澤藤統一郎の憲法日記

改憲への危機感から毎日書き続けています

今通常国会の衆院・憲法審査会(木)予定日はあと4回

両院の憲法審査会は、「日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制について広範かつ総合的に調査を行い、憲法改正原案、日本国憲法に係る改正の発議又は国民投票に関する法律案等を審査する機関」とされている。国会による憲法改正案の発議に先だって、各院で憲法改案を実質審議するのが憲法審査会の役割。

その衆議院の憲法審査会は毎週木曜日が開催予定の日程となっている。しかし、最近はこの審査会が開かれることは希となっている。今通常国会(1月28日~6月26日)において、これまで開催されたのは3回のみ。しかも、実質審議はたった1回だけ。昨日(5月23日・木曜日)の開催も見送られた。

その結果、会期末の6月26日(水)まで、木曜日はあと4日を残すのみ。これを乗り切れば、さあ、日本国憲法の命運を決める2019年参院選となる。改憲派議席を3分の2以下に減らすことで、日本国憲法は生き延びる。いや、「生き延びる」は不正確だ。憲法を大切に思う自覚的な国民が、右派の策動から日本国憲法を守り抜き、さらに深く自らの血肉とするのだ。

積極改憲派にとっては、明らかに憂うべき事態。この間の事情を産経は、こう伝えている。
「与野党は22日、衆院憲法審査会の幹事懇談会を断続的に開き、継続審議になっている国民投票法改正案の取り扱いについて21日に続いて協議した。与党側は質疑、採決を23日に行う日程を重ねて提案したが、立憲民主党など主要野党が反対し、23日は憲法審の開催自体が見送られた。
 28日に改めて幹事懇を開くが、改憲議論を阻止したい立民は審議拒否の姿勢を変えない見通しで、採決のめどは立っていない。」

本日の読売社説は、こうなっている。
「憲法審査会 駆け引き排して役割を果たせ
 今国会でも憲法に関する議論を見送るのか。事態打開に向けて与野党は真摯しんしに協議すべきだ。
 衆院憲法審査会ではこの1年半の間、憲法論議が行われていない。継続審議となっている国民投票法改正案の処理を巡り、与野党が対立する。」
 「自民党は、自衛隊の根拠規定の明記や、緊急事態条項の創設など4項目からなる案をまとめている。野党は党内論議を急ぎ、この案に対する賛否や、自らの考え方を示さねばならない。」

要するに、産経も読売も焦っているのだ。今が改憲派にとっては、千載一遇のチャンス。何しろ、憲法変えたくてしょうがない右翼・好戦派の安倍晋三が首相の地位にある。しかも、衆参両院とも、改憲派が3分の2を上回る議席を確保しているではないか。滅多にないこのチャンスを生かし切れずにウカウカ過ごすと、選挙に負けてこの千載一遇のチャンスが潰えてしまう。そうなっては、半永久的に改憲のチャンスはめぐってこない…かも知れない。

憲法審査会の審議が進行しないのは、結構なことだ。これを批判する世論などない。国民の大多数が明文改憲の必要など感じていないからだ。国政における喫緊の課題はいくらでもある。あらゆる世論調査が、性急な改憲を望んではいない。とりわけ、安倍晋三が首相在任中の改憲には反対」が圧倒的多数なのだ。

本日(5月24日)の読売社説は、悔しそうに、「(憲法審査会の審議が進行しなくなったのは)立民党が誕生した17年の秋以降だ。安倍政権下での憲法改正には反対するという一部野党の方針が影響していよう。」という。

憲法改正は、もちろん公権力を有する政府の任務ではない。主権者国民の権限に属するものである。その中間にある議員にとっても、積極的な義務ではない。主権者国民の憲法改正の要求が澎湃と巻きおこったときに、議員がこれを感得して議論をすればよいだけのこと。

いま、国民から議会・議員への憲法改正の要求はない。アベ改憲反対」こそが国民の声ではないか。今通常国会での憲法審査会開催なしには、十分な合理的理由があるというべきなのだ。
(2019年5月24日)

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