澤藤統一郎の憲法日記

改憲への危機感から毎日書き続けています

反撃訴訟の傍聴を。次回期日は6月8日(金)午前10時15分・415号法廷 ― 「DHCスラップ訴訟」を許さない・第130弾

本日(4月26日)の反撃訴訟口頭弁論。光前幸一弁護団長が、反訴原告準備書面(2)の要約を口頭で陳述し、書証を提出した。
次回は、反訴被告がこれに対する反論の準備書面を6月1日(金)までに提出し、次回は6月8日(金)午前10時15分と指定された。法廷は、本日と同様の415号。

なお、本日の期日終了後、弁護団と傍聴者で意見交換をし、議論がはずんだ。本日の準備書面(2)の要約は以下のとおり。

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DHCスラップ訴訟(平成29年(ワ)第38149) 
第5回期日(2018.4.26)

反訴原告の「準備書面(2)」の骨

                     反訴原告訴訟代理人 光前 幸一外54名

1.準備書面(2)は第1から第3で構成されている。

2.第1は、反訴被告の答弁書に対する反論である。答弁書の主張は、前件名誉毀損訴訟は、反訴被告らの敗訴が明らかというようなものではなかったというものであり、其の理由として、主に以下の5点、すなわち、
① 前件訴訟では、反訴原告も、反訴原告のブログにより反訴被告らの社会的評価が低下したことを認めている。
② 前件訴訟において、裁判所は、反訴原告らが主張した訴え却下の主張をしりぞけた。
③ 反訴原告と事前交渉しなかったのは、事前交渉しても応じないだろうし、応じる意思があるのなら、訴訟を起こせば反訴原告はブログを削除し連絡してくると考えたから。
④ 前件訴訟は、請求額が非常識に高額と非難されるようなものではない。
⑤ 前件訴訟は、判断が微妙な事件だった。
といった事由を上げている。
 
これらの点に関する反訴原告の意見は反訴状で既に詳細に述べているが、要約すると、他人の言動を批判する論評がその人の社会的名誉を低下させることがあるのは当然のことで、問題はそのような論評が違法か否かであり、訴え却下と不当・スラップ訴訟の判断要素は異なるから、訴えが却下されなかったことが不当訴訟の責任を免れる十分要件となるものではなく、事前交渉の必要性に関する反訴被告らの主張は、その主張内容こそが、異なる意見の交流を認めない反訴被告らのスラップ性を示すもので、請求額については、およそ認容される余地のない非常識に高額なものであるということに尽きる。さらに、前件訴訟は、反訴被告吉田が週刊誌に公表した言動に対する意見、批判、すなわち、前提事実に誤りのない論評であって、違法性のないことは明らかであったということである。

3.準備書面の第2は、前件名誉毀損訴訟と関連する10件の判決結果に対する、反訴被告らの、およそ真に名誉回復を目指して裁判を提起しているとは思えない不合理的な控訴、上告等の姿勢、あるいは、和解、取下げ同意の態様から、前件名誉毀損訴訟は、裁判による権利回復を目指すものではなく、勝訴の可能性などは歯牙にもかけず、批判言論を力づくで封殺することだけを目的としたものであったことを論述したものである。裁判所におかれては、反訴被告らが、関連事件の全部敗訴事件と実質敗訴の一部勝訴事件において、本件のスラップ性を露わにした対応をしていることに注目していただきたい。

4.準備書面の第3では、前件訴訟が、東京地裁が平成17年3月30日に言い渡した「消費者金融会社武富士」のスラップ訴訟判決と同種のものであること、また、前件名誉毀損訴訟が提起された背景には、反訴被告会社のHPから窺われる反訴被告吉田の異なった意見は反日として徹底的に排除するという信条が根強くあり、今後も同様な事件が繰り返されるおそれのあることを東京MXテレビの「ニュース女子」事件等から論じている。また、本件に関連し、反訴被告らの威圧に屈し、裁判被告となる愚を回避するとして、ブログ記事を削除したあるブロガーの記事も紹介し、前件訴訟や関連訴訟のブロガーに対する威圧効果の一例を示した。
                                     以上
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本日提出の書証に関連して、下記のブログをご覧いただきたい。
ある連載ブログの2014-04-08の記事である。

