11月中間選挙で再び旋風を起こすことになりそうというのだ。あの「サンダース現象」を担った多くの若者たちによって。
赤旗の記事は、現地特派員の記事。その一部を抜粋する。

「今中間選の新たな象徴は、28歳女性の「民主的社会主義者」です。2年前、サンダース氏の選挙運動に参加していた新人アレクサンドリア・オカシオコルテス氏は、6月26日、東部ニューヨーク州の下院予備選挙で、10期にわたり議席を保持し、民主党の次期下院トップと目されてきたベテラン現職を破りましだ。選挙戦で同氏は公立大学・学校の授業料無料化、国民皆保険制度の実現など、労働者目線の政策を訴え、36ポイント差で圧倒的劣勢とみられていた情勢を13ポイントの差をつけ逆転。予想外の勝利で政界に衝撃を与得ました。」

産経も引用しておこう。今年(18年)7月12日の「ウエートレスだった『非エリート』が現職を破った! 『怒り』の代弁者の勝利は続く」というタイトルの記事。

「お目当ては中間選挙に向けたニューヨーク州の民主党予備選(6月26日)で、重鎮の現職下院議員を破ったアレクサンドリア・オカシオコルテスさんだ。1年前までウエートレスとして働いていたヒスパニック系の28歳の女性が演じた大番狂わせは全国区のニュースとなり、時の人となった。
選挙から数日後、同地区にある小さな選挙事務所を訪れると、オカシオコルテスさん本人がいた。「日本の記者です」と自己紹介すると、気さくな笑顔で迎え入れてくれた。取材は「時間が取れない」とNGだったが、チャーミングでカリスマ性のある雰囲気に、一瞬にして引きつけられた。
急進左派の政策を掲げるオカシオコルテスさんは、自らを労働者層の擁護者と位置づけ、エリート層の現職候補との対決を「人々とお金の戦い」との構図を描き、勝利をものにした。
「移民・税関捜査局(ICE)の廃止」を訴え、トランプ大統領への批判も容赦ないが、皮肉なことに、2人には共通点も少なくない。反エリート主義で支持を伸ばし、大口献金に頼らない選挙戦を展開した。
米国人は「怒り」を抱え、その代弁者が勝利する。大統領選からの潮流は変わらない。(上塚真由)」

この記事を書いた産経記者は、アメリカ社会の「非エリート対エリート」の対決構図を描き、「非エリートの怒り」が彼女の勝利を支えたとみた。さすがに産経の記事には、社会主義は出てこない。しかし、赤旗の見方は異なる。若者たちの不満が資本主義そのものの批判に向けられているという報道である。

最も大きな活字の見出しは、「わたしたちは資本主義の失敗をこの身で知った」というもの。「資本主義の失敗」には、やや違和感がある。資本主義とは人の手によって設計されたものではなく、歴史的なある段階で生成した経済構造の現実である。その欠陥はだれかの「失敗」に帰せられるものではなかろう。が、「私たちの世代は、資本主義の失敗を、身をもって経験している」と、若い活動家が言えば、まことに説得力のある言葉となっている。そうだ。資本主義は失敗したのだ。いまや、これに代わるものが必要なのだ。

赤旗は、アメリカ最大の社会主義組織DSA(「米国民主的社会主義者」)の紹介に紙幅を割いている。16年秋には8500人だったこの組織が、この9月に会員が5万人を突破したという。そして、サンダース旋風以来、DSAを物足りないとする若者のアメリカ共産党入党が増加しているという。

今年(2018年)8月のギャラップの調査では、資本主義を好ましいとした若者(18~29歳)45%に対して、社会主義を好ましいとした者が51%にのぼっているという。これは、驚くべきことではないだろうか。

アメリカの若者は怒り、『共産主義=悪』の古い価値観に縛られずに社会主義運動に参加しつつあるのだという。その動きが、今、中間選挙を変えようといている。

さて、ひるがえって日本の若者はどうだろうか。アベに安全パイと思われているようでは情けない。ネトウヨが跋扈し、嫌韓・反中誌やアベヨイショ本が店頭に氾濫する現象は、アベ支持の国民が作り出したものだ。若者の投票行動が保守化著しいとされるのは、いったい何が原因なのだろうか。

若者よ、せめてだ。君の親くらいには社会に怒れ。国政を私物しているアベを批判せよ。社会主義・共産主義を好ましいとまでは言わずとも。

(2018年9月26日)

