澤藤統一郎の憲法日記

改憲への危機感から毎日書き続けています

アベ晋三ホンネの施政方針演説

アベ晋三です。衆参両院本会議で、両院の議員の皆さまに、ややホンネの施政方針を申しあげたいと存じます。

(軍事大国へ挑戦する国会)
改憲か、護憲か。
戦後70年間、日本は、その基本方針すら決められませんでした。終わらない議論、曖昧な結論、そして責任の回避。憲法にこだわって衰退していく国家を見つつ、ワタシは、こう嘆いています。
 「一言以て 国を亡ぼすべきもの ありや、
  『憲法は不磨の大典、それゆえこれを拳拳服膺すべし』と云う一言、これなり
  戦後の国家が衰亡の一途をたどったるは この一言にあり」
国民から富国と強兵の負託を受けた私たち国会議員は、「憲法を変えてはならない」「憲法を守ろう」「憲法99条の憲法順守義務を大切にしよう」などという退嬰的な態度ではいけません。自分たちの手で、強い日本、繁栄する日本、そして一億国民が一体の火の玉となる強固な国民統合をなし遂げるためには、「どうにでもして憲法を破る」努力をしなければならないのです。既に、ワタシが手本を示したとおりにです。

憲法にそぐわない現実を直視し、憲法を現実に服せしむべく解決策を示し、そして実行する。憲法の解釈を変え、さらには憲法自体を変えていく、そのような大きな責任があるのです。「憲法守って国亡ぶ」ような愚かな事態は、絶対に避けなければなりません。

自由の美名による人権の濫用を押さえ、個人尊重に隠れた国家の軽視に警鐘を鳴らし、中国や北朝鮮の脅威に備える武力の整備を万全にし、韓国や台湾にも侮られてはならないのです。

厳しさを増す安全保障環境については、どんなに強調しても足りないと言わざるを得ません。自由も人権も、民主主義も平和も、強固な国家が存続していればこそではありませんか。精強な軍事力、精強な軍隊、精強な武器、そして軍隊や軍人に対する国民の尊敬や協力、さらには可能な限りの軍事予算が、この国を護り国民の安全と安心を守るのです。

報道も、教育も、学問も、産業も、文化も、スポーツも、すべては国家あってのその一分枝に過ぎないことを、国民は以て銘すべきなのです。

いま、この国会に求められていることは、こうした新たな政権の方針を真正面に掲げて「挑戦」することであり、その答えを出すことであります。

口先の批判だけに明け暮れ、対案を示さず、何かと言えば、「日本国憲法にはこう書いてある」「政府は憲法軽視だ」「危険な反立憲主義」などと政権に反対ばかりする、そういう態度は、国家と国民に対して誠に無責任といわねばなりません。

私たち自由民主党と公明党の連立与党は、断固として改憲を掲げて、決してぶれることはありません。「憲法軽視」「反知性主義」という悪罵に怯みません。逃げません。安定した政治基盤の下、そして、この三年間の大きな違憲の政策を積み上げた実績の上に、改憲がいかに困難な課題であるとしても果敢に「挑戦」してまいります。

(新しい成長軌道への挑戦)
いままさに、アベノミクスの化けの皮が剥がれようとしています。世界経済の不透明感が増し、いくら政府資金の投入をしても、金融市場の操作が困難になってきています。その煽りで株価連動内閣が危うくなっているのです。

安倍政権は、これまで3本の矢を的に当てると喧伝して、国民の支持率を確保して参りしたが、結局は格差と貧困をつくり出す結果に終わっています。しかし、こんなときほど、慌ててはなりません。泰然自若を装って知恵を出さねばなりません。「3本の矢」が折れたら、「新3本の矢」を作ればよいのです。これも的を外れたら、「新々3本の矢」さらには、「新々々30本の矢」でもよいではありませんか。要するに、目先を変えて、国民の皆さまの目眩ましが続くところまで頑張ればよいのです。どうせ皆さん、「餅を食ったら去年のことは忘れる」人たちではありませんか。

こうして、イノベーションによって新しい付加価値を生み出し、持続的な成長を確保する。「より安く」ではなく、「より良い」に挑戦する、イノベーション型の経済成長へと転換する、二十一世紀にふさわしい経済ルールを世界へと広げる、などと、私自身もよく分からない無内容なことを「大いなる挑戦」と言っておけばよいのです。

経済になんの関係もありませんが、唐突に「伊勢神宮、美しい入江。日本の長い伝統や文化、豊かな自然を感じられる」と前振りして、伊勢志摩の地で開く五月のサミットを「基本的価値を共有する主要国のリーダーたちと、世界経済の未来を論じ、新しい「挑戦」を始める。そのようなサミットにする決意であります」。多分こんな程度で、国民は十分気分をよくするのだと思います。

