澤藤統一郎の憲法日記

改憲阻止の立場で10年間毎日書き続け、その後は時折に掲載しています。

「Tokyoは犠牲を拒否する」ー 東京五輪を即刻中止とすべき建言の理由13か条

(2021年6月5日)
 いまだ中止の決断ないままの東京五輪開会予定日まで50日に満たない。そして、東京都議選の投開票まではちょうど30日である。東京五輪は中止しなければならない。都議選は、都民の五輪中止の意思表明の場となるだろう。

 いまや、肥大しただけでなく、カネと権力にどっぷり浸かったオリンピックは平和の祭典としての意義を失い、弊害の方が遙かに大きくなっている。とりわけ東京五輪の害悪は、到底看過し得ない。東京五輪は本来誘致されるべきものではなかった。東京五輪は中止しなければならない。こんなものに、際限もない大金を投じてきた輩の責任は大きい。

 しかも、いま恐るべきパンデミックの事態である。国民の生命と健康が危険に曝されているこのときに、東京五輪開催の強行は正気の沙汰ではない。東京五輪の開催が国の内外に爆発的なコロナ蔓延のリスクを有すること、貴重な医療リソースを剥奪することを通じて、国民の生命と健康の危険を激化することは目に見えているではないか。にもかかわらず、敢えて東京五輪を開催すべき大義はあり得ない。

 さらに、問題は根深い。今夏の東京オリパラの開催はあり得ないというのが、都民・国民の大多数の認識である。この圧倒的な民意を無視して、敢えて開催させようという反民主々義的な力学が働いている。その反民主の元兇は菅政権であり小池都政でもあるが、これにとどまらない。「誰もが犠牲を払わないといけない」と、都民への犠牲要求を広言するボッタクリ男爵とこれを首領とするIOC帝国をも糾弾しなければならない。

 以上の、東京五輪を中止すべき理由を箇条書きにして、書き留めておきたい。

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第1条 オリンピック開催に、何の大義も名分もない。
 所詮オリンピックとは規模の大きな運動会に過ぎない。運動会との質的な違いは、権力が関与し、ナショナリズムが動員され、大金が動くことである。大金が動くところ必ず利権が生じる。権力と資本の思惑による大衆操作のイベントを神聖視したり、特別視してはならない。
 

第2条 国威発揚・ナショナリズム涵養のオリンピックは百害あって一利もない。
 ヒトラーのベルリン大会以来、オリンピックは、国威発揚とナショナリズム涵養の舞台となった。

第3条 商業主義に絡めとられたオリンピックに踊らされてはならない。
 オリンピックにおいて、スポーツは権力の走狗となっただけでなく、商業主義の僕となっている。企業の思惑があの手この手を駆使して「感動」を作り出し、人々の感情を操作して儲けのタネにしている。

第4条 新たな貴族と新たな差別とをもたらすオリンピック
 オリンピックに集まるカネと名声が新たな貴族階級をつくっている。IOC会長のバッハが「天皇に会わせろ」と要求しているという。旧特権階級に近づこうという、新興特権階級の愚かな姿勢と嘆かざるを得ない。

第5条 開催都市と国とに、莫大な負担をもたらすオリンピックをもうやめよう
 オリンピックは権力と資本に利用されて大規模化を続け、今日のごときモンスターとなった。開催都市・国の財政負担と、混雑・混乱の負担は耐えがたい。一部の思惑で、住民に迷惑なオリンピックはもう止めよう。

第6条 ウソとゴマカシ、賄賂にまみれた招致活動の東京五輪は開催に値しない。
 安倍晋三お得意「ウソとゴマカシ」、JOCと電通による賄賂の提供。こんなみっともない誘致で決まった東京五輪。プライドあるなら、返上しかないだろう。

第7条 政権浮揚を目的の東京五輪を開催させてはならない。
 落ち目となったアベ・スガ政権の人気浮揚策としての東京五輪ではないか。また、こちらも不人気の小池都政の起死回生の人気浮揚策。こんなものに付き合ってはおられない。

第8条 東京五輪はこれ以上ない税金を無駄遣い
 不思議なことに、五輪名目だと打ち出の小槌のごとく予算が出て来る。国と都と、財界の協賛金と、予算は際限なく膨らんで1兆6000億円を超えている。財政破綻をもたらす五輪はごめんだ。

第9条 そもそも愚かな真夏の東京のオリンピック
 東京の真夏の蒸し暑さは格別である。特に、温暖化進展の近年はひどい。その夏の苛酷なスポーツイベントは中止が賢明である。

第10条 コロナ禍のさなか、国民の命と健康を損なう
 今夏の東京五輪が開催されれば、大規模に人が動き、大規模に人と人とが接触する。爆発的な新型コロナの蔓延拡大を憂慮せざるを得ない。国民の命と健康に直接関わり、さらに経済活動に障害となる。

第11条 国民の医療資源が奪われる。
 「安全・安心」を目指して、どんなに慎重な配慮を尽くしても、貴重な有限の医療資源が五輪のために奪われる。国民の生命と健康、安全安心が奪われるということだ。

第12条 東京五輪開催で、国民はアスリートを怨嗟することになる。
 権力と資本が、思惑あって東京五輪を強行すれば、アスリートを特別扱いすることにならざるを得ない。アスリートと非アスリートの差別が生じる。国民はアスリートをリスペクトするどころか、その特別な待遇を非難することになるだろう。ここにも、国民の分断による新たな差別が生じる。

第13条 IOC帝国の侵略を許してはならない。
 IOCとは、何様であるのか。自分を何様と思い込んでいるのか。緊急事態宣言下でも、「オリンピックは開催せよ」「犠牲はやむを得ない」とは、何たる言い草か。
 日本は主権国家である。IOCの思惑のとおりには動かない。菅や小池はいざ知らず、主権者国民・あるいは都民は怒っている。けっして、IOCやバッハのいうとおりにはならない。東京オリパラを中止せよ、しかも即刻に。

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