国連「家族農業の10年」と「小規模伝統漁業・養殖業に関する国際年」

「浜の一揆」訴訟の控訴審。第2回法廷が来週火曜日。10月2日(火)午後1時30分、仙台高裁101号法廷である。

当方(控訴人・漁民側)が準備書面を提出し主張を述べることになる。この法廷で、二平章氏(北日本漁業経済学会会長)の意見書を提出する。

この訴訟の主要な論点は、漁業調整の名のもとに、「大規模定置網漁業者の利益を確保するために、弱小零細な漁民のサケ刺し網漁業の許可申請を排斥してよいのか」ということに尽きる。二平氏は、「弱小零細な漁民をこそ保護すべき」という立場から、立論している。そのうちの一節をご紹介したい。

 より弱小零細な漁民を保護するべきとの第2の理念は、憲法学でいう実質的平等の考え方と同様です。
経済活動の自由を保障さえすれば、すべてがうまくいくというのは、既にあやまった考えであることが明らかになっています。合理的な制約と介入を権力が行わないと、大変な不公平が社会に生じることは公知の事実です。
漁業法は、漁業の「民主化」を目的に掲げています。強大な事業者と零細な漁民がいれば、零細漁民を優先することを想定しているのです。
これは、戦後の一時期の特別な政策という訳ではありません。2017年12月20日、国連総会は、2019年から2028年までを「家族農業の10年」とすることを採択しました。この「家族農業」とは、農場の運営から管理までの大部分を、1戸の家族で営んでいる農業のことです。現在、世界の食料のうち約8割が家族農業による生産でまかなわれており、世界中の食糧共有の中で重要な役割を担っています。持続可能性の観点からも、自然を収奪する大規模農業ではなく、自分や自分の子孫が耕し続けると考えながら自然に働きかける家族農業こそ鍵だと考えられるようになったのです。
実は、国連が掲げるこの「家族農業」には家族漁業も含まれています。国連では、「家族農業」を「農業労働力の過半を家族労働力が占めている農林漁業」と定義しています。必ずしも血縁によって結びついた家族による農林漁業のみではなく、非血縁の家族も、一人で営む個人経営も、家族農業に準じて議論されています。資本的つながりによって結合した企業的農業に対置する概念として理解されています。
さらに国連は2022年を「小規模伝統漁業・養殖業に関する国際年」と定め、各国が小規模家族漁業者の重要性を認識し、その保護政策を確立するよう訴えようとしています。
持続可能性という観点からも、零細な家族漁業を保護することは極めて現代的で正しい政策といえるのです。

 国連「家族農業の10年」は家族漁業も含むのか。知らなかった。2022年が国連の「小規模伝統漁業・養殖業に関する国際年」。これもまったく知らなかった。これこそが、国際潮流なのだ。心強い。

この国際潮流は、生産性至上主義とはまったく無縁の思想に基づくもの。人は、人を搾取し収奪するために生くるにあらず。もちろん、人は搾取され収奪されるために生くるにもあらず。どちらの生き方も、結局は資本の奴隷としての生き方ではないか。

搾取・収奪とは無縁の「家族労働による農林漁業」。これこそ人間本来の生き方ではないか。国連による零細な農林漁業の支援は、豊かな人生観・社会観に満ちている。
(2018年9月25日)

DHCテレビ番組のYouTube配信一部停止 ― 「差別的動画」通報運動の盛り上がり

インターネット動画配信事業者である「DHCテレビ」、フルネームは「株式会社DHCテレビジョン」。あの吉田嘉明が代表取締役会長の任にあり、株主は株式会社ディーエイチシーだけという一人会社。この業者が配信する番組「ニュース女子」が、デマとヘイトの放送で一躍悪名を馳せたのはご存じのとおり。しかも、BPOに批判されてなお、まったく反省する姿勢を見せないことでDHCテレビの悪名は不動のものとなった。

「ニュース女子」だけではない。やはりDHCテレビが配信する「真相深入り!虎ノ門ニュース」も同様の問題を抱えている。こちらは、この番組にお似合いのアベ晋三が出演(9月6日)し、「密かに見ている。非常に濃い」などとおべんちゃらを述べたことで一躍有名になった。アベとは何者かを、如実に示したのだ。