(TPPは大きなチャンス)
「TPPによって農業を続けることができなくなるのではないか」。多くの農家の皆さんが不安を抱いておられます。これはもっともなことです。建前としては、「米や麦、砂糖・でん粉、牛肉・豚肉、そして乳製品。日本の農業を長らく支えてきた重要品目については、関税撤廃の例外を確保いたしました。2年半にわたる粘り強い交渉によって、国益にかなう最善の結果を得ることができました。」と言っておきましょう。もちろん、誰も信じてはくれません。私自身も、信じてはいません。

「生産者の皆さんが安心して再生産に取り組むことができるよう、農業の体質強化と経営安定化のための万全の対策を講じます」とは一応申し上げますが、これは農家の皆さまの自助努力なしにできることではありません。「美しい田園風景、伝統ある故郷、助け合いの農村文化。日本が誇るこうした国柄をしっかりと守っていく」これは、ひとえに皆様のの努力にかかっています。努力が実らない場合はやむを得ません。今の農家の皆さまには総退場していただくしかありません。

農業に参入して、生産性の高い農業経営をしたいという、新規参入希望者は国の内外にたくさんいるのです。結局その方々に、農業をお任せいただくのが、国家全体の利益になるものと考えざるをえません。実は、TPPはこのような新規参入希望者へのチャンスなのです。この辺のところをよくお考えください。

TPP交渉は担当の甘利大臣が、よくやってくれました。週刊誌では、政治力を利用しての口利きで1200万円をもらったことが、何か悪いことをしたように書かれています。しかし、彼ほどの政治家が1200万円程度のはした金をもらったことで騒ぐ方がおかしいのです。山東昭子議員がいみじくも言ったとおり、「ゲスの極み」のしわざで、有能な政治家を失脚させてはなりません。

(希望の同盟)
我が国の外交の基軸は、日米同盟にあります。
目下の同盟国である我が国は、強大な米国の核の傘を借りる身として分を弁え、その意に従わざるを得ないのです。アメリカ様が、普天間基地を返してくださるというのですから、ありがたく返していただけばよろしいのです。代わりに、辺野古に新基地を作れと言われれば、その指示に従わざるを得ないのです。思いやり予算にしても同じこと。オスプレイの配備も、オスプレイの購入も、アメリカ様の言いなりにならざるを得ないのです。

それをこともあろうに、「沖縄の民意は基地のたらい回しを許さない」などと、身の程知らずの沖縄現地は、親の心子知らず、と言うほかはありません。どんな手を使ってでも、徹底して押さえつける覚悟を申し述べておきます。

(積極的平和主義)
自衛隊は、積極的平和主義の旗の下、国際平和に力を尽くすという名目で、これから世界に展開いたします。これを可能にした戦争法は、「平和安全法制」と呼ぶべきなのです。軍事力を世界に展開するということは、当然に敵である武力を向ける相手が、世界に存在するからであります。我が国と利害を共通にする同盟国からは歓迎されますが、それ以外の多くの国からは疎ましいと思われることでしょう。

でも、軍隊は平和のためにあるのです。戦争は平和のためにするのです。軍隊を大きくすればするほど、世界に展開する武力の規模が大きくなればなるほど、それは平和を意味するのです。日本の不景気も、軍需産業の復興で息を吹き返すことができるでしょう。

先般、北朝鮮が核実験を強行したことは、アベ政権の僥倖です。よくぞやってくれた。これで、改憲の世論も大きくなり、内閣の支持率も上がることが確実です。天敵同士が実は共存関係にあることはよく知られたこと。アベ政権としては、瀬戸際政策をとり続ける北朝鮮の現政権がいつまでも存続することを願わざるを得ません。同様の意味合いで、テロも大歓迎なのです。

(おわりに)
継続こそ力。改憲策動も三年間を経過し、今後もぶれることなく、この道をまっすぐに進んで行きます。明文改憲のための、両院の3分2、国民の過半数という、困難な課題にも真正面から「挑戦」し、結果を出してまいります。

戦後初めて、内閣法制局長官のクビをすげ替えてまでして閣議で解釈改憲をし、戦争法を強行成立させたワタシは、これからは明文改憲の「挑戦」に、その一身を捧げます。いかなる困難に直面しても、決して諦めず、不退転の強い信念で、明文改憲への「執念」と「挑戦」を続けます。
 「為せよ、屈するなかれ。時重なればその事必らず成らん」
アベ内閣は、諦めません。明文改憲による「戦後レジームからの脱却」の目標に向かって、諦めずに進んでいきます。

皆さん、共に改憲に「挑戦」しようではありませんか。そして、改憲の「結果」を出していこうではありませんか。それが、私たち国会議員に課せられた使命であります。
御清聴ありがとうございました。
(2016年1月22日)

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Published in 金曜日, 1月 22nd, 2016, at 22:41, and filed under 安倍政権, 明文改憲.

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