この時期を確認しておこう。吉田嘉明が渡辺喜美に裏金8億円を交付したことを自ら明らかにしたのが、週刊新潮4月3日号に掲載された「さらば器量なき政治家」という手記。その号の発売が3月26日だった。

私は「週刊新潮」は買わない。が、大手各紙が週刊誌記事をネタに、渡辺喜美批判を重点に記事を書いたのを目にして、大きな違和感を覚えた。
そこで、「憲法日記」に次の記事を書いた。
2014年3月31日 「DHC・渡辺喜美」事件の本質的批判
2014年4月02日 「DHC8億円事件」大旦那と幇間 蜜月と破綻
2014年4月08日 政治資金の動きはガラス張りでなければならない
以上の3本が、名誉毀損として慰謝料2000万円の根拠とされた記事である。これを読み直して、あらためて怒りを禁じえない。これが違法か。これが表現の自由を逸脱しているというのか。

下記ブログは、私と同様に、新潮記事を素材に吉田嘉明を批判したもので、2014-04-08という日付は、提訴対象とされた私の3本目のブログと同じものである。

DHC・吉田嘉明は、4月16日に私を被告とする名誉毀損損害賠償訴訟を提起している。なんの検討もせず戦略もなく、提訴によって一刻も早く批判の言論を抑える意図であったろう。

4月8日の「さらば渡辺喜美」と題する下記ブログは、提訴されていない。提訴の代わりに、2014年8月19日付で「株式会社ディーエイチシー総務部法務課・杉谷義一」による「ブログ記事の削除要請の件について」と標題する通知が届けられている。その結果が下記のとおりとなっている。これは現代の検閲であり、伏せ字である。(なお、△△△△はブログの主宰者名で伏せ字ではない)

さらば渡辺喜美

DHC8億円事件を追及され、みんなの党の渡辺喜美代表が辞任を表明した。議員辞職はせず「一兵卒として出直す」つもりらしい。しかし、政治と金の問題で堕ちた政治家が、再び這い上がるのは極めて困難だ。事実上、政治家・渡辺喜美代は終わった。

つまらない終わり方だ。

△△△△は渡辺代表のことが嫌いだし、アジェンダもボロクソにけなしたし、みんなの党というネーミングにすらケチつけてきたが、一貫して変わらない政治理念だけは高く評価してきた。それが政策と無関係な不祥事で退場とか、自業自得だが残念でならない。

渡辺喜美が復活するには、8億円の使途について詳細を明らかにし、かつ、それが法的・倫理的に問題が無いことを説明せねばならない。辞任と完済でDHCの吉田は許しても、マスコミは微塵も納得しておらず、「説明責任を果たせ」の大合唱だ。

しかし、渡辺代表は金の使い道など公表できまい。8億円はどう見ても裏金で、猪瀬と同様に釈明内容が変化し始めているし、辞任会見で見せた余裕の無い態度からも推察できる通り、表沙汰に出来ないやましい理由があるに決まっている。

本当に清廉潔白ならば、法的に報告・公表義務があろうと無かろうと使途を明かし、金を管理していたという嫁の通帳も公開すれば良い。人生の命運を分ける瀬戸際だ、聞かれずとも自ら率先して説明責任を果たしたいと思うのが人情だろう。

それを法的に問題ないとか調査中とか、説明機会を与えられているのに消極的な態度で逃げ回る様を見れば、これはもう清廉潔白にはほど遠い。あるいは、説明することで別の誰かに迷惑をかけてしまうのかもしれないが、いずれにしろ真っ黒だ。