その「虎ノ門ニュース」について、配信媒体であるYouTubeが自社のポリシーに反するものとして、番組ライブ配信の一部停止に踏み切った。

9月19日、DHCテレビのホームページは、「YouTubeチャンネルについてのお知らせ」を掲載した。その全文を引用する。

平素よりDHCテレビジョンをご覧いただき、誠にありがとうございます。
2018年9月19日、YouTubeはDHCテレビが10月5日に放送を予定していた「真相深入り! 虎ノ門ニュース」金曜日について、「ガイドラインに違反している」として、ライブ配信予定のページ削除を行いました。
これに伴い、YouTubeから科せられたペナルティとして、9月19日配信分の当社番組「DHCキレイを磨く! エクストリームビューティ」のライブ配信が停止されました。
また10月5日を除く、虎ノ門ニュース及び当社制作番組のライブ配信については、問題なく配信できるかどうかは今のところ不明です。
なお、まだ配信されていない番組を削除した経緯や理由について、YouTubeは「スパムと欺瞞的行為に関するポリシーに違反したため」と通告するのみで、具体的な内容についての言及はありません。
 現在、当社ではYouTubeに対して異議申し立てを行っており、従来どおり番組をライブ配信できるよう鋭意努力しておりますが、YouTubeにてDHCテレビをチャンネル登録して御覧頂いている皆様には、最新番組が表示されない可能性があります。
その場合はDHCテレビの公式ホームページにアクセスすると、最新番組をご覧頂きやすくなりますので、是非DHCテレビ公式ホームページをご活用いただきたく存じます。
2018年9月19日 DHCテレビジョン

YouTubeは、「ライブ配信予定のページ(10月5日放送予定の「虎ノ門ニュース」)削除を行いました。」「YouTubeから科せられたペナルティとして、9月19日配信分の当社番組「DHCキレイを磨く! エクストリームビューティ」のライブ配信が停止されました。」というのだ。DHCテレビは、YouTubeからの通告をそのまま転載していない。だから、「ライブ配信予定のページ削除」の意味が必ずしも明確ではなく、隔靴掻痒の感を否めない。それでも、DHCテレビが慌てふためいている様はよく分かる。

いったい何が起こっているのだろうか。
産経新聞(8月6日)が、「ユーチューブの保守系チャンネルが相次ぎ閉鎖 『削除の基準、不透明』と批判」という記事を掲載している。産経だから、「保守系チャンネル」の側に立っての記事なのだが、およそ問題のあらましが推測できる。

差別発言の撲滅か、言論の自由の侵害か-。動画配信サイト「ユーチューブ」で5月以降、中国や韓国に批判的な保守系動画投稿者の利用停止が相次いでいる。背景には「差別的な動画」への通報運動の盛り上がりがあるが、一方で投稿者らは「差別的発言ではない」「削除基準が不透明」として反発を強めている。
「私は中国や韓国の政府や民族に対して政治的な批判をすることはあるが、出身民族の差別は絶対にしていない。これは言論テロ」。登録者数約15万5千人を数えた動画配信「竹田恒泰(つねやす)チャンネル」を5月に停止された、明治天皇の玄孫で作家の竹田恒泰氏は、そう憤る。
ユーチューブは投稿ルールで、人種や民族的出自に基づく暴力や差別の扇動を禁じている。運営側がルール違反と判断した場合、投稿者に警告が届き、3カ月以内に3回続くとアカウント(開設権)が停止される。竹田氏は5月23日夜に最初の警告を受け、24日早朝までに2回目と3回目が続き停止となった。現在は予備アカウントで配信を再開している。
 竹田氏によると、ユーチューブでの通報運動は匿名掲示板「5ちゃんねる」で5月半ばに始まり、対象リストや通報の方法などが拡散。7月上旬までに200以上の保守系チャンネルが停止され、22万本以上の動画が削除されたという。

なるほど、「保守派の差別的な動画」が、ユーチューブの「投稿ルール」に抵触したことで、警告が発せられ、配信停止になったのだ。産経の表現では、「中国や韓国に批判的な保守系動画」が、ユーチューブ側から見たら看過できない「デマとヘイト」。表現の自由を看板にするYouTubeも、さすがにこの事態を放置できなくなったということなのだ。

YouTube 社のホームページに次のコメントがある。
ライブで配信するすべてのコンテンツは、YouTube のコミュニティ ガイドラインと利用規約に準拠している必要があります。コミュニティ ガイドラインに違反するコンテンツをライブ配信していると思われる場合、YouTubeはそのライブ配信に年齢制限を設けたり、削除したりする場合があります。また、YouTubeは独自の裁量により、クリエイターのライブ配信機能を制限する権利を有します。

ライブ配信が制限されると、アカウントに対しても違反警告を受けることがあります。その場合、3か月間はライブ配信ができなくなります。アカウントのライブ配信を制限されている方が、別のチャンネルを使用してYouTubeでライブ配信を行う行為は禁止されています。これは、アカウントへの制限が有効である限り適用されます。この制限に対する違反は利用規約の迂回とみなされ、アカウントが停止される場合があります。

