澤藤統一郎の憲法日記

改憲への危機感から毎日書き続けています

またも都教委敗訴。裁判12連敗と乙武洋匡不祥事

またまた、「またも負けたか都教委よ」である。
本日(3月24日)午後、東京高裁第4民事部(綿引万里子裁判長)は、都立高校教員の懲戒免職処分取消請求控訴事件において、東京都教育委員会の控訴を棄却する判決を言い渡した。しかし、都教委敗訴は、もはやニュースにならない。負けつづけているからだ。都教委が勝訴したら、それ自体が大きなニュースという時代なのだ。

この件は、都教委が当該教員に非違行為があったとして懲戒免職処分としたことに対して、教員が処分の取り消しを求めて提訴したもの。2015年10月26日一審判決があって都教委が敗訴し、これを不服として控訴をした都教委の再びの敗訴である。

担当の加藤文也弁護士からの報告は、「判決の事実認定も判断も、現場で生徒のためにがんばっている教員を励ます内容となっています。」というものだった。

都教委はこの件では判決で2度負けているだけではない。原告は懲戒免職処分の取消請求訴訟を提起しただけでなく、処分の執行停止(民事の仮処分に相当する)を申立て、一審・二審の両裁判所とも、この執行停止申立を認める決定を出している。都教委は、都合4件の敗訴「判決・決定」を受けたわけだ。

敗訴続きの都教委は、きっぱりと上告受理申立などやめるがよい。「違法」な免職処分を行ったことを真摯に謝罪して現職復帰を認めるべきである。その上で、どうして裁判所から違法と断罪される処分を発令してしまったのか、責任の所在を明らかにしたうえ、同じ過ちを繰り返さぬよう適切な措置をとらねばならない。

①2013年12月 東京地裁判決。再発防止研修未受講事件(原告Fさん・都立高校)で減給6月の処分取消。控訴なく確定。
②2014年10月 東京高裁判決。都立高教員の再任用更新拒否損害賠償請求を認容。都教委上告せず確定。
③2014年12月 東京高裁判決。都立高教員条件付き採用免職事件で勝訴。都教委上告せず確定。
④2015年 1月 東京地裁。都立高教員免職処分執行停止申立を認容決定。
⑤2015年 5月 東京地裁判決。再雇用拒否撤回二次訴訟(原告22名)原告勝訴。都側が控訴し高裁でも敗訴(下記⑩)。
⑥2015年 5月 東京高裁判決。河原井さん根津さん停職処分取消訴訟で逆転勝訴。都側が上告。
⑦2015年10月 東京地裁判決。岸田さんの停職処分・人事委修正裁決取消訴訟で原告勝訴。都教委が控訴し高裁で係争中。
⑧2015年10月 東京地裁判決 都立高校教員Oさん免職処分取消。都教委が控訴。
⑨2015年12月 東京高裁判決。東京「君が代」裁判三次訴訟。都教委敗訴(5名の減給・停職処分取消)について上告を断念。
⑩2015年12月 東京高裁再雇用拒否撤回二次訴訟判決 原告勝訴。都教委が上告受理申立。
⑪2016年 1月 東京高裁、都立高校教員Oさん免職事件執行停止決定。
⑫2016年 3月 都立高校教員Oさん免職事件控訴棄却 東京高裁判決。

これで、都教委は、自らが処分者として関わった教育裁判で12連敗!である。その内、7件が「日の丸・君が代」強制関係。その他が5件。その他の5件も、明らかに都教委の強権体質を表すものである。

これだけ多くの裁判を抱えるに至ったことだけでも都教委は恥とし反省しなければらない。さらに、12連敗とは、滅多にできる芸当ではない。前人未踏の金字塔というべきであろう。この不名誉な責任は、6名の教育委員にある。

「自分は職員の起案を了承しただけ」などという弁明はできない。そんな能なし委員は即刻退任してもらわねばならない。 教育委員にこそ、再研修が必要だ。

教育委員とは何者であるか。あるいは、あるべきか。地教行法第4条は、その資格要件をこう定めている。
4条1項「教育長は、当該地方公共団体の長の被選挙権を有する者で、人格が高潔で、教育行政に関し識見を有するもののうちから、地方公共団体の長が、議会の同意を得て、任命する。」
4条2項「委員は、当該地方公共団体の長の被選挙権を有する者で、人格が高潔で、教育、学術及び文化に関し識見を有するもののうちから、地方公共団体の長が、議会の同意を得て、任命する。」

法が想定する教育委員(長)像は、「人格が高潔で、教育行政に関し識見を有する」教育長と、「人格が高潔で、教育、学術及び文化に関し識見を有する」その他の教育委員である。12連敗の教育委員諸君。諸君は、自分の責任をどう自覚しているか。

本日は、東京「君が代」裁判の弁護団会議。原告を交えた雑談の中で乙武洋匡元教育委員の不倫不祥事が話題となった。いま、暴かれているこの人物の行状。この人が、ごく最近まで東京都教育委員の一人として、多忙な不倫生活の合間に、片手間仕事の教育委員としての務めに従事していたのだ。到底「人格が高潔」でもなく、「教育、学術及び文化に関し識見を有する」とも言えない。これでも、委員が「務まった」のだ。

処分を受けた教員のひとりが、「こんな人物に処分されていたんだね」と呟いた。私には、痛々しく聞こえた。本気で教育に取り組んでいる現場の教員にとっては、なんとも情けない思いなのだ。

次は、4月18日に都教委が被告となっている再雇用拒否撤回三次訴訟(東京地裁民事第11部)の判決が控えている。おそらくは、これが都教委13連敗の日となる。

裁判所に、「違法」「違法」と言われ続けているのだ。これだけ敗訴を重ねて、その体質を改善しようとしないのか。舛添知事よ。オリンピックにかまけていないで、なんとかしなければならない事態だと自覚していただきたい。
(2016年3月24日)

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