ただ、一つだけ擁護出来そうなのは、●●●●●●●結いの江田もとんだタヌキと言うことだ。事件発覚後、渡辺代表は江田の謀略を主張して失笑を買ったが、あれはあながち嘘とは言い切れない。江田と、●●●●●●●による陰謀は十分考えられる。

渡辺代表の辞任発表後、●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●

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さらに、●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●

「お金をきれいに返済したうえで党首を辞任したという行為は立派。」
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「辞任は誠意として認めてやる。」
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金を返しても、詐欺行為自体の罪は消えない。「盗品を返せば無罪放免」なんてあり得ないだろう。8億円は大金だ。●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●。

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事態は目論み通りに進行しているが、もし渡辺代表が自暴自棄になって、洗いざらい暴露されたら困る。●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●。本件の裏舞台はそんなところではなかろうか。

まあ、証拠も無しに妄想を膨らましても仕方ないけれど、●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●、無関係を装い冷笑を浮かべる江田を見ていると、どうにもこうにも胸くそが悪くなるのだ。

他党が醜い政局争いを繰り広げ、政策をコロコロ変える中で、みんなの党は結党以来政策理念を守り、ジリジリと、しかし確実に支持を伸ばしてきた。個人商店だ独断専行だと批判も浴びたが、おかげで高いガバナンスが維持された。渡辺代表の功績だ。

渡辺代表の辞任を受け、みんなの党は後継者の選定に入っている。しかし、みんなの党は名実共に渡辺喜美の党で、他の人間では政策も党も守れまい。その他野党の仲間入りだ。浅尾?、無理無理(笑)。良くも悪くも渡辺喜美の代わりなどいない。

重ね重ね、こんなくだらない不祥事で渡辺代表が退くのは残念だ。難しいだろうけれど、いつかまた表舞台に戻り、政策で△△△△を熱くさせてほしい。

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現代の伏せ字は、恫喝によってもたらされた。その恫喝とは、「株式会社ディーエイチシー総務部法務課・杉谷義一」による「ブログ記事の削除要請の件について」と標題する通知である。2014年8月19日付の文面は以下のとおりである。

「ブログ記事を削除していただきたく、貴殿にご連絡いたします。
 今般、貴殿は、本ブログ記事において、全体として弊社代表者(註・吉田嘉明)を侮辱し、また、自ら「証拠もなしに」と何らの調査・取材も行っていないことを認めながら、弊社代表者が、「強烈な保身意識」のもとで渡辺議員を「警告、恫喝、口止め」している、「吉田のコメントは、念には念のヤクザの恫喝ではないのか」などと平然と書き、そのような人物が代表取締役会長をつとめている弊社(註・DHC)の社会的評価を低下させ、弊社の名誉を著しく毀損しています。
 貴殿が記事の削除に任意に応じて頂けない場合には、やむなく法的対応を検討せざるを得ませんので、できましたらそのようなこととならないよう何卒宜しくお願い致します。なお、本ブログ記事同様に、弊社代表者および弊社の名誉を毀損し或いは侮辱する記事を掲載した他のブログにおきましては弊社の指摘により記事の削除をして頂くことで円満解決しておりますことを、念のためお伝えしておきます。」

この通知を受けた同ブログ主宰者は、わざわざ「本ブログが(株)DHCから恫喝を受けました」と標題する記事を掲載して、DHCからの記事削除要請に不愉快を明言し、当該の記事が「訴訟を起こされて多額の慰謝料を支払う判決が下される様なエントリーとは思えない」と考えつつも、「現実問題として本当に裁判を起こされかねない」との判断のもと、「一時的削除」という判断に至っている。そして、伏せ字にして残すという対処を思いついたのだ。

スラップは、被告とした者の言論の自由を侵害するだけでなく、被告以外の論者の言論を萎縮させ、封殺している。DHC・吉田嘉明と、「総務部法務課・杉谷義一」による「ブログ記事を削除していただきたい」との通知の威嚇力は、スラップの提訴があって初めて可能となる。このブログの禍々しい伏せ字は、そのことをよく表している。
(2018年4月26日)

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