悪意のある表現に関するポリシー
YouTube では表現の自由を支持し、あまり一般的でない意見でも自由に表現できるように努めていますが、悪意のある表現は許可されません。
悪意のある表現とは、次のような特性に基づいて個人や集団に対する暴力を助長したり差別を扇動したりするようなコンテンツを指します。
人種または民族的出自
宗教
身体障がい
性別
年齢
従軍経験
性的指向性 / 性同一性

悪意のある表現と見なされるかどうかは紙一重で決まります。たとえば、一般的に民族国家を批判することは許容されますが、出身民族だけの理由で差別を扇動することが主な目的のコンテンツは YouTube のポリシーに違反すると見なされます。また、宗教など上記のような特性に基づいて暴力を助長するコンテンツも同様です。

悪意のあるコンテンツを報告する

コンテンツがYouTubeの悪意のある表現に関するポリシーを遵守していないと思われる場合は、YouTubeに報告して確認を求めることができます:

不適切なコンテンツの報告
YouTube では、不適切と思われるコンテンツを YouTube コミュニティのメンバーに報告していただいています。コンテンツの報告は匿名で行われるため、誰が動画を報告したかは他のユーザーに開示されません。

問題を報告しても、自動的にコンテンツが削除されるわけではありません。報告されたコンテンツは、次のガイドラインに沿って審査されます。
コミュニティ ガイドラインに違反しているコンテンツは YouTube から削除されます。

デマとヘイトの報告は下記のURLから。
https://support.google.com/youtube/answer/2801939?hl=ja

DHCテレビ番組のデマとヘイトについて、大いに報告を実行しよう。DHCの吉田嘉明とは、民族差別を公言して恥じない人物なのだから。自浄能力はない。外部からの強制による矯正が必要なのだ。既に実践している人たちの地道な努力で、成果は上がっている。これに続く努力を積み重ねよう。

そして、もう一言。産経が、「差別発言の撲滅か、言論の自由の侵害か-」と問題設定をしているのは、笑止千万というべきである。そもそも言論の自由とは、「デマやヘイトの自由」を意味しない。しかも、「表現の自由」とは、権力や強者を批判する自由にこそ真骨頂がある。アベ一強がヨイショの翼賛番組に、言論の自由を語る資格はない。
(2018年9月24日・連続更新2003日)

投票用紙に特定の候補者名を記載した場面を撮影して報告を求める」行為には、公職選挙法第228条1項(投票干渉罪)に該当する疑いがある

9月20日付のリテラに、横田一記者が、インパクトのある記事を掲載している。「沖縄県知事選で佐喜真陣営が公共事業予算アップをエサに建設業者を選挙運動に動員! 投票した人リストまで提出させ…」と題するもの。今、沖縄で何が起こっているのか、具体的で迫力に満ちた記事。民主主義とは、選挙とは、そしてアベ政権の本性とは…。考え込まざるを得ない。個々の選挙運動員における選挙違反の問題以前に、知事選の基本構造それ自体が、政権による利益誘導となっているという指摘なのだ。
https://lite-ra.com/2018/09/post-4267_2.html

その冒頭の一部を引用させていただく。
「沖縄県知事選で佐喜真淳・前宜野湾市長を推薦する自公維が、札びらで県民の頬を叩くような卑劣な選挙を始めた。告示翌日(9月14日)の建設業界の総決起大会で、建設業界職域代表の佐藤信秋参院議員(自民党)や公明党の太田昭宏・前国交大臣や維新の下地幹郎政調会長ら国会議員が次々と挨拶。辺野古反対の翁長雄志知事時代に一括交付金や公共事業予算が約500億円も減ったことを問題視する一方、“「対立から対話」を掲げる佐喜真知事誕生なら、公共事業予算は増加に転じて建設業者の労務単価(人件費)もアップする”という“にんじん”をぶら下げて、辺野古反対を言わない新基地容認派の佐喜真候補への支援を業者に呼びかけたからだ。

「ーさきま淳氏とともに建設産業の発展をー」と題された建設産業政策推進総決起大会は、14日の平日、金曜日の14時から開始。勤務時間中のはずなのに、那覇市内のホテルの会場に駆けつけた建設業者は「約1200人」(主催者)だったという。

会場入口では「内部資料」と記載された文書が配布されていた。「期日前投票の協力願い!!」と「『さきま淳』入会申込について(お願い)」を銘打った要請文2枚と、氏名や居住地を表に書き込む形式の「期日前実績調査票(個人報告用)」「入会申込書」がセットになっていた。いずれも県建設業協会の政治団体である「沖縄県建設産業政策推進連盟」が送付先でFAX番号が明記され、「期日前実績調査表」には次のようなただし書きがあった。

「※予定調査ではありません。実際に行った後にご報告下さい」
「※従業員・ご家族・親戚・友人・知人の方々の期日前の状況について、確認をお願い致します」
「※個人情報についての取り扱いには十分にご注意下さい。当方も十分に注意を致します」
「※氏名、地域、実行日については、必ず記入頂けますようよろしくお願いします」

●佐喜真陣営のなりふり構わぬ選挙戦略!期日前選挙に行った人の名簿まで提出
人手不足が深刻な建設業界としては、勤務時間帯に総決起大会に駆けつけるだけでもかなり負担に違いないが、さらなる“宿題”として従業員・ご家族・親戚・友人・知人に期日前投票を依頼、実際に行った人の名簿提出も要請されていたのだ。

民間企業経営者なら、気が重くなる“政治的活動要請”に見えるが、壇上で挨拶した国会議員の面々は違った。「大米建設」創業者の下地米一・元平良市長が父で、同社代表取締役会長の下地米蔵・建設業協会会長が兄の下地幹郎衆院議員(沖縄1区で落選・比例九州ブロックで復活)は、平然とこう言ってのけた。

「この選挙は日本にとっても沖縄にとっても大切な選挙ですので、仕事をやめて選挙運動しましょう」

つまり、勤務時間中の選挙運動(無償労働提供)を要請していたということになる。民間企業の経営者が利益創出に関係ない無償労働(政治的活動)を社員に指示すれば、株主から背任で訴えられる恐れがある。そのため、「佐喜真知事誕生のための選挙運動が建設会社の利益になる」という前提で、総決起大会出席や期日前投票調査票提出や後援会入会要請など“タダ働き”をさせているということではないのか。「無償労働提供による佐喜真氏支援活動」の見返りに「建設業者の利益拡大」を約束する“買収選挙”ともいえる。…」

この下地幹郎の発言は聞き捨てならない。建設業協会傘下の企業とその従業員に、「仕事をやめて選挙運動しましょう」と呼びかけたのだ。

横田記者は、下地の「仕事をやめて選挙運動しましょう」の呼びかけの意味を、「従業員に“タダ働き”をさせるということではないのか」と理解した。もちろん、仮にそうであったとしたら、それ自体が労働契約・労働基準法上の大きな問題ではあるが、常識的にそれはあり得ない。建設会社の社員が、協会や会社からの呼びかけに応じて「ただ働きの選挙運動」をするはずはない。明言はされていないが、各企業に対して、「社員の給料は減額することなく、会社の仕事をやめて選挙運動をさせなさい」、あるいは「選挙運動期間中は、通常の業務に替えて佐喜真支持の選挙運動への従事を業務命令として、本来の仕事ではなく選挙運動をさせるように」という呼びかけ以外に考えがたい。

この呼びかけの内容は、明らかな公職選挙法違反である。具体的には、運動員買収罪(公職選挙法221条1項・3年以下の懲役)に当たる。もちろん、「大切な選挙ですので、私は一定期間仕事をやめて選挙運動をします」と有権者個人が自発的に行動することは自由だ。しかし、それは飽くまで会社の指示によるものではなく、自主的な判断で、しかも自分の経済的な負担でしなければならない。本来選挙運動は無償でなければならないからだ。有権者が議会制民主主義の政治プロセスに参加する行為なのだから当然のことである。有償での選挙運動は、運動員買収罪として、金銭授受の当事者双方に犯罪が成立する。

経営者が社員に「仕事をやめて選挙運動を」と要請する場合に、「君たち、無償で選挙運動してくれ」と言えるはずはない。「給与は保証するから、佐喜真候補の当選のために働いてくれ」と言うしかない。その場合、選挙運動時間に相当する賃金分が運動員買収の対価となる。こうして、主権者個人ではなく、企業が選挙の主体となる。民主主義は大きくねじ曲げられることになる。しかも、留意すべきは、選挙運動を命じた企業だけではなく、これに応じた従業員の側にも犯罪が成立するのだ。

これまで、企業ぐるみ選挙の弊害が論じられてきた。私の過去のブログ「『ぐるみ・金権』選挙の徹底取り締まりを」(2013年9月17日)も参照いただきたい。
http://article9.jp/wordpress/?p=1190

「公選法は、選挙運動に対する報酬の支払いを禁じている。支払った方も、支払いを受けた方も選挙違反として犯罪にあたる。だから、徳州会から派遣された各職員は、所属する病院に1週間~1か月程度の欠勤や有給休暇を届け出た上で選挙運動を行っていた。もちろん、純粋に無給のボランティア活動であれば犯罪とはならない。「有給休暇中のボランティア」とするのが、カムフラージュの常套手段だ。実際のところは、欠勤・休暇は形だけで、欠勤で減額された給与分は、同月の賞与に上乗せして補填され、実質的な選挙運動の報酬が支払われていたという。鹿児島までの交通費やホテルの宿泊費なども、同会側が負担したとのこと。
選挙運動の自由は最大限保障されなければならない。一方、選挙の公正が金の力でゆがめられてはならない。金がものを言うこの世の中で、買収・供応等の金権選挙・企業ぐるみ選挙を許してはならない。経済的な格差を投票結果に反映させてはならず、取り締るべきは当然である。」

建設業協会の企業ぐるみ選挙推進との関係は必ずしも明確ではないが、9月21日の沖縄タイムスには、「誰に投票したか撮影して報告、とネットで話題に 沖縄知事選 弁護士有志が禁止要請」の記事が出ている。

沖縄弁護士会所属の弁護士有志の「投票の自由と秘密を守り公正な選挙を求める弁護士の会」(池宮城紀夫代表)は19日、県選挙管理委員会に対し、県知事選の投票所での写真撮影や録音、録画などの禁止の告知を徹底するよう要請した。

要請書では「特定の候補に投票したことを明らかにするため、投票用紙に候補者名を記載した場面を撮影して報告を求める企業があるとの情報がネット上で流れている」と指摘。これが事実であれば「有権者の投票の自由や投票の秘密を侵害する由々しき事態だ」とし、その企業が特定されなくても、同情報が流れていること自体が有権者の投票行動に悪影響を及ぼしかねないとして、禁止の周知徹底を求めている。

私は、「選挙人に対して、投票用紙に特定の候補者名を記載した場面を撮影して報告を求める」行為は、公職選挙法第228条1項の(投票干渉罪)に該当するものと思う。

同条1項は「投票所において正当な理由がなくて選挙人の投票に干渉し又は被選挙人の氏名を認知する方法を行つた者は、1年以下の禁錮又は30万円以下の罰金に処する」と規定する。この条文は、他人に干渉されることなく、自由に候補者を選定することのできる選挙人の権利を保障するために、他からの干渉を処罰する規定である。選挙人に対して拒否しがたい影響力を持つ会社が、選挙人の意思如何にかかわらず、会社が指示する特定の候補者に投票するよう働きかけ、その干渉を確実に成功させる手段として、当該選挙人に対して、投票所において投票用紙に特定の候補者名を記載した場面を撮影して報告を求めているのだから、公職選挙法第228条1項(投票干渉罪)に該当する犯罪行為というべきである。

まだ判例はないだろう。捜査の対象としたという例も聞かない。しかし、明らかに投票の自由を侵害する可罰性の強い行為だ。このような指示をした者に対する告発があってしかるべきだと思うし、投票の自由と選挙の公正を確保するため、選挙管理委員会は厳正な対応をしなければならない。
(2018年9月23日・連続更新2002日)

アベ3選の今、アベの改憲意欲に吹く嵐。

自民党総裁選が終わった。「石破善戦・安倍意外の苦戦」というのが大方の評価。注目は、この結果を受けての改憲情勢。さて、どうなっているのだろうか。

もちろん、アベ自身は空元気にせよ、改憲を言い続けなければならない立場。3選後の記者会見では、用意したコメントの一番最後に改憲に触れた。

「全ての世代が安心できる社会保障改革。戦後日本外交の総決算。そして制定以来初めての憲法改正、いずれも実現は容易なことではない。いばらの道であります。党内の議論も、他の政党との調整も一筋縄ではいかないかもしれない。しかし、今回の総裁選を通して、党内の大きな支持をいただくことができました。これは、これから3年間、私が自民党総裁として強いリーダーシップを発揮できる、党一丸となって大改革を断行する大きな力になるものと考えています。」

いずれも実現は容易なことではない。いばらの道であります。党内の議論も、他の政党との調整も一筋縄ではいかないかもしれない。」は、だれもが頷くところ。しかし、「今回の総裁選を通して、党内の大きな支持をいただくことができました。私が自民党総裁として強いリーダーシップを発揮できる、党一丸となって大改革を断行する大きな力になるものと考えています。」はだれもが頷くところではない。むしろ、冷笑する向きが多いのではないか。

記者団の質問に答えてこうも言っている。
憲法改正は…今回も総裁選の最大の争点であったと思います。憲法改正推進本部の議論を経て党大会で報告された条文イメージの上に、次の国会に案を提出できるように党を挙げて取り組むべきだと申し上げてきました。そして総裁選の結果、力強い支持を得ることができたと考えています。結果が出た以上、この大きな方針に向かってみんなで一致結束をして進んでいかなければならないと思います。」
「しかし、党として案を国会提出に向けて幅広い合意が得られるように対応を加速してまいりますが、その際には友党の公明党との調整を行いたいと思います。その後のスケジュールは国会次第でありまして、予断を持つことはできないと思いますし、もちろん(衆参両院の)3分の2で発議をしていくことは相当高いハードルですし、できるだけ多くの方々に賛同していただく努力をしていくべきだろうと思います。これは党を中心にそうした努力を行っていただきたい」

アベ改憲を唱えるアベ自身の自信のなさが滲み出ているではないか。3分の2で発議をしていくことは相当高いハードル」との自覚はリアリティに支えられたもの。にもかかわらず、党内論議さえ不十分。友党である公明党との調整もおぼつかない。そしてその先は、まったくの無方針。「次の国会に案を提出できるように党を挙げて取り組むべきだと申し上げてきました。」「大きな方針に向かってみんなで一致結束をして進んでいかなければならない」という言葉が虚しい。あきらめの本心さえ窺うことができる。

アベ3選を踏まえての最初の世論調査を共同通信が発表した。
「自民改憲案提出に反対51%」「「安倍1強」57%が問題視」と見出しを打っている。
共同通信社が20、21両日、自民党総裁選で安倍晋三首相が連続3選を果たしたのを踏まえて実施した全国緊急電話世論調査によると、首相が秋の臨時国会に党改憲案の提出を目指していることに「反対」との回答は51.0%に上り、「賛成」の35.7%を上回った。首相が政治や行政の意思決定で大きな力を持つ「安倍1強」を「問題だ」と答えた人が57.4%、「問題ない」は33.6%だった。
 首相の連続3選を「評価する」は29.7%にとどまり、「評価しない」は24.9%、「どちらとも言えない」は44.7%だった。

これでは、軽々に秋の臨時国会に改憲上程とは行くまい。この世論状況では、議会内の3分の2の獲得がどだい無理な話。アベに義理立てして、うっかり改憲発議に加わると、政治的に大きく傷つくことになりかねないからだ。仮に、3分の2の獲得ができたところで、国民投票では否決される。そのときは、アベ内閣が瓦解するときだ。

同じ共同通信が、公明・山口代表の見解を記事にしている。「改憲世論熟さず―『自民は信頼向上を』」というのだ。これはまことに冷ややかな反応。

 公明党の山口那津男代表は21日、共同通信社の世論調査で、秋の臨時国会への自民党憲法改正案提出に反対が51・0%に上ったことに関し「改憲に向けて世論が熟していない。自民党がこの現実をどう受け止めて対応するか見守りたい」と述べた。取材に対し答えた。
 安倍晋三首相「1強」は問題だとする回答が57・4%だったことには「自民党が受け止めて、信頼感や安心感を高める必要がある」と強調した。

驚いたのは、あの小池都知事が「改憲ふさわしい時期か」と述べていること。
これは朝日。毎日も記事にしている。
 自民党総裁選で連続3選した安倍晋三首相が憲法改正に意欲を示していることについて、東京都の小池百合子知事は21日の記者会見で、「内外に山積する課題はとても大きい。今、日本のエネルギーを憲法改正に集約させていくことにふさわしい時期なのか。よく吟味していただきたい」と述べた。
 小池氏は改憲肯定派だが、首相の拙速な動きに異論を唱えた格好だ。
 首相の地方票の得票率が55%にとどまったことについては、「(国会)議員はいろいろと人間関係があるが、(地方票は)客観的な投票だと思う。選挙は最大の世論調査。地方の声が反映されている」との見方を示した。

山口も小池も、世論の動向を読むのに余念がない。その両名の風の読み方が一致している。いま、改憲に向けて追い風はない、という読み。

自民党総裁選はコップの中の波と風だったが、それでも改憲阻止を望む立場からはまずは波乱なくおさまった。沖縄知事戦は、コップの中の嵐ではない。3選直後のアベ政権を直撃する大嵐を期待したい。
(2018年9月22日・連続更新2001日)

連続2000回目の蟷螂の斧。今後も意気軒昂に振りかざし続けよう。

 本日で、「憲法日記」連続2000回である。2013年4月1日から連続更新を広言し、この日を第1回として本日が2000回目。2000日間、およそ5年6か月。毎日途切れなく書き続けてきたことになる。しかし、達成感には大きく欠ける。ちっともめでたくはない。本日各紙の朝刊には、「安倍三選」の見出しが躍っている。

実は、「憲法日記」を書き始めたのは、同年の1月1日。日民協の軒先を借りてのこと。もちろん、安倍晋三という人物が、再び政権与党の総裁となり、首相に就任したことの危機感から、改憲阻止のために何かをしなくてはならないと思い立ってのこと。

安倍晋三という人物には大衆政治家としての魅力と力量がない。彼の演説にカリスマ性を感じさせるところはまったくなく、聴衆を惹き付け熱狂させ魅入らせるという能力にも欠ける。議論の運び方に知性のカケラも感じられず、感情の抑制も得意ではない。批判の語彙と言えば、ニッキョウソとキョーサントーに尽きるのだ。この凡庸な政治家が国政のトップの座についた。

こんな程度の政治家を首相の地位に押し上げた時代の空気に、危機感をいだかざるを得ない。この人物、改憲意欲だけは旺盛なのだ。日本国憲法に対する敵意と、歴史修正主義と軍事大国化をウリにし、嫌韓・反中の右翼を支持勢力として保守陣営のトップに駆け上がった。ヘイトスピーチ跋扈の時代が、彼を首相に押し上げたと言い切ってよい。

こんな右翼を国のトップに据える嘆かわしい時代になったという危機感、あるいは焦燥感から書き始めた「憲法日記」。時代の空気が、本当にアベの改憲の野望を実現することになるのではないかという恐怖感情すらあった。

幸い、この人物の第1次政権は教育基本法の「改正」だけはしたものの長くは続かなかった。その政権投げ出しの際の醜態が印象に深い。このとき、「こんなみっともなくも情けない人物」に保守勢力が束ねられるはずはない、と少し安堵した。ところが、その後に返り咲いての第2次政権発足である。その発足が2012年12月26日。私は13年1月1日から「憲法日記」を書き始めた。そのご、自前の本ブログを開設した同年4月1日から数えて、今日が2000日目となる。

とは言うものの、この日記の連載を始めたころ、まさか5年先まで安倍政権がもつとは夢にも思わなかった。こんなみっともなくも情けない人物の長期政権の維持が可能とは到底思えなかった。ところが、現実が予想を裏切った。こんなみっともなくも情けない人物をトップに据えた、みっともなくも情けない国政が2000日余も続いたのだ。そのうえさらに3年とは…。なんたる事態。

2000日、改憲の危機感をバネに書き続けてきた。アベが身を引くまでは、毎日書き続けると言ってきたからには、ここで止めるわけにはいかない。だから、2000日の連続更新は少しも目出度くはない。改憲の策動に失敗した傷心のアベが首相の座を去るとき、私は擱筆してこのブログを閉じることができる。そのときこそが祝うべき目出度いとき。

このブログは、徹頭徹尾アベ的なものへの批判の言論となっているはず。改憲・軍事大国化・歴史修正主義・人権侵害・差別・新自由主義政策による格差貧国・教育統制・そして国政の私物化…。これに切り込む手段としては、批判の言論あるのみ。その批判の言論には切れ味が必要だ。切れ味とは、批判の相手にとっての「毒」にほかならない。アベのごとき権力者の批判に有効な毒、天皇制に象徴される権威を批判するに効力のある毒、格差社会に社会的強者として君臨する経済的強者に打撃となる言論の毒、そして、マイリティーに非寛容で同調圧力を押しつけるマジョリテイを覚醒させる毒。

たとえば、「吾輩は危険人物である」といった宮武外骨のように、あるいは「地震・憲兵・火事・巡査」を書いた山崎今朝弥のごとく、強者を敵にまわして一歩も退かない叛骨の精神を学びたい。

自分に言い聞かせる。私は弁護士だ。弁護士とは近代の市民社会が生み出した自由業。侵害された市民の自由や権利の救済に力を尽くすためには、弁護士自身が権力や社会的強者から独立し自由でなければならないのだ。権力や金力にへつらう自由の使い方をしてはならない。

そのように精神は昂揚すれども、如何せん身体は疲れる。その疲れた身体に鞭打って、蟷螂の斧を振り続けよう。各紙の朝刊に「安倍政権終焉 改憲の願い虚しく晋三去る」との見出しが躍るその日まで。
(2018年9月21日・連続更新2000